JPH0428226B2 - - Google Patents

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JPH0428226B2
JPH0428226B2 JP26648486A JP26648486A JPH0428226B2 JP H0428226 B2 JPH0428226 B2 JP H0428226B2 JP 26648486 A JP26648486 A JP 26648486A JP 26648486 A JP26648486 A JP 26648486A JP H0428226 B2 JPH0428226 B2 JP H0428226B2
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evoh
injection
neck
preform
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JP26648486A
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Haruyoshi Yasuzawa
Susumu Fukutome
Taichi Negi
Nobuo Tanaka
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication of JPS63120644A publication Critical patent/JPS63120644A/ja
Publication of JPH0428226B2 publication Critical patent/JPH0428226B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
A 産業上の利用分野 本発明は、ガス遮断性に優れ、外観良好な飲
料・食品・化粧品等の容器に用いられる合成樹脂
製の共射出中空成形多層容器、特に熱可塑性飽和
ポリエステル系樹脂(以下PESと略記する)を内
外層とし、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物系樹脂(以下EVOHの略記する)を中間層と
する少くとも3層構造を有する首部の透明性の改
良された共射出中空成形多層容器に関する。 B 従来の技術 従来、PES、特にポリエチレンテレフタレート
樹脂(以下PETと略記す)の延伸容器は、軽量
性、落下衝撃強度、破裂安全性等の利点により、
主として飲料、食品包装容器、ガラスびんに代つ
て市販されているが、酸素や炭酸ガス等のガス遮
断性に劣り、更にガス遮断性に優れたPET容器
が望まれている。そこでかかるPETとガス遮断
性に優れた樹脂を複合する技術が種々紹介されて
おり、例えば特開昭57−128516号公報及び特開昭
57−128520号公報によればPETとEVOHを共射
出して多層プリフオームを成形し、これを2軸延
伸中空成形して多層延伸容器を得る技術が開示さ
れている。 C 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の方法によればプリフオー
ム及び容器の首部が白濁し、外観良好なプリフオ
ーム及び容器を得ることができない問題点があつ
た。 D 問題点を解決するための手段 本発明はPESを内外層とし、エチレン含有量20
〜60モル%、酢酸ビニル成分のけん化度95%以上
のEVOHを中間層とする胴部肉薄部分が少くと
も3層構造を有する共射出共延伸中空成形多層容
器において、該容器の首部における最大厚さが2
〜4mmで、かつEVOH層の最大厚さがTが50〜
500μの範囲にあり、さらに、首部のEVOH層の
密度Y(g/cm3)が下記(1)式を満足することを特
徴とする共射出中空成形多層容器。 Y≦1.326−0.004X−7.5×10-6T ……(1) (ただし、Yは該容器の首部におけるEVOH層
の20℃における密度(g/cm3)、XはEVOHのエ
チレン含有量(モル%)を示す。) なお本発明において中空成形多層容器とはプリ
フオーム(パリソン)または該プリフオームを共
延伸して得た容器を意味する。 E 発明のより詳細な説明 前記問題点を解決するため、本発明者らは胴
