JPH0426737A - 酸化物分散強化型フェライト鋼 - Google Patents
酸化物分散強化型フェライト鋼Info
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- JPH0426737A JPH0426737A JP13233090A JP13233090A JPH0426737A JP H0426737 A JPH0426737 A JP H0426737A JP 13233090 A JP13233090 A JP 13233090A JP 13233090 A JP13233090 A JP 13233090A JP H0426737 A JPH0426737 A JP H0426737A
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、酸化物分散強化型フェライト鋼、特に機械的
合金化により微細酸化物の平均粒径を制御することによ
り、押出加工等の強加工を行っても変形集合組織が発達
しにくく、押出方向等の加工方向(14)の650°C
Xl0’hrクリ一プ破断強度が25kgf/mm2以
上で、このときの直角方向(T) との強度比(T/L
)が70%以上である酸化物分散強化型フェライト鋼に
関する。かかる鋼は、押出製品とした場合にもクリープ
破断強度の異方性が小さく、加熱炉、ボイラ、内燃機関
、・タービン等、高温下で使用される材料として有望で
ある。
合金化により微細酸化物の平均粒径を制御することによ
り、押出加工等の強加工を行っても変形集合組織が発達
しにくく、押出方向等の加工方向(14)の650°C
Xl0’hrクリ一プ破断強度が25kgf/mm2以
上で、このときの直角方向(T) との強度比(T/L
)が70%以上である酸化物分散強化型フェライト鋼に
関する。かかる鋼は、押出製品とした場合にもクリープ
破断強度の異方性が小さく、加熱炉、ボイラ、内燃機関
、・タービン等、高温下で使用される材料として有望で
ある。
(従来の技術)
近年、技術が高度化し厳しい使用条件での仕様が求めら
れるに伴って益々高温に耐え、しかもすぐれた耐食性を
只備した材料への要求が高まっている。こうした要求に
答える材料の一つとして有望視されている合金は、分散
強化型合金である。
れるに伴って益々高温に耐え、しかもすぐれた耐食性を
只備した材料への要求が高まっている。こうした要求に
答える材料の一つとして有望視されている合金は、分散
強化型合金である。
この分散強化型合金、とりわけ酸化物分散強化型合金は
、マトリックス中に微細な不活性粒子が均一分散された
材料であり、マトリックス合金の融点に近い温度まで存
用な強度を示し得る。
、マトリックス中に微細な不活性粒子が均一分散された
材料であり、マトリックス合金の融点に近い温度まで存
用な強度を示し得る。
分散強化型合金の最も一般的な製造方法は、金属粉末と
硬質微粒子(酸化物、炭化物、窒化物等)を高エネルギ
ーボールミル中で強力に粉砕混合する機械的合金化法で
ある。このような合金化プロセスは、特公昭50−37
631号公報にすでに開示される。
硬質微粒子(酸化物、炭化物、窒化物等)を高エネルギ
ーボールミル中で強力に粉砕混合する機械的合金化法で
ある。このような合金化プロセスは、特公昭50−37
631号公報にすでに開示される。
次いで、このように機械的合金化法によって製造された
分散強化型合金粉末は、鋼製のカプセルに真空封入され
焼結されるが、構造部材を製造するに際しては、さらに
焼結後あるいは焼結と同時に行われる押出、圧延等の加
