JPH04279669A - フェニレンジアミン系化合物およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

フェニレンジアミン系化合物およびそれを用いた電子写真感光体

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JPH04279669A
JPH04279669A JP4027091A JP4027091A JPH04279669A JP H04279669 A JPH04279669 A JP H04279669A JP 4027091 A JP4027091 A JP 4027091A JP 4027091 A JP4027091 A JP 4027091A JP H04279669 A JPH04279669 A JP H04279669A
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compound
phenylenediamine
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Application number
JP4027091A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Iwasaki
岩崎 宏昭
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体におけ
る電荷輸送材料として好適なフェニレンジアミン系化合
物およびそれを用いた電子写真感光体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機などの画像形成装置におけ
る電子写真感光体として、加工性および経済性に優れ、
機能設計の自由度が大きい有機電子写真感光体が広く使
用されている。また、電子写真感光体を用いて複写画像
を形成する場合には、カールソンプロセスが広く利用さ
れている。カールソンプロセスは、コロナ放電により電
子写真感光体を均一に帯電させる帯電工程と、帯電した
電子写真感光体に原稿像を露光し、原稿像に対応した静
電潜像を形成する露光工程と、静電潜像をトナーを含有
する現像剤で現像し、トナー像を形成する現像工程と、
トナー像を紙等に転写する転写工程と、転写されたトナ
ー像を定着させる定着工程と、転写工程後、電子写真感
光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程と
を含んでいる。このカールソンプロセスにおいて、高品
質の画像を形成するには、電子写真感光体が帯電特性お
よび感光特性に優れており、かつ露光後の残留電位が低
いことが要求される。
【0003】従来より、セレンや硫化カドミウム等の無
機光導電体が電子写真感光体材料として公知であるが、
これらは毒性があり、しかも生産コストが高いという欠
点がある。そこで、これらの無機物質に代えて、種々の
有機物質を用いた、いわゆる有機電子写真感光体が提案
されている。かかる有機電子写真感光体は、露光により
電荷を発生する電荷発生材料と、発生した電荷を輸送す
る機能を有する電荷輸送材料とからなる感光層を有する
【0004】かかる有機電子写真感光体に望まれる各種
の条件を満足させるためには、これらの電荷発生材料と
電荷輸送材料との選択を適切に行う必要がある。電荷輸
送材料としては、ポリビニルカルバゾール、オキサジア
ゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化
合物等の種々の有機化合物が提案され、また商品化され
ており、例えば特開昭54−59143号公報や特開平
2−210451号公報に開示のヒドラゾン系化合物が
知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記電
荷輸送材料は、電荷輸送能を示すドリフト移動度が比較
的小さい。また、ドリフト移動度の電界強度依存性が大
きいために、低電界での電荷の移動が少なく、残留電位
が抜け難いという問題がある。さらに、紫外線の照射に
より劣化し易いという問題もある。
【0006】このような問題に対して、ドリフト移動度
の電界強度依存性が小さく、樹脂との相溶性の良いm−
フェニレンジアミン系化合物として、N,N,N′,N
′−テトラフェニル−1,3−フェニレンジアミンが提
案されている(特開平1−142642号参照)。この
m−フェニレンジアミン系化合物は、紫外線等に対する
耐光性も良好で、実際の複写機で使用した場合にも安定
した特性を示す。しかし、複写機が故障した場合等にお
いて、長時間の光暴露や高温下での光暴露が発生した場
合、回復が不可能なダメージを被るという問題点がある
。また、感度や繰り返し特性が充分でないという欠点も
あった。
【0007】本発明の目的は、高い耐光性を有し光安定
性に優れ、電荷輸送材料として好適なフェニレンジアミ
ン系化合物と、それを用いた高感度でかつ繰り返し特性
に優れた電子写真感光体とを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】一般に光劣化
による感光体特性の低下の原因は、電荷輸送材料に対し
てトラップとなる不純物が感光体中に生成することにあ
る。m−フェニレンジアミン系化合物の場合、このよう
な光劣化反応として中心ベンゼン環と他のフェニル基と
の間で起こる閉環反応が考えられる。この反応はフェニ
レンジアミン系化合物の分子の電子密度が中心ベンゼン
環に偏っているために起こりやすいと考えられる。特に
中心ベンゼン環の5位は立体的配置からも光励起時に酸
素等の酸化物質からの攻撃を受け易い分子構造となって
おり、この部分から電子が引き抜かれるため閉環反応が
起こると考えられる。そこで、この部分を置換基で置換
して保護することによりフェニレンジアミン系化合物の