部はプリフオームほ延伸工程で延伸され最終的に
は層の厚さが薄くなるが、首部は延伸されないの
でプリフオームの厚みのまま最終容器になるこ
と、首部は、ネジが切つてあるため厚みの変化
が大きくこのためプリフオーム成形時に中間層
EVOHの厚み斑が大きくなり、通常最大部で
1000〜1500μあること、EVOHはPESに比べ結
晶化速度が大きいため結晶化し易いこと、
EVOHは結晶化度が高いと不透明になること、
という知見をベースに種々検討を加えた。 そこで発明者等はまず、プリフオーム成形時に
金型温度を低くしてEVOHの結晶化を抑制しよ
うとしたが、首部の厚さは最大2〜4mmあり、
PETで挟持されたEVOH層は、金属よりずつと
熱伝導度の低いPET層を介して冷却しなければ
ならないため、冷却速度に限界があり、完全に白
濁を防止することができなかつた。また白濁を防
ぐ為、EVOH層を首部から除外する方法も提案
されている(特開昭57−128516号)が、現状の商
業的生産においては、首部と下部との境界におけ
るEVOH層上端の水平度のばらつきを低く抑え
ることは甚だ困難な為、製品収率が著しく低下し
てしまうという重大な欠点を有することがわかつ
た。しかし更に鋭意検討を進めた結果、意外にも
EVOH層を首部から除外しなくともEVOH層の
最大厚さと密度をある範囲内に制御することによ
り白濁を防止できることを見出すに至つた。即ち
たとえば、共延伸後の中空容器の胴部のEVOH
肉厚を20〜40μの所定の値になるようにプリフオ
ームの共射出を行うと、通常は面積延伸倍率は10
倍位であるからプリフオーム中のEVOH厚みは
200〜400μになる。従つて首部におけるEVOH層
の厚みも200〜400μの均一厚みになると信じられ
ていた。ところが前述の如く金型冷却を強化して
もプリフオーム首部の白濁を防止できないことか
ら検討を進めるうち、通常は第5図に例示するよ
うにEVOHが部分的に厚くなつている所があり、
この厚さが1000〜1500μもあることがわかつた。
そこでこのようなプリフオーム首部のEVOH層
の最大厚みを50〜500μになるようにプリフオー
ムを作り、これを共延伸ブローして共延伸中空容
器を作製したところ、EVOH層の密度がある条
件を満たすとき首部は白濁しないことを見出し本
発明に至つた。 本発明を図面により説明すると、第1図は本発
明の多層プリフオームの断面図の例および第2図
は第1図の多層プリフオームを二軸共延伸ブロー
成形により得た容器の断面図の例である。本発明
において首部とはつば部3より上部の1の部分
(ネジ部)であり、またつば部とはネジ部下端に
あつて容器のキヤツプに接する凸起した部分を指
す。この首部分は、EVOHからなる中間層と
PESからなる内外層からなるが、EVOH層はネ
ジ部の最上部までは達せずPES層で端部が遮断さ
れている。また、2は胴部薄肉部部分でありその
薄肉部分はEVOHからなる中間層4とPESから
なる内外層5,6とからなつている(但し後述の
ようにEVOHとPESの間に接着性樹脂が介在す
る場合もある)。第5〜6図はプリフオーム首部
断面の拡大図で第5図はEVOH層が部分的に厚
くなつている悪い例で、第6図は本発明による例
でEVOH層の厚みがほぼ均一になつている。 次に本発明の多層プリフオームの製造方法を述
べる。典型的には、複数台の射出シリンダーを有
する成形機を用い、単一の金型(多数個どりの金
型も含む)に1回の型締め操作で、まず溶融した
PESを多数ホツトランナーノズルより金型ゲート
を通してプリフオームのキヤビテイに1部射出
(これをPESの1次射出という)した後、溶融し
たEVOHを多層ホツトランナーノズルより、前
記金型ゲートを通して同心円状に射出する。PES
は溶融EVOHが射出開始される時点でEVOHの
流入を容易にするため、短時間(通常0.05〜0.3
秒間、好ましくは0.1〜0.2秒間、これをPESの射
出一時停止時間と呼ぶことにする)射出を一時停
止した後、直ちに射出を再開する(これをPESの
2次射出という)。EVOHは連続的に射出を続け
る。次いでEVOHの射出を停止した後、少し遅
れてPESの射出を停止し、プリフオーム金型内に
樹脂を満たすことにより、EVOH層をPES層で
完全に包み込み、PESの表層とEVOHの中間層
を有する多層プリフオームを成形することができ
る。 本発明の目的である首部の透明性の改良された
プリフオーム及び延伸中空多層容器を作るために
は、上記工程においてPESの射出速度、射出圧
力、射出量、およびEVOHの射出タイミング、
射出速度、射出圧力、射出量を精密に制御して金
型に応じて適当な条件を選択することが好適であ
る。このため成形機としては、射出プロセスコン
トロール装置付共射出成形機が好都合である。原
則としては、第1に樹脂がプリフオーム金型首部
へ流入する時のEVOHの金型充填先速度/PET
の金型充填先端速度の比が0.7〜1.1、好ましくは
0.8〜1.0の範囲になるように射出速度を制御する
ことにより、首部へのEVOH層の集中に基づく
局部的過厚化を防ぐことができる。該速度の比が
0.7以下では、EVOHが首部まで到達せず、この
ため外観及びガスバリアー性が悪くなり、1.1以
上では、EVOHが首部で局部的集中を生じて厚
みが過大になり易い。EVOHとPETの充填速度
の比は、着色したEVOH原料樹脂を用い、成型
途中で少しづつ時間を変えて射出成型を中止して
プリフオームの中間工程サンプルを採取し、断面
の分析からEVOH層とPETのプリフオーム首部
充填速度を測定することで実測できる。第2に
EVOHの射出容量は必要最小限(胴部所要厚み
により変る)に絞ることが好適である。 具体的な射出成形条件は射出成形機の容量、金
型の容量と型の数(何個取りか)及び形状、ホツ
トランナーブロツク、ホツトランナーノズルの形
状、射出コントロールの形式等で変るので一概に
規定することは不可能であるが、上記した原則を
適用すれば自づから条件が設定できるものであ
る。本発明の要点は首部のEVOH層の最大厚さ
が50〜500μであり、そのEVOH層の密度が上記
(1)式を満足するようなプリフオームを作り、これ
を延伸ブロー成形して延伸中空容器を得ることに
ある。 肩部、胴部、底部等、首部を除いた他の部分の
EVOH層の厚さは用途に応じて必要なガス遮断
性を満足するように設定することが必要である。
プリフオーム首部のEVOH層の最大厚さが50〜
500μの場合、密度が上記の(1)式を満足する時は
首部の白濁が目立たないが、密度が(1)式を満足し
ないときは白濁により外観を損う。一方厚さが
500μを越えると、バリヤー性への寄与が小さい
部分のEVOHの量が増えるので経済上不利とな
り、又透明性も低下し望ましくない。一方プリフ
オーム首部のEVOH層の厚さを50μ未満とするこ
とは、第3図に示すとおり、製品の首部円周方向
のEVOH層の厚みのばらつきを考えると首部よ
り下の方までEVOH層が入らない部分を生じ易
く、この場合、容器のガス遮断性と外観を損うの
で好ましくない。好ましいEVOH層の最大厚さ
は150〜400μである。 プリフオーム首部の総厚さは首部で最大2〜4
mm、好ましくは2.5〜3.5mmである。2mm未満では
最終製品での強度が不足し4mmを越えると成形時
に急冷し難くなり透明性が不良になり易く且つ経
済的にも不利となる。 また多層プリフオームの共射出成形工程でもう
一つ重要な点は首部金型(コア及びキヤビテイ)
温度を1/4(Tm−150)℃〜1/4(Tm−40)℃よ
り好ましくは1/4(Tm−140)℃〜1/4(Tm−
50)℃に保つことである。これは溶融EVOH層
をできるだけ急冷することにより、結晶化を防止
して透明性を保つためである。1/4(Tm−150)
℃未満ではガスバリヤー性が不良となり、また1/
4(Tm−40)℃を越えると首部の透明性が保て
ない。なおここでTmは該エチレン−酢酸ビニル
共重合体けん化物の融点で示差走差熱量計
(DSC)によりN2中昇温速度10℃/分で測定した
融点(最大吸熱量を示す温度)を示す。またキヤ
ビテイ温度のコア温度は同一であつても異なつて
いても良い。 上記(1)式は、上記金計の温度、容器の首部の最
大厚さ、EVOH層の最大厚さなどにより決めら
れるが、上記(1)式は重要な意味をもつもので、こ
の式を満足しない場合は、後述する比較例からも
明らかなように、透明な容器を得ることができな
い。 なお、上記(1)式はEVOHのエチレン含量量
(モル%)Xが大きくなればなるほど密度(g/
cm3)Yは小さくなり、またEVOH層の最大厚さ