工工程が不可欠である。
分散強化型合金粉末は、鋼製のカプセルに真空封入され
焼結されるが、構造部材を製造するに際しては、さらに
焼結後あるいは焼結と同時に行われる押出、圧延等の加
工工程が不可欠である。
しかし、一般に金属材料が加工に際して大きな歪を受け
るとき、その材料には「変形集合組織」が生ずる。すな
わち、材料の結晶粒は特定の結晶学的方位が加工方向に
平行に整列するように配向される。このような変形集合
組織は、通常、その後の加工や熱処理によって軽減され
得るが、材料がランダムな結晶配向を完全に回復するこ
とはめったにない。とりわけ酸化物分散強化型合金は、
再結晶温度が非常に高く、1100°C以上になること
もあるため、通常の熱処理により変形集合組織を元に回
復させることは非常に難しい。
るとき、その材料には「変形集合組織」が生ずる。すな
わち、材料の結晶粒は特定の結晶学的方位が加工方向に
平行に整列するように配向される。このような変形集合
組織は、通常、その後の加工や熱処理によって軽減され
得るが、材料がランダムな結晶配向を完全に回復するこ
とはめったにない。とりわけ酸化物分散強化型合金は、
再結晶温度が非常に高く、1100°C以上になること
もあるため、通常の熱処理により変形集合組織を元に回
復させることは非常に難しい。
ここに、結晶配向は材料の物理的性質の方向性に影啓を
与えることから、高温度で変形応力を受ける状況下で使
用される材料であってこのような組織を持つ材料では、
加工方向に垂直な方向の強度、特にクリープ破断強度が
、加工方向から予想される強度よりも著しく劣るという
問題(これをクリープ破断強度の異方性と呼ぶこととす
る)が予想され、このような異方性を持たない酸化物分
散強化型合金を開発する必要がある。
与えることから、高温度で変形応力を受ける状況下で使
用される材料であってこのような組織を持つ材料では、
加工方向に垂直な方向の強度、特にクリープ破断強度が
、加工方向から予想される強度よりも著しく劣るという
問題(これをクリープ破断強度の異方性と呼ぶこととす
る)が予想され、このような異方性を持たない酸化物分
散強化型合金を開発する必要がある。
ところで、このような酸化物分散強化型合金のうち酸化
物分散強化型フェライ1−鋼としては、特公昭60−8
296号公報、特開昭63−50448号公報、特開昭
63−186853号公報に見られるが、強加工時に見
られる変形集合組織に対する注意が払われておらず、ク
リープ破断強度の著しい異方性を示す成分(Ti)ある
いは強度の低下を招く成分(Si、八Q)が多量に含ま
れる。
物分散強化型フェライ1−鋼としては、特公昭60−8
296号公報、特開昭63−50448号公報、特開昭
63−186853号公報に見られるが、強加工時に見
られる変形集合組織に対する注意が払われておらず、ク
リープ破断強度の著しい異方性を示す成分(Ti)ある
いは強度の低下を招く成分(Si、八Q)が多量に含ま
れる。
例えば、特公昭60−8296号公報に開示される鋼で
は強度重視のため、Mo、 TiおよびY2O3がそれ
ぞれ2%までと添加量が多く、特にTiは実施例で0.
5%超と多く、むしろ異方性が助長されると考えられる
。また、SiがTiと同じ作用を有するとして2%まで
の配合が許容されると述べているが、本発明者らの研究
ではそのような作用は見いだされず、むしろSiの積極
的配合は機械的合金化を阻害し、分散粒子径を増大させ
強度を低下させることが判明した。
は強度重視のため、Mo、 TiおよびY2O3がそれ
ぞれ2%までと添加量が多く、特にTiは実施例で0.
