JPH04268096A - 化成皮膜の形成方法 - Google Patents

化成皮膜の形成方法

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JPH04268096A
JPH04268096A JP5039291A JP5039291A JPH04268096A JP H04268096 A JPH04268096 A JP H04268096A JP 5039291 A JP5039291 A JP 5039291A JP 5039291 A JP5039291 A JP 5039291A JP H04268096 A JPH04268096 A JP H04268096A
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JP
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chemical conversion
potential
treated
phosphate
metals
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JP5039291A
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Toshiaki Shimakura
俊明 島倉
Yutaka Ishida
裕 石田
Tomomi Watanabe
渡辺 ともみ
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、異種金属を接合してな
る部材の同時化成処理方法に関し、さらに詳しくは、被
処理材の浸漬時に、被処理材の電位を制御して電解を行
うことによって、形成される化成皮膜の結晶を緻密化し
、もって耐食性に優れたリン酸塩化成皮膜を形成する方
法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
の車体用鋼板をはじめ、各種用途の鋼板及び亜鉛めっき
鋼板等は、耐食性等の向上を目的として表面を化成処理
するが、この化成処理剤としてリン酸塩が一般に使用さ
れている。このリン酸塩を用いたいわゆるリン酸塩化成
処理法では、Zn、Fe、Mn等の第一リン酸塩を主成
分とした水溶液を用い、これに被処理材を浸漬するか、
又はスプレー等により被処理材表面に処理液を接触させ
る方法が主として行なわれている。 【0003】このリン酸塩化成処理方法によって得られ
る化成皮膜の耐食性の向上等を目的として、これまで種
々の試みがなされた。例えば化成皮膜の生成促進のため
にニッケルイオンを処理液に添加する方法や、電解を浸
漬法と組み合わせた方法などがある。後者の例として、
鋼板と電極との間に非対称電流を通電して電解処理をす
るリン酸塩処理方法(特開昭61−133399号)や
、処理液中の鋼板及び対極との間に交流電界を印加しな
がら化成処理を行う方法(特開昭60−262999号
)などがあるが、これらの方法によって得られる化成皮
膜では、近年自動車用鋼板等に要求される耐食性のレベ
ルを満たすのに十分ではない。 【0004】また、Zn、FeまたはMnの第一リン酸
塩を主成分とし、促進剤として酸化剤を添加しないリン
酸処理液を使用し、パルス電流もしくは正逆反転サイク
ル電流で鋼板を電解することにより、リン酸塩皮膜を促
進形成する方法(特開昭59−197596号)もある
。 【0005】しかしながら、この方法では、たしかにリ
ン酸塩皮膜形成の促進は達成できるが、得られる化成皮
膜の耐食性は、通常の浸漬法による化成皮膜のそれと実
質的に変わらない。これは、形成されるリン酸塩の結晶
粒径が従来の浸漬法で得られるものと大差なく、特に微
細な結晶粒が緻密に集まった皮膜とはならないためと考
えられる。また、この方法では定電流パルスを印加する
ことにより電解する方法をとっているので、皮膜が形成
されるにつれて印加する電位が初期の電位に比して過剰
となり、そのため被処理材からの金属イオン(例えば被
処理材が鋼板の場合はFe2+)の溶出速度が徐々に大
きくなる。その結果、金属イオン(Fe2+等)の溶出
が盛んに行われた部位がアノード活性部分として残り、
ポーラスな化成皮膜が形成され、耐食性に劣るようにな
ると考えられる。 【0006】ところで、近年になって、防錆性の向上や
軽量化のために、自動車のボディに従来の冷延鋼板の他
に、亜鉛めっき鋼板やアルミニウム材等が用いられるよ
うになってきた。このような複数種の金属部材からなる
自動車ボディに対する化成処理では、工程数を減らすた
めに、一工程で自動車ボディ全体の化成処理を行ういわ
ゆる同時化成処理の適用が注目されている。 【0007】しかしながら、アルミニウム材は冷延鋼板
及び亜鉛めっき鋼板比して化成性が大きく劣ることが知
られており、従来のディップ処理法を上記の三種の金属
からなる被処理材に適用するのでは、アルミニウム材部
分に良好な化成皮膜を得ることはできない。なお、化成
処理液中に遊離フッ素イオンを導入し、アルミニウム材
部分の化成性を向上することも考えられるが、緻密な化
成皮膜を得ることはできない。また、フッ素イオンを多
量に導入することは環境問題からも好ましくない。 【0008】さらに、上記三種の金属が接合してなる被
処理材を化成処理液にディップすると、各々の金属の酸
化還元電極電位(化成処理液中での自然電極電位)が異
なるためにガルバニ電位差が生じ、自然電極電位が貴(
+)な金属(この場合は鉄)部分では金属の溶出(アノ
ード溶解)が抑制され、化成性が低下する問題も生じる
。 【0009】したがって、本発明の目的は、異種の金属
が接合してなる部材の同時化成処理において、異種金属
間のガルバニ電位差に起因する化成性のバラツキを防止
するとともに、形成されるリン酸塩化成皮膜を微細化し
て緻密な皮膜とし、もって耐食性に優れた化成皮膜を形
成する方法を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、異種の金属が接合してなる被処理
材をリン酸塩処理液に浸漬する工程の初期段階で、被処
