JPH04274883A - インダイレクト式溶接装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両用ドア等のワーク
を構成する少なくとも２枚の板材を所要の溶接箇所にお
いてインダイレクト式の給電方式でスポット溶接するイ
ンダイレクト式溶接装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、スポット溶接の給電方式として、
ダイレクト式とインダイレクト式とが知られている。ダ
イレクト式とは、溶接電源の一極と他極とに接続した１
対の電極間に板材同士の溶接箇所を挾んで通電する方式
であり、一方、インダイレクト式とは、溶接電源の一極
に接続した電極を溶接箇所において一方の板材と、該電
源の他極に接続した電極を溶接箇所から離れた部分にお
いて他方の板材とに当接させて両電極間に通電する方式
であり、溶接箇所の電極当接面をワークの裏面側にする
ことでワークをその表面に溶接痕や溶接焼けが現われな
いように溶接できる利点がある。従来、車両用ドアのよ
うに内板と外板とを内板の外縁部裏面に折返した外板外
縁のヘミング部で組合わせて構成されるワークの組立工
程においてヘミング部を内板にインダイレクト方式でス
ポット溶接すべく使用される溶接装置として、ワークセ
ット用の治具に、ワークをヘミング部が上向きとなるよ
うに外板の周縁部において支持する絶縁材製のワーク受
けを設け、ロボットに搭載した上下１対のガンアームを
有する溶接ガンの加圧作動により上側ガンアームに取付
けた電極をヘミング部と、下側ガンアームに取付けた電
極をワーク受けの下面とに当接させて、溶接箇所たるワ
ーク外縁部を外板の下側に該ワーク受けを介在させた状
態で挾圧し、更に治具又は溶接ガンに周縁部から離れた
内板の部分に当接する給電部材を取付け、上側ガンアー
ムの電極と給電部材とを夫々溶接電源の一方と他方の極
に接続して、ヘミング部と内板との重合部にインダイレ
クト方式で溶接電流を流すようにしたものは知られてい
る（特開昭６２−８１２７６号公報、実開昭６３−９０
５８７号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のものでは、給電
部材を内板の表面に単純に押し当てるようにしており、
内板の変形を防止する上で給電部材の押圧力は左程大き
くできず、給電部材の内板に対する接触不良により給電
不良や電蝕を生じ勝ちであり、又ロボットで移動される
溶接ガンを用いるためこれと溶接電源との間の給電ケー
ブルの取回しが面倒になる不具合があり、かかる不具合
を解消することが本発明の第１の目的である。又、内板
と外板とから成るワークを上記の如く外板を下にして治
具にセットする場合、外板には位置決めに利用できるよ
うな穴がないためワークの位置決めが困難になり、かか
る不具合を解消することが本発明の第２の目的である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記第１の目的を達成す
べく、請求項１の発明は、ワークを構成する少なくとも
２枚の板材を所要の溶接箇所においてインダイレクト式
の給電方式でスポット溶接する溶接装置であって、ワー
クセット用の治具に、一方の板材を前記溶接箇所におい
て支持するワーク受けを設けると共に、他方の板材を溶
接箇所から離れた部分において表裏両面からクランプす
るクランパーを設け、該ワーク受けと該クランパーとを
夫々溶接電源の一方と他方の極に接続される給電部材に
構成し、且つ前記溶接箇所をワーク受けとの間に挾圧す
る加圧手段を備えることを特徴とする。ワークが内板と
外板とを内板の周縁部裏面に折返した外板周縁のヘミン
グ部で組合わせて成るものである場合、上記第２の目的
を達成すべく、請求項２の発明では、請求項１の発明に
おける前記治具上にワークを内板を下にしてセット自在
とし、前記ワーク受けで前記ヘミング部を支持すると共
に、前記クランパーでヘミング部との溶接箇所から離れ
た内板の部分をクランプするようにした。

【０００５】

【作用】本発明の作用を請求項２の発明に基いて説明す
る。治具上に内板を下にしてワークをセットするが、こ
の場合内板に位置決め穴を形成しても外観上何ら支障は
なく、この位置決め穴に嵌合する位置決めピンを治具に
取付けておくだけで簡単にワークを位置決めでき、更に
は該ピンをクランパーに取付けておけば、クランパーに
より内板を位置決めしてクランプできる。ワークはヘミ
ング部においてワーク受けに支持されており、加圧手段
によりワーク受けとの間にワークを挾圧した状態で溶接
電源を通電作動させれば、ヘミング部からこれに重合す
る内板の溶接箇所を経てクランパーでクランプされる内
板の部分に溶接電流が流れ、ヘミング部が内板にインダ
イレクト方式でスポット溶接される。ここで、クランパ
ーは内板を表裏両面からクランプするものであるため、
クランパーの加圧力を大きくしても内板は変形せず、従
って接触不良による給電不良や電蝕の発生を防止できる
。又、給電部材たるワーク受けとクランパーは共に治具
に設けられているため、溶接電源との間の給電ケーブル
の取回しが簡単になる。又、前記加圧手段をロボットに
搭載したクランプユニットで構成し、クランプユニット
を複数の溶接箇所に順に移動するようにしても良いが、
治具に前記ワーク受けに対し開閉動作されるクランプア
ームを設けて、該クランプアームで加圧手段を構成すれ
ば、ロボットが不要となるため設備費を削減でき、更に
溶接箇所が複数あってもクランプアームを複数設けるこ
とで全ての溶接箇所を同時に溶接でき、有利である。

