JPH04254512A - 極低炭素鋼の溶製方法 - Google Patents

極低炭素鋼の溶製方法

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JPH04254512A
JPH04254512A JP3510491A JP3510491A JPH04254512A JP H04254512 A JPH04254512 A JP H04254512A JP 3510491 A JP3510491 A JP 3510491A JP 3510491 A JP3510491 A JP 3510491A JP H04254512 A JPH04254512 A JP H04254512A
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molten steel
gas
ladle
carbon
concentration
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JP3510491A
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Naoto Tsutsumi
直人 堤
Yoshimasa Mizukami
水上 義正
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空脱ガス装置を使用
することなく極低炭素鋼を溶製する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】自動車用鋼板等、プレス加工が施される薄
板用鋼板において、加工性を高めるために鋼板中の炭素
濃度を極力低下させた極低炭素鋼が知られている。従来
、この極低炭素鋼を溶製するためには、転炉等で炭素濃
度を0.04%程度まで脱炭させた溶鋼を未脱酸の状態
で取鍋等の容器に受鋼した後に、RH法やDH法といっ
た真空脱ガス装置等の排気装置を有するプロセスを用い
、溶鋼の一部分を減圧(真空)雰囲気中に配置し、気体
側の圧力を低下させることで気体と溶鋼の界面のCOガ
ス分圧を低下させる条件下において、次式に示す溶鋼中
の炭素と酸素を反応させる方法にて脱炭した後、目標の
溶鋼成分となるように、合金を添加して調整を行う溶製
方法が広く行われている。 C  +  O  →  CO           
           (1)一般に溶鋼を脱炭する場
合、(1)式で示したように、溶鋼中の炭素を酸素と反
応させることで、COガスを生成させ、このCOガスを
気体側に除去する方法が用いられる。この脱炭反応を進
めさせるためには、溶鋼中に酸素が必要であり、このた
め、炭素濃度が高い溶鋼に対しては、一般には酸素を上
方や下方から、あるいは上下方向から同時に供給する純
酸素転炉方式が採用されている。しかし、この方法では
、溶鋼中の炭素濃度が0.04%程度以下となると、脱
炭の進行が停滞し、むしろ鉄の酸化が生じ、溶鋼の歩留
り低下や溶鋼中有効な成分であるマンガン濃度の低下を
招く等の問題がある。そこで、この炭素濃度以下でも、
鉄が酸化せず溶鋼中の炭素が優先的に酸化するように、
気体ないしは固体状の酸化源を供給し、溶鋼中の酸素濃
度を増加させると同時に、気体側の一酸化炭素の分圧を
低下させることにより、(1)式の反応を右の方向へ進
行させる方法として真空脱ガス装置が広く普及している
わけである。つまり、次に示す(2)式において、気体
側の一酸化炭素の分圧Pcoを小さくすれば、同じ溶鋼
中酸素濃度であっても、炭素濃度をより小さくすること
ができるわけである。 〔C〕  =  Pco/K・〔O〕        
        (2)Pco : 気体側の一酸化炭
素の分圧〔C〕 : 溶鋼中の炭素濃度 〔O〕: 溶鋼中の酸素濃度 K  : 反応の平衡定数 本法によれば、減圧度を高める(真空度を上げる)ほど
(1)式で示す右方向への脱炭反応が進行するため、現
在工業的に、RH法やDH法等において溶鋼表面を極力
高い真空下に維持することで、炭素濃度0.005%以
下という極低炭素鋼の溶製が可能となっている。ここで
、脱炭速度をより短縮するために、真空脱ガス装置にお