理材中の金属で最も貴なものが処理液に対して有する自
然電極電位より貴(+)方向にパルス状電位をかけてや
れば、異種金属間の化成性のバラツキを解消するととも
に、リン酸塩結晶を微細にかつ緻密に形成してなる化成
皮膜とすることができ、もって耐食性に優れたリン酸塩
化成皮膜とすることができることを発見し、本発明を完
成した。 【0011】すなわち、複数種の金属を接合してなる被
処理材に化成皮膜を形成する本発明の方法は、リン酸塩
処理液中に前記被処理材を浸漬し、前記浸漬工程の初期
段階で、前記被処理材中の最も貴な金属が前記処理液に
対して有する自然電極電位から貴(+)の方向のパルス
状電位を前記被処理材にかけ、前記パルス状電位の印加
後に、前記被処理材の電位を、複数種の金属を接合した
状態での自然電極電位又はこの複数種の金属を接合した
状態での自然電極電位より貴(+)に保ちながら前記被
処理材中の複数種の金属を同時に化成処理することを特
徴とする。 【0012】以下本発明を詳細に説明する。まず本発明
で用いる化成処理液は、Zn、Fe、Mn、Ca、Zr
等の少なくとも一種の第一リン酸塩を主成分とする水溶
液であり、反応促進剤としてNiイオン及び/又はフッ
素イオンを含んでいても良い。特にZnの第一リン酸塩
を主成分とするものが好ましい。このような化成処理液
としては、例えばZnイオン0.5〜2g/リットル、
PO4 イオン2〜30g/リットル、Feイオン0〜
0.5 g/リットル、Mnイオン0〜2g/リットル
、Caイオン0〜2g/リットル、Zrイオン0〜2g
/リットル、Niイオン0〜2g/リットル、NO3 
イオン 0.5〜10g/リットル、NO2 イオン0
.01〜 0.1g/リットル及びフッ素イオン0〜3
g/リットルを含む水溶液が使用できる。フッ素イオン
としては、非遊離型のものと遊離型のものがある。 【0013】亜鉛イオンの供給源としては、例えば酸化
亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛等が挙げられる。リン酸イオ
ンの供給源としては、例えばリン酸、リン酸ナトリウム
、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸ニッケル、リン
酸第一鉄等が挙げられる。鉄イオンの供給源としては塩
化鉄等が挙げられる。またマンガンイオンの供給源とし
ては、炭酸マンガン、硝酸マンガン、塩化マンガン等が
挙げられ、ニッケルイオンの供給源としては、炭酸ニッ
ケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル等を用いることがで
きる。カルシウムの供給源としては、炭酸カルシウム、
硝酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。 ジルコニアイオンの供給源としては、炭酸ジルコニア、
硝酸ジルコニア、塩化ジルコニア及びそれらのオキシジ
ルコニウム塩等が挙げられる。 【0014】また、NO3 イオン及びNO2 イオン
の供給源としては、上述したような金属塩を用いること
ができる。 【0015】非遊離フッ素イオンの供給源としては、以
下に示すような錯形成フッ化物を用いることができる。 錯形成フッ化物としては、HBF4 、NaBF4 、
KBF4 、NH4 BF4 等のホウフッ酸、H2 
SiF6 、Na2 SiF6 、K2 SiF6 等
のケイフッ酸、ジルコンフッ酸、チタンフッ酸等が挙げ
られる。また、遊離フッ素イオンの供給源としては、解
離性フッ化物を用いることができる。 解離性フッ化物としては、HF、NH4 F、NH4 
F2 、KF、NaF、NaHF2 等が挙げられる。 非遊離フッ素イオンと遊離フッ素イオンはいずれか一方
があれば良いが、非遊離フッ素イオンの方が好ましい。 なお、併用する場合には、両者の合計量が3g/リット
ル以下となるようにする。 【0016】その他添加することができる金属イオンと
しては、Cr、Cu、Co、Mo、W、Mg、Ti、S
i等のイオンが挙げられる。 【0017】なお、化成処理液の実際の使用に際しては
、水酸化ナトリウム等を用いて、この溶液の全酸度(処
理液10mlを、フェノールフタレインを指示薬として
 0.1Nの水酸化ナトリウムで滴定したときの所要m
l数であり、これをポイントとして表す。)を10〜2
0ポイント、遊離酸度(処理液10mlを、ブロムフェ
ノールブルーを指示薬として 0.1Nの水酸化ナトリ
ウムで滴定したときの所要ml数であり、これをポイン
トとして表す。)を 0.8〜1.2 ポイントに調整
しておくことが好ましい。また促進剤値(トナー値)は
好ましくは 1.0〜4.0 に調整する。 【0018】本発明の方法は、従来化成処理が行われて
いる金属材(めっき材及び合金材を含む)の少なくとも
二種が接合してなる素材に対して適用することができる
。そのような素材としては、鉄(鋼材)及びステンレス
等の合金、亜鉛及びその合金、アルミニウム及びその合
金等の金属材、及び亜鉛めっき板、錫めっき板、合金化
亜鉛めっき板、クロムめっき板、ニッケルめっき板、ア
ルミめっき板等の金属めっき材が挙げられる。 【0019】なお、本発明において、複数種の金属が接
合された状態とは、例えば溶接、接着、導線による接続
等で異種金属同士を電気的に結合した状態をさす。なお
、自動車ボディ等のように、複数種の金属から構成され
たものに、部分的に樹脂成形品やプラスチック部材等が
組み込まれた被処理材においても、本発明の処理方法を
そのまま適用することができる。 【0020】次に本発明の方法を説明するが、以下の説
明における被処理材とは、少なくとも二種の異種金属が
接合してなる素材である。 【0021】まず化成処理の前に、必要に応じてその被
処理材の表面を脱脂処理する。脱脂処理には溶剤脱脂と
アルカリ脱脂があり、溶剤脱脂にはトリクロルエチレン
、パークロルエチレン、ガソリン、ヘキサン等の溶剤を
使用し、アルカリ脱脂には水酸化ナトリウム、炭酸ナト
リウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等の洗浄
液を使用する。 【0022】脱脂処理した表面は水洗し、続いて必要に
応じて表面調整剤により浸漬処理をする。 【0023】次に、上述したリン酸塩処理液に被処理材
を浸漬し、同時に、被処理材中の金属で最も貴なものが
リン酸塩処理液に対して有する自然電極電位より貴(+
)方向のパルス状電位をかけ、その後、被処理材の有す
る自然電極電位以上に保ちながら被処理材表面上に化成
皮膜を形成する。この工程を添付図面を参照して説明す
る。 【0024】図1は本発明の方法を実行することのでき
る化成処理装置を示す模式図であり、図2は、そのとき
被処理材に印加する電位の一例を示すグラフである。ま
ず化成処理装置は、リン酸塩処理液2を満たした槽5と
、参照電極3と、負極板4と、ポテンシオスタット6と
、ファンクションジェネレータ7とを有する。ここで異
種の金属を接合してなる被処理材1は正極側に取り付け
、リン酸塩処理液2に浸漬する。なお槽5中のリン酸塩
処理液2は、何らかの方法で撹拌するのが好ましい。 また、処理液2は加温しなくても良いが、好ましくはそ
の温度を30〜70℃に保持する。ポテンシオスタット
6の代わりに、直流電源を用いて電位をかけても良い。 なお、図1に示す例において、被処理材1は三種の金属
M1 、M2 及びM3 が接合してなり、処理液2に
対する自然電極電位はM1 >M2 >M3 の順(M
1 が最も貴)となっている。なお、金属種の接続の順
は任意に、また隣接する金属種は1種以上任意に、さら
に面積比率も任意に設定することができる。 【0025】被処理材1には、リン酸塩処理液2に浸漬
後、ポテンシオスタット6とファンクションジェネレー
タ7とにより、たとえば図2に示すような電位をかける
。ここでグラフの横軸は被処理材1が処理液2に浸漬さ
れた時点からの時間(秒)を示しており、縦軸は処理液
2に対する被処理材1の電位を示している。なお電位E
0 は、被処理材1中の最も貴な金属(M1 )が処理
液2に浸漬された時の自然電極電位であり、それに続く
破線E0t(M1 )は処理液2中における金属M1 
の自然電極電位の時間変化を示している。また、破線E
0t(M2 )及び破線E0t(M3 )はそれぞれ金
属M2 及び金属M3 の自然電極電位の時間変化を示
している。さらに、破線E0t(M1 +M2 +M3
 )は、上記三種の金属が接合した部材(被処理材1)
の自然電極電位の時間変化を示している。 【0026】被処理材1をリン酸塩処理液2に浸漬後、
貴(+)方向にパルス状電位をかけるが、このパルス状
電位の最大電位Em は、被処理材1中の最も貴な金属
M1 が処理液2に対して有する自然電極電位E0と以
下の関係となるように設定するのが好ましい。 E0 +0.05(V) ≦Em ≦E0 +1.1(
V)【0027】最大電位Em がE0 +0.05(
V)より低い場合には、被処理材1をなす金属がイオン
として処理液2に溶出して、それがリン酸亜鉛イオン等
のリン酸塩イオンと反応し、さらにリン酸塩を生成する
一連の反応を促進する効果が十分とはならず、無電解の
化成反応(浸漬のみ)と実質的に変わりがない。また最
大電位Em がE0 +1.1(V)より高くなると、
過剰に被処理材をエッチングすることになり、被処理材
表面上に化成皮膜が沈着するのが阻害される。 【0028】またこのパルス状電位の印加は、被処理材
を処理液に浸漬後、40秒以内、好ましくは20秒以内
に終了するように行う。すなわち図2においてt1 は
40秒を超さない。パルス状電位の印加を40秒を超え
て行なうと、被処理材表面に形成された化成皮膜中の結
晶間隙部を通って、いたずらに金属イオンが溶出するこ
ととなり、その結果、化成処理後の皮膜にアノード活性
溶解点を多く残し、皮膜の耐食性が低下する。なおパル
ス状電位は上記の時間内(浸漬後40秒以内)に少なく
とも1回印加するが、その印加は、被処理材の浸漬後な
るべく早い時間に行うほうが良い。その理由は、浸漬の
初期に被処理材をなす金属のイオンとしての溶出を促進
させ、これによって多数の結晶核を形成し、より緻密な
皮膜とするためである。 【0029】印加するパルスの形状は特に限定はされな
いが、上述したようになるべく浸漬の初期に被処理材の
金属イオンが多く溶出するような形状とする。そのよう
なパルスの形状は、例えば図3の(a) に示すような
ものがよい。また図3(b) 、(c) 又は(d) 
に示す形状としても良い。さらには、上記の三角形状や
矩形状のピークに限らず、指数関数的な減衰曲線、正弦
波状曲線等であっても良く、上記した(a) 〜(d)
 を適宜組み合わせた波形でもよい。またそのパルス形
状はなめらかな曲線又は直線からなる必要はなく、複数
のステップからなる階段状パルスとしても良い。なおパ
ルスの幅は特に限定されず、パルス終了が浸漬後40秒
以内であれば良い。 【0030】上述した形状のパルス状電位を印加した後
、被処理材1の自然電極電位E0t(M1 +M2 +
M3 )以上の電位に保ちながら浸漬を続ける(例えば
E0t(M1 +M2 +M3 )にバイアス電位(Δ
L:図2参照)を印加する)。本発明では、好ましくは
、被処理材1中で最も貴な金属M1 の自然電極電位E
0tに0.15V以下の貴(+)方向のバイアス電位(
△E)を印加しながら(図2のEt 曲線)、又はバイ
アス電位を印加せずに浸漬を続ける(すなわち図2の△
Eを0≦△E≦0.15とする)。 【0031】このバイアス電位を、自然電極電位E0t
(M1 )+0.15Vを超す大きさとすると、被処理
材表面をいたずらにエッチングすることとなり化成皮膜
の沈着が阻害されるので好ましくない。なお、Niイオ
ンを含まない化成処理液においては、このようなバイア
ス電位として、Niイオン含有浴に対する自然電極電位
にシミュレートするような電位をかけるのが好ましい。 【0032】バイアス電位をマイナス方向にかけた場合
には、パルス印加後の金属イオンの適切な供給が得られ
ず、また、特に鉄(鋼板)の場合、リン酸亜鉛(Hop
eite )の被覆が進行し、パルス印加後に形成され
る皮膜はバイアス電位をかけない通常の浸漬による皮膜
組成に比べてリン酸亜鉛(Hopeite )が多い皮
