JPH042712A - 転炉における極低炭素鋼の溶製方法 - Google Patents

転炉における極低炭素鋼の溶製方法

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JPH042712A
JPH042712A JP10446690A JP10446690A JPH042712A JP H042712 A JPH042712 A JP H042712A JP 10446690 A JP10446690 A JP 10446690A JP 10446690 A JP10446690 A JP 10446690A JP H042712 A JPH042712 A JP H042712A
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Naoto Tsutsumi
直人 堤
Yoshimasa Mizukami
水上 義正
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、転炉における極低炭素鋼の溶製方法に関する
ものである。 [従来の技術] 自動車用鋼板等、プレス加工が施される薄板用鋼板にお
いて、加工性を高めるために、鋼板中の炭素濃度を極力
低下させた極低炭素鋼が知られている。 従来、この極低炭素鋼を溶製するためには、転炉等で炭
素濃度を0.04%程度まで脱炭させた溶鋼を、未脱酸
状態で取鍋等の容器に受鋼した後に、RH法やDH法等
の真空脱ガス装置等、排気装置を有するプロセスを用い
て溶鋼の一部分を減圧(真空)雰囲気中に配置し、全圧
を低下することで、気体と溶鋼の界面のCOガス分圧を
低下させる条件下において、次式に示す溶鋼中の炭素と
酸素を反応させる方法にて脱炭した後、門標の溶鋼成分
となるように、合金を添加して調整を行う溶製方法が広
く行われている。 C+0→Co    (1) 一般に溶鋼を脱炭する場合、(1)式で示したように、
溶鋼中の炭素を酸素と反応させることで、COガスを生
成させ、このガスを気体側に除去する方法が用いられる
。 この脱炭反応を進めさせるためには溶鋼中に酸素が必要
であり、このため一般には、酸素を上方や下方から、あ
るいは上下方向から同時に供給する純酸素転炉方式が採
用されている。 しかし、この方法では溶鋼中の炭素濃度が0.04%程
度以下となると脱炭の進行が停滞し、むしろ鉄やマンガ
ン等の酸化が生じ、溶鋼の歩留り低下や溶鋼中有効な成
分であるマンガン濃度の低下を招く等の問題がある。 そこで、この炭素濃度以下でも、鉄等が酸化せず溶鋼中
の炭素が優先的に酸化するように、気体側の一酸化炭素
の分圧を低下させることにより、(1)式の反応を右の
方向へ進行させる方法として真空脱ガス装置が広(普及
しているわけである。 つまり、次に示す(2)式において、気体側の一酸化炭
素の分圧p coを小さくすれば、同じ溶鋼中酸素濃度
であっても、炭素濃度をより小さくすることができるわ
けである。 Pco:気体側の一酸化炭素の分圧 〔C] :溶鋼中の炭素濃度
〔0〕 :溶鋼中の酸素濃度 K  :反応の平衡定数 この方法によれば、減圧度を高める(真空度を上げる)
はど(1)式で示す右方向への脱炭反応が進行するため
、現在工業的に、RH法やDH法等において極力高い真
空度を維持することで、炭素濃度0.0 O5%以下と
いう極低炭素鋼の溶製が可能となっている。 ここで、これら真空脱ガス装置において、脱炭速度をよ
り短縮するために、酸素あるいは二酸化炭素等の酸化性
ガス、ないしは、酸化鉄等の固体状酸化源を添加する方
法(例えば特開昭49−34414号公報、特開昭51