いて、酸素あるいは二酸化炭素等の酸化性ガス、ないし
は、酸化鉄等の固体状酸化源を添加する方法(例えば特
開昭49−34414号、特開昭51−151211号
、特開昭51−151212号)、反応の界面積を大き
くするため大量のガスを溶鋼中に吹き込む方法(特開昭
52−5641号)等も開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記真空脱ガス装置を
用いた極低炭素鋼溶製方法は、炭素濃度を低下せしめる
ため、平衡論的にも非常に有効な方法であり、現在広く
普及しているが、先にも述べたように、溶鋼の一部分を
、高い減圧状態に接触させるために、非常に大がかりで
高価な真空装置が必要であり、また減圧下で溶鋼を処理
することから、耐火物等が溶損し、さらに高温下におい
て減圧状態を維持するために、各かん合部の密着性を高
めるためのきめ細かなメンテナンスを要する。また、溶
鋼を減圧状態に接触した状態で、ガスを溶鋼中に吹き込
むと、ガスが溶鋼表面から離脱する際に、溶鋼が周辺の
密閉容器内に飛び散るため、容器内に地金と称する凝固
した鋼が付着し、溶鋼の歩留りを低下させるばかりか、
この付着地金の除去に多大な労力を要する。さらに、溶
鋼を減圧状態にするための装置は、勿論予熱を充分行っ
た状態で使用されるが、装置全体が大きなために、全体
を均一に一定温度まで予熱することが難しく、脱炭処理
開始時点では、溶鋼の温度降下が大きい。このため、脱
炭処理を行った溶鋼を、連続鋳造等のプロセスで安定に
鋳造するためには、脱炭処理時の温度降下分を補償する
必要がある等、 処理費用が高くなる等の問題点がある
。  上記のような問題点を鑑み、本発明は、これら問
題点を解決し、安価な設備で、従来行われている真空脱
ガス装置で溶製されると同等の極低炭素鋼の溶製方法を
提示するために開発されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、取鍋内の溶鋼
表面の酸化性スラグを、全表面積の20%以上除去した
区域に耐火物製の浸漬体を浸漬して特定空間を形成し、
該特定空間内の炭素濃度0.04〜0.03%、酸素濃
度400〜700ppmの溶鋼の表面に、不活性ガスを
吹付けて、溶鋼を脱炭する際に、溶鋼中の酸素濃度を随
時測定し、その濃度が250〜700ppmの範囲内に
維持するよう、かつ前記特定空間の溶鋼表面には酸化物
が蓄積しないように、溶鋼の撹拌のために取鍋の底部に
設置したポーラス状の耐火性プラグから、酸化性ガスを
吹込み供給することを特徴とする極低炭素鋼の溶製方法
である。
【0005】
【作用】本発明者等は、従来の大がかりな真空装置を必
要とすることなく、安定に溶鋼中の炭素濃度を0.00
5%以下まで脱炭する方法について研究開発を進めた結
果、溶鋼と気体の界面の一酸化炭素ガスの分圧を低下さ
せるために、高価かつ大がかりな真空脱ガス装置等を用
いて溶鋼の一部分の表面を減圧状態下に保たずとも、ア
ルゴンや窒素等の不活性ガスを界面に吹付け、界面の一
酸化炭素ガスを除去し、その分圧を低下させれば、大気
圧下において、炭素濃度0.005%以下まで脱炭反応
は充分に進行し、極低炭素鋼の溶製が可能であることを
見出した。ここで、純酸素を供給する転炉方法での脱炭
反応の場合も、多量の純酸素ガスを供給しており、 溶
鋼と気体の界面の一酸化炭素ガスの分圧は低いと考えら
れる。しかし、先にも述べたように、炭素濃度が0.0
4%程度以下になると炭素よりも鉄やマンガンの酸化が
優先的に生じて、脱炭は停滞し、溶鋼歩留の低下あるい
は溶鋼中有効な成分であるマンガン濃度の低下を招く。 発明者らは、転炉方法でのこの現象を検討し、炭素の酸
化と同時に、シリコンやりん、マンガン等が酸化し、ま
たこれらの酸化物を安定に固定するために、主に石灰を
成分とする精錬用のスラグを置いて処理を行っているこ
と、また純酸素ガスを供給していることそのものが脱炭
停滞の原因であることを明らかとした。すなわち、炭素
濃度が0.04%以下の低い領域まで、脱炭反応を進行
させようとする場合には、炭素濃度に見合った酸素供給
速度を制御することが必要であり、そもそも溶鋼表面に
酸化性のスラグが存在し反応界面を減少させている、あ