(μ)Tが大きくなればなるほど密度(g/cm3
Yを小さくする必要があることを意味している。
また密度(g/cm3)Yは結晶化度により影響を受
けるので、上記したとおり金型温度を低く保ち、
溶融EVOH層を急冷することにより、密度を低
くすることができる。さらに上記(1)式は、
EVOH層の最大厚さT、EVOH層の密度Yおよ
びEVOHのエチレン含量量Xを種々変えて実験
を行ない、その結果を基礎にして求めた実験式で
ある。 次にこのプリフオームを二軸共延伸ブロー成形
して、中空容器を作る工程について簡単に説明す
る。 プリフオームの延伸温度は75℃以上150℃以下
の温度範囲から選択する必要がある。この温度の
範囲外でな、延伸不能であつたり、外観、物性を
損つたりする。 延伸倍率は、軸方向及び周方向にそれぞれ1.5
倍以上7倍以下の範囲、好ましくは2.0倍以上5
倍以下の範囲が良い。かかる延伸倍率が1.5倍未
満では、落下強度、衝撃強度、ガス遮断性が不十
分なものとなり、また7倍を越えるとEVOHに
厚み斑を生じ、また亀裂を生じるなどして好まし
くない。 本発明において、プリフオームを従来技術を用
いて二軸延伸した共延伸中空成形多層容器の胴部
薄肉部分のEVOHの厚み(EVOHが複数層の場
合はその合計の厚さ)は、2〜100μ、好ましく
は5〜50μが良い。 EVOHの厚さが2μ未満の場合、ガス遮断性に
おいて不満足であるし、100μを越えると延伸性
に劣る。また本発明は、必要に応じて接着性樹脂
を用いるものであるが、一つの接着性樹脂の厚さ
は、容器の胴部薄肉部分において、2〜100μが
好ましい。接着性樹脂層の厚さが2μ以下では、
接着効果が少なく、また100μを越えると経済性、
耐クリープ性に劣る。延伸中空成形多層容器の総
厚は、首部ではプリフオームと変らず最大2〜4
mm、好ましくは2.5〜3.5mmである。2mm未満では
強度が不足し、4mmを越えるとプリフオーム成形
時に急冷し難くなり透明性が不良になり易く且つ
経済的にも不利となる。また、胴部薄肉部分にお
いては、100μ〜3mmで用いるのが好ましく、こ
の範囲内で用途に応じて使い分ければ良いが、通
常200μ〜1mm程度で用いるのが容器の実用強度
と経済性のバランスで一層望ましい。 本発明における熱可塑性飽和ポリエステル
(PES)系樹脂としては芳香族ジカルボン酸また
はこれらのアルキルエステルとグリコールを主成
分とする縮合重合体が用いられるが、特に本発明
の目的を達成するには、エチレン−テレフタレー
トを主体とするPESが好ましい。そして加工性、
強度を大幅に損わない範囲で共重合成分として、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、または、これらのアルキルエ
ステル誘導体などのジカルボン酸成分やプロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコー
ル、ビスフエノールA、ジエチレングリコールな
どのグリコール成分を共重合せしめた共重合体を
用いることも可能である。 好ましくは、エチレン−テレフタレート単位を
80モル%以上含有するポリエチレンテレフタレー
ト系熱可塑性ポリエステルであり、最も好適な例
としては、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、1,4−シクロヘキサンジメータノー
ルまたはジエチレングリコールを全グリコール成
分100モル%当り、0.5〜20モル%共重合せしめた
PESあるいはイソフタル酸やアジピン酸を全ジカ
ルボン酸成分100モル%当り、1〜20モル%共重
合せしめたPESなどが挙げられる。 また本発明で用いられるPES(PETを含む)と
してはフエノール50重量%とテトラクロルエタン
50重量%の混合溶剤に溶解し、温度30℃において
測定した固有粘度〔η〕(単位dl/g)が0.5以
上、1.5以下、好ましくは0.6以上、1.0以下のもの
が良い。 〔η〕が0.5未満のPESは、落下強度、耐衝撃
性に劣り、また〔η〕が1.5を越えるPESは、特
殊な重合装置、重合条件を必要とするため、生産
性、経済性に劣るのみならず、成型時、成型機内
に滞留しやすくゲルやフイシユ・アイを生じるの
で好ましくない。 更に、〔η〕が0.5未満のPES、あるいは〔η〕
が1.5を越えるPESは、EVOHの複合した場合の
共射出成型性、共押出成型性に劣るのみならず共
延伸成型性にも劣り、しかも外観の良好なものが
得難い。 本発明に用いられるEVOH樹脂は、エチレン
含量20〜60モル%の範囲が良く、好ましくは25〜
55モル%である。 エチレン単位の含有率が20モル%未満の場合に
は融点と分解点が接近し、熱安定性、溶融成型性
に劣りまた耐水・耐湿性が低下し、高湿時のガス
遮断性に劣る。 またエチレン単位の含有率が60モル%を越える
と溶融成型性、耐水・耐湿性は改善されるもの
の、低湿時のガス遮断性に劣り、また耐熱性も損
われ好ましくない。該EVOHのけん化度は95モ
ル%以上が良く、好ましくは98モル%以上、一層
好ましくは99モル%以上が良い。 かかるけん化度が99モル%未満では、熱安定性
に劣り、溶融成型時に着色し、ゲルやフイシユ・
アイを生じやすく、耐水・耐湿性に劣り、また高
湿時はもとより低湿時のガス遮断性も低下する。
また本発明にいうEVOHは、本発明の目的が阻
害されない範囲内で、他の共重合モノマーで変性
されていてもよい。かかる変性用モノマーとして
は、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4
−メチル−1−ペンテン、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、高級脂肪酸ビニルエステル、アルキ
ルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエ
チル)メタクリルアミド類、あるいはその4級化
物、N−ビニルイミダゾール、あるいはその4級
化物、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメト
キシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン等を
例示することができる。 本発明にかかるEVOHは、JIS K6760に記載す
る方法で、温度210℃、荷重2160gの条件で測定
したメルトフローレート(MFR)が0.3〜50g/
10分のもの、好適には0.5〜30g/10分、特に1.0
〜20g/10分のものが好ましい。 かかるMFRが0.3g/10分未満であると溶融成
形時の流動特性に劣り、押出負荷、射出負荷の増
大を来し、高速連続運転性に支障を来し、溶融成
形時にゲルやフイシユ・アイを発生しやすくなり
好ましくない。 またMFRが50g/10分を越えて大きくなると
成形した容器の落下強度、衝撃強度に劣り、また
安定した押出成形、射出成形が困難になる。 更に、MFRが0.3g/10分未満あるいは50g/
10分を越えたEVOHを用いた場合には、本発明
にかかるPESと組み合せた場合の共射出成形性、
共押出成形性並びに共延伸成形性に劣り、容器外
観の良好なものが安定して得られないという不都
合を生ずる。 MFRが0.5g/10分未満あるいは30g/10分を
越えると多層射出成形したプリフオームの
EVOHの軸方向への厚み分布が不均一となる。 すなわちMFRが0.5g/10分未満の場合にはプ
リフオームキヤビテイ内のゲートに近い位置の
EVOHの厚みが極端に厚くなり、ゲートから離
れた位置のEVOHの厚みが極端に薄くなる傾向
があり、また30g/10分を越える場合には、逆に
プリフオームキヤビテイ内のゲートに近い位置の
EVOHの厚みが極端に薄くなり、ゲートから離
れた位置のEVOHの厚みが、極端に厚くなる傾
向がある。 すなわち、MFRの小さすぎるEVOHを用いた
場合には、かかるEVOHがプリフオームキヤビ
テイ内のゲート近くに集まりやすく、逆にMFR
の大きすぎるEVOHを用いた場合には、EVOH
がゲートから離れた位置に集まりやすくなるとい
う問題点を生じ、いずれの場合も多層射出プリフ
オーム中のEVOHの軸方向に厚み斑は大きくな
り、このような多層射出プリフオームを延伸中空
成型しても、厚みが均一で、かつ外観良好な延伸
中空成型多層容器は得られないのである。 本発明はPESとEVOHを多層状に共射出成形
して、多層プリフオームを作つたのち、共延伸中
空成形するものであるが、その場合の層構成は一