−151211号公報、特開昭51151212号公報
)、反応の界面積を大きくするため大量のガスを溶鋼中
に吹き込む方法(特開昭52−5641号公報)等も開
発されている。 〔発明が解決しようとする課題〕 上記真空脱ガス装置を用いた極低炭素鋼溶製方法は、炭
素濃度を低下せしめるために、平衡論的にも非常に有効
な方法であり、現在広く普及しているものであるが、先
にも述べたように、溶tlAの一部分を高い減圧状態に
接触させるために、非常に大がかりで高価な真空装置が
必要であり、また溶鋼を処理することから、耐火物等が
溶損し、さらに高温下において減圧状態を維持するため
に各嵌合部の密着性を高めるためのきめ細かなメンテナ
ンスを要する。 また、溶鋼を減圧状態に接触した状態で、ガスを溶鋼中
に吹き込むと、ガスが溶鋼表面から離脱する際に、溶鋼
が周辺の密閉容器内に飛び散るため、容器内に地金と称
する凝固した鋼が付着し、溶鋼の歩留りを低下させるば
かりか、この付着地金の除去に多大な労力を要する。 上記のような問題点に鑑み、本発明はこれら問題点を解
決し、安価な設備で従来行われている真空脱ガス装置で
溶製されるのと同等の極低炭素鋼の溶製方法を提供する
ために開発されたものである。 〔課題を解決するための手段〕 本発明の要旨は下記のとおりである。 (1)上底吹き転炉にて吹錬を行う際に、吹錬末期の溶
鋼中炭素濃度が0.08%以下の時点で、上吹きランス
からの酸素供給を中断し、炉底に円周状に配置した底吹
き羽目からの不活性ガス吹き込みにより溶鋼表面のスラ
グを除去し、かつ中央に配した底吹き羽口からの不活性
ガス吹き込みにより、前記スラグを除去した自由表面へ
常に溶鋼を循環させつつ、上吹きランスから酸素分圧を
調整したガスを吹き付けることによって、溶鋼を脱炭す
ることを特徴とする転炉における極低炭素鋼の溶製方法
。 (2)上底吹き転炉にて吹錬を行う際に、吹錬末期の溶
鋼中炭素濃度が0.08%以下の時点で、上吹きランス
からの酸素供給を中断し、炉底に配置した底吹き羽口か
らの不活性ガス吹き込みにより溶鋼表面のスラグを除去
した後、この部分にリング状の耐火物を浸漬し、次いで
上吹きランスから酸素分圧を調整したガスを吹き付ける
ことによって、溶鋼を脱炭することを特徴とする転炉に
おける極低炭素鋼の溶製方法。 (3)上底吹き転炉にて吹錬を行う際に、吹錬末期の溶
鋼中炭素濃度が0.08%以下の時点で、上吹きランス
からの酸素供給を中断し、炉底に配置した底吹き羽口か
らの不活性ガス吹き込みにより溶鋼表面のスラグを除去
した後、この部分にリング状の耐火物を浸漬し、かつ底
吹き羽口からの不活性ガス吹き込みにより、前記スラグ
を除去した自由表面へ常に溶鋼を循環させつつ、上吹き
ランスから酸素分圧を調整したガスを吹き付けることに
よって、溶鋼を脱炭することを特徴とする転炉における
極低炭素鋼の溶製方法。 (4)スラグを除去した該溶鋼表面に上吹きランスから
吹き付ける酸素分圧を調整したガスとして、酸素分圧を
0.2気圧以下に調整したガスを用いて、鉄ならびにマ
ンガン等の酸化を抑制しつつ溶鋼を脱炭することを特徴
とする前項1〜3のいずれかに記載の転炉における極低
炭素鋼の溶製方法。 〔発明の作用〕 本発明者等は、従来の大がかりな真空装置を必要とする
ことなく、安定に溶鋼中の炭素濃度を0、005%以下
まで脱炭する方法について研究開発を進めた結果、溶鋼
と気体の界面の一酸化炭素ガスの分圧を低下させるため
に、高価かつ大がかりな真空脱ガス装置等を用いて溶鋼
表面を減圧状態下に保たずとも、溶鋼表面にスラグが存
在しない状態下にて、不活性ガス吹き込みにより、ある
いは脱炭を行うために供給する酸素ガスをアルゴンや窒
素等の不活性ガスで希釈し、界面に吹き付けることによ
り界面の00分圧を低下させれば、大気圧下においても
脱炭反応が炭素濃度0.0 O5%以下まで充分に進行
し、極低炭素鋼の溶製が可能であることを見出した。 ここで、純酸素を供給する転炉方法での脱炭反応の場合
も、多量の純酸素ガスを供給しており、気体側の一酸化
炭素ガスの分圧は低いと考えられる。しかし、先にも述
べたように、炭素濃度が0.04%程度以下になると脱
炭は停滞し、むしろ鉄やマンガンの酸化が生して溶鋼歩
留の低下あるいは溶鋼中有効な成分であるマンガン濃度
の低下を招く。この現象について研究を重ねた結果、従
来の転炉方法では、炭素の酸化と同時にシリコンやりん
、マンガン等が酸化し、またこれらの酸化物を安定に固
定するために、主に石灰を成分とする精錬用のスラグを
置いて処理を行っていること、また純酸素ガスを供給し
ていることそのものが脱炭停滞の原因であることを明ら
かとした。 すなわち、炭素濃度が0.04%以下の低い領域まで脱
炭反応を進行させようとする場合には、炭素濃度に見合
った酸素供給速度を維持することが必要であり、そもそ
も溶鋼表面に酸化性のスラグが存在することは、脱炭に
有効な反応界面を減少させていることを意味する。さら
に、上方から純酸素ガスを供給するような状態では、酸
素供給速度が大きすぎるため、鉄あるいはマンガンの優
先的な酸化を引き起こし、これら酸化鉄ないし酸化マン
ガンが既に存在するスラグと合わさり、炭素と酸素の反
応を生じさせる反応界面を減少させていることを明らか
にした。 このような研究結果から、先に本発明者等は取鍋内湾鋼
表面上の酸化性スラグの占める面積を20%以下に減少
せしめた炭素濃度0.04〜0.02%の溶鋼表面上に
、酸素分圧0.5〜0.01気圧に調整した酸化性ガス
と不活性ガスの混合ガスを吹き付け、溶鋼の酸化を抑制
しつつ溶鋼を脱炭すれば、炭素濃度0.02%以下の極
低炭素鋼の溶製が可能であることを確かめ、この知見に
基づいた発明を特許出願した(特願昭63−15345
4号)。 さらに本発明者等は、この転炉から溶鋼を出鋼した取鍋
における脱炭に要する時間を短縮するため、この反応を
転炉内にて行わすことが出来ぬかという点から研究開発
を進め、従来の通常吹錬の末期、炭素濃度0.06%の
時点で、上吹きランスからの純酸素供給を停止し、炉底
に円周状に配置した底吹き羽口からの不活性ガス吹き込
みにより溶鋼表面のスラグを除去し、かつ中央に配した
底吹き羽口からの不活性ガス吹き込みにより、上記スラ
グを除去した溶鋼表面へ時々溶鋼を供給することによっ
て、脱炭が進行することを確認した。 さらに、同様の処理によってスラグが除去した溶鋼の表
面に、再度ガス中の酸素濃度を先の発明と同様に、0.
2気圧以下に希釈せしめたガスを上吹きランスから供給
することによって、より短時間に炭素濃度0.005%
以下の極底炭素領域まで脱炭が進行することを確認した
。 ここで、本発明の要件である、吹錬末期の溶鋼中炭素濃
度が0.08%以下の時点で上吹きランスからの酸素供
給を中断する理由としては、酸素供給量が一定の場合に
は、炭素濃度が0.08%よりも低い領域になると脱炭
反応よりも鉄ないしマンガンの酸化反応が優先的に進む
状況に到るからである。 また、転炉内の溶鋼表面上酸化性スラグの除去面積につ
いては、溶鋼表面積に対して20%未満の面積では酸素
分圧を調整した混合ガスの反応界面への供給が阻害され
、脱炭に有効な反応界面積の確保が難しくなる点から、
20%以上除去することが望ましく、このために炉底に
円周状に配置する羽口はその円周の半径が炉内半径の1
/2程度が理想的であり、またその数も4ヶ以上が望ま
しい、この羽口から吹き込むガスの流量は、あまり多す
ぎてもスラグと溶鋼を同時に乱してしまうため、全量で
溶鋼ton当たり20〜30!/分程度でよい。また、
こうしてスラグが存在しない自由な表面に、常に新鮮な
溶鋼を供給するために、既設の炉底の羽口から吹き込む
Ar等の不活性ガスの量も、大量に必要なく、通常の底
吹き撹拌に使用される最低量の溶鋼ton当たり20〜
301/分程度で良い。 この酸化性スラグが存在しない溶鋼表面積を20%以上
確保する方法としては、底吹きガスのみによって上部の
スラグを除去する方法が最も簡単であるが、より確実に
スラグの存在しない溶鋼表面を確保するため、前述のよ
うに底吹きガスによる撹拌を行い上部のスラグが取り除
かれた溶鋼表面に、事前に炉内上部に吊り下げたリング
状の耐火物製のフード(浸漬管)を下降、浸漬させ、ス
ラグのない溶鋼表面を露呈させる方法等も有効である。 又、上吹きランスからのガスとして、ガス中の酸素分圧
を0.2気圧以下に調整したガスを用いる理由としては
、酸素分圧が0.2気圧超では、鉄および溶鋼中のマン
ガンの酸化も同時に進行し、これら反応生成物がスラグ
となって脱炭の反応サイトの減少を招き、常に安定に炭
素濃度0.0 O5%以下まで脱炭を進めることが難し
いためである。 ここで、上吹きランスからのガス中の酸素分圧を0.2
気圧以下に調整する方法としては、酸化性ガスと不活性
ガスを混合する方法が一般的であり、酸化性ガスとして
は、純酸素ガス以外に二酸化炭素ガス、空気、水蒸気等
の使用が可能であり、また不活性ガスとしては、アルゴ
ンガスが一般的であるが、ヘリウムガス等も使用可能で
あるし、鋼の材質上問題がなければ、窒素ガスの使用も
可能である。また、−酸化炭素ガスと二酸化炭素ガスを
混合し、酸素分圧を0.2気圧以下に調整しても構わな
い。さらに、空気単独の使用も充分に可能である。 また、これら上吹きランスから、スラグのない溶鋼表面
に吹き付けるガスの総量も、通常の転炉精錬で供給され
る純酸素ガスの流量はどは必要なく、場面からランスま
での高さにもよるが、溶鋼表面に幾分のくぼみ(キャビ
ティー)が生じる程度の、全量で溶鋼ton当たり10
00f/分程度のソフトな吹き付は量で良い。 以上述べてきたように、炭素濃度をO,OO5%以下極
力低くなるまで短い時間で脱炭反応を進行させたい場合
には、酸化性スラグが存在しない溶鋼表面積の大きさを
より大きくし、また供給する混合ガス中の酸素分圧を炭
素濃度が低くなればなるほど小さく調整し、さらに反応
の界面に溶鋼中の炭素が常に供給されるよう溶鋼を随時
撹拌することが効果的であることは言うまでもない。 〔実施例〕 以下、本発明例を第1図、第2図を用いて詳細に説明す
る。 実施例1 炉容250tの上底吹き転炉1において、溶銑から炭素
0.07%、マンガン0.25%まで吹錬した時点で第
1図に示すように、上吹きランス2からの酸素供給を停
止し、炉底に円周状に設置した8本のガス吹き込み羽口
3から、アルゴンガス4を200 Nn(/hrの流量
で吹き込み、このガスによって溶[5の表面のスラグ6
を転炉内壁部へ押しやった状態で、炉底中央の4本のガ
ス吹き込み羽ロアからアルゴンガス4を400 Nrr
f/hrの流量で吹き込み、その後上吹きランス2から
、酸素分圧を0.1気圧に調整した酸素ガスとアルゴン
ガスの混合ガス8を、流量12000 N rrf /
 hrで溶鋼表面に吹き付け、脱炭処理を20分行った
。この脱炭処理後の溶鋼の炭素濃度は0. OO4%、
マンガン濃度は0.20%となり、わずかにマンガンが
酸化したが、安定に炭素濃度0. OO5%以下に到達
