JP2005131728A - 総形回転切削工具 - Google Patents

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Satoru Kamata
知 鎌田
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Abstract

【課題】 所定の面精度を確保しつつ予備加工(粗加工)を行うことなく切削加工できる総形回転切削工具を提供する。
【解決手段】 外周切れ刃14には、目的形状と同じ基準形状部30と凹所32とが交互に設けられているとともに、その凹所32の両端部は、それぞれ凸円弧形状の連結部34、36を介して基準形状部30に滑らかに接続されているため、実質的に従来のラフィング切れ刃の凸部の頂きに目的形状の平坦部を設けたような形状となり、ラフィング切れ刃と同様に切削性能の向上効果が得られる。また、4枚の外周切れ刃14の位相が互いにP/4ずつずれているとともに、切削に関与する基準形状部30の長さ寸法LはP/4と略同じ寸法であるため、ラフィング切れ刃に近い切削性能を確保しつつ、基準形状部30の存在で加工面粗さが向上する。
【選択図】 図2

Description

本発明は回転切削工具に係り、特に、外周切れ刃の刃先径が軸方向において目的形状に応じて変化している総形回転切削工具の改良に関するものである。
軸方向において刃先径が目的形状に応じて変化している外周切れ刃を周方向に複数備えており、軸心まわりに回転駆動されつつ軸心と直角な方向へ移動させられることにより、その目的形状の切削加工、例えば溝加工などを行う総形回転切削工具が知られている。特許文献1、2に記載されている切削工具はその一例で、何れも外周切れ刃の径寸法が周期的に変化している波形状を成しており、重切削加工や高能率加工を行うことができる。図10の外周切れ刃100は、このような波形状の外周切れ刃の一例で、半径R1の凹円弧形状の凹所102と、半径R2の凸円弧形状の凸部104とが、互いの円弧が接する接点で滑らかに接線接続されるように交互に設けられている。なお、図10は、外周切れ刃100をすくい面側から見た図に相当し、上下方向が径方向である。
特開昭49−71583号公報 特開2003−165016号公報
しかしながら、このような波形状の外周切れ刃(ラフィング切れ刃)を有する総形回転切削工具においては、加工面粗さが損なわれるため、改めて仕上げ用の切削工具を用いて仕上げ切削を行う必要があり、加工コストが高くなる。一方、波形が無い目的形状のままの外周切れ刃の場合には、高い加工精度が得られるが、切り屑が分断され難いとともに切削抵抗が大きくなるため、上記波形状の外周切れ刃を有する切削工具により予備加工(粗加工)を行った後でないと、加工不能になったり加工能率が著しく低下したりする。また、目的形状の外周切れ刃に対して所定の間隔でニック(刻み目)を設ける技術も知られているが、ニックの両端は一般に角張っているため、必ずしも十分に満足できる面精度が得られないとともに、ラフィング切れ刃程の切削性能向上効果は期待できない。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、所定の面精度を確保しつつ予備加工を行うことなく切削加工できる総形回転切削工具を提供することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、軸方向において刃先径が目的形状に応じて変化している複数の外周切れ刃を周方向に複数備えており、軸心まわりに回転駆動されることによりその目的形状の切削加工を行う総形回転切削工具において、(a) 前記外周切れ刃には、前記目的形状を有する所定寸法Lの基準形状部と、その目的形状より小径となる凹円弧形状の凹所とが交互に設けられているとともに (b) その凹所の両端部は、それぞれ凸円弧形状の連結部を介して前記基準形状部に接続されており、且つ、(c) その凹所の両側の各連結部の凸円弧形状の半径R2、R3は、何れもその凹所の凹円弧形状の半径R1より小さいことを特徴とする。