膜となり、本発明の方法による皮膜に比して耐食性が劣
ることになる。 【0033】なお、複数種の金属を接合した状態の自然
電極電位は、各金属の有する自然電極電位に各金属の面
積比率を案合した平均の値であり、事前にポテンシオス
タット等により測定可能である。 【0034】パルス状電位の印加を含めた合計の浸漬時
間(化成処理時間)は15〜120 秒が適当である。 【0035】化成処理後、水洗、乾燥するが、この乾燥
は、90℃で10分間程度で十分である。 【0036】このようにして形成した化成皮膜は、塗装
下地皮膜とすることができる。この化成皮膜上に塗布す
ることのできる塗料としては、メラミンアルキド樹脂塗
料、アクリルメラミン樹脂塗料、又はエポキシ樹脂等の
カチオン電着塗料及びアニオン電着塗料などの熱硬化性
樹脂塗料や、アクリルラッカー等の熱可塑性樹脂塗料が
挙げられる。 【0037】 【作用】本発明では、被処理材の浸漬の初期段階で、被
処理材中の最も貴な金属がリン酸塩処理液に対して有す
る自然電極電位より貴(+)方向のパルス状電位を印加
するので、被処理材を構成する金属の溶出反応が促進さ
れる。 【0038】被処理材中の鉄板部分では、以下の反応が
促進される。 Fe→Fe2++2e− ・・・(1) また被処理材
は正極となるので、処理液中のリン酸塩イオン(たとえ
ばZnPO4 − ) が被処理材表面に引きつけられ
ることになり、以下の反応が促進される。 Fe2++2ZnPO4 − →Zn2 Fe(PO4
 )2 ↓・・・(2) 【0039】このように、被
処理材表面に多量のリン酸塩(式(2) の右辺等のリ
ン酸塩)が形成される。したがって、多数の核からリン
酸塩の結晶が成長することになり、緻密な微細結晶から
なる化成皮膜が形成される。 【0040】また、被処理材中の亜鉛めっき鋼板部分で
は、以下の反応が促進される。 Zn→Zn2++2e− ・・・(3) Zn2++2
ZnPO4 − →Zn3 (PO4 )2 ↓・・・
(4) 【0041】本発明の方法により、亜鉛めっき
鋼板部分からのZnの溶出が促進され、Hopeite
 (上記式(4) の右辺の化合物)の結晶粒径が微細
化される。これによって、亜鉛めっき鋼板の化成処理で
しばしば問題となる二次密着性能の低下を改善すること
ができる。 【0042】一方、アルミニウム材部分の表面に形成さ
れる皮膜の主成分は上記したHopeite であるた
め、化成処理工程でのアルミニウムイオンの溶出は、直
接皮膜形成の促進につながらない。しかしながら、本発
明の方法は以下の点でアルミニウム材の化成性を向上す
る。すなわち、アルミニウム部材の表面には酸化膜が存
在するため、一般に化成皮膜はアルミニウム部材表面に
は沈着しない。ところが、本発明の方法によれば、その
初期のパルス電位の印加によりアルミニウム部材表面の
酸化膜を迅速に取り除くことができるので、化成性が向
上される。 【0043】なお、上述したように、化成処理液中では
、 Zn2++2ZnPO4 − →Zn3 (PO4 )
2 ↓・・・(5) が進行することが考えられるが、
被処理材表面では、被処理材に上述した大きさの電位が
かかるため、反応(2) が優先的に進み、得られる化
成皮膜にはリン酸亜鉛(Zn3 (PO4 )2 )よ
りも式(2) の右辺のリン酸塩等が多くなる。Zn2
 Fe(PO4 )2 ・4H2 O(Phospho
phyllite )はZn3 (PO4 )2 ・4
H2 O(Hopeite )より耐食性に優れている
ので、本発明の方法で得られる化成皮膜は耐食性に優れ
た皮膜となる。 【0044】アノードパルス電位の制御による本発明の
化成処理法によれば、良好な耐食性を有する化成皮膜が
形成されるが、それは以下の理由によるものと思われる
。 【0045】■化成反応初期における各種金属表面のエ
ッチングが促進され、またリン酸亜鉛皮膜結晶の核形成
反応が促進されるので、緻密で微細な皮膜結晶が形成さ
れる。これにより耐食性が向上する。 【0046】■一般に、酸化還元電極電位の異なる金属
を接続すると、貴な電極電位を有する金属の電位が卑な
方向に移動し、主としてカソード反応が起こるため、エ
ッチングが抑制されて化成性が低下する。そしてこの傾
向は、接合された金属同士の表面積の差が大きい場合(
貴な金属の処理面積が大きい)に特に顕著となる。しか
しながら、本発明の方法によれば、各々の金属に対して
同様な電位を与えることになるので、この欠点を改善す
ることができる。 【0047】■特に、アルミニウム材部分に対しては、
アルミニウム表面の偏析や酸化皮膜の存在により化成反
応が起こりにくい状態となっているが、アノードパルス
の印加によりこれらの表面皮膜を溶解させることができ
、化成されにくいアルミニウム金属表面にも良好に化成
皮膜を形成することができる。 【0048】■さらに本発明の方法では、電位を制御し
て電解を行っているので、被処理材からの金属イオンの
溶出速度を適切に制御することになり、いわゆるアノー
ド活性部位と呼ばれる化成皮膜のできにくい部分の形成
を阻止でき、均一な皮膜を得ることができる。 【0049】 【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。なお以下に示す実施例及び比較例における被処
理材の電位制御のパターンは次のようにした。 【0050】パルス電位 まずパルスの幅はベースラインに対して実質的に10秒
とし、ベースラインから最大電位までを5秒、最大電位
からパルス後のベースラインまでを5秒とする三角形状
のパルスとした。 【0051】またパルスの位置(パルス電位の印加時間
)は、図4(a) 、(b) 及び(c) に示すよう
に、(a) :浸漬直後 (b) :浸漬開始30秒後にパルスを印加するもの(
c) :浸漬開始60秒後に印加するもの(比較例)の
3つのタイプに分けた。 【0052】さらに最大電位Em は、−0.35V、
+0.25V、+ 0.4V(Ag/AgClに対して
)のうちのいずれかとした。 【0053】ベースラインとなる電位の制御ベースライ
ンとなる被処理材の電位(図4(a) 、(b) 及び
(c) におけるEt )は、最も貴な金属M1 の自
