JPH0426229Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は部品を吸着して移送するためのバキユ
ームチヤツクに係り、特にエジエクタ効果を利用
したバキユームチヤツクに関する。

〔従来の技術〕 部品を吸着してある位置から次の位置に移送す
るバキユームチヤツクには、大別して下記の２種
類がある。

(1) バキユームチヤツクに離れた場所に真空発生
装置を設置し、この真空発生装置とバキユーム
チヤツクとを配管によつて接続し、負圧と正圧
の切替えによつてチヤツクとアンチヤクとを行
なうもの。この場合通常、部品を吸着して移動
するバキユームチヤツクに真空発生装置を搭載
することは不可能であるので配管接続となる。

(2) エジエクタ効果による真空発生装置をバキユ
ームチヤツクに内蔵、または一体に連結し、負
圧によつてチヤツクし、負圧を止めて大気圧と
することでアンチヤツクを行なうもの。

このエジエクタ効果とは第３図に示すように、
ノズル１とデイフユーザ２とが設けられた一次側
管路３内に一次側圧縮空気を高速噴流として導入
し、前記ノズル１の近傍において管路３に連通し
た二次側管路４を設けて、一次側圧縮空気の噴流
で負圧を生じ周囲の空気を引きつけ、二次側管路
４から二次空気を吸引させて真空吸引力を働かせ
るようにしたものである。

なおバキユームチヤツクとして実開昭57−8900
号、実開昭57−1612897号および特開昭58−
220017号の各公報によつて開示された提案が公知
である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記第１のバキユームチヤツクによると、真空
発生装置とバキユームチヤツクとが離れて配設さ
れているため、これらを連結する配管などの圧力
損失によつてチヤツク力が低下するという問題が
あつた。またこの配管などの内容積中の空気によ
り、負圧から正圧、または正圧から負圧への切換
時に、動作の遅れが発生するという問題があつ
た。

一方、第２のエジヤクタ効果を利用したバキユ
ームチヤツクによると、アンチヤツク時に正圧が
かけられないため、バキユームチヤツクと吸着さ
れた部品との間に油などによる粘着が発生した場
合に、部品がバキユームチヤツクから離脱せず原
位置に持ち帰るという問題があつた。

このためバキユームチヤツクを作動させる一次
側管路３とは別系統で、エアノズルなどを追加し
なければならず、配管が２系統となつて構造が複
雑になる欠点があつた。

なお前記３件の公開公報によつて開示された提
案は、すべてバキユームチヤツクと真空発生装置
とは分離されており、上述した配管による問題点
については配慮されていなかつた。

本考案は上記事情に鑑みなされたものであり、
簡単な構造でチヤツク、アンチヤツクの切換時の
動作遅れを防止し、確実に部品の吸着及び離脱を
行なうことのできるバキユームチヤツクを提供す
ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、チヤツク
本体に形成された入気ポートから排気ポートへ向
けて圧縮空気を流通させる一次側管路を該チヤツ
ク本体に設け、該一次側管路の中間に形成された
ノズル部に二次側管路を接続し、該二次側管路を
前記チヤツク本体の吸着面に開口して、前記ノズ
ル部を流れる圧縮空気の高速噴流により前記二次
側管路をほぼ真空状態として部品を吸着するバキ
ユームチヤツクにおいて、前記チヤツク本体を一
端に係止部が形成された外筒に気密、かつ摺動自
在に嵌挿し、前記チヤツク本体を前記外筒の係止
部に当接させる付勢手段を設け、かつ前記チヤツ
ク本体が係止部に当接した際に、チヤツク本体に
設けた排気ポートと整合する外筒の位置に開口部
を形成したものである。

〔作用〕

上記の構成によると、チヤツク時にはチヤツク
本体が外筒の係止部に当接し、入気ポートと外筒
の開口部とが一次側管路及び排気ポートを介して
連通している。この結果入気ポートから導入され
た圧縮空気はノズルを通つて高速噴流となつて外
筒の開口部から排出され、エジエクタ効果によつ
て二次側管路をほぼ真空状態にして部品を吸着す
ることができる。

また、外筒の先端が被装着物に当接した際、チ
ヤツク本体を付勢手段による付勢力に抗して外筒
内に押し込むことにより、排気ポートは外筒の開
口部の位置から外れて外筒によつて閉塞される。
この結果入気ポートから導入された圧縮空気は二
次側管路に入り、エジエクタ効果は停止し、逆に
噴出して部品をチヤツク本体から離脱させる。そ
してこれらの動作は瞬時に、かつ確実に行なわれ
る。

〔実施例〕

以下、本考案に係るバキユームチヤツクの一実
施例を図面を参照して説明する。

第１図に本考案の一実施例を示す。チヤツク本
体５はほぼ円柱状に形成されており、上端面には
段差部５ａを介して押圧部５ｂが同軸上に一体に
形成されている。

チヤツク本体５には軸方向に直角に入気ポート
６、ノズル７とデイフユーザ８が設けられた一次
側管路９、及び該デイフユーザ８の先端に形成さ
れた排気ポート１０とが連通して設けられてい
る。またチヤツク本体５内のノズル７には軸方向
に平行に管路１１ａが連通して設けられており、
この管路１１ａには軸方向に直角に管路１１ｂが
連通している。

さらに、この管路１１ｂにはチヤツク本体５の
押圧部５ｂと反対の方向の吸着端面に開口する２
本の管路１１ｃが軸方向に平行に連通している。
そして管路１１ａ，１１ｂ，１１ｃによつて二次
側管路１１が形成されている。

このように構成されたチヤツク本体５は外筒１
２に気密に、かつ摺動自在に嵌挿されており、こ
の外筒１２の上方端面には前記押圧部５ｂが貫通
する開口部１２ａと係止部１２ｂとが形成されて
いる。またこの外筒１２の下方の端面は解放され
ている。

そして前記押圧部５ｂと外筒１２の係止部１２
ｂとの間にはスプリング１３が装着されていて、
チヤツク本体５の段差部５ａを外筒１２の係止部
１２ｂに当接させる方向に付勢している。

この外筒１２の係止部１２ｂがチヤツク本体５
の段差部５ａに当接した状態において、チヤツク
本体５に形成された排気ポート１０に整合する位
置の外筒１２には、開口部１４が形成されてい
て、入気ポート６、一次側管路９及び排気ポート
１０がこの開口部１４に連通されるようになつて
いる。また入気ポート６に整合する位置の外筒１
２には入気ポート６が移動可能な開口部１５が形
成されている。

次に本実施例の動作を説明する。第１図は移送
すべき部品１６を吸着した状態を示す。チヤツク
本体５の入気ポート６から圧縮空気を送給する
と、ノズル７及びデイフユーザ８に空気が流れて
エジエクタ効果により二次側管路１１に負圧が発
生し、部品１６はチヤツク本体５に吸着される。

次に第２図に示すように、外筒１２の先端が被
装着物に当接した際、スプリング１３の付勢力に
抗してチヤツク本体５を外筒１２内に押し込む
と、チヤツク本体５の排気ポート１０と外筒１２
に形成された開口部１４との位置がずれて、デイ
フユーザ８における空気の流れは止まりエジエク
タ効果は停止する。

逆に供給された圧縮空気は二次側管路１１内に
流入し、部品１６をチヤツク本体５から離脱させ
アンチヤツクが行なわれる。そして、チヤツク本
体５の外筒１２への押圧を解除すれば、再び第１
図に示すチヤツク可能な状態となる。

本実施例によれば、エジエクタ効果を利用して
バキユームチヤツクを作動させ、部品１６のチヤ
ツク、アンチヤツクを行なうので、管路の影響に
よる吸引力不足や動作時間遅れをなくすことがで
きる。またアンチヤツク時には圧縮空気により部
品１６をチヤツク本体５から離脱させるので、部
品１６とチヤツク本体５とが油などで粘着されて
も確実にアンチヤツクすることができる。

また、このため従来必要であつたエアノズルな
どの追加部品を必要とせず、配管系統も簡単とな
り、大巾なコストダウンを図ることができ動作の
信頼性が向上する。さらにまたピツク及びプレー
スの上下動作等によつてチヤツク本体５を部品１
６を装着する部材に押圧することにより、外筒１
２が押し上げられて自動的にチヤツク、アンチヤ
ツクが行なえるため、従来必要としていたソレノ
イドバルブなどが不要となり、自動組立ラインを
簡単に構成することができる。

上記の実施例における二次側管路１１の構造及
びチヤツク本体５及び外筒１２の形状は、図示の
ものに限定されるものではなく、本考案の主旨を
逸脱しない範囲で他の構造または形状であつても
よい。

〔考案の効果〕

上述したように本考案によれば、エジエクタ効
果を利用したバキユームチヤツクのチヤツク本体
を外筒内に摺動自在に嵌挿し、一次側管路の排気
ポートを開放または閉塞可能とし、さらに外筒の
先端が被装着物に当接した際、チヤツク本体を付
勢手段に抗して外筒内に押し込み外筒によつて排
気ポートを閉塞した際には前記二次側管路に圧縮
空気が流入するように切換可能としたので、常に
圧縮空気を送つていてもできる。

しかも、部品を吸着している時に外筒の先端に
被装着物を当接しなくてもチヤツク本体を付勢手
段に抗して外筒内に押し込めば部品を離脱するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係るバキユームチ
ヤツクの一実施例のそれぞれチヤツク時及びアン
チヤツク時を示す縦断面図、第３図はエジエクタ
効果の説明を示す縦断面図である。 ５……チヤツク本体、６……入気ポート、７…
…ノズル、９……一次側管路、１０……排気ポー
ト、１１……二次側管路、１２……外筒、１２ｂ
……係止部、１３……スプリング、１４……開口
部、１６……部品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チヤツク本体に形成された入気ポートから排気
   ポートへ向けて圧縮空気を流通させる一次側管路
   を該チヤツク本体に設け、該一次側管路の中間に
   形成されたノズル部に二次側管路を接続し、該二
   次側管路を前記チヤツク本体の吸着面に開口し
   て、前記ノズル部を流れる圧縮空気の高速噴流に
   より前記二次側管路をほぼ真空状態として部品を
   吸着するバキユームチヤツクにおいて、前記チヤ
   ツク本体を一端に係止部が形成された外筒に気
   密、かつ摺動自在に嵌挿し、前記チヤツク本体を
   前記外筒の係止部に当接させる付勢手段を設け、
   かつ前記チヤツク本体が係止部に当接した際にチ
   ヤツク本体に設けた排気ポートと整合する外筒の
   位置に開口部を形成し、該チヤツク本体を付勢手
   段に抗して摺動させて外筒により前記排気ポート
   を閉塞させた際に前記二次側管路に圧縮空気が流
   入するように切換可能としたことを特徴とするバ
   キユームチヤツク。