第2発明は、第1発明の総形回転切削工具において、(a) 前記凹円弧形状の凹所と前記凸円弧形状の連結部とは、接線接続により滑らかに接続されているとともに、(b) その連結部と前記基準形状部とは接線接続により滑らかに接続されていることを特徴とする。
なお、上記接線接続とは、異なる2つの線の接線が一致する部分で滑らかに接続されるもので、両者が一点で接続される場合でも、共通接線上に位置する直線部を介して接続される場合でも良い。
第3発明は、第1発明または第2発明の何れかの総形回転切削工具において、(a) 前記複数の外周切れ刃は、前記連結部を含む前記凹所の長さ寸法と前記基準形状部の長さ寸法Lとを加算した1ピッチの寸法をP、その外周切れ刃の刃数をnとした時、P/nずつ位相がずれるように設けられており、(b) 前記基準形状部の長さ寸法Lは前記P/nと略同じかそれ以上であることを特徴とする。
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの総形回転切削工具において、(a) 前記外周切れ刃の最大外径D2に対して、前記凹所の凹円弧形状の半径R1は0.02D2〜0.1D2の範囲内で、(b) その凹所の両側の各連結部の凸円弧形状の半径R2、R3は、前記半径R1に対して何れも0.1R1〜0.7R1の範囲内であることを特徴とする。
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかの総形回転切削工具において、前記凹所の最大深さdは0.05〜1mmの範囲内であることを特徴とする。
このような総形回転切削工具においては、目的形状の基準形状部と凹円弧形状の凹所とが交互に設けられているとともに、その凹所の両端部は、それぞれ凸円弧形状の連結部を介して基準形状部に接続されているため、実質的に従来のラフィング切れ刃の凸部の頂きに目的形状の平坦部を設けたような形状となり、ラフィング切れ刃と同様に切削性能の向上効果が得られて、必ずしも予備加工を行うことなく切削加工を行うことができる一方、基準形状部の存在により加工面粗さが向上し、仕上げ加工が必ずしも必要でなくなる。特に、各連結部の凸円弧形状の半径R2、R3は凹所の半径R1より小さいため、基準形状部の長さ寸法Lを大きくして所定の加工面粗さを確保しつつ、基準形状部と凹所とを滑らかに連結できるとともに、大きな凹所を設けることが可能で切削抵抗が低減され、切削性能が向上する。
第2発明では、凹円弧形状の凹所と凸円弧形状の連結部の間、連結部と基準形状部との間が、何れも接線接続により滑らかに接続されているため、ニックのように角部によって面粗さが損なわれることがなく、加工面粗さが一層向上する。
第3発明は、複数の外周切れ刃の位相がP/nずつずれている場合で、切削に関与する基準形状部の長さ寸法LがP/nと略同じかそれ以上であるため、複数の外周切れ刃の基準形状部が1回転で軸方向において連続するようになり、基準形状部のみで目的形状の切削加工が行われて加工面粗さが一層向上する。
第4発明では、外周切れ刃の最大外径D2に対して、凹所の半径R1は0.02D2〜0.1D2の範囲内で、且つ、その凹所の両側の各連結部の半径R2、R3は、半径R1に対してそれぞれ0.1R1〜0.7R1の範囲内であるため、所定の加工面粗さが得られるように基準形状部の長さ寸法Lとして例えば第3発明のようにP/n以上を確保しつつ、大きな凹所が設けられて切削性能が向上する。
第5発明では、凹所の最大深さdが0.05〜1mmの範囲内であるため、切り屑が良好に分断されるとともに切削抵抗が低減されて切削性能が向上する。
本発明の総形回転切削工具は、軸心まわりに回転駆動されつつ軸心と交差する方向へ被削材に対して相対移動させられることにより、刃先の回転軌跡に対応する形状(目的形状)の溝加工や側面加工を行うが、特に軸心に対して直角な方向へ相対移動させられる場合に好適に適用される。