般にPES/EVOH/PES、あるいはPES/
EVOH/PES/EVOH/PESの如く、EVOH層
をPES層で挟持するのが、共射出多層プリフオー
ムの成形の容易性及びガス遮断材であるEVOH
の保護の点で好ましい。 本発明では、EVOH層とPES層の間に、接着
性樹脂を設けても良く、その場合には、例えば
PES/接着性樹脂/EVOH/接着性樹脂/PES
の如く多層状に射出成型すれば良いが、かかる接
着性樹脂は、一般に高価であり、しかもプリフオ
ーム成型機が複雑となり、操作も煩雑になるなど
の不都合がある一方、充分な層間接着力が得られ
るので、絞り出し式ボトルのように繰り返し外力
を受ける容器等には好ましい。 かかる接着性樹脂としては、たとえばカルボキ
シル基変性ポリオレフイン、カルボキシル基変性
エチレン−アクリル酸エチル共重合体、カルボキ
シル基変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性
スチレン−ブタジエン共重合体ラテツクス、ポリ
アクリレート、ポリエレタン、さらには特開昭59
−115327号に記載のアルミニウム元素およびモノ
カルボン酸の結合したポリエステルを用いること
ができる。なおここでカルボキシル変性とは不飽
和カルボン酸またはその無水物(例無水マレイン
酸、アクリル酸)で変性したことを意味する。 本発明にかかるPES、EVOH及び接着性樹脂
には、その特性を著しく損わない範囲で顔料、染
料等の着色剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱安
定剤などの添加剤を加えることも他の熱可塑性樹
脂をブレンドすることも良い。 本発明にかかる多層延伸中空成型容器は、酸素
や炭酸ガス等のガス遮断性に優れ、また保香性、
透明性、外観、強度に優れているので、炭酸飲
料、果汁、乳酸飲料、茶、コーヒー、ビール等の
飲料用容器として、またケチヤツプ、マヨネー
ズ、食用油、ドレツシング等の食品用容器とし
て、更に洗剤、シヤンプー、化粧品、農薬、医薬
品等の容器として有用である。 以下、実施例を挙げて説明する。 F 実施例 実施例 1 熱可塑性飽和ポリエステル樹脂として固有粘度
0.73のポリエチレンテレフタレート(PET)を使
用し、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
(EVOH)として、エチレン含有量45モル%、け
ん化度99.5%、MFR8g/10分(温度210℃、荷
重2160g)の樹脂を用い、2シリンダー型共射出
成形機(金型2ケ取り)を用いて、首部内径12
mm、全長95mmの多層プリフオームを共射出成形し
た。 PET側シリンダーの内径は38mm、EVOH側シ
リンダーの内径は16mmで、可塑化された樹脂は
別々の射出シリンダーからスプルーを介してA、
B別々のホツトランナーを通り、ホツトランナー
ノズルの先端部で同心円の円柱状に合流してプリ
フオーム金型へ流入するようになつている。また
射出成型機は同心円の内側をPETが通り、外側
をEVOHが通るようになつていてオープンルー
プ式射出プロセスコントロール装置が付いてお
り、射出速度と射出圧力を3段階に制御できるよ
うになつている。原料樹脂、射出成形条件を第1
表に示した。第3表の射出コントローラー設定値
の欄における射出速度V1、V2、V3は3段階の速
度が設定可能で、これを設定値でなく実測値で示
し、その下欄にV1、V2、V3で動いた対応する範
囲がスクリユー位置(最前進位置を0とした)に
より示されている。射出圧力については射出時の
油圧(ゲージ圧)でP1、P2、P3の3段階の実測
値が示され、下欄にP1に対応するスクリユー位
置による範囲の表示と、P2、P3に対応する作動
範囲はスクリユー位置ではなく、作動時間で示さ
れている。 以下第2〜3表の数値で順を追つて説明する。 温度設定 (1) PETはホツパー側(後部)250℃、中部270
℃、前部270℃に設定された射出シリンダーA
から射出されスプルーを介して260℃に保たれ
たホツトランナーブロツク中を通り250℃の2
重円筒状ホツトランナーノズルの内側を通り、
12℃に冷却されているプリフオーム金型のコア
とキヤビテイの間に金型ゲートから射出充填さ