【０００６】

【実施例】図示の実施例は、ワークたる車両用ドアの内
板Ａと外板Ｂとを内板Ａの前後両側の外縁部裏面に折返
した外板外縁のヘミング部Ｂ１とこれに重合する内板Ａ
の凸部Ａ１とにおいてスポット溶接する溶接装置に本発
明を適用したものである。

【０００７】図１及び図２を参照して、１はワークセッ
ト用の治具であり、該治具１の前後両側部に夫々複数の
支柱２を介してワーク受け３を架設し、ヘミング加工済
みのドアを、その前後各側のヘミング部Ｂ１が該各ワー
ク受け２に着座するように、内板Ａを下にした状態で該
治具１上にセット自在とした。該治具１には、内板Ａを
これに形成した部品艤装用の透窓Ａ２の開口縁部におい
て表裏両面からクランプするクランパー４が設けられて
いる。該クランパー４は、図３に明示する如く、治具１
に固定されるブラケット５に、開口縁部の下面を受ける
受座６と、シリンダ７ａにより該受座６に向って上下方
向に開閉動作されるクランプアーム７とを設けて成るも
ので、ドアを治具１にセットする際はクランプアーム７
をこれが前記透窓Ａ２に挿入されるよう上方に開いてお
き、ドアセット後に該アーム７を下方に閉じて透窓Ａ２
の開口縁部を該アーム７と前記受座６との間にクランプ
するようにした。又、該受座６に、開口縁部に形成した
位置決め穴に嵌合する位置決め用のピン８を突設し、ド
アのセット時に該ピン８により内板Ａ即ちドアを位置決
めし得るようにした。尚、クランプアーム７の先端には
クランプ時にピン８を受け入れる逃げ穴７ｂが形成され
ている。

【０００８】前記ワーク受け３と前記クランパー４とは
夫々導体で形成されており、前記支柱２と治具１とに夫
々絶縁材９を介してワーク受け３とクランパー４とを取
付けると共に、治具１に搭載したトランスから成る溶接
電源１０の一極例えば正極１０ａを給電ケーブル１１を
介してワーク受け３と、該電源１０の負極１０ｂを給電
ケーブル１２を介してクランパー４とに接続し、ワーク
受け３とクランパー４とを溶接用の給電部材に構成した
。尚、クランパー４の受座６とクランプアーム７との一
方をブラケット５に対し絶縁し、その他方のみを溶接電
源１０に接続される給電部材として利用する場合も本発
明に含まれる。前記各支柱２には、ワーク受け３に対し
てシリンダ１３ａにより開閉動作されるクランプアーム
１３がブラケット１４を介して取付けられており、該ク
ランプアーム１３の下方への閉じ動作で外板Ｂの側縁部
上面を加圧してその下側の凸部Ａ１とヘミング部Ｂ１と
の重合箇所をワーク受け３との間で挾圧するようにした
。尚、クランプアーム１３には、外板Ｂに圧痕が付くこ
とを防止するために、合成樹脂等で形成された当板１３
ｂが取付けられている。前記溶接電源１０は、全てのク
ランプアーム１３を閉じた後通電作動されるもので、こ
のときワーク受け３とクランパー４との間に、ヘミング
部Ｂ１と各凸部Ａ１と内板Ａとを介して電接電流が流れ
、ヘミング部Ｂ１が各凸部Ａ１において内板Ａにスポッ
ト溶接される。