反応性を抑制し、光に対する安定性を向上させることが
可能であると考え、種々の実験を行った結果、この位置
を所定の置換基で置換することにより、ドリフト移動度
等の電荷輸送特性を損なうことなく、電子写真感光体の
光安定性を効果的に改善できることを見出した。
【0009】しかして、本発明のフェニレンジアミン系
化合物は、下記一般式(1) :
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 
、R5 およびR6 は同一または異なって、水素原子
、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示し
、mは0または1を示す)で表されることを特徴として
いる。また、上記の目的を達成するための本発明の電子
写真感光体は、導電性基体上に、上記一般式(1) で
表されるフェニレンジアミン系化合物を含有する感光層
を有することを特徴としている。
【0012】上記一般式(1) で表されるフェニレン
ジアミン系化合物は、中心ベンゼン環の5位が置換基で
保護されたことにより、酸化物質等からの攻撃を受け難
くなり、閉環反応が抑制され、光に対する安定性が向上
する。また、mの値が2以上となると、酸化物質等から
の攻撃を受け易くなり、光に対する安定性が低下する。 また、上記一般式(1) で表されるフェニレンジアミ
ン系化合物を含有する電子写真感光体は、長時間の光暴
露や高温下での光暴露に対して、従来の電子写真感光体
よりダメージを被ることが少なく、光安定性に優れてい
る。
【0013】さらに、上記一般式(1) で表されるフ
ェニレンジアミン系化合物は電荷輸送能に優れているの
で、このフェニレンジアミン系化合物を電荷輸送材料と
して感光層に含有させることにより、感度および帯電能
に優れ、高い繰り返し特性を有する電子写真感光体が得
られる。前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素があげられる。
【0014】アルキル基としては、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の
炭素数1〜6の低級アルキル基があげられる。アルコキ
シ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプ
ロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオ
キシ基、ヘキシルオキシ基等のアルキル部分の炭素数が
1〜6の低級アルコキシ基があげられる。
【0015】前記一般式(1) で表されるフェニレン
ジアミン系化合物の具体的化合物としては、例えば以下
の式(2) および式(5) に示すものがあげられる
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】本発明のフェニレンジアミン系化合物は、
種々の方法で合成することが可能であり、例えば、下記
の反応式により得ることができる。
【0019】
【化6】
【0020】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 
、R5 およびR6 は前記と同じである)この反応式
は、ウイッチヒ(Wittig) 反応に基づくもので
あって、式(a) で表されるカルボニル化合物に、式
(b) で表されるホスホニウム塩を塩基性物質、例え
ばC6 H5 LiやNaOH等の触媒の存在下で反応
させて、式(1’)で表される本発明のフェニレンジア
ミン系化合物を得るものである。この反応は上記一般式
(1) において、m=1の化合物を製造するのに適す
る。上記式(b) で表されるホスホニウム塩は、トリ
フェニルホスフィン(C6 H5 )3 Pに対応する
ジフェニルヒドラゾンのハロゲン化物を反応させて得ら
れる。このホスホニウム塩(b) は、塩基性物質の作
用でHIが脱離して、反応が進行する。
【0021】上記カルボニル化合物(a) とホスホニ
ウム塩(b) とは、等モル量で用いられ、有機溶媒中
にて、約10〜50℃で反応させて得られる。有機溶媒
としては、例えばニトロベンゼン、THF、ジオキサン
等が使用可能である。また、上記フェニレンジアミン系
化合物は、下記の反応式により得ることもできる。
【0022】
【化7】
【0023】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 
、R5 およびR6 は前記と同じである)この反応式
は、式(c) で表されるカルボニル化合物に、上記式
(d) で表されるジフェニルヒドラジンを縮合反応さ
せて式(1’’) で表される本発明のフェニレンジア
ミン系化合物を得る物である。この反応は上記一般式(
1) において、m=0の化合物を製造するのに適する
【0024】上記カルボニル化合物(c) とジフェニ
ルヒドラジン(d) とは、等モル量で用いられる。反
応は前記と同様な有機溶媒中で、室温下で単に攪拌する
だけで容易に行わせることができる。本発明における感
光層は、前記一般式(1) で表されるフェニレンジア
ミン系化合物の1種または2種以上を含有する。
【0025】本発明における感光層には、電荷発生材料
、電荷輸送材料である前記一般式(1) で表される化
合物および結着樹脂を混合した単層型と、電荷発生層お
よび電荷輸送層を積層した積層型とがあるが、本発明の
感光層はいずれにも適用可能である。単層型の電子写真
感光体を得るには、電荷輸送材料である前記一般式(1
) で表される化合物と電荷発生材料と結着樹脂等とを
含有する感光層を導電性基体上に形成すればよい。
【0026】また、積層型の電子写真感光体を得るには
、導電性基体上に、蒸着または、塗布等の手段により電
荷発生材料を含有する電荷発生層を形成し、この電荷発
生層上に、電荷輸送材料である前記一般式(1) で表