した。 実施例2 炉容250tの上底吹き転炉1において、溶銑から炭素
0.08%、マンガン0.27%まで吹錬した時点で第
2図に示すように、上吹きランス2からの酸素供給を停
止し、炉底に設置した4本のガス吹き込み羽ロアから、
アルゴンガス4を30ONrrf/hrの流量で吹き込
み、このガスによって溶鋼5の表面のスラグ6を転炉内
壁部へ押しやった状態で、事前に炉内に設置したリング
状の耐火物製浸漬管9を下降させ浸漬し、浸漬管内のス
ラグ6を浸漬管外に排出した。転炉1の内径は5m(面
積約20ボ)に対して、浸漬管9の内径は2.5m(面
積5が)であり溶鋼表面上の酸化性スラグは25%除去
された。次に、上吹きランス2から酸素分圧を0.2気
圧に調整した酸素ガスとアルゴンガスの混合ガス8を、
流量10000 Nイ/hrで溶鋼表面に吹きつけ、脱
炭処理を18分行った。この処理後の溶鋼の炭素濃度は
O,OO3%、マンガン濃度は0.20%となりマンガ
ンが幾分酸化したが、安定に炭素濃度0.0 O5%以
下に到達した。 実施例3 炉容250tの上底吹き転炉1において、溶銑から炭素
0.08%、マンガン0.28%まで吹錬した時点で第
2図に示すように、上吹きランス2がらの酸素供給を停
止し、炉底に設置した4本のガス吹き込み羽ロアから、
アルゴンガス4を30ONrrf / h rの流量で
吹き込み、このガスによって溶鋼5の表面のスラグ6を
転炉内壁部へ押しやった状態で、事前に炉内に設置した
リング状の耐火物製浸漬管9を下降させ浸漬し、浸漬管
内のスラグ6を浸漬管外に排出した。この後、炉底中央
の4本のガス吹き込み羽ロアからアルゴンガス4を40
0 Nrrf/hrの流量で吹き込み、次に上吹きラン
ス2から、酸素分圧を0.05気圧に調整した酸素ガス
とアルゴンガスの混合ガス8を、流量12000 Nn
f/hrで溶鋼表面に吹き付け、脱炭処理を15分行っ
た。二〇脱炭処理後の溶鋼の炭、素濃度はO,OO2%
、マンガン濃度は0.23%となり、マンガンが幾分酸
化したが、安定に炭素濃度0.005%以下に到達した
。 比較例1 同じく炉容250tの上底吹き転炉1において、溶銑か
ら炭素0.06%、マンガン0.26%まで吹錬した時
点で、実施例1と同様に、上吹きランス2からの酸素供
給を停止し、炉底に円周状に設置した8本のガス吹き込
み羽口3から、アルゴンガス4を200 Nrrf/h
rの流量で吹き込み、このガスによって溶鋼5の表面の
スラグ6を転炉内壁部へ押しやった状態で、炉底中央の
4本のガス吹き込み羽ロアからアルゴンガス4を40O
Nrrr/hrの流量で吹き込み、次に上吹きランス2
から、酸素分圧を0.5気圧に調整した酸素ガスとアル
−ボンガスの混合ガス8を、流量1000ON rd 
/ hrで溶鋼表面に吹き付け、脱炭処理を15分行っ
た。この脱炭処理後の溶鋼の炭素濃度はO,OI 0%
、マンガン濃度は0.15%となり、マンガンの酸化が
優先的に進行し、炭素濃度0.005%以下までの脱炭
は進行せず、またスラグ中の酸化鉄濃度も増加する結果
となった。 比較例2 同じく炉容270tの上底吹き転炉1において、溶銑か
ら炭素0.07%、マンガン0.24%まで吹錬した時
点で、実施例2と同様に、上吹きランス2からの酸素供
給を停止し、炉底に設置した4本のガス吹き込み羽ロア
から、アルゴンガス4を300 Nrd/hrの流量で
吹き込み、このガスによって溶鋼5の表面のスラグ6を
転炉内壁部へ押しやった状態で、事前に炉内に設置した
リング状の耐火物製浸漬管9を下降させ浸漬し、浸漬管
内のスラグ6を浸漬管外に排出した。転炉1の内径は5
m(面積約20n?)に対して、浸漬管9の内径は2.
