JPH0425928Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、左右方向に往復移動する傾斜姿勢の
苗のせ台に、載置苗の浮上りを接当阻止可能な苗
浮上り阻止ステーと、載置苗を強制的に苗取出し
口側に送る苗縦送り装置とを設けてある苗植付け
装置に関する。

〔従来の技術〕

この種の苗植付け装置では、前記苗浮上り阻止
ステーを、その全長に亘つて載置苗の床土上面と
の間に適宜間隙を形成する状態で苗のせ台を取付
けるか、或いは、前記苗浮上り阻止ステーを、そ
の全長に亘つて載置苗の床土上面に摺接する状態
で苗のせ台に取付ける手段が一般に採られてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来装置の前者による場合は、前記ステーと載
置苗との間の摺動抵抗がないため、苗のせ台に対
する載置苗の滑りをよくすることができる反面、
前記苗縦送り装置による苗縦送り作用時に、これ
に対応する苗部分が苗ステー側に逃げ易く、苗の
床土部分に対する縦送り力の伝達が不確実になる
問題がある。また、後者による場合は、前記ステ
ーにて載置苗を苗縦送り装置側に押圧することが
できるから、苗の床土部分に対する縦送り力の伝
達を確実に行うことができるものの、苗の茎葉部
の植立密度や成育度或いは床土部分の厚み等のバ
ラツキにより、前記ステーと苗の床土部分との間
での摺接抵抗が非常に大きくなることがあり、そ
れに伴つて苗のせ台に対する載置苗のすべりが悪
化する問題がある。

本考案は、上述の実情に鑑み、前記苗浮上り阻
止ステーの合理的な改造をもつて、上述のような
二律背反的な要求を共に満足させることができる
ようにする点に目的を有する。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による苗植付け装置の特徴構成は、前記
苗浮上り阻止ステーを、苗のせ台に対して載置苗
の床土上面との間に隙間を形成する状態で取付け
るとともに、この苗浮上り阻止ステーの、前記苗
縦送り装置に対応する部分に、ステーの他の部分
よりも載置苗の床土上面に極近接する又は接当す
る苗押え具を設け、かつ、この苗押え具を、前記
苗浮上り阻止ステーの他の部位よりも床土厚さ方
向で弾性変形し易く構成した点にあり、その作
用・効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、前記苗浮上り阻止ステーと載置苗の床
土上面との間に適宜間隔を設けて、苗の茎葉部の
植立密度や成育度或いは床土部分の厚み等のバラ
ツキに拘らず、ステーと載置苗との間での摺接抵
抗をなくする又は極力小さくし乍らも、このステ
ーに設けた弾性変形自在な苗押え具により、前記
苗縦送り装置の縦送り作用を受ける苗部分の逃げ
移動を接当阻止することができるから、苗の床土
部分に対する縦送り力の伝達を確実に行うことが
できる。

しかも、前記苗押え具は、ステーの他の部分に
比べて弾性変形し易く構成されたものであるか
ら、床土部分の厚みに応じて容易に変形して、床
土の過度の押圧を抑制できる。

そして、機体の振動による苗の浮上がりや、自
重に伴う尺取り虫現象の浮上がりは、苗押え具に
比して変形し難いステー部分で良好に阻止でき
る。

〔考案の効果〕

従つて、前記苗浮上り阻止ステーの一部を前述
の如く改造するだけの簡単かつ安価な改造をもつ
て、苗縦送り装置の向上を図ることができるに至
つた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第３図で示す乗用型田植機の苗植付
け装置を構成するに、図中１は、乗用機体（図
外）から伝動軸２を介して駆動される伝動ケース
であり、この伝動ケース１から後方に向けて左右
一対の植付ケース３、３を延設すると共に、前記
植付ケース３，３の後部の左右両側には夫々、植
付爪４を強制循環運動させる駆動機構５を設けて
いる。

６は、複数枚のマツト状苗Ａ……を横方向に並
列載置可能で、かつ、左右方向に往復移動可能な
対地傾斜姿勢の苗のせ台であり、この苗のせ台６
およびこれに載置された苗Ａ群の下端部を摺動案
内するレール７には、左右方向に所定間隔を隔て
て苗取出し口８……を形成している。

９は、苗のせ台６の傾斜下端部近くで、苗のせ
台６が往復移動経路の端部に位置する毎に作動し
て、載置苗Ａを苗取出し口８側に強制移行させる
スターホイール利用の苗縦送り装置である。

１０は、苗のせ台６の各仕切り板６ａに固着さ
れた側面視ほぼ逆Ｔの字状のブラケツトであり、
これらブラケツト１０の筒状部に対して挿抜なら
びに、上下方向に取付け位置変更自在に取付けら
れたフレーム１１の、苗のせ台６の各苗載置部の
左右両側近くに対応する部分には夫々、各載置苗
の浮上りを接当阻止可能な側面視ほぼ三角ループ
状の苗浮上り阻止ステー１２を固着している。

前記苗浮上り阻止ステー１２は、前記フレーム
１１に対して載置苗の床土上面との間に間隙Ｓを
形成する状態で取付けられていて、かつ、前記苗
縦送り装置９に対応する部分に、載置苗の床土上
面に接当する一定範囲内で、ステーの他の部位に
比べて弾性変形し易い苗押え具１２ａを固着して
ある。

そして、前記苗浮上り阻止ステー１２と載置苗
の床土上面との間に前記のような適宜間隔Ｓを設
けることにより、苗の茎葉部の植立密度や成育度
或いは床土部分の厚み等のバラツキに拘らず、ス
テー１２と載置苗との間での摺接抵抗をなくする
又は極力小さくすることができるのである。それ
でいて、前記ステー１２には、ステー１２の他の
部位にくらべて弾性変形し易い苗押え具１２ａを
設けてあるから、前記苗縦送り装置９の縦送り作
用を受ける苗部分の逃げ移動を接当阻止すること
ができ、苗の床土部分に対する縦送り力の伝達を
確実に行うことができるのである。

〔別実施例〕

(イ) 第４図で示すように、前記苗押え具１２ａを
弾性体の一例であるゴムから構成して実施す
る。

尚、前記弾性体として、ゴム以外のもの、例
えば、板バネやピアノ線などを使用してもよ
い。

(ロ) 前記苗押え具１２ａを合成樹脂か構成して実
施する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る苗植付け装置の実施例を示
し、第１図は要部の縦断側面図、第２図は要部の
縦断正面図、第３図は苗植付け装置全体の側面
図、第４図は別の実施例を示す要部の側面図であ
る。 ６……苗のせ台、８……苗取出し口、９……苗
縦送り装置、１２……苗浮上り阻止ステー、１２
ａ……苗押え具、Ｓ……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右方向に往復移動する傾斜姿勢の苗のせ台６
   に、載置苗の浮上りを接当阻止可能な苗浮上り阻
   止ステー１２と、載置苗を強制的に苗取出し口８
   側に送る苗縦送り装置９を設けてある苗植付け装
   置において、前記苗浮上り阻止ステー１２を、苗
   のせ台６に対して載置苗の床土上面との間に間隙
   Ｓを形成する状態で取付けるとともに、この苗浮
   上り阻止ステー１２の、前記苗縦送り装置９に対
   応する部分に、ステーの他の部分よりも載置苗の
   床土上面に極近接する又は接当する苗押え具１２
   ａを設け、かつ、この苗押え具１２ａを、前記苗
   浮上り阻止ステー１２の他の部位よりも床土厚さ
   方向で弾性変形し易く構成してある苗植付け装
   置。