るいは純酸素ガスを供給するような状態では、酸素供給
速度が大きすぎるため、鉄あるいはマンガンの優先的な
酸化を引き起こし、これら酸化鉄ないし酸化マンガンが
既に存在するスラグと合わさり、炭素と酸素の反応を生
じさせる反応界面を減少させているわけである。
【0006】このような研究結果から、発明者等は先に
、取鍋内溶鋼表面上の酸化性スラグの占める面積を20
%以下に減少せしめた炭素濃度0.04〜0.02%の
溶鋼表面上に、酸素分圧0.5〜0.01気圧に調整し
た酸化性ガスと不活性ガスの混合ガスを吹きつけ、溶鋼
の酸化を抑制しつつ、溶鋼を脱炭すれば、 炭素濃度0
.02%以下の極低炭素鋼の溶製が可能であることを発
明(特願昭63−153454号)した。さらに、発明
者等は、この脱炭に要する時間を短縮する、ないし到達
する炭素濃度をより一層低下させるための研究開発を進
め、取鍋内溶鋼表面上の酸化性スラグを全表面積の20
%以上除去した区域に耐火物製の浸漬体を浸漬して特定
空間を形成し、該特定空間の炭素濃度0.04〜0.0
3%、酸素濃度400〜700ppmの溶鋼表面上に、
不活性ガスを吹きつけ、溶鋼を脱炭しながら、溶鋼中の
酸素濃度を随時測定し、その濃度が250〜700pp
mの範囲内に維持するように、かつ前記特定空間の溶鋼
表面には新たな酸化物が蓄積しないように、酸素の濃度
を制御することにより、短時間に炭素濃度0.05%以
下の極低炭素領域まで脱炭が進行することを確認した。 ここで、本発明の要件である、取鍋内溶鋼表面上酸化性
スラグを、溶鋼表面積に対して20%以上除去する理由
としては、20%未満の面積比では酸化性スラグによる
溶鋼への酸素供給が進行し、溶鋼の酸素濃度の制御が困
難になること、ならびにそもそも不活性ガスを吹き付け
ることで促進される脱炭への有効な反応界面積が確保で
きないからである。取鍋内の溶鋼表面上の酸化性スラグ
を、溶鋼表面積に対して20%以上除去する方法として
は、例えば、取鍋の底部あるいは、溶鋼に浸漬した耐火
物製のランスから、ガスを吹込み、ガスによる溶鋼の流
れで、表面のスラグを取鍋の内壁部へ押しやった状態で
、筒状の耐火物製の浸漬管を浸漬し、この浸漬管内に酸
化性スラグがない状態にする方法等が簡潔であり、かつ
確実であるが、転炉から取鍋への溶鋼の受鋼時に、スラ
グボールやスラグストッパーといった転炉内の酸化性ス
ラグの流出を抑える方法ゃ、あるいは取鍋内から、 物
理的にスラグを掻きだすスラグドラッガー法等の方法で
物理的に取鍋内の酸化性スラグを除去してもよい。
【0007】次に、溶鋼の表面に吹付けるガスとして不
活性ガスを用いる理由としては、吹付けるガス中の酸素
ガスの濃度が5%を超えると、溶鋼の表面で炭素の酸化
よりも、鉄の酸化が優先的におこり、界面に溶融状態の
酸化鉄が生成し、この酸化鉄が徐々に蓄積して、脱炭に
有効な界面積が減少してしまうため、脱炭の速度が減少
し、炭素濃度0.005%以下まで脱炭させるのにより
長時間を要してしまうことが判明したためである。ここ
で用いる不活性ガスの種類としては、アルゴンガスが一
般的であるが、ヘリウムガス等も可能であるし、鋼の材
質上問題がなければ窒素ガスの使用も可能であり、これ
らのガスを混合しても構わない。一方、脱炭反応を進め
るには、(1)式で示したように、炭素を酸化させる酸
素が必要である。そこで、脱炭を開始する前の溶鋼の酸
素の濃度としては、通常の転炉吹錬で、炭素濃度0.0
4〜0.03%で吹き止めた際に得られる400〜70
0ppmの範囲とし、この溶鋼中の酸素を用いて炭素を
酸化しつつ、脱炭の進行に伴い減少する酸素については
、公知の測定手段、例えば、酸素濃淡電池等を用いて、
その濃度を随時測定しながら、濃度が減少した場合には
、最初に酸化性スラグを除去した溶鋼表面には新たに酸
化物が蓄積して脱炭の反応界面積を減少することがない
ように、その濃度を250〜700ppmの範囲に制御
する必要がある。
【0008】ここで、すでに酸化性スラグを除去した溶
鋼表面には、新たに酸化物が蓄積しないように、溶鋼中
の酸素濃度を調整する方法として、溶鋼の撹拌のために
取鍋の底部に設置したポーラス状の耐火性プラグから純