また、本発明の総形回転切削工具によれば、予備加工を行なうことなく切削加工することができるとともに、必ずしも仕上げ加工を行なう必要がないが、被削材などの加工条件によっては、従来のラフィング切れ刃を有する工具などを用いて予備加工を行なうこともできるし、要求精度(面粗さ)が高い場合には、本発明の総形回転切削工具による切削加工の後に、凹凸の無い仕上げ用の切れ刃を有する工具などを用いて仕上げ加工を行なうことも可能である。
外周切れ刃は少なくとも2枚以上備えておれば良く、3枚刃や4枚刃、或いは5枚刃以上であっても差し支えない。また、軸心と略平行な直刃であっても軸心に対してねじれたねじれ刃であっても良い。
凹所と連結部の間、連結部と基準形状部との間は、何れも第2発明のように接線接続により滑らかに接続することが望ましいが、僅かな角部(一対の接線の交差角度が小さい)が存在しても差し支えない。特に、凹所と連結部との境界(接続部)については、切削加工に直接関与しない場合には比較的大きな角部が存在しても良い。
連結部を含む凹所の長さ寸法と基準形状部の長さ寸法Lとを加算したピッチPは、例えば外周切れ刃の全長に亘って一定とされるが、径寸法の変化などに応じて変化させることも可能である。第3発明は、ピッチPが一定であることが望ましいが、例えば最大ピッチPmax や平均ピッチPavなどを用いて求めたP/nに基づいて基準形状部の長さ寸法Lを設定するようにしても良い。ピッチPは、例えば1.0〜5.0mmの範囲内で設定することが望ましい。
基準形状部の長さ寸法Lは、所定の加工性能を確保しつつ加工面粗さを向上させる上で例えばP/nと略同じ寸法に設定されるが、加工性能を重視するか加工面粗さを重視するかなどにより、P/n以上において適宜設定できる。
凹所の両側の各連結部の凸円弧形状の半径R2、R3は、例えば互いに同じ寸法とされるが、異なる寸法とすることも可能である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である総形回転切削工具10を説明する図で、(a) は先端の刃部を示す一部を切り欠いた正面図、(b) は(a) におけるB−B断面図、(c) は先端側から見た底面図である。この総形回転切削工具10は、軸心Sまわりに等角度間隔(90°間隔)で4本の切屑排出溝12が設けられているとともに、その切屑排出溝12に沿って4枚の外周切れ刃14、およびその外周切れ刃14に連続する底刃16が設けられている。外周切れ刃14は軸心Sと平行な直刃で、総形回転切削工具10は図示しないシャンク側から見て右まわりに回転駆動されることにより切削加工を行う。
図1の(a) は、軸心Sの左半分を断面で示した図で、両側の外形線は、外周切れ刃14の回転軌跡(本実施例では切れ刃形状と略一致)を表しており、軸心Sに対して直角な方向へ被削材に対して相対移動させられることにより、その回転軌跡と同じ目的形状の溝加工、或いは側面加工が施される。外周切れ刃14は、上記目的形状に応じて刃先径が変化させられており、刃先径が一定のストレート部18と、刃先径が連続的に増大して滑らかに外周側へ膨出させられた膨出部20とを備えているとともに、膨出部20は底刃16に滑らかに接続されている。本実施例では、上記ストレート部18の直径D1は約13mmで、膨出部20の最大外径D2は約20mmである。図3は、本実施例の総形回転切削工具10を軸心Sまわりに回転駆動しつつ、その軸心Sと直角な方向へ被削材40に対して相対移動させることにより溝42を切削加工した場合で、幅寸法W1、W2は上記径寸法D1、D2に対応してそれぞれ約13mm、約20mmである。
上記外周切れ刃14には、総形回転切削工具10を軸心Sまわりに回転させつつ研削砥石を接近させることにより、膨出部20を含めて周方向に逃げ面加工が施されており、1.0〜1.5mm幅のマージンを残して外周逃げ面24が形成されている。この外周逃げ面24の周方向の逃げ量は、回転角度θ=90°当たり1.7mm(1.7/90°)である。また、底刃16には、4°〜6°程度の逃げ角で底刃二番逃げ面26が設けられているとともに、その底刃二番逃げ面26に連続して11°〜13°程度の逃げ角で底刃三番逃げ面28が形成されている。
外周切れ刃14にはまた、図2(a) に示すように前記目的形状と一致する基準形状部30と、その目的形状より小径となる凹円弧形状の凹所32とが交互に設けられているとともに 凹所32の両端部は、それぞれ凸円弧形状の連結部34、36を介して基準形状部30に接続されている。凹所32と連結部34、36とは、それぞれの円弧が互いに接する一点において接線接続により滑らかに接続されており、連結部34、36と基準形状部30とは、同じく円弧と直線とが互いに接する一点において接線接続により滑らかに接続されている。また、基準形状部30の長さ寸法をL、連結部34、36を含む凹所32の長さ寸法と基準形状部30の長さ寸法Lとを加算した1ピッチの寸法をPとした場合、4枚の外周切れ刃14は図2の(b) に示すように互いにP/4ずつ位相がずれるように設けられているとともに、基準形状部30の長さ寸法LはP/4と略同じ寸法に設定されている。本実施例ではP≒1.2mmで、L≒0.3mmである。なお、図2の(a) は、外周切れ刃14をすくい面側から見た図に相当し、上下方向が径方向である。
ここで、上記ピッチPおよび基準形状部30の長さ寸法Lは、本実施例では前記軸心Sと平行な方向の長さで定められており、図2は目的形状すなわち基準形状部30が軸心Sと平行なストレート部18のものであるが、目的形状が軸心Sに対して傾斜している前記膨出部20では、軸心Sと平行な方向の寸法PおよびLに従って凹凸形状が定められる。なお、それ等のピッチPおよび長さ寸法Lを、目的形状に沿った方向の長さで設定するようにしても良い。
また、外周切れ刃14の最大外径D2に対して、凹所32の凹円弧形状の半径R1は0.02D2〜0.1D2(0.4mm〜2mm)の範囲内で、本実施例ではR1≒0.5mmとされている。凹所32の両側の各連結部34、36の凸円弧形状の半径R2、R3は互いに等しく、上記半径R1に対して0.1R1〜0.7R1(0.05mm〜0.35mm)の範囲内で、本実施例ではR2=R3≒0.3mmとされている。そして、この場合の凹所32の最大深さdは約0.14mmとなる。
このような本実施例の総形回転切削工具10においては、目的形状の基準形状部30と凹所32とが交互に設けられているとともに、その凹所32の両端部は、それぞれ凸円弧形状の連結部34、36を介して基準形状部30に接続されているため、実質的に従来のラフィング切れ刃の凸部の頂きに目的形状の平坦部を設けたような形状となり、ラフィング切れ刃と同様に切削性能の向上効果が得られて、必ずしも予備加工を行うことなく切削加工を行うことができる一方、基準形状部30の存在により加工面粗さが向上し、仕上げ加工が必ずしも必要でなくなる。
また、凹所32と連結部34、36との間、連結部34、36と基準形状部30との間は、何れも接線接続により滑らかに接続されているため、ニックのように角部によって面粗さが損なわれることがなく、加工面粗さが一層向上する。
また、凹所32の半径R1は0.02D2〜0.1D2の範囲内で約0.5mmとされ、且つ、その凹所32の両側の各連結部34、36の半径R2、R3は、半径R1に対してそれぞれ0.1R1〜0.7R1の範囲内で約0.3mmとされているため、所定の加工面粗さが得られるように基準形状部30の長さ寸法LとしてP/4=0.3mmを確保しつつ、大きな凹所32が設けられて切削抵抗が低減され、切削性能が向上する。
また、凹所32の最大深さdは0.05〜1mmの範囲内で約0.14mmであるため、その凹所32により切り屑が良好に分断されるとともに切削抵抗が低減されて切削性能が向上する。
また、4枚の外周切れ刃14の位相がP/4ずつずれているとともに、切削に関与する基準形状部30の長さ寸法LはP/4と略同じ寸法であるため、ラフィング切れ刃に近い切削性能を確保しつつ、基準形状部30の存在で加工面粗さを向上させることができる。特に、基準形状部30の長さ寸法LがP/4であるため、4枚の外周切れ刃14の基準形状部30が1回転で軸方向において連続するようになり、それ等の基準形状部30のみで目的形状の切削加工が行われて加工面粗さが一層向上する。
次に、図4に示す2種類の総形回転切削工具No1、No2を用いて切削加工を行い、加工面粗さや切削抵抗を調べた結果を説明する。
工具No1、No2は、何れも前記総形回転切削工具10と同様に直径D1≒13mmのストレート部18と最大外径D2≒20mmの膨出部20とを有する4枚刃の工具で、工具No1は、図10に示すように基準形状部30を備えていない従来のラフィング切れ刃を有する比較品であり、外周切れ刃100の凹凸形状のピッチP≒1.2mm、半径R1=R2≒0.5mm、凹所102の最大深さd≒0.2mmである。工具No2は本発明品で、前記総形回転切削工具10と同じものであり、外周切れ刃14の凹凸形状のピッチP≒1.2mm、基準形状部30の長さ寸法L≒0.3mm、半径R1≒0.5mm、R2=R3≒0.3mm、凹所32の最大深さd≒0.14mmである。
そして、以下の加工条件で切削加工を行なった。
使用機械:立型マシニングセンタ
切削油剤:水溶性切削油剤
被削材種:SNCM439
切削速度:300min-1(19.32 m/min )
送り速度:10〜30mm/min (0.033 〜0.1mm /rev )
加工深さ:aa=16.7mm
切削方法:溝切削
図5は、送り速度f=10、20、30mm/min について、JIS−B 0601(1994)の規定によりUp側およびDown側の加工面粗さRaおよびRyを調べた結果で、工具No2の本発明品は工具No1の従来品に比較して明らかに加工面粗さが向上しているとともに、送り速度fが小さい程顕著な差異が見られ、f=10mm/min では加工面粗さが1/2以下になる。また、図6は、切削抵抗(3分力)を調べた結果で、工具No2の本発明品は工具No1の従来品に比較して切削抵抗が大きくなるものの、その割合は7〜10%程度で、f=30mm/min でも切削加工を行なうことが可能であり、実用上満足できる加工性能が得られる。
また、図7に示す3種類の総形回転切削工具No1〜No3と、凹凸形状を備えていない仕上げ用の総形回転切削工具No4とを用いて切削加工を行い、加工面粗さを調べた。工具No1〜No4は、何れも前記直径D1≒12mmのストレート部18と最大外径D2≒16mmの膨出部20とを有する4枚刃の工具で、工具No1は、図10に示すように基準形状部30を備えていない従来のラフィング切れ刃を有する比較品であり、外周切れ刃100の凹凸形状のピッチP≒1.5mm、半径R1≒0.45mm、R2≒0.56mm、凹所102の最大深さd≒0.335mmである。工具No2は本発明品で、図8の(a) に示す外周切れ刃54を有するものであり、外周切れ刃14の凹凸形状のピッチP≒1.5mm、基準形状部30の長さ寸法L≒0.375mm、半径R1≒0.65mm、R2=R3≒0.45mm、凹所32の最大深さd≒0.10mmである。また、工具No3は本発明品で、図8の(b) に示す外周切れ刃56を有するものであり、その凹凸形状のピッチP≒1.5mm、基準形状部30の長さ寸法L≒0.75mm、半径R1≒0.65mm、R2=R3≒0.45mm、凹所32の最大深さd≒0.10mmである。
ここで、上記工具No2の外周切れ刃54は、図8の(a) から明らかなように、連結部34、36と基準形状部30とは、円弧と直線とが互いに接する一点において接線接続により滑らかに接続されているが、凹所32と連結部34、36とは、両円弧の接線が一致する部分で滑らかに接続されているものの、両者の接続点は互いに離間しており、それぞれ共通接線上に位置する直線部33、35を介して接続されている。また、工具No3の外周切れ刃56は、図8の(b) から明らかなように、連結部34、36と基準形状部30とは、円弧と直線とが互いに接する一点において接線接続により滑らかに接続されているが、凹所32と連結部34、36とは、両円弧が互いに交わる位置関係で設けられているとともに、凹所32を優先して凹凸形状が定められており、その凹所32と連結部34、36との境界部分にはそれぞれ所定の角部が存在する。
そして、上記工具No1〜No4を用いて、以下の加工条件で切削加工を行なった。
使用機械:立型マシニングセンタ
切削油剤:エアブロー
被削材種:S50C
切削速度:696min-1(35m/min )
送り速度:139mm /min (0.05mm/tooth )
切り込み量:aa=24mm、ar=0.32mm
図9は、JIS−B 0601(1994)の規定により加工面粗さRyを調べた結果で、工具No2およびNo3の本発明品は、工具No4の仕上げ用に比較すると加工面粗さが悪いものの、ラフィング切れ刃を有する従来品である工具No1と比較すると、仕上げ面粗さが40%以下まで向上しており、要求精度によっては仕上げ加工が不要となる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例である総形回転切削工具を説明する図で、(a) は先端の刃部を示す一部を切り欠いた正面図、(b) は(a) におけるB−B断面図、(c) は先端側から見た底面図である。 図1の総形回転切削工具の外周切れ刃を説明する図で、(a) は外周切れ刃の凹凸形状を具体的に示す図、(b) は複数の外周切れ刃の位相のずれを説明する図である。 図1の総形回転切削工具を用いて溝加工を行なった場合の溝形状を示す図である。 試験で使用した工具の外周切れ刃の凹凸形状を説明する図である。 図4の工具を用いて行なった試験結果(加工面粗さ)を説明する図である。 図4の工具を用いて行なった試験結果(切削抵抗)を説明する図である。 更に別の試験で使用した工具の外周切れ刃の凹凸形状を説明する図である。 図7の工具No2およびNo3の凹凸形状を具体的に示す図で、図2(a) に対応する図である。 図7の工具を用いて行なった試験結果(加工面粗さ)を説明する図である。 従来のラフィング切れ刃の一例を説明する図である。
符号の説明
10:総形回転切削工具 14、54、56:外周切れ刃 30:基準形状部 32:凹所 34、36:連結部 P:ピッチ L:基準形状部の長さ寸法 R1:凹所の半径 R2、R3:連結部の半径 D2:最大外径

Claims (5)

  1. 軸方向において刃先径が目的形状に応じて変化している複数の外周切れ刃を周方向に複数備えており、軸心まわりに回転駆動されることにより該目的形状の切削加工を行う総形回転切削工具において、
    前記外周切れ刃には、前記目的形状を有する所定寸法Lの基準形状部と、該目的形状より小径となる凹円弧形状の凹所とが交互に設けられているとともに、
    該凹所の両端部は、それぞれ凸円弧形状の連結部を介して前記基準形状部に接続されており、
    且つ、該凹所の両側の各連結部の凸円弧形状の半径R2、R3は、何れも該凹所の凹円弧形状の半径R1より小さい
    ことを特徴とする総形回転切削工具。
  2. 前記凹円弧形状の凹所と前記凸円弧形状の連結部とは、接線接続により滑らかに接続されているとともに、
    該連結部と前記基準形状部とは接線接続により滑らかに接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の総形回転切削工具。
  3. 前記複数の外周切れ刃は、前記連結部を含む前記凹所の長さ寸法と前記基準形状部の長さ寸法Lとを加算した1ピッチの寸法をP、該外周切れ刃の刃数をnとした時、P/nずつ位相がずれるように設けられており、
    前記基準形状部の長さ寸法Lは前記P/nと略同じかそれ以上である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の総形回転切削工具。
  4. 前記外周切れ刃の最大外径D2に対して、前記凹所の半径R1は0.02D2〜0.1D2の範囲内で、
    該凹所の両側の各連結部の半径R2、R3は、前記半径R1に対して何れも0.1R1〜0.7R1の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の総形回転切削工具。
  5. 前記凹所の最大深さdは0.05〜1mmの範囲内である
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の総形回転切削工具。
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