される化合物と結着樹脂とを含有する電荷輸送層を形成
すればよい。また、上記とは逆に、導電性基体上に上記
と同様の電荷輸送層を形成し、次いで蒸着または塗布等
の手段により電荷発生材料を含有する電荷発生層を形成
してもよい。さらに、電荷発生層を電荷発生材料と電荷
輸送材料とを結着樹脂中に分散して塗布することにより
形成してもよい。
【0027】電荷発生材料としては、従来より使用され
ているセレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、アモル
ファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系化合物、ジスア
ゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、アンサンスロン
系化合物、ペリレン系化合物、インジゴ系化合物、トリ
フェニルメタン系化合物、スレン系化合物、トルイジン
系化合物、ピラゾリン系化合物、ペリレン系化合物、キ
ナクリドン系化合物、ピロロピロール系化合物等があげ
られる。これらの電荷発生材料は、所望の領域に吸収波
長域を有するように、1種または2種以上を混合して使
用することができる。
【0028】電荷輸送材料である前記一般式(1) で
表されるフェニレンジアミン系化合物は、単独で使用す
る他、従来公知の他の電荷輸送材料と組み合わせて使用
することができる。従来公知の電荷輸送材料としては、
種々の電子吸引性化合物、電子供与性化合物を用いるこ
とができる。上記電子吸引性化合物としては、例えば、
2,6−ジメチル−2′,6′−ジtert−ジブチル
ジフェノキノン等のジフェノキノン誘導体、マロノニト
リル、チオピラン系化合物、テトラシアノエチレン、2
,4,8−トリニトロチオキサントン、3,4,5,7
−テトラニトロ−9−フルオレノン、ジニトロベンゼン
、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロ
アントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク
酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が例示
される。
【0029】また、電子供与性化合物としては、2,5
−ジ(4−メチルアミノフェニル)、1,3,4−オキ
サジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4
−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル
系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系
化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン
化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化
合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合
物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イ
ミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾー
ル系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物が
例示される。
【0030】これらの電荷輸送材料は、1種または2種
以上混合して用いられる。なお、ポリビニルカルバゾー
ル等の成膜性を有する電荷輸送材料を用いる場合には、
結着樹脂は必ずしも必要ではない。上記感光層、電荷発
生層および電荷輸送層における結着樹脂としては、種々
の樹脂を使用することができる。例えばスチレン系重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキド樹
脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂
、ケトン樹脂、ホリビニルブチラール樹脂、ポリエーテ
ル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その
他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシアクリレート
、ウレタン−アクリレート等の光硬化性樹脂等があげら
れる。これらの結着樹脂は1種または2種以上を混合し
て用いることができる。
【0031】また、塗布手段により電荷発生層および電
荷輸送層を形成する場合には、塗布液をつくるために溶
剤が使用される。この溶剤としては、種々の有機溶剤が
使用可能で、例えばメタノール、エタノール、イソプロ
パノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン
、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジク
ロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン
、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メ
チル等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられ
る。これらの溶剤は1種または2種以上を混合して用い
ることができる。
【0032】また、電荷発生層の感度を向上させるため
に、例えばターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナ
フチレン等の公知の増感剤を上記電荷発生材料と共に使
用してもよい。さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の
分散性、染工性等をよくするために界面活性剤、レベリ
ング剤等を使用してもよい。
【0033】上記導電性基体としては、導電性を有する
種々の材料を使用することができ、例えばアルミニウム
、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロ
ム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、イン
ジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属
が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ
化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆さ
れたガラス等が例示される。
【0034】導電性基体はシート状、ドラム状等のいず
れであってもよく、基体自体が導電性を有するか、ある
いは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導
電性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有する
ものが好ましい。積層型電子写真感光体において、電荷
発生層を構成する電荷発生材料と結着樹脂とは、種々の
割合で使用することができるが、結着樹脂100部(重
量部、以下同じ)に対して、電荷発生材料5〜500部
、特に10〜250部の割合で用いるのが好ましい。 また、電荷発生層は、適宜の膜厚を有していてもよいが
、0.01〜5μm、特に0.1〜3μm程度に形成さ
れるのが好ましい。
【0035】電荷輸送層を構成する上記一般式(1) 
で表されるフェニレンジアミン系化合物(電荷輸送材料
)と前記結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲お
よび結晶化しない範囲で、種々の割合で使用することが
できるが、光照射により電荷発生層で生じた電荷が容易
に輸送できるように、結着樹脂100部に対して、上記
一般式(1) で表されるフェニレンジアミン系化合物
を25〜200部、特に50〜150部の割合で用いる
のが好ましい。また、電荷輸送層は、2〜100μm、
特に5〜30μm程度に形成されるのが好ましい。
【0036】単層型の電子写真感光体においては、結着
樹脂100部に対して電荷発生材料は2〜20部、特に
3〜15部、上記一般式(1) で表されるフェニレン
ジアミン系化合物(電荷輸送材料)は40〜200部、
特に50〜150部であるのが適当である。また、単層
型の感光層の厚さは10〜50μm、特に15〜30μ
m程度であるのが好ましい。
【0037】単層型電子写真用感光体にあっては、上記
導電性基体と感光層との間に、また、積層型電子写真感
光体にあっては、上記導電性基体と電荷発生層との間や
、導電性基体と電荷輸送層との間および電荷発生層と電
荷輸送層との間に、電子写真感光体の特性を阻害しない
範囲でバリア層が形成されていてもよく、電子写真感光
体の表面には、保護層が形成されていてもよい。
【0038】上記電荷発生層および電荷輸送層を、塗布
の方法により形成する場合には、電荷発生材料等と結着
樹脂等を公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル
、アトライタ、ペイントシェーカーあるいは超音波分散
器等を用いて分散混合して塗布液を調製し、これを公知
の手段により塗布、乾燥すればよい。なお、上述したよ
うに、電荷発生層は上記電荷発生材料を蒸着することに
より形成してもよい。
【0039】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
詳細に説明する。 実施例1 <前記式(2) で表されるフェニレンジアミン系化合
物の合成>下記式(6) で表されるカルボニル化合物
4.97gと、下記式(7) で表されるホスホニウム
塩5.98gとを塩基性物質(NaCO3 )0.04
gの存在下、ニトロベンゼン80ml中にて、20℃の
温度下で12時間還流して反応させ、再結晶操作により
生成物を単離して、前記式(2) で表されるフェニレ
ンジアミン系化合物(以下、フェニレンジアミン系化合
物2という)を得た。
【0040】
【化8】
【0041】このフェニレンジアミン系化合物2の収率
は55%であり、融点が148〜150℃の白色粉末で
あった。また、同化合物2の元素分析を行ったところ、
以下のような結果が得られた。 元素分析値:C49H44N4 として計算値(%)C
85.49  H6.39  N8.12実測値(%)
C85.35  H6.40  N8.02実施例2 <前記式(3) で表されるフェニレンジアミン系化合
物の合成>上記式(6) で表される化合物4.97g
、およびジフェニルビドラジン1.84gをニトロベン
ゼン70ml中に加え、室温で1時間攪拌して反応させ
、単離し、常法により精製して、前記式(3) で表さ
れるフェニレンジアミン系化合物(以下、フェニレンジ
アミン系化合物3という)を得た。
【0042】このフェニレンジアミン系化合物3の収率
は79%であり、融点が155〜157℃の白色粉末で
あった。また、同化合物3の元素分析を行ったところ、
以下のような結果が得られた。 元素分析値:C47H42N4 として計算値(%)C
85.16  H6.39  N8.45実測値(%)
C85.11  H6.36  N8.40実施例3,
4および比較例1,2(積層型電子写真感光体) 電荷発生材料として下記式(8) で表される化合物2
部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製の「