5%超と多く、むしろ異方性が助長されると考えられる
。また、SiがTiと同じ作用を有するとして2%まで
の配合が許容されると述べているが、本発明者らの研究
ではそのような作用は見いだされず、むしろSiの積極
的配合は機械的合金化を阻害し、分散粒子径を増大させ
強度を低下させることが判明した。
特開昭63−50448号公報では耐酸化性と耐食性向
上のために5〜6.25%のAlを必須成分として含有
するとともに、酸化物分散粒子を比較的多量に配合され
ている鋼が開示されている。酸化物分散粒子の配合量が
比較的多く、しかもAlがかなり多量に必須成分として
含有されていることから、分散粒子径を増大させ所望の
強度が得られない。
上のために5〜6.25%のAlを必須成分として含有
するとともに、酸化物分散粒子を比較的多量に配合され
ている鋼が開示されている。酸化物分散粒子の配合量が
比較的多く、しかもAlがかなり多量に必須成分として
含有されていることから、分散粒子径を増大させ所望の
強度が得られない。
特開昭63−186853号公報では、強度向上のため
に0.5〜3.0%のW必須含有のへQ、Ti非含を鋼
が開示され、かつY2O3が5%まで許容され、比較的
添加量が多く、この場合にあってもクリープ破断強度の
異方性が助長される。またTiが必須でなく、Siも1
%まで(実施例: 0.11〜0.92%)と多いため
十分な強度が得られない恐れがある。
に0.5〜3.0%のW必須含有のへQ、Ti非含を鋼
が開示され、かつY2O3が5%まで許容され、比較的
添加量が多く、この場合にあってもクリープ破断強度の
異方性が助長される。またTiが必須でなく、Siも1
%まで(実施例: 0.11〜0.92%)と多いため
十分な強度が得られない恐れがある。
(発明が解決しようとする課題)
かくして、本発明の目的は、強加工時にあっても変形集
合組織の発達しにくく、押出方向等の加工方向(1,)
の650°C×10″hrクリープ破断強度が25Jf
/mm2以上で、このときの直角方向(T)との強度比
(T/]、)が70%以上である酸化物分散強化型フェ
ライト鋼を提供することである。
合組織の発達しにくく、押出方向等の加工方向(1,)
の650°C×10″hrクリープ破断強度が25Jf
/mm2以上で、このときの直角方向(T)との強度比
(T/]、)が70%以上である酸化物分散強化型フェ
ライト鋼を提供することである。
(課題を解決するための手段)
上記目的を達成するため、本発明者らは、分散強化型合
金の高温強度の異方性に及ぼず集合組織の影響について
鋭意研究を重ねた。
金の高温強度の異方性に及ぼず集合組織の影響について
鋭意研究を重ねた。
第1図は、lNC0社のMA957鋼(公称成分:Fe
44Cr−ITi−0,3Mo−0,25YzO:+)
の、aニ一方向に加工度70%で圧延した後、さらにそ
の直角方向に加工度50%で圧延したり「1ス圧延材、
b:押出材(押出比・=5)、C:押出材(押出比−1
5)について、長手方向(l、)とその直角方向(T)
の650°CX 1000hクリープ破断強度と<11
0>方位の応力軸への集積度との関係を調べたものであ
る。
44Cr−ITi−0,3Mo−0,25YzO:+)
の、aニ一方向に加工度70%で圧延した後、さらにそ
の直角方向に加工度50%で圧延したり「1ス圧延材、
b:押出材(押出比・=5)、C:押出材(押出比−1
5)について、長手方向(l、)とその直角方向(T)
の650°CX 1000hクリープ破断強度と<11
0>方位の応力軸への集積度との関係を調べたものであ
る。
図中、波線で示すごとく酸化物分散強化型フェライト鋼
は、応力軸に<110>方位を集積させると強度が増加
することが判明した。しかし、その直角方向(T)のd
lo>方位の集積度が小さいとクリープ破断強度の異方
性が顕著となる。例えば、第1図の押出材(C)の場合
、L方向の積分強度は17で、クリープ破断強度が31
kgf/mm2以上を示しているのに対して、T方向の
積分強度は0.3で、クリープ破断強度も]]、kgf
ノ12程度しかなく、強度差が約20kgf/mm2
もあり、その割合(T/L)は35%である。
は、応力軸に<110>方位を集積させると強度が増加
することが判明した。しかし、その直角方向(T)のd
lo>方位の集積度が小さいとクリープ破断強度の異方
性が顕著となる。例えば、第1図の押出材(C)の場合
、L方向の積分強度は17で、クリープ破断強度が31
kgf/mm2以上を示しているのに対して、T方向の
積分強度は0.3で、クリープ破断強度も]]、kgf
ノ12程度しかなく、強度差が約20kgf/mm2
もあり、その割合(T/L)は35%である。
ここで、「集積する」とは、ある結晶方位のX線積分強
度を供試材の応力軸に沿って測定したとき(1)に、粉
末試料のような無秩序ザンブルから得られるもの(lo
)の5倍を越える軸密度(1/Io)を持つことを意味
する。
度を供試材の応力軸に沿って測定したとき(1)に、粉
末試料のような無秩序ザンブルから得られるもの(lo
)の5倍を越える軸密度(1/Io)を持つことを意味
する。
本発明者らは、以上のような知見に基づき、クリープ強
度の異方性と変形集合組織との相関に着目して、スピニ
ング加工仕」二を行うことによって不利な変形集合組織
を減少させクリープ破断強度の異方性を減少させる加工
法を提案しく特願平12B4294号)、さらに直角方
向にも<110>方位を発達させることによりクリープ
破断強度の異方性を減少させる加工法を提案した(特願
平2−37687号)。
度の異方性と変形集合組織との相関に着目して、スピニ
ング加工仕」二を行うことによって不利な変形集合組織
を減少させクリープ破断強度の異方性を減少させる加工
法を提案しく特願平12B4294号)、さらに直角方
向にも<110>方位を発達させることによりクリープ
破断強度の異方性を減少させる加工法を提案した(特願
平2−37687号)。
そごで、今度は本発明者らは、同じく前述の目的達成の
ために化学成分の分散粒子径と変形集合組織に及ぼず影
響について検耐した。その結果、機械的合金化後の酸化
物分散粒子の平均粒径が80人より小さいか、過剰量の
Tiが存在すると押出加工時に結晶の回転および転位な
らびに粒界の移動を拘束し、変形集合組織を助長し、ま
た分散粒子の平均粒径が150人より大きいと所望の強
度が得られないことが判明した。そこで分散酸化物粒子
の配合量を0.1〜0.4%に制限するとともに、0.
01〜0.05%のCおよび0.02%以下のSjの存
在下でTi、必要によりさらにAlを少量配合するごと
により分散酸化物(Yz(hの複合酸化物)の平均粒子
径の制御を図ることができ、それにより例えば押出加工
材の任意の方向に対して<110>方位のX線積分強度
が0.8〜5となり、所望の強度を有し、かつクリープ
破断強度の異方性が非常に小さい酸化物分散強化型鋼が
得られることを知り本発明を完成した。
ために化学成分の分散粒子径と変形集合組織に及ぼず影
響について検耐した。その結果、機械的合金化後の酸化
物分散粒子の平均粒径が80人より小さいか、過剰量の
Tiが存在すると押出加工時に結晶の回転および転位な
らびに粒界の移動を拘束し、変形集合組織を助長し、ま
た分散粒子の平均粒径が150人より大きいと所望の強
度が得られないことが判明した。そこで分散酸化物粒子
の配合量を0.1〜0.4%に制限するとともに、0.
01〜0.05%のCおよび0.02%以下のSjの存
在下でTi、必要によりさらにAlを少量配合するごと
により分散酸化物(Yz(hの複合酸化物)の平均粒子
径の制御を図ることができ、それにより例えば押出加工
材の任意の方向に対して<110>方位のX線積分強度
が0.8〜5となり、所望の強度を有し、かつクリープ
破断強度の異方性が非常に小さい酸化物分散強化型鋼が
得られることを知り本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨とするところは、重量%で
C:0.01〜0.05%、 Si: 0.02%以
下、Cr:3〜25%、 Ti: 0.1〜0
.5%、Y2O3: o、1〜0.4%、さらに必要に
よりAl:2〜4%を含み、 残部がFeおよび不可避不純物 からなり、機械的合金化後の分散粒子の平均粒径が80
〜150人であることを特徴とする変形集合組織の発達
しにくい酸化物分散強化型フェライト鋼である。
下、Cr:3〜25%、 Ti: 0.1〜0
.5%、Y2O3: o、1〜0.4%、さらに必要に
よりAl:2〜4%を含み、 残部がFeおよび不可避不純物 からなり、機械的合金化後の分散粒子の平均粒径が80
〜150人であることを特徴とする変形集合組織の発達
しにくい酸化物分散強化型フェライト鋼である。
(作用)
次に、合金成分の限定理由について述べるが、以下の説
明にあって特にことわりがなければ、「%」は重量%で
ある。
明にあって特にことわりがなければ、「%」は重量%で
ある。
本発明の特徴は、機械的合金化後の分散粒子径に及ぼす
各元素の役割を明らかにし、さらに引続き行われる押出
工程後の変形集合組織に及ぼず影響から成分限定を行っ
た。
各元素の役割を明らかにし、さらに引続き行われる押出
工程後の変形集合組織に及ぼず影響から成分限定を行っ
た。
Si: Siを添加すると、機械的合金化時にボールミ
ル内面への金属粉の付着が起こり機械的合金化を著しく
阻害し、分子ik粒子の微細化を妨げ、その粒径が15
0Å以下とならず強度が低下する。このため、0.02
に以下とする。特に本発明では、強度改善寄与の大きい
Ti含有量を、特にクリープ破断強度の異方性改善の観
点から制限しているためSi含有量を0.02%以下に
制限することは重要である。
ル内面への金属粉の付着が起こり機械的合金化を著しく
阻害し、分子ik粒子の微細化を妨げ、その粒径が15
0Å以下とならず強度が低下する。このため、0.02
に以下とする。特に本発明では、強度改善寄与の大きい
Ti含有量を、特にクリープ破断強度の異方性改善の観
点から制限しているためSi含有量を0.02%以下に
制限することは重要である。
Cr:耐酸化性の点から用途に応じた景だけ添加される
が、3%未満では不十分で、25%を越えると延性、靭
性が劣化する。
が、3%未満では不十分で、25%を越えると延性、靭
性が劣化する。
Ti;機械的合金化工程において、Y2O3と作用しY
2TizO7等の複合酸化物を形成しながら微細分散粒
子となり、高温強度の改善に寄与する。0.1%未満で
は不」−分で、1%程度までの添加が強度改善には寄与
するが、過剰なTiおよび80人より小さい分散粒子は
変形時の結晶の回転および転位ならびに粒界の移動を拘
束し、変形集合組織の生成を助長するため、0.5%以
下とした。
2TizO7等の複合酸化物を形成しながら微細分散粒
子となり、高温強度の改善に寄与する。0.1%未満で
は不」−分で、1%程度までの添加が強度改善には寄与
するが、過剰なTiおよび80人より小さい分散粒子は
変形時の結晶の回転および転位ならびに粒界の移動を拘
束し、変形集合組織の生成を助長するため、0.5%以
下とした。
C:上記Tiの効果を更に一層高めるために添加される
。T+含有鋼の機械的合金化工程において、Tiに作用
しY2O3の微細化に寄与し強度を改善する。
。T+含有鋼の機械的合金化工程において、Tiに作用
しY2O3の微細化に寄与し強度を改善する。
この作用はまだ完全には理解されていないが、TiCお
よび複合酸化物の形成にある種の平衡関係があるためと
考えられる。特に本発明では、強度改善に大きい影響を
有するTi含有量を、前述のように変形集合組織の生成
を抑制するために制限していることから、この効果が重
要であるが、0.01%未満では不十分で、一方、0.
05%超となるとCr炭化物のような不要な炭化物を生
成し、靭性、耐食性を劣化させる。したがって、Cは0
.01〜0.05%に制限する。
よび複合酸化物の形成にある種の平衡関係があるためと
考えられる。特に本発明では、強度改善に大きい影響を
有するTi含有量を、前述のように変形集合組織の生成
を抑制するために制限していることから、この効果が重
要であるが、0.01%未満では不十分で、一方、0.
05%超となるとCr炭化物のような不要な炭化物を生
成し、靭性、耐食性を劣化させる。したがって、Cは0
.01〜0.05%に制限する。
Yz(11:機械的合金化により微細分散し強度改善に
寄与する。TiやAlが存在すると機械的合金化に際し
て、Ydi207、YzAlzOb等の複合酸化物を形
成し、微細化する。0.1%未満では不十分で、0.4
%を超えると延性が劣化し加工性が低下するとともに、
過剰な量の分散粒子が存在すると変形時に結晶の回転お
よび転位ならびに粒界の移動を拘束し、変形集合組織を
助長する。本発明では微細分散した粒子の平均粒径は、
機械的合金化後に80〜150人である。
寄与する。TiやAlが存在すると機械的合金化に際し
て、Ydi207、YzAlzOb等の複合酸化物を形
成し、微細化する。0.1%未満では不十分で、0.4
%を超えると延性が劣化し加工性が低下するとともに、
過剰な量の分散粒子が存在すると変形時に結晶の回転お
よび転位ならびに粒界の移動を拘束し、変形集合組織を
助長する。本発明では微細分散した粒子の平均粒径は、
機械的合金化後に80〜150人である。
なお、入手可能なY2O3の配合時の粒径は通常150
〜800人のものである。
〜800人のものである。
A(l耐食性を高めるため、必要に応じて添加する。ま
た、Feに対する固溶量が大きいため機械的合金化を促
進する効果もある。Alは添加する場合、2%未満では
不十分で、4%を超えるとマトリックスの高温強度を低
下させ、また分散粒子径を増大させる。その結果得られ
た酸化物分散強化型鋼の高温強度も低下する。次いで、
このようにして配合された原料粉末は機械的合金化処理
を受りるが、そのときの操作、条件は慣用のものであっ
てよい。また、機械的合金化によって得られた粉末は、
その後、適宜加工手段、一般には熱間押出し、あるいは
熱間圧延によって焼結成形が行われるが、本発明にあっ
てはそのときの操作、条件も特に制限されず、慣用のも
のであればよい。しかし、本発明によれば、例えば押出
比−15という強加工を行っても変形集合組織はみられ
ない。
た、Feに対する固溶量が大きいため機械的合金化を促
進する効果もある。Alは添加する場合、2%未満では
不十分で、4%を超えるとマトリックスの高温強度を低
下させ、また分散粒子径を増大させる。その結果得られ
た酸化物分散強化型鋼の高温強度も低下する。次いで、
このようにして配合された原料粉末は機械的合金化処理
を受りるが、そのときの操作、条件は慣用のものであっ
てよい。また、機械的合金化によって得られた粉末は、
その後、適宜加工手段、一般には熱間押出し、あるいは
熱間圧延によって焼結成形が行われるが、本発明にあっ
てはそのときの操作、条件も特に制限されず、慣用のも
のであればよい。しかし、本発明によれば、例えば押出
比−15という強加工を行っても変形集合組織はみられ
ない。
次に、本発明をその実施例によって説明する。
実施例
平均粉末粒径が200p以下の元素粉あるいはガスアト
マイズ台金粉と平均粒径300人のY2O3微粉末を目
的組成に調合し、高エネルギーボールミル(アトライタ
ー)中に装荷し、Ar雰囲気中で攪拌混合し機械的合金
化を行った。アトライターの回転数は200rpm、攪
拌時間は48hであった。得られた合金粉末をステンレ
ス鋼製のカプセルに真空封入し、1100°Cにて押出
比8で熱間押出し、30mmφX 1000mm lの
押出棒を作製した。これに1000°C×Ih−→空冷
の歪取り焼鈍を施し供試材とした。第2図に示すように
、押出棒の押出方向(L)および直径方向(T)から、
平行部が511IIIlφX 10mm lの試験片を
切り出し、650°Cクリープ破断試験を行った。また
、それぞれの応力軸の<110> X線積分強度を測定
した。またさらに、分散粒子の平均粒径は、機械的合金
化後の粉末から抽出レプリカを採取して測定した。
マイズ台金粉と平均粒径300人のY2O3微粉末を目
的組成に調合し、高エネルギーボールミル(アトライタ
ー)中に装荷し、Ar雰囲気中で攪拌混合し機械的合金
化を行った。アトライターの回転数は200rpm、攪
拌時間は48hであった。得られた合金粉末をステンレ
ス鋼製のカプセルに真空封入し、1100°Cにて押出
比8で熱間押出し、30mmφX 1000mm lの
押出棒を作製した。これに1000°C×Ih−→空冷
の歪取り焼鈍を施し供試材とした。第2図に示すように
、押出棒の押出方向(L)および直径方向(T)から、
平行部が511IIIlφX 10mm lの試験片を
切り出し、650°Cクリープ破断試験を行った。また
、それぞれの応力軸の<110> X線積分強度を測定
した。またさらに、分散粒子の平均粒径は、機械的合金
化後の粉末から抽出レプリカを採取して測定した。
押出棒の化学成分および試験結果を第1表に示すがA−
Eは本発明鋼であり、F−には比較鋼である。表からも
明らかなように、本発明鋼の■7方向の650’CX
l000hクリ一プ破断強度は25kgf/mm2以上
を示し、T方向との比(T/L)も70%以上と異方性
も小さい。
Eは本発明鋼であり、F−には比較鋼である。表からも
明らかなように、本発明鋼の■7方向の650’CX
l000hクリ一プ破断強度は25kgf/mm2以上
を示し、T方向との比(T/L)も70%以上と異方性
も小さい。
第3図にはTiiと650°CX ]0OOhrクリー
プ破断強度との関係(同図(a))およびそのときの異
方性との関係(同図Q)))を示すが、図から明らかな
ように、Tiを添加しないと所望の強度が得られないが
、0.5%を超えると異方性が大きくなることが判る。
プ破断強度との関係(同図(a))およびそのときの異
方性との関係(同図Q)))を示すが、図から明らかな
ように、Tiを添加しないと所望の強度が得られないが
、0.5%を超えると異方性が大きくなることが判る。
また、第4図にはAl量と650°c X ]0OOh
rクリープ破断強度との関係(同図(a))およびその
ときの異方性との関係(同図(b))を示すが、図から
明らかなように、八Qの添加量が4%を超えると所望の
強度が得られないことが判る。
rクリープ破断強度との関係(同図(a))およびその
ときの異方性との関係(同図(b))を示すが、図から
明らかなように、八Qの添加量が4%を超えると所望の
強度が得られないことが判る。
また更に、第5図には機械的合金化後粉末中の分散粒子
径と650°CX 1000hrクリープ破断強度との
関係(同図(a))およびそのときの異方性との関係(
同図(b))を示すが、図から明らかなように、分散粒
子径が150人より大きいと所望の強度が得られず、8
0人未満および分散粒子径が80〜150人の本発明範
囲内でもTi量が0.5%を超えると異方性の大きいこ
とが判る。
径と650°CX 1000hrクリープ破断強度との
関係(同図(a))およびそのときの異方性との関係(
同図(b))を示すが、図から明らかなように、分散粒
子径が150人より大きいと所望の強度が得られず、8
0人未満および分散粒子径が80〜150人の本発明範
囲内でもTi量が0.5%を超えると異方性の大きいこ
とが判る。
第6図には本発明鋼Cと比較鋼Hの650°Cクリプ破
断試験結果を示すが、比較鋼HのT方向の強度が時間と
ともに大きく低下しており、実用上憂慮される。
断試験結果を示すが、比較鋼HのT方向の強度が時間と
ともに大きく低下しており、実用上憂慮される。
(発明の効果)
本発明によると、押出時のような強加工時に変形集合組
織の発達しにくく、押出方向等の加工方向(12)の6
50°CX]03hrクリープ破断強度が25kgf/
lllm2以上で、このときの直角方向(T)との強度
比(T/I、)が70%以上である酸化物分散強化型鋼
が得ることができ、かかる鋼は、高強度でかつクリープ
破断強度の異方性が小さく、加熱炉、ボイラ、内燃機関
、タービン等、高温下で使用される材料として有望であ
る。
織の発達しにくく、押出方向等の加工方向(12)の6
50°CX]03hrクリープ破断強度が25kgf/
lllm2以上で、このときの直角方向(T)との強度
比(T/I、)が70%以上である酸化物分散強化型鋼
が得ることができ、かかる鋼は、高強度でかつクリープ
破断強度の異方性が小さく、加熱炉、ボイラ、内燃機関
、タービン等、高温下で使用される材料として有望であ
る。
第1図は、MA957 wAニツイT、650 ’CX
1000hクリープ破断強度の異方性と<110>方位
の応力軸への集積度を調べた結果を示すグラフ;第2図
は、試験片の採取方向およびX線測定方向を示す説明図
:および 第3図は、Tifiと強度の関係を示す図で、同図(a
)は650°CX 1000hrクリープ破断強度との
関係図、同図(b)はそのときの異方性との関係図第4
図は、AlHと強度との関係を示す図で、同図(a)は
650 ’CX1000hrクリープ破断強度との関係
図、同図部)はそのときの異方性との関係図;第5図は
、機械的合金化後の粉末中の分散粒子径と強度との関係
を示す図で、同図(a)は650’CX1000hrク
リ一プ破断強度との関係図、同図(b)はそのときの異
方性上の関係図;および 第6図は、本発明鋼Cと比較mHの650 ’Cクリー
プ破断試験結果を示すグラフである。
1000hクリープ破断強度の異方性と<110>方位
の応力軸への集積度を調べた結果を示すグラフ;第2図
は、試験片の採取方向およびX線測定方向を示す説明図
:および 第3図は、Tifiと強度の関係を示す図で、同図(a
)は650°CX 1000hrクリープ破断強度との
関係図、同図(b)はそのときの異方性との関係図第4
図は、AlHと強度との関係を示す図で、同図(a)は
650 ’CX1000hrクリープ破断強度との関係
図、同図部)はそのときの異方性との関係図;第5図は
、機械的合金化後の粉末中の分散粒子径と強度との関係
を示す図で、同図(a)は650’CX1000hrク
リ一プ破断強度との関係図、同図(b)はそのときの異
方性上の関係図;および 第6図は、本発明鋼Cと比較mHの650 ’Cクリー
プ破断試験結果を示すグラフである。