酸素ガス、空気、二酸化炭素ガス、水蒸気や、これらの
酸化性ガスと一酸化炭素ガスを混合したガスをそもそも
撹拌のために吹きつづけているArガスやN2ガスとい
った単体または混合した不活性ガスに混合し溶鋼の内部
に吹込みながら供給する方法が考えられる。こうして、
酸化性ガスと不活性ガスの混合ガスを溶鋼の内部に供給
する場合、溶鋼中の酸素濃度をほぼ一定に制御できるよ
うに、少しずつ連続的に供給してもよいし、またポーラ
ス状の耐火性プラグの寿命を長くするために、短時間に
ある程度の量を断続的に、ないしは一括的に供給しても
構わない。ここで、ポーラス状の耐火性プラグを介して
、溶鋼中に吹き込む酸化性ガスの量であるが、ポーラス
状の耐火性プラグの寿命を長くするためには、その濃度
を低位に維持することが好ましく、例えば純酸素ガスを
Arガスに混合する場合には、20%以下程度が望まし
いが、耐火性プラグの消耗を考慮しなければ耐火物の溶
損による、 溶鋼漏れ等が生じない範囲でその濃度を高
めることも可能である。また、溶鋼の撹拌のために取鍋
の底部に設置されるポーラス状の耐火性プラグは、通常
単数が一般的であるが、撹拌強化のために複数設置され
る場合にも、本発明はより一層の効果を供する。こうし
た方法によって、脱炭の反応界面積を確保する目的で、
最初に酸化性スラグを除去した溶鋼表面で、酸化物がさ
らに生成し、かつ蓄積していくことをなくし、常に脱炭
速度を高位に維持することができるわけである。
【0009】以上のような理由から、炭素濃度を0.0
05%以下の極力低くまで、かつ短い時間内で進行させ
たい場合には、ガスの吹付けにより脱炭が進行する反応
界面積をより大きくするために、酸化性スラグが占める
溶鋼表面積の大きさをより小さくする、また反応の界面
に溶鋼中の炭素が常に供給されるように、溶鋼を強く撹
拌することが効果的であることは言うまでもない。ここ
で溶鋼を撹拌するためには、取鍋の底部あるいは補助的
に浸漬した耐火物製ランスから供給するガスの量を大き
くするほうが好ましく、またこのためのガスは、上記特
定空間の溶鋼表面に吹きつけるガスと同様の不活性ガス
が好ましいが、前記した酸素濃度を制御するための純酸
素ガス、空気、二酸化炭素ガス、水蒸気等の単独ガスや
、これらの酸化性ガスと一酸化炭素ガスとの混合ガス、
あるいはこれら酸化性ガスと不活性ガスの混合ガスを用
いても構わないし、また、上記補助的に浸漬した耐火物
製ランスから酸化鉄等の固体状酸化源を溶鋼の内部に供
給するための不活性ガスを兼用して用いても構わない。
【0010】
【実施例】以下、本発明例を図1から図4を用いて詳細
に説明する。 実施例1 転炉において、溶銑から炭素0.04%、マンガン0.
30%に溶製した250tonの溶鋼1を、取鍋2に未
脱酸状態で出鋼した。出鋼後の取鍋内溶鋼の成分は炭素
0.039%、酸素400ppmであり、溶鋼の温度は
1630℃であった。その後、取鍋2の底部に配置した
耐火物製のポーラスプラグ3から、Arガスを50Nm
3/hrの流量で吹き込み、取鍋内の転炉から流出した
酸化性スラグ4を取鍋の内壁部へ押しやった状態で、図
1に示すように筒状の耐火物製の浸漬管5を浸漬し、浸
漬管5内にはスラグ4がない状態を確保した。取鍋2の
内径が3.6m(10m2)に対して、浸漬管5の内径
は1.6m(2.0m2)で、溶鋼表面上の酸化性スラ
グ4は20%除去された。次に、図2に示すように、溶
鋼表面から1.2mの高さに、上吹きランス6を配置し
、Arガスを、流量3000Nm3/hrで溶鋼表面に
吹きつけ、脱炭処理を15分行った。この間、取鍋底部
のポーラスプラグ3からはArガスを30Nm3/hr
の流量で吹き込み続け、撹拌を行った。途中5分で、酸
素濃度を測定したところ320ppmを示したため、取
鍋の底部の耐火物製のポーラスプラグ3から、純酸素ガ
ス10Nm3/hrとArガス40Nm3/hrの混合
ガスを8分間吹込み、酸素濃度を450ppmまで上昇
させた。脱炭処理後の溶鋼温度は1620℃で、炭素濃
度は0.003%、マンガン濃度は0.28%となり、
わずかにマンガンが酸化したが、安定に炭素濃度0.0
05%以下に到達した。
【0011】実施例2 転炉において、溶銑から炭素0.04%、マンガン0.
30%に溶製した250tonの溶鋼1を、取鍋2に未
脱酸状態で出鋼した。出鋼後の取鍋内溶鋼の成分は炭素
0.036%、酸素420ppmであり、溶鋼の温度は
1640℃であった。その後、取鍋2の底部に配置した
耐火物製のポーラスプラグ3から、Arガスを30Nm
3/hrの流量で吹き込み、取鍋内の転炉から流出した
酸化性スラグ4を取鍋の内壁部へ押しやった状態で、図
1に示すように筒状の耐火物製の浸漬管5を浸漬し、浸
漬管5内にはスラグ4がない状態を確保した。取鍋2の
内径が3.6m(10m2)に対して、浸漬管5の内径
は1.8m(2.5m2)で、溶鋼表面上の酸化性スラ
グ4は25%除去された。次に、図2に示すように、溶
鋼表面から1.2mの高さに、上吹きランス6を配置し
、Arガスを、流量3200Nm3/hrで溶鋼表面に
吹きつけ、脱炭処理を15分行った。この間、取鍋底部
のポーラスプラグ3からはArガスを30Nm3/hr
の流量で吹き込み続け、撹拌を行った。途中3分で、酸
素濃度を測定したところ、330ppmを示したため、
取鍋の底部の耐火物製のポーラスプラグ3から、二酸化
炭素ガス20Nm3/hrとArガス20Nm3/hr
の混合ガスを1分間隔で10分間吹込み、酸素濃度を4
50ppmまで上昇させた。この脱炭処理後の溶鋼温度
は1590℃で、炭素濃度は0.002%、マンガン濃
度は0.28%となり、わずかにマンガンが酸化したが
、安定に炭素濃度0.005%以下に到達した。
【0012】比較例1 同じく転炉において、溶銑から炭素0.04%、マンガ
ン0.33%に溶製した250tonの溶鋼1を、取鍋
2に未脱酸状態で出鋼した。出鋼後の取鍋内溶鋼の成分
は炭素0.035%、酸素460ppmであり、溶鋼の
温度は16400℃であった。取鍋2の底部に配置した
耐火物製のポーラスプラグ3から、Arガスを30Nm
3/hrの流量で吹き込み、取鍋内の転炉から流出した
酸化性スラグ4を取鍋の内壁部へ押しやった状態で、図
1に示すように筒状の耐火物製の浸漬管5を浸漬し、浸
漬管内にはスラグ4がない状態を確保した。取鍋2の内
径が3.6m(10m2)に対して、浸漬管5の内径は
1.8m(2.5m2)で、溶鋼表面上の酸化性スラグ
4は25%除去された。次に、図2に示すように、溶鋼
表面から1.0mの高さに、上吹きランス6を配置し、
Arガスを、流量2500Nm3/hrで溶鋼表面に吹
きつけ、脱炭処理を15分行った。この間、取鍋底部の
ポーラスプラグ3からはArガスを40Nm3/hrの
流量で吹き込み続け、撹拌を行った。途中5分で、酸素
濃度を測定したところ、300ppmを示したが、その
ままArガスを40Nm3/hr吹きつづけた。この脱
炭処理後の溶鋼温度は1620℃、炭素濃度は0.00
9%、マンガン濃度は0.34%であり、炭素濃度0.