れるようにした。 (2) EVOHはホツパー側(後部)225℃、前部
225℃に設定された射出シリンダーB(2点コン
トロールしている)から射出されスプルーを介
して240℃に設定されたホツトランナーブロツ
ク中を通り、250℃の2重円筒状ホツトランナ
ーノズルの外側を通り上記と同じ金型に射出充
填されるようにした。 射出の作動条件 (1) タイマー設定 (射出+保圧)時間…PETの1次射出開始
から、PETの2次射出完了を経て保圧(射出
圧が保たれている時間)が完了するまでの時間
で8.5秒に設定した。 冷却時間…保圧完了から金型が開くまでのプ
リフオーム冷却時間を6秒に設定した。 B射出遅延時間…PETの一次射出開始から
PETの一次射出完了(同時にEVOHが単独射
出を開始する)までの時間で1.2秒に設定した。 A射出一時停止時間…PETの1次射出完了
後、EVOHの射出を開始し、PETの2次射出
開始までPETの射出を一時停止する時間を0.1
秒に設定した。 (2) 射出コントローラー設定 A射出容量…A射出開始の前にスクリユーが
回転しつつ後退してスクリユー先端に、可塑化
した樹脂を一定量ストツクするようになつてい
る。この量はスクリユーの後退位置で制御する
ようになつており、スクリユー最前進位置を0
として35.6mmまで後退するように設定した。こ
れを樹脂量に換算すると40.4mlになる。 B射出容量…同様にBについてはスクリユー
後退位置25mm、樹脂量5.0mlに設定した。 Aの射出速度…スクリユーの前進速度を3段
階(V1−V2−V3)に設定できるのでV1=20
mm/sec、V2=15mm/sec、V3=15mm/sec(実
測)となるように設定した。(この場合V1
PETの1次射出速度になつている)そして作
動範囲を下欄(スクリユー範囲)に示した通り
V1はスクリユー位置が35.6mmから16mmに前進す
るまでの間、V2はスクリユー位置16mmから8
mmに前進するまでの間、V3はスクリユー位置
9mmから0mmまでの間(この場合、V2=V3
ので、スクリユー位置16mmから0mmまで同速)
の射出速度に対応するように切換ポイントを設
定した。この場合V1とV2の間に0.1秒の1時停
止時間が入るようになつている。 Bの射出速度…EVOHの射出速度をV1=30
mm/sec(スクリユー位置25mmから16mmまでの範
囲)、V2=30mm/sec(スクリユー位置16mmから
8mmまでの範囲)、V3=15mm/sec(スクリユー
位置8mmから0mmまでの範囲)と設定した。 Aの射出圧力…射出圧力を3段階に設定でき
るのでP1=120Kg/cm2G(ゲージ圧)、P2=50
Kg/cm2G、P3=45Kg/cm2Gに設定した。この
場合、P1は切換ポイントがスクリユー位置で
表示されている。即ち35.6mmから3mmまでの間
である。しかしP2とP3については、装置が時
間単位で設定するようになつているので、その
値を表中に示した。それぞれ2.5秒の3.5秒であ
つた。 Bの射出圧力…Aと同様の表し方になつてお
りP1=120Kg/cm2G、P2=80Kg/cm2G、P3=60
Kg/cm2G、P1はスクリユー位置25mmから5mm
までの間、P2、P3はその後それぞれ1.5秒、4.5
秒間作動するようにした。 A、B共射出圧力については、あくまで設定値
である。このような条件で作つたプリフオームの
中間工程サンプルを採取し、その首部断面を調べ
て首部金型充填速度の比A/Bを求めたところ、
1.0であつた。首部の透明性は良好でEVOHの最
大厚みは370μで、ほぼ均一な厚さであつた(第
1表)。このプリフオームを用いて通常の二軸延
伸ブロー成形機を使用し、面積延伸倍率10.2倍
(軸方向3.0倍、同方向3.4倍)で二軸共延伸し内
容積700ml、胴部の平均厚さ300μ、そのうち
EVOH層の平均厚さ20μの中空成形容器(ボト
ル)を得た。この際首部は把持したので延伸され
ず、形状、透明性はプリフオームの時と変らず、
ボトルのガスバリアー性は優れていた。実施例1
から得られたプリフオームの断面図を第1図に、
第1図のB部の拡大断面図を第6図に示し、さら
にこのプリフオームを二軸延伸ブローして得たボ
トルの断面図を第2図に示す。 比較例 1 実施例1と同じ装置を用いてPET単層の中空
