JPH04257445A - プリント装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は主にインクジェットプリ
ンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】文字や画像のデータを紙などの記録媒体
に記録するプリント装置にはインパクトドット方式、熱
転写方式、インクジェット方式、電子写真方式など様々
な方式が実用化されているが、中でもインクをプリント
ヘッドから飛ばし記録媒体にドットを記録するインクジ
ェット方式のプリント装置は構造が比較的簡単で記録媒
体に普通紙が使用可能でインク代などのランニングコス
トが安く、また、動作音が小さいことを特徴として広く
用いられている。

【０００３】図３の従来例に示すようにプリントヘッド
２から発射されたインク１２はプリントヘッド２と記録
媒体であるところの記録紙３の間の空間を飛行して記録
紙３に達するためインク１２が飛行中に受ける空気抵抗
によりインクの記録紙３への付着力が低下し、また、図
３の従来例では記録紙３が矢印の方向に、プリントヘッ
ド２は図面の垂直方向に移動しながらドットを記録する
ことによって紙面上に文字や画像を記録しているが、こ
の様に通常のインクジェットプリンタではプリントヘッ
ド２と記録紙３が相対的に移動しながら記録を行うため
にインク１２が飛行する空間には空気の流れが生じてお
り、インクは記録紙３に到達するまでに空気の流れの影
響により必ずしも同じ方向に飛ばず記録されるドット位
置がばらつき記録像の質の低下を招いている。特に記録
の高速化を実現しようとすると記録媒体とプリントヘッ
ドの相対速度が高くなりドット位置のばらつきによる記
録像の質の低下は激しくなる。また、従来のインクジェ
ットプリンタはインクの乾きが遅い、記録媒体に普通紙
を使用するとインクがにじむなどの問題も有していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はかかる
課題を解決し、主にインクジェットプリンタにおける記
録媒体へのインクの密着性向上、ドット位置のばらつき
の低減、インクの乾きの高速化、インