JPH0427630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は例えば電子写真複写機の熱定着部等に
使用される熱定着ローラのようなゴムローラ用成
形金型に関する。

（従来の技術） 従来より、電子機器の熱定着部に使用される熱
定着ローラのようなゴムローラを、射出成形方法
あるいは圧縮成形方法により製造する目的で各種
の成形金型が開発されている。

第５図はその一例を示したもので、これを用い
たゴムローラの製造方法を以下に説明する。

この方法では、まず円筒型１の下部へ上面中央
に盲孔２ａを形成した底部材２を嵌着させ、次い
でこの円筒型内に所定量のゴム材料を注入する。

この後芯軸３を円筒型１内に挿入して盲孔２ａ
に芯軸の支持部３ａを嵌合させ、円筒型１上部に
中央に芯軸３を支持する支持孔４ａを有する押え
蓋４を嵌合させて芯軸３を固定する。

この状態でしばらく放置してゴム材料を硬化さ
せ、その後芯軸３を円筒型１から引きぬいて、ゴ
ムローラが製造される。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながらこのようなゴムローラ用成形金型
を用いる方法では、芯軸挿入時の成形材料内に空
気を巻きこみやすく、また両端部にバリが発生し
やすく、ゴムローラの端部仕上げ工程がさらに必
要となるという難点があつた。

近年、芯軸挿入時の空気巻きこみをおさえる方
法として、第６図に示すような金型によりゴムロ
ーラを製造する方法も提案されている。この金型
は、円柱状成形部を有する円筒型１０と、上下一
対の栓体２０，３０とを備えており、栓体２０，
３０は外周が円柱状で円筒型１０と面接触し、内
側には芯軸案内用のロート状のテーパ面４０が形
成され、芯軸３を円筒型１０内部に同軸状に保持
するテーパ面４０が設けられ、これにより芯軸３
の挿入がスムースに行なわれるので、空気の巻き
こみが減少する。

しかしながら、この金型でもバリの発生は避け
られず、しかも発生したバリの形状、大きさがさ
まざまであるため、はさみ、カツターナイフ等を
使用する端部仕上げ工程は依然として必要であ
り、さらに仕上りにばらつきがさけられないとい
う問題があつた。

本考案はかかる従来の難点を解消すべくなされ
たもので、バリの発生を最小限に抑え実質的に特
別な端部仕上げ工程を必要としないゴムローラ用
成形金型を提供することを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案は、円柱状成形部を有する円筒型と、外
周が円柱状で前記円筒型と面接触し、内側に芯軸
案内用のロート状のテーパ面が形成されて芯軸を
円筒型内部に同軸状に保持する上下一対の栓体と
を備えた成形金型において、前記円筒型と前記栓
体とが面接触する面、および／または前記栓体と
保持されるべき芯軸とが面接触する面に、成形材
料を収容可能な環状のポケツトを設けたことを特
徴としている。

この金型のポケツトの断面形状は通常環状であ
るが、半円形、矩形その他任意の形状とすること
ができる。また使用される成形材料としては、液
状ゴム（シリコーンゴム、ウレタンゴム等）やミ
ラブルゴム等の射出成形（LIM，RIM）可能な
すべての成形材料が適用できる。

（作用） 本考案のゴムローラ用成形金型は、成形時の成
形材料の一部はポケツトに収容され、発生したバ
リに局部的な厚肉部が形成されるため、成形材料
を硬化した後脱型すると同時に製品と厚肉部との
間の薄肉部においてバリを引きちぎることができ
る。

（実施例） 以下、実施例に基き本考案を説明する。

なお以下の説明において、第６図と共通する部
分には共通の符号を付して重複する説明は省略す
る。

第１図は本考案の一実施例の要部を示す縦断面
図である。この実施例では、円筒型１０と面接触
する栓体３０，４０側の面に、キヤビテイから溢
れ出して漏出する成形材料を収容する環状のポケ
ツト５０が設けられている。

第２図は栓体３０，４０と面接触する円筒型１
０の面に円筒型１０側の面にポケツト５０を設け
た実施例である。

これらの実施例において、ポケツト５０は、栓
体３０，４０のテーパ面の辺縁部からポケツト５
０までの距離Ｌをできるだけ小さくする位置に形
成することが望ましい。

第３図は、栓体３０，４０の保持されるべき芯
軸３と面接触する面にポケツト５０を設けた実施
例を示したものである。

この実施例におけるポケツト５０も、ポケツト
５０と芯軸胴部端縁までの距離L′をできるだけ小
さくする位置に形成されている。なお、Ｌ，L′の
値は０〜0.5mm、好ましくは0.1〜0.3mmの範囲が適
当である。

このように構成された本考案の成形金型によれ
ば、金型のキヤビテイから溢れ出た成形材料はポ
ケツトに収容されるので脱型時に引きちぎられて
バリの量は少なくなり、端面仕上げ加工工程が非
常に簡素化されるかないしは実質的に不要とする
ことができる。

なお以上の実施例では、円筒型または栓体の一
方にのみ成形材料を収容可能なポケツトを設けた
例について説明したが、本考案はかかる実施例に
限定されるべきではなく、これら両者に設けるよ
うにしてもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、ローラ端
部の仕上げ工程が実質的に不要となるため、生産
コストの低減をはかることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第３図は本考案のゴムローラ用成
形金型の一実施例の断面図、第２図および第４図
は本考案のゴムローラ用成形金型の部分拡大断面
図、第５図および第６図はゴムローラ用成形金型
の従来例を示す断面図である。 １……円筒型、２……底部材、２ａ，４ａ……
盲孔、３……芯軸、４……押え蓋、１０……円筒
型、２０，３０……栓体、４０……テーパ面、５
０……ポケツト、６０……芯軸胴部端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円柱状成形部を有する円筒型と、外周が円柱状
   で前記円筒型と面接触し、内側に芯軸案内用のロ
   ート状のテーパ面が形成されて芯軸を円筒型内部
   に同軸状に保持する上下一対の栓体とを備えた成
   形金型において、前記円筒型と前記栓型とが面接
   触する面、および／または前記栓体と保持される
   べき芯軸とが面接触する面に、成形材料を収容可
   能なポケツトを設けたことを特徴とするゴムロー
   ラ用成形金型。