JPH0428261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自動車のシートを運転に適する位置に
移動して調整するシートアジヤスター装置に関す
る。

［従来の技術］ 自動車シートアジヤスター装置は従来実公昭57
−28672号公報、実公昭58−26187号公報等が存在
する。

［考案が解決しようとする問題点］ 前記アジヤスター装置は、乗員の高度な安全性
が要求されるのであるが、衝突等が発生するとロ
ツク体には過大な力が作用し、可動レールに軸カ
シメによつて枢支されたロツク体の前記枢支部が
破損するおそれがあり安全性の保障が得られな
い。そのため、これを防ぐために可動レールを肉
厚にしたり、更には多数の部材を用いて複雑な機
構を採用している。従つて前記のような構成から
重量が増大する不都合がある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は斯様な欠点を一掃するため、固定レー
ルと可動レールを備え、この一方には複数の係止
部を有し、他方には前記係止部に係止するロツク
体を設け、このロツク体は一方のレールに両端を
取付けた補強プレートとレールの間に挾持密接さ
せて挿込むと共に、補強プレートとロツク体を、
固定レール内壁直上の可動レールに設けた軸孔に
向けて打出し夫々に凹部と凸部を成形し、この凹
凸を嵌合させると共にロツク体の凸部をレールの
軸孔に嵌合して、凹凸部でロツク体の回転軸部を
構成したもので、構造の簡素化と軽量化及び軸部
の強度の向上を計つたシートアジヤスターとして
提供したものである。

［作用］ シートの位置を調整したい時にはロツク体に設
けた操作レバーを操作して凹凸部の嵌合組合せに
よる回転軸部を中心にしてロツク体に回転をあた
えると、固定レールに設けた係止部に係止したロ
ツク部は引張スプリングに抗して回動してロツク
は解除されると固定レールに沿つて摺動可能なシ
ートを有する可動レールは自由となつて選択した
位置に移動できるようになり、このように移動し
て位置が調整できた時に操作レバーを離すとロツ
ク体は引張スプリングの付勢によつてロツク部は
固定レールに設けた係止部に向けて係合係止する
ものである。

［実施例］ １は自動車の床側に固定された固定レールで、
一側面には長手方向に連続して形成した複数個の
係止孔２を穿つて設けてある。３はシートを固定
した可動レールで、前記固定レール１に沿つて摺
動可能にしてある。４はロツク体で、一端に延出
させた操作レバー５を設けると共に、他方側は下
向にＬ状に折曲げ、この折曲げた水平部４′には
打出片６と、一端に固定レール１の係止孔２のう
ち一つに係合して固定レール１と可動レール３を
ロツクするロツク部４を設けてある。

前記可動レール３上には、ロツク体４を挿込み
挾持密接できるロツク体４の厚さに応じた空間７
ができるように両端を屈折した補強プレート８の
前記両端屈折部を溶接等で一体的に設け、この補
強プレート８と可動レール３の間の前記空間７内
にロツク体４を挿込んで可動レール３と補強プレ
ート８により挾持密接させる。

また、可動レール３には、補強プレート８の中
間部の対向位置に軸孔９を設け、この軸孔９に向
けて補強プレート８及びロツク体４を打出して各
凸部１０，１１をロツク体４の凹部とレールの軸
孔９に嵌合組合せ、凸部１０，１１を中心にして
ロツク体４が回動できるようになつている。

この場合回転軸部の中心は固定レール１の内部
側壁体の直上に位置させると、回転中心とロツク
部の係止部が何れも壁体と同一直線上となつて強
度が得られ最も安全である。

前記ロツク体４には、可動レール３との間に折
出片６に一端を係止させた引張スプリング１２を
介在させ、ロツク体４のロツク部４ａを固定レー
ルの係止部２方向に付勢させてある。

［考案の効果］ 本考案は上述のように、係止部を設けたレール
と、このレールに摺動可能に摺嵌すると共に、前
記係止部に係合してロツクするロツク体を回動可
能に枢支して設けたレールからなるシートアジヤ
スター装置において、前記ロツク体は、一方のレ
ールに両端を一体的に取付けた補強プレートとレ
ール間の空間に挿込んで挾持密接させ、更に、こ
の補強プレートとロツク体を固定レール内壁に対
応するレールの軸孔に向けて打出し夫々に凹凸を
成形すると共に、この凹凸を嵌合し、しかも一方
ロツク体側凸部をレールの軸孔に嵌めて組合せ、
前記凹凸部でロツク体の回転軸部を構成したもの
であつて、一方のレール回転軸支部は補強プレー
トにより補強され、更にレールに加わる力は、補
強プレートとロツク体からの凹凸による嵌合組合
せと、ロツク体からの凸部の、レール軸孔嵌合組
合せによる凹凸部を回転軸とすることで分散され
るため、レールの肉厚は厚いものを用いなくても
よく、そのため軽量にできる。また、構造は簡素
にできる効果があり、回転中心の凹凸の他方のレ
ールの内側壁体の上部に位置させれば係止部と壁
体の同一線上となるため強度は増進できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る自動車シートアジヤスター
装置の一実施例を示したもので、第１図は側面
図、第２図は平面図、第３図は第１図−線の
断面図、第４図は回転部の拡大図である。 １……固定レール、２……係止部、３……可動
レール、４……ロツク体、４′……折曲げた水平
部、４ａ……ロツク部、５……操作レバー、６…
…折出片、７……空間、８……補強プレート、９
……軸孔、１０，１１……突子、１２……スプリ
ング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両の床側に固定された固定レールと、固定レ
   ールに沿つて可動する可動レールを備え、この何
   れか一方には複数の係止部を有し、他方には前記
   係止部に係止するロツク部を備えたロツク体を、
   軸により回動自在に枢支して設けてなるシートア
   ジヤスター装置において、前記ロツク体は、一方
   のレールに両端を一体的に取付けた補強プレート
   とレール間の空間に挿込んで挾持密着密着させ、
   更に補強プレートとロツク体を、固定レール内壁
   と対応する位置のレール軸孔に向けて打出し、
   夫々に凹凸を形成すると共に、この凹凸を嵌合
   し、しかも一方ロツク体の凸部をレール軸孔に嵌
   合組合せ、前記凹凸部でロツク体の回転軸部を構
   成した事を特徴とした自動車シートアジヤスター
   装置。