5m(面積5が)であり、溶鋼表面上の酸化性スラグは
25%除去された6次に、上吹きランス2から、純酸素
ガスを、流量1000ONnf/hrで溶鋼表面に吹き
付け、脱炭処理を15分行った。この脱炭処理後の溶鋼
の炭素濃度は0.04%、マンガン濃度は0.11%と
なり、マンガンの酸化が比較例1よりも更に優先的に進
行し、炭素濃度0. OO5%以下までの脱炭は進行せ
ず、またスラグ中の酸化鉄濃度も増加する結果となった
。 以上のごとく、本発明方法を溶鋼の脱炭処理に適用する
ことにより、転炉という一つの反応容器を用いて、安価
にかつ安定に炭素濃度o、 o o s%以下の極低炭
素鋼の溶製が可能となった。 〔発明の効果〕 以上のように、本発明によれば、従来の高価かつ大がか
りで、きめ細かなメンテナンスが必要な、真空脱ガス装
置を用いた極低炭素鋼の溶製方法に比較して、このよう
な脱ガス設備等の改造や新設等の必要がなく、通常の転
炉吹錬の末期において、単に溶鋼表面のスラグが覆う部
分を減少せしめ、さらに上吹きランスから吹き付けるガ
ス中の酸素分圧を調整することによって、通常の転炉吹
錬にわずかの処理時間を付加するだけで、炭素濃度0.
005%以下の極低炭素鋼の溶製が可能となった。本発
明によれば、従来の真空脱ガス装置を用いた方法に比較
して、転炉という一つの反応容器だけで極低炭素鋼が溶
製でき、溶鋼の温度降下も少なく、また地金除去等によ
る次の吹錬への悪影響も殆どなく、メンテナンスが非常
に容易となり、処理コストの低下が享受できる。以上の
ように、本発明によれば、工業的規模において、容易か
つ拮実、安価に極低炭素鋼が溶製できる等の優れた効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明の実施方法の一例を示す
説明図である。 1・・・上底吹き転炉、2・・・上吹きランス、3・・
・ガス吹き込み羽目(円周状)、4・・・アルゴンガス
、5・・・溶鋼、6・・・スラグ、7・・・ガス吹き込
す羽口(炉底中央)、8・・・酸素分圧を調整したガス
、9・・・耐火物製浸漬管。 \

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)上底吹き転炉にて吹錬を行う際に、吹錬末期の溶
    鋼中炭素濃度が0.08%以下の時点で、上吹きランス
    からの酸素供給を中断し、炉底に円周状に配置した底吹
    き羽口からの不活性ガス吹き込みにより溶鋼表面のスラ
    グを除去し、かつ中央に配した底吹き羽口からの不活性
    ガス吹き込みにより、前記スラグを除去した自由表面へ
    常に溶鋼を循環させつつ、上吹きランスから酸素分圧を
    調整したガスを吹き付けることによって、溶鋼を脱炭す
    ることを特徴とする転炉における極低炭素鋼の溶製方法
  2. (2)上底吹き転炉にて吹錬を行う際に、吹錬末期の溶
    鋼中炭素濃度が0.08%以下の時点で、上吹きランス
    からの酸素供給を中断し、炉底に配置した底吹き羽口か
    らの不活性ガス吹き込みにより溶鋼表面のスラグを除去
    した後、この部分にリング状の耐火物を浸漬し、次いで
    上吹きランスから酸素分圧を調整したガスを吹き付ける
    ことによって、溶鋼を脱炭することを特徴とする転炉に
    おける極低炭素鋼の溶製方法。
  3. (3)上底吹き転炉にて吹錬を行う際に、吹錬末期の溶
    鋼中炭素濃度が0.08%以下の時点で、上吹きランス
    からの酸素供給を中断し、炉底に配置した底吹き羽口か
    らの不活性ガス吹き込みにより溶鋼表面のスラグを除去
    した後、この部分にリング状の耐火物を浸漬し、かつ底
    吹き羽口からの不活性ガス吹き込みにより、前記スラグ
    を除去した自由表面へ常に溶鋼を循環させつつ、上吹き
    ランスから酸素分圧を調整したガスを吹き付けることに
    よって、溶鋼を脱炭することを特徴とする転炉における
    極低炭素鋼の溶製方法。
  4. (4)スラグを除去した該溶鋼表面に上吹きランスから
    吹き付ける酸素分圧を調整したガスとして、酸素分圧を
    0.2気圧以下に調整したガスを用いて、鉄ならびにマ
    ンガン等の酸化を抑制しつつ溶鋼を脱炭することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の転炉における極
    低炭素鋼の溶製方法。
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