容器を作つた。詳細を第1〜3表に示した。単層
の場合、首部を含む各部の透明性は極めて良好だ
つたが炭酸ガスバリアー性は実施例1の約1/3で
あつた。 比較例 2 プリフオーム金型コア及びキヤビテイ温度を40
℃とした他は実施例1と全く同じ装置及び条件
で、PETとEVOHの多層中空容器を作つた。そ
の結果、首部EVOH層厚さは、実施例1の同じ
く最大370μであつたが、EVOHの密度が1.144ま
で増加した結果、首部の透明性が低下し白つぽく
不透明化していた。 実施例2〜4、比較例3〜7 実施例1と同じ装置を用いて原料EVOH、プ
リフオーム金型キヤビテイ及びコア温度、A
(PET)、B(EVOH)の射出速度を変化させてプ
リフオーム及びボトルを作つた。結果を第1〜3
表に示した。首部EVOHの厚みに関係する要因
であるプリフオーム首部金型充填速度の比A/B
はPETの2次射出速度を主として変えることに
より(実施例2〜4、比較例3〜6)、または
EVOHの射出速度を変えること(比較例7)に
より変化させた。首部EVOHの厚みと、密度、
透明性の関係は第1表に示す結果となつた。比較
例3で得られたプリフオームの断面図を第4図
に、第4図のA部の拡大断面図を第5図に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 G 発明の効果 本発明によれば首部に白濁のみられない外観の
良好な中空成形多層容器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得た多層プリフオームの断
面図及び第2図は第1図の多層プリフオームを二
軸共延伸ブローして得た中空成形容器の断面図、
第3図はEVOH層が首下で1部欠落している好
ましくないプリフオームの断面図、第4図は比較
例3で得た首部のEVOH層の最大厚みが500μを
越えて不透明層となつているプリフオームの断面
図、第5図は第4図A部の拡大断面図、第6図は
第1図のB部のプリフオームの拡大断面図であ
る。 1:首部、2:胴部、3:つば部、4:
EVOH層、5,6:PET層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性飽和ポリエステル系樹脂層を内外層
    とし、エチレン含有量20〜60モル%、酢酸ビニル
    成分のけん化度95%以上のエチレン−酢酸ビニル
    共重合体けん化物系樹脂を中間層とする少なくと
    も3層構造を有する共射出中空成形多層容器にお
    いて、該容器の首部における最大厚さが2〜4mm
    で、かつ該エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
    物系樹脂層の最大厚さTが50〜500μの範囲にあ
    り、さらに首部の該エチレン−酢酸ビニル共重合
    体けん化物系樹脂層の密度Y(g/cm3)が、下記
    (1)式を満足することを特徴とする共射出中空成形
    多層容器。 Y≦1.326−0.004X−7.5×10-6T ……(1) (但し、Yは該容器の首部におけるエチレン−酢
    酸ビニル共重合体けん化物系樹脂層の20℃におけ
    る密度(g/cm3)、Xは該樹脂のエチレン含有量
    (モル%)を示す。) 2 首部のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
    物系樹脂層の最大厚さが150〜400μの範囲にある
    特許請求の範囲第1項記載の共射出中空成形多層
    容器。 3 熱可塑性飽和ポリエステル系樹脂層とエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体けん化物系樹脂層の間
    に、接着性樹脂層を設けることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の共射出中空成形多層容
    器。
JP26648486A 1986-11-07 1986-11-07 共射出中空成形多層容器 Granted JPS63120644A (ja)

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