BH−5」)1部、テトラヒドロフラン120部を、ジ
ルコニアビーズ(2mm径) を用いたペイントシェー
カーにて2時間分散させた。得られた分散液をアルミニ
ウムシート上にワイヤーバーを用いて塗工し、100℃
で1時間乾燥し、0.3μmの電荷発生層を得た。
【0043】
【化9】
【0044】この電荷発生層上に電荷輸送材料1部、ポ
リ(4,4′−シクロヘキシリデンジフェニル)ポリカ
ーボネート(三菱瓦斯化学社製の「Z−200」)1部
をトルエン9部に溶解した溶液をワイヤーバーにて塗工
し、100℃で1時間乾燥し、20μmの電荷輸送層を
得た。実施例3,4および比較例1,2で使用した電荷
輸送材料は、表1に示した。この表1に示す電荷輸送材
料である化合物2,3は、実施例1,2で得られたフェ
ニレンジアミン系化合物2,3を各々意味し、比較化合
物1はN,N,N′,N′−テトラキス(3−メチルフ
ェニル)−1,3−ジアミノベンゼンを意味し、比較化
合物2は下記式(9) で表される化合物(前記一般式
(1) におけるmの値が2であるもの)を意味する。
【0045】
【化10】
【0046】実施例5,6および比較例3,4(単層型
電子写真感光体) 電荷発生材料として上記式(8) で表される化合物1
部およびテトラヒドロフラン60部を、ジルコニアビー
ズ(2mm径) を用いたペイントシェーカーにて2時
間分散させた。得られた分散液に、固形分20重量%の
ポリ(4,4′−シクロヘキシリデンジフェニル)カー
ボネート(三菱瓦斯化学社製の「Z−200」)のテト
ラヒドロフラン溶液50部および電荷輸送材料10部を
加え、さらに1時間分散を続けた。得られた分散液をア
ルマイト処理されたアルミニウム素管上に塗工し、10
0℃で1時間乾燥し、20μmの感光層を得た。このと
き使用した電荷輸送材料は、表2に示した。この表2に
示す化合物2,3および比較化合物1,2は、表1に示
したものと同様のものである。
【0047】(評価試験)各実施例3〜6および比較例
1〜4で得た電子写真感光体の表面電位SP(V)、半
減露光量E1/2 (lux・sec)、残留電位VL
 (V)および光照射後の表面電位SP(V)を評価試
験機(川口電気社製の「EPA8100」)にて測定し
た。
【0048】測定条件は以下の通りである。 光強度:50ルクス 露光強度:1/15秒 表面電位:(±)700V付近となるように流れ込み電
流値を調整した。 光源:タングステンランプ 除電:200ルクス 残留電位測定:露光開始後0.2秒後に測定開始した。
【0049】光照射後の表面電位測定:流れ込み電流値
を(±)700V付近となるように調整して、光強度1
000ルクス(松下電器産業社製の「ナショナルハイラ
イトFL、15W」)にて20分間の光照射を行った後
の、電子写真感光体の表面電位を測定した。実施例3,
4および比較例1,2(積層型電子写真感光体)の試験
結果を表1に、実施例5,6および比較例3,4(単層
型電子写真感光体)の試験結果を表2に各々示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】これらの試験結果から、本願発明の電荷輸
送材料用化合物を用いた電子写真感光体(実施例3〜6
)はいずれも、表面電位、半減露光量および残留電位に
おいて従来の電子写真感光体(比較例1〜4)とほとん
ど差はないが、良好な値を示している。また、光に対す
る安定性に関しては、従来の電子写真感光体に比べて著
しく優れている。比較例2および比較例4は各々、比較
例1および比較例3に比べて、光に対する安定性は良い
が、前記一般式(1) におけるmの値が2であるため
に、実施例3〜6と比較すると光安定性に劣る。したが
って、本願発明のフェニレンジアミン系化合物を電荷輸
送材料として用いた電子写真感光体は、良好な感度を保
持し、かつ繰り返し特性に優れると共に、耐光性が著し
く改善され、光安定性に優れていることがわかる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、この発明のフェニレンジ
アミン系化合物は中心ベンゼン環に付加した各窒素原子
にフェニル基が付加されており、反応点が保護されて酸
化物質等からの攻撃を受けにくく閉環反応が抑制される
ため、光安定性に優れており、電荷輸送材料として好適
に使用できる。また、このフェニレンジアミン系化合物
を電荷輸送材料として用いることにより、光安定性に優
れ、高感度でかつ繰り返し特性に優れた電子写真感光体
を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) : 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およ
    びR6 は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基またはアルコキシ基を示し、mは0また
    は1を示す)で表されるフェニレンジアミン系化合物。
  2. 【請求項2】導電性基体上に、下記一般式(1) で表
    されるフェニレンジアミン系化合物を含有する感光層を
    有することを特徴とする電子写真感光体。 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およ
    びR6 は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基またはアルコキシ基を示し、mは0また
    は1を示す)
JP4027091A 1991-03-06 1991-03-06 フェニレンジアミン系化合物およびそれを用いた電子写真感光体 Pending JPH04279669A (ja)

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