然電極電位(E0t)+0.02V、0.05V又は0
.1 V(実施例)、及び−0.2 V、−0.4 V
(比較例)とした。なお比較例として、パルス状電位を
印加せずに自然浸漬したものもある。 【0054】なお、参考例として、被処理材として鋼板
単独のものを用い、これにパルス状の電位を印加せずに
自然浸漬した。 【0055】また、被処理材は以下のものを用いた。 被処理材 A:各々が厚さ 0.8mm、大きさ1cm×5cmの
鋼板(spcc、SD) 、亜鉛めっき鋼板、アルミニ
ウム板を接合したもの(面積比率1:1) B:上記の鋼板及び亜鉛めっき鋼板を接合したもの(面
積比率1:1) C:上記の鋼板及びアルミニウム板を接合したもの(面
積比率1:1) D:上記の鋼板のみのもの(参考例のみ)を用いた。 【0056】実施例1〜25、比較例1〜11及び参考
例1〜4 各被処理材に対して下記の処理を施した。 【0057】(1) 脱脂 アルカリ性脱脂剤(サーフクリーナー53、日本ペイン
ト(株)製)を用いて45℃で2分間の浸漬処理を行っ
た。 【0058】(2) 水洗 水道水を使用し、室温で約15秒間水洗した。 【0059】(3) 表面調整 表面調整剤(サーフファイン5N−10、日本ペイント
(株)製)を用い、室温で20秒間の浸漬処理を行った
。 【0060】(4) 化成処理 以下に記す組成のリン酸塩処理液を調製した。 【0061】処理液1 実施例1〜9、比較例1〜4及び参考例1に用いたリン
酸塩処理液。 Zn  イオン:   800ppm PO4 イオン
: 15000ppm Ni  イオン:   800
ppm NO3 イオン:  5000ppm 非遊離
Fイオン:   500ppm (H2 SiF6 か
らのイオン) 遊離Fイオン:      ─ 【0062】処理液2 実施例10〜13、比較例5〜6及び参考例2に用いた
リン酸塩処理液。 Zn  イオン:   800ppm PO4 イオン
: 15000ppm Ni  イオン:   800
ppm NO3 イオン:  5000ppm 非遊離
Fイオン:  500ppm(H2 SiF6 からの
イオン)遊離Fイオン:    500ppm(NaH
F2 からのイオン)【0063】処理液3 実施例14〜22、比較例7〜10及び参考例3に用い
たリン酸塩処理液。 Zn  イオン:   800ppm PO4 イオン
: 15000ppm Ni  イオン:    ─ NO3 イオン:  5000ppm 非遊離Fイオン
:   500ppm (H2 SiF6 からのイオ
ン) 遊離Fイオン:      ─ 【0064】処理液4 実施例23〜25、比較例11及び参考例4に用いたリ
ン酸塩処理液。 Zn  イオン:   800ppm PO4 イオン
: 15000ppm Ni  イオン:   800
ppm NO3 イオン:  5000ppm 非遊離
Fイオン:    ─ 遊離Fイオン:      ─ 【0065】なお、リン酸塩処理液1の全酸度、遊離酸
度及び促進剤値はそれぞれ21ポイント、0.85ポイ
ント及び 2.5ポイントであり、リン酸塩処理液2の
全酸度、遊離酸度及び促進剤値はそれぞれ22ポイント
、0.85ポイント及び2.5 ポイントであり、リン
酸塩処理液3の全酸度、遊離酸度及び促進剤値はそれぞ
れ21ポイント、0.85ポイント及び2.5 ポイン
トであり、リン酸塩処理液4の全酸度、遊離酸度及び促
進剤値はそれぞれ20ポイント、0.85ポイント及び
2.5 ポイントであった。 【0066】次に、上記(1) 〜(3) の処理を施
した被処理材に対し、上記の処理液、及び図1に示す装
置を用い、化成処理を行った。このとき被処理材の電位
は、図4のグラフ(a) に示すような電位に制御した
。具体的には、実施例1ではパルスを浸漬直後に印加し
、パルスの最大電位Emを+0.25V(Ag/AgC
lに対して)とした。 またベースラインとなる電位Et は自然電極電位(E
0t)+0.05Vとした。実施例2〜22及び比較例
については、表1、表3及び表5に示す条件とした。な
お、化成処理の合計時間は 120秒とした。 【0067】得られた化成皮膜を走査型電子顕微鏡によ
り観察し、化成皮膜を構成する結晶の粒径を調べた。 【0068】また得られた被処理材の化成皮膜に対して
塩水噴霧試験(SST、JIS−Z2371に準拠)を
行い、塩水噴霧30分後の発錆面積を目視によって評価
した。評価の基準は以下の通りである。 【0069】発錆面積 ◎  :  0% ○+ : 0.1%以下 ○  : 0.2%以下 △+ : 0.5%以下 △  :  1%未満 ×  :  1%以上 【0070】上記の化成処理で得られた化成皮膜を有す
る試験片上に、カチオン型電着塗料(パワートップU−
 600、日本ペイント(株)製)を膜厚25〜30μ
mに塗装し、(電圧 180V、通電時間3分)、 1
75℃で20分間焼付けした。 【0071】得られた電着塗装板を以下に示す塩温水浸
漬試験(温度50℃)に供した。この試験では、各電着
塗装板にカットを入れ、5%の塩水に240 時間浸漬
し、塗膜の片側テープ剥離幅(mm)で評価した。評価
の基準は以下の通りとした。 剥    離    幅 ◎  :  0.5 mm未満 ○+ :  0.5 mm以上1.0 mm未満○  
:  1.0 mm以上1.5 mm未満△  :  
1.5 mm以上2.0 mm未満×  :  2.0
 mm以上 【0072】処理液1を用いた試験(実施例1〜9、比
較例1〜4及び参考例1)における被処理材の種類、パ
ルス位置、最大電圧及びベースライン電位を表1に、そ
の試験結果を表2に示す。同様に、処理液2を用いた試
験(実施例10〜13、比較例5〜6及び参考例2)、
処理液3を用いた試験(実施例14〜22、比較例7〜
10及び参考例3)、及び処理液4を用いた試験(実施
例23〜25、比較例11及び参考例4)における実験
条件をそれぞれ表3、5及び7に、その試験結果をそれ
ぞれ表4、6及び8に示す。表1、表3、表5及び表7
に示す最大電位は、銀/塩化銀電極に対する電位を示す
。 【0073】                          
     表1                  
                      最大電
位                      例N
o.      被処理材    パルス位置    
(V)      ベースライン電位  実施例1  
    A          直後        
+0.25        E0t+0.05V   
 実施例2      A          30秒
後      +0.25        E0t+0
.05V    実施例3      A      
    直後        +0.4       
  E0t+0.05V    実施例4      
A          30秒後      +0.4
         E0t+0.05V    実施例
5      A          直後     
   −0.35        E0t+0.05V
    実施例6      A          
30秒後      −0.35        E0
t+0.05V    実施例7      A   
       直後        +0.25   
     E0t+0.1 V    実施例8   
   A          直後        +
0.25        E0t+0.02V    
実施例9      B          直後  
      +0.25        E0t+0.
05V    比較例1      A       
   なし          ─         
     ─          比較例2     
 A          60秒後      +0.
25        E0t+0.05V    比較
例3      A          直後    
    +0.25        E0t−0.2 
V    比較例4      A         
 直後        +0.25        E
0t−0.4 V    参考例1      D  
        なし          ─    
          ─        【0074】                          
       表2                
  被処理材の                  
    化成皮膜    塗装後の  例No.   
       金属部分          粒径(μ
m)  の耐食性    耐食性    実施例1  
      鉄                  
≦1          ◎          ◎ 
                     亜鉛めっ
き        2〜3          ◎  
        ◎                
      アルミニウム      2〜4    
      ◎          ◎      実
施例2        鉄             
   1〜2          ○+       
  ○                      
亜鉛めっき        3〜6         
 ○+         ○            
          アルミニウム      2〜5
          ○+         ○   
   実施例3        鉄         
         ≦1          ◎   
       ◎                 
     亜鉛めっき        2〜3    
      ◎          ◎       
               アルミニウム    
  2〜4          ◎         
 ◎      実施例4        鉄    
            1〜2          
○+         ○+            
         亜鉛めっき        3〜6
          ○+         ○+  
                   アルミニウム
      2〜5          ○+    
     ○+     実施例5        鉄
                  ≦1     
     ◎          ◎        
              亜鉛めっき      
  2〜3          ◎         
 ◎                      ア
ルミニウム      2〜4          ◎
          ◎      実施例6    
    鉄                2〜4 
         ○+         ○+   
                  亜鉛めっき  
      3〜6          ○+    
     ○+                  
   アルミニウム      2〜5       
   ○          ○      実施例7
        鉄                
  ≦1          ◎          
◎                      亜鉛
めっき        2〜3          ◎
          ◎              
        アルミニウム      2〜4  
        ◎          ◎     
 実施例8        鉄           
       ≦1          ○+    
     ○+                  
   亜鉛めっき        2〜3      
    ○+         ○+        
             アルミニウム      
2〜4          ○+         ○
+    【0075】                          
     表2(続き)              
    被処理材の                
      化成皮膜    塗装後の  例No. 
         金属部分          粒径
(μm)  の耐食性    耐食性    実施例9
        鉄                
  ≦1          ◎          
◎                      亜鉛
めっき        2〜3          ◎
          ◎      比較例1    
    鉄                2〜3 
         ○          △    
                  亜鉛めっき  
      3〜7          ○     
     △                   
   アルミニウム      3〜6       
   ○          △      比較例2
        鉄                
2〜3          ○          △
                      亜鉛め
っき        3〜6          ○ 
         △               
       アルミニウム      3〜6   
       ○          △      
比較例3        鉄            
    2〜4          △       
   ×                     
 亜鉛めっき        3〜5        
  ○          △           
           アルミニウム      3〜
5          ○          △  
    比較例4        鉄        
        3〜5          △   
       ×                 
     亜鉛めっき        4〜8    
      △          △       
               アルミニウム    
  3〜6          △         
 △      参考例1        鉄    
            2〜3          
○+         ○    【0076】                          
       表3                
                        最
大電位                      
例No.      被処理材    パルス位置  
  (V)      ベースライン電位  実施例1
0      A          直後     
   +0.25        E0t+0.05V
    実施例11      A         
 30秒後      +0.25        E
0t+0.05V    実施例12      A 
         直後        −0.35 
       E0t+0.05V    実施例13
      C          直後      
  +0.25            E0t   
       比較例5      A       
   なし          ─         
     ─          比較例6     
 A          60秒後      +0.
25        E0t+0.05V    参考
例2      D          なし    
      ─              ─   
     【0077】                          
       表4                
  被処理材の                  
    化成皮膜    塗装後の  例No.   
       金属部分          粒径(μ
m)  の耐食性    耐食性    実施例10 
       鉄                 
 ≦1          ◎          ◎
                      亜鉛め
っき        2〜5          ◎ 
         ◎               
       アルミニウム      2〜4   
       ◎          ◎      
実施例11        鉄           
     1〜2          ○+     
    ○+                   
  亜鉛めっき        2〜3       
   ○+         ○+         
            アルミニウム      2
〜4          ○+         ○+
     実施例12        鉄      
            ≦1          ◎
          ◎              
        亜鉛めっき        2〜5 
         ◎          ◎    
                  アルミニウム 
     2〜5          ◎      
    ◎      実施例13        鉄
                  ≦1     
     ◎          ◎        
              アルミニウム     
 2〜4          ◎          
◎      比較例5        鉄     
           2〜3          ○
          △              
        亜鉛めっき        3〜6 
         ○          △    
                  アルミニウム 
     3〜5          ○      
    △      比較例6        鉄 
               2〜3       
   ○          △          
            亜鉛めっき        
3〜5          ○          △
                      アルミ
ニウム      3〜5          ○  
        △      参考例2      
  鉄                5〜6   
       ◎          ◎    【0
078】                          
       表5                
                        最
大電位                      
例No.      被処理材    パルス位置  
  (V)      ベースライン電位  実施例1
4      A          直後     
   +0.25        E0t+0.05V
    実施例15      A         
 30秒後      +0.25        E
0t+0.05V    実施例16      A 
         直後        +0.4  
       E0t+0.05V    実施例17
      A          30秒後    
  +0.4         E0t+0.05V 
   実施例18      A          
直後        −0.35        E0
t+0.05V    実施例19      A  
        30秒後      −0.35  
      E0t+0.05V    実施例20 
     A          直後       
 +0.25        E0t+0.1 V  
  実施例21      A          直
後        +0.25        E0t
+0.02V    実施例22      B   
       直後        +0.4    
     E0t+0.05V    比較例7   
   A          なし         
 ─              ─        
  比較例8      A          60
秒後      +0.25        E0t+
0.05V    比較例9      A     
     直後        +0.25     
   E0t−0.2 V    比較例10    
  A          直後        +0
.25        E0t−0.4 V    参
考例3      D          なし   
       ─              ─  
      【0079】                          
       表6                
  被処理材の                  
    化成皮膜    塗装後の  例No.   
       金属部分          粒径(μ
m)  の耐食性    耐食性    実施例14 
       鉄                 
 ≦1          ○+         ○
+                     亜鉛め
っき        2〜4          ○+
         ○+              
       アルミニウム      2〜4   
       ○+         ○+     
実施例15        鉄           
     2〜3          △+     
    △+                   
  亜鉛めっき        4〜6       
   △+         △+         
            アルミニウム      4
〜5          △+         △+
     実施例16        鉄      
            ≦1          ○
          ○              
        亜鉛めっき        2〜4 
         ○          ○    
                  アルミニウム 
     2〜4          ○      
    ○      実施例17        鉄
                2〜3      
    △+         △+        
             亜鉛めっき       
 5〜6          △+         
△+                     アル
ミニウム      4〜5          △+
         △+     実施例18    
    鉄                  ≦1
          ○          ○   
                   亜鉛めっき 
       2〜4          ○    
      ○                  
    アルミニウム      2〜4      
    ○          ○      実施例
19        鉄              
  2〜3          △+        
 △+                     亜
鉛めっき        5〜6          
△+         △+            
         アルミニウム      4〜5 
         △+         △+   
  実施例20        鉄         
       2〜3          ○+   
      ○+                 
    亜鉛めっき        2〜4     
     ○+         ○+       
              アルミニウム     
 2〜4          ○+         
○+     実施例21        鉄    
            3〜5          
○          ○             
         亜鉛めっき        3〜7
          ○          ○   
                   アルミニウム
      2〜5          ○     
     ○    【0080】                          
     表6(続き)              
    被処理材の                
      化成皮膜    塗装後の  例No. 