Claims (2)
- (1)重量%で C:0.01〜0.05%、Si:0.02%以下、C
r:3〜25%、Ti:0.1〜0.5%、Y_2O_
3:0.1〜0.4%、 残部がFeおよび不可避不純物 からなり、機械的合金化後の分散粒子の平均粒径が80
〜150Åであることを特徴とする変形集合組織の発達
しにくい酸化物分散強化型フェライト鋼。 - (2)重量%で Al:2〜4% をさらに含む請求項1記載の酸化物分散強化型フェライ
ト鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13233090A JP2692340B2 (ja) | 1990-05-22 | 1990-05-22 | 酸化物分散強化型フェライト鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13233090A JP2692340B2 (ja) | 1990-05-22 | 1990-05-22 | 酸化物分散強化型フェライト鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0426737A true JPH0426737A (ja) | 1992-01-29 |
JP2692340B2 JP2692340B2 (ja) | 1997-12-17 |
Family
ID=15078804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13233090A Expired - Lifetime JP2692340B2 (ja) | 1990-05-22 | 1990-05-22 | 酸化物分散強化型フェライト鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2692340B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010065302A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Kyoto Univ | スーパーods鋼 |
JP2011122246A (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | General Electric Co <Ge> | ナノ構造化フェライト合金の加工処理方法並びに製品 |
JP2014198900A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | コリア アトミック エナジー リサーチ インスティチュート | フェライト系酸化物分散強化合金及びその製造方法 |
CN112941407A (zh) * | 2021-01-27 | 2021-06-11 | 中国核动力研究设计院 | 反应堆用纳米氧化物强化铁素体钢、管材及其制备方法 |
-
1990
- 1990-05-22 JP JP13233090A patent/JP2692340B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010065302A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Kyoto Univ | スーパーods鋼 |
JP2011122246A (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | General Electric Co <Ge> | ナノ構造化フェライト合金の加工処理方法並びに製品 |
US9039960B2 (en) | 2009-12-14 | 2015-05-26 | General Electric Company | Methods for processing nanostructured ferritic alloys, and articles produced thereby |
JP2014198900A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | コリア アトミック エナジー リサーチ インスティチュート | フェライト系酸化物分散強化合金及びその製造方法 |
CN112941407A (zh) * | 2021-01-27 | 2021-06-11 | 中国核动力研究设计院 | 反应堆用纳米氧化物强化铁素体钢、管材及其制备方法 |
CN112941407B (zh) * | 2021-01-27 | 2022-07-01 | 中国核动力研究设计院 | 反应堆用纳米氧化物强化铁素体钢、管材及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2692340B2 (ja) | 1997-12-17 |
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