【０００９】上記実施例ではクランパー４をクランプア
ーム７付きのものとしたが、これに限るものではなく、
例えば図４に示すような爪片１５付きのピン部材１６で
クランパー４を構成しても良い。このクランパー４は、
治具１に固定したシリンダ１７上にピン部材１６を取付
け、該ピン部材１６の上端に、内板Ａに形成した位置決
め穴Ａ３の孔縁部を受ける受面１６ａと該穴Ａ３に嵌合
するピン１６ｂとを形成すると共に、該ピン部材１６内
に、シリンダ１７からのびるピストンロッド１７ａに連
結される爪片１５を組込んで成るもので、該爪片１５を
、ピン部材１６の内面に形成したカム溝１５ａに案内さ
せて、ピン１６ｂに没入する上方のアンクランプ位置と
、ピン１６ｂの外方に突出する下方のクランプ位置とに
上下動自在とし、爪片１５のクランプ位置への引き下げ
で前記穴Ａ３の孔縁部を受面１６ａとの間にクランプす
るようにした。そして、シリンダ１７のエンドピース１
７ｂを合成樹脂等の絶縁材料で形成し、ピン部材１６に
溶接電源に連なる給電ケーブル１２を接続した。又、上
記実施例では、内板Ａと外板Ｂの溶接箇所をワーク受け
３との間に挾む加圧手段としてのクランプアーム１３を
治具１に設けたが、図５に示す如く、ロボットの動作端
１８に取付けた加圧ガン１９で加圧手段を構成しても良
い。該加圧ガン１９は、シリンダ２０で開閉される上下
１対のガンアーム２１，２２を備えるもので、上側のガ
ンアーム２１をその先端に取付けた樹脂製の当板２１ａ
を介して外板Ｂの側縁部上面と、下側のガンアーム２２
をその先端のチップ２２ａを介してワーク受け３の下面
とに当接させ、内板Ａと外板Ｂの溶接箇所をワーク受け
３を介して挾圧するようにした。この場合、溶接電源の
一極に給電ケーブルを介して下側のガンアーム２２を接
続し、該ガンアーム２２を介してワーク受け３に給電す
ることも可能であるが、配線の取回しを簡素化する上で
は、上記実施例の如く溶接電源からワーク受け３に直接
給電した方が良い。

【００１０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
１の発明によれば、溶接箇所から離れた部分に給電する
給電部材を、該部分を表裏両面からクランプするクラン
パーで構成することにより、給電部材のワークに対する
加圧力を大きくしてもワークの変形を生ずることがなく
、接触不良による給電不良や電蝕の発生を防止でき、且
つ溶接箇所に給電する給電部材を溶接箇所を受ける治具
上のワーク受けで構成するため、該給電部材への配線を
、治具上のクランパーで構成される他の給電部材への配
線と同様に治具上で行うことが可能となり、配線の取回
しが簡素化される効果を有する。又、ワーク受けを給電
部材に構成することにより、ワークを構成する外板をそ
の外縁のヘミング部において内板に溶接する場合、請求
項２の発明の如く、ヘミング部がワーク受けに着座する
ようにワークを内板を下にして治具にセットでき、内板
に形成される穴部等を利用して治具に対するワークの位
置決めを簡単に行い得られ、更に請求項３の発明の如く
、内板の穴部に嵌合する位置決め用のピンをクランパー
を取付ければ、クランパーをワークの位置決め部材に兼
用して構造を簡素化できる。更に請求項４の発明によれ
ば、溶接箇所をワーク受けとの間に挾圧する加圧手段を
含む溶接装置の全ての構成要素を治具上に配置すること
が可能となり、治具以外のロボット等の装置が不要とな
って設備費が安くなり、更に複数の溶接箇所の同時溶接
が可能となり、溶接作業の能率アップを図れる効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　　　本発明装置の一例の側面図

【図２】　
　　　この装置の斜視図

【図３】　　　　この装置に備えるクランパーの斜視図

【図４】　　　　クランパーの変形例の縦断面図

【図５
】　　　　加圧手段を変更した他の実施例の要部の側面
図

【符号の説明】

１　　治具　　　　　　　　３　　ワーク受け　　　　
　　　　４　　クランパー ８，１６ｂ　　位置決め用のピン　　　　　　　　　　
　　　　　　１０　　溶接電源 １３　　クランプアーム（加圧手段）　　　　　　１９
　　加圧ガン（加圧手段） Ａ　　内板　　　　　　　　Ｂ　　外板　　　　　　　
　　　　　Ｂ１　　　　ヘミング部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ワークを構成する少なくとも２枚の板
   材を所要の溶接箇所においてインダイレクト式の給電方
   式でスポット溶接する溶接装置であって、ワークセット
   用の治具に、一方の板材を前記溶接箇所において支持す
   るワーク受けを設けると共に、他方の板材を溶接箇所か
   ら離れた部分において表裏両面からクランプするクラン
   パーを設け、該ワーク受けと該クランパーとを夫々溶接
   電源の一方と他方の極に接続される給電部材に構成し、
   且つ前記溶接箇所をワーク受けとの間に挾圧する加圧手
   段を備えることを特徴とするインダイレクト式溶接装置
   。
2. 【請求項２】　　前記ワークは２枚の板材たる内板と外
   板とを内板の外縁部裏面に折返した外板外縁のヘミング
   部で組合わせて成るもので、該ワークを内板を下にして
   前記治具上にセット自在とし、前記ワーク受けで前記ヘ
   ミング部を支持すると共に、前記クランパーでヘミング
   部との溶接箇所から離れた内板の部分をクランプするよ
   うにしたことを特徴とする請求項１に記載のインダイレ
   クト式溶接装置。
3. 【請求項３】　　前記クランパーにワーク位置決め用の
   ピンを取付けたことを特徴とする請求項１又は２に記載
   のインダイレクト式溶接装置。
4. 【請求項４】　　前記治具に前記ワーク受けに対向して
   開閉動作されるクランプアームを設け、該クランプアー
   ムで前記加圧手段を構成したことを特徴とする請求項１
   又は２に記載のインダイレクト式溶接装置。