         金属部分          粒径
(μm)  の耐食性    耐食性    実施例2
2        鉄               
   ≦1          ○         
 ○                      亜
鉛めっき        2〜4          
○          ○      比較例7   
     鉄                4〜7
          ×          ×   
                   亜鉛めっき 
       4〜10          ×   
       ×                 
     アルミニウム      皮膜なし    
    ×          ×      比較例
8        鉄               
 3〜5          ×          
×                      亜鉛
めっき        3〜7          ×
          ×              
        アルミニウム      4〜6  
        ×          ×     
 比較例9        鉄           
     3〜5          ×      
    ×                    
  亜鉛めっき        3〜4       
   △          △          
            アルミニウム      3
〜7          △          △ 
     比較例10        鉄      
          3〜6          × 
         ×               
       亜鉛めっき        3〜7  
        ×          ×     
                 アルミニウム  
    3〜7          ×       
   ×      参考例3        鉄  
              5〜7        
  △          △    【0081】                          
       表7                
                        最
大電位                      
例No.      被処理材    パルス位置  
  (V)      ベースライン電位  実施例2
3      B          直後     
   +0.25        E0t+0.05V
    実施例24      B         
 30秒後      +0.25        E
0t+0.05V    実施例25      B 
         直後        −0.35 
       E0t+0.05V    比較例11
      B          60秒後    
  +0.25        E0t+0.05V 
   参考例4      D          な
し          ─             
 ─        【0082】                          
     表8                  
被処理材の                    
  化成皮膜    塗装後の  例No.     
     金属部分          粒径(μm)
  の耐食性    耐食性    実施例23   
     鉄                  ≦
1          ○+         ○+ 
                    亜鉛めっき
        2〜4          ○+  
       ○+     実施例24      
  鉄                2〜3   
       △+         △+     
              亜鉛めっき      
  4〜6          △+        
 △+     実施例25        鉄   
               ≦1        
  ○          ○           
           亜鉛めっき        2
〜4          ○          ○ 
     比較例11        鉄      
          3〜5          × 
         ×               
       亜鉛めっき        3〜7  
        ×          ×     
 参考例4        鉄           
     5〜7          △      
    △    【0083】 【発明の効果】本発明の方法によれば、形成される化成
皮膜を構成するリン酸塩の結晶粒径が微細になり、もっ
て耐食性が向上する。また本発明の方法では、被処理材
の浸漬時に電位を制御して電解を行っているので、被処
理材を構成する金属のイオンとしての溶出速度が適切に
保たれ、被処理材の表面にいわゆるアノード活性部分(
金属イオンが特に活発に溶出する部分)が形成されにく
く、全体として均一な化成皮膜を得ることができる。 したがって被処理材の突出部分やエッジ部分など、これ
まで化成皮膜ができにくい部分又は均一になりにくい部
分にも均一に皮膜を生成することができる。 【0084】本発明方法によれば、たとえば自動車のボ
ディ等の複数種の金属が接合してなる部材に対して、同
時化成処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実行することのできる装置の一
例を示す模式図である。
【図2】本発明の方法において被処理材に印加する電位
を模式的に示すグラフである。
【図3】本発明において適用することができるパルス状
電位の波形の例を模式的に示すグラフである。
【図4】実施例及び比較例において用いた三種の電位制
御パターンを模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
1  被処理材 2  リン酸塩処理液 3  参照電極 4  対極 6  ポテンシオメータ 7  ファンクションジェネレータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  複数種の金属を接合してなる被処理材
    に化成皮膜を形成する方法であって、リン酸塩処理液中
    に前記被処理材を浸漬し、前記浸漬工程の初期段階で、
    前記被処理材中の最も貴な金属が前記処理液に対して有
    する自然電極電位から貴(+)の方向のパルス状電位を
    前記被処理材にかけ、前記パルス状電位の印加後に、前
    記被処理材の電位を、複数種の金属を接合した状態での
    自然電極電位又はこの電位より貴(+)に保ちながら前
    記被処理材中の複数種の金属を同時に化成処理すること
    を特徴とする化成皮膜の形成方法。
JP5039291A 1991-02-22 1991-02-22 化成皮膜の形成方法 Pending JPH04268096A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1993022481A1 (en) * 1992-04-30 1993-11-11 Nippondenso Co., Ltd. Phosphating process
US5645706A (en) * 1992-04-30 1997-07-08 Nippondenso Co., Ltd. Phosphate chemical treatment method

Cited By (3)

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WO1993022481A1 (en) * 1992-04-30 1993-11-11 Nippondenso Co., Ltd. Phosphating process
AU663599B2 (en) * 1992-04-30 1995-10-12 Nippondenso Co. Ltd. Phosphating process
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