005%以下までには本時間内では進行しなかった。
【0013】比較例2 同じく転炉において、溶銑から炭素0.04%、マンガ
ン0.30%に溶製した250tonの溶鋼1を、取鍋
2に未脱酸状態で出鋼した。出鋼後の取鍋内溶鋼の成分
は炭素0.036%、酸素460ppmであり、溶鋼の
温度は1630℃であった。その後、図3のように、取
鍋内に30mm厚の酸化性スラグ4を残留させた状態で
、取鍋の底部に配置した耐火物製のポーラスプラグ3か
ら、Arガスを40Nm3/hrの流量で吹き込み、さ
らに、図4のように、溶鋼表面から1.2mの高さに上
吹きランス6を配置し、Arガスを流量3500Nm3
/hrで吹きつけて、脱炭処理を20分行った。 この
間、取鍋底部のポーラスプラグ3からはArガスを30
Nm3/hrの流量で吹き込み続け、撹拌を行った。 
途中5分で、酸素濃度を測定したところ、320ppm
を示したため取鍋の底部の耐火物製のポーラスプラグ3
から、純酸素ガス10Nm3/hrとArガス40Nm
3/hrの混合ガスを5分間吹込み、酸素濃度を400
ppmまで上昇させた。この脱炭処理後の溶鋼温度は1
605℃で、炭素濃度は0.018%、マンガン濃度は
0.24%であり、炭素濃度0.005%以下までには
本時間内では進行しなかった。
【0014】比較例3 同じく転炉において、溶銑から炭素0.04%、マンガ
ン0.35%に溶製した250tonの溶鋼1を、取鍋
2に未脱酸状態で出鋼した。出鋼後の取鍋内溶鋼の成分
は炭素0.033%、酸素520ppmであり、溶鋼の
温度は1630℃であった。その後、図3のように、取
鍋内に30mm厚の酸化性スラグ4を残留させた状態で
、取鍋の底部に配置した耐火物製のポーラスプラグ3か
ら、Arガスを40Nm3/hrの流量で吹き込み、さ
らに、図4のように、溶鋼表面から1.2mの高さに、
上吹きランス6を配置し、Arガスを、流量3200N
m3/hrで吹きつけて、脱炭処理を20分行った。こ
の間、取鍋底部のポーラスプラグ3からはArガスを4
0Nm3/hrの流量で吹き込み続け、撹拌を行った。 途中5分で、酸素濃度を測定したところ、420ppm
を示したため、そのままArガスを40Nm3/hrの
流量で吹きつづけた。この脱炭処理後の溶鋼温度は16
10℃、炭素濃度は0.019%、マンガン濃度は0.
32%であり、炭素濃度0.005%以下までの脱炭は
進行しなかった。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、従来の高価かつ大がか
りで、きめ細かなメンテナンスが必要な、真空脱ガス装
置を用いた極低炭素鋼の溶製方法に比較して、このよう
な脱ガス設備等の改造や新設等なく、単に溶鋼表面のス
ラグを減少せしめ、かつ不活性ガスを吹付けながら、溶
鋼中の酸素濃度を制御することにより、通常の真空脱ガ
ス装置を用いた場合と同様に、30分程度の脱炭時間で
、炭素濃度0.005%以下の極低炭素鋼の溶製が可能
となった。また、本発明によれば、従来の真空脱ガス装
置を用いた方法に比較して、溶鋼の温度降下も少なく、
また地金付着等も少なく、かつ地金除去等も、浸漬管内
に付着したもののみを除去すればよく、メンテナンスが
非常に容易となり、処理コストの低下が享受できる。ま
た、炭素濃度が0.005%以上、0.04%以下の成
分への脱炭も、当然のことながら従来のように真空脱ガ
ス装置を用いることなく溶製できることは言うまでもな
い。このように、本発明によれば、工業的規模において
、容易かつ確実、安価に極低炭素鋼が溶製できる等の優
れた効果が得られる。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施方法を示す説明図、
【図2】同
、本発明の他の実施方法を示す説明図、
【図3】比較例
の一例を示す説明図、
【図4】同、比較例の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1  溶鋼 2  取鍋 3  ポーラスプラグ 4  転炉スラグ 5  耐火物製浸漬管 6  上吹きランス 7  浸漬ランス。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  取鍋内の溶鋼表面の酸化性スラグを、
    全表面積の20%以上除去した区域に耐火物製の浸漬体
    を浸漬して特定空間を形成し、該特定空間内の炭素濃度
    0.04〜0.03%、 酸素濃度400〜700pp
    mの溶鋼の表面に、不活性ガスを吹付けて、溶鋼を脱炭
    する際に、溶鋼中の酸素濃度を随時測定し、その濃度が
    250〜700ppmの範囲内に維持するよう、かつ前
    記特定空間内の溶鋼表面には酸化物が蓄積しないように
    、溶鋼の撹拌のために取鍋の底部に設置したポーラス状
    の耐火性プラグから、酸化性ガスを吹込み供給すること
    を特徴とする極低炭素鋼の溶製方法。
JP3510491A 1991-02-06 1991-02-06 極低炭素鋼の溶製方法 Withdrawn JPH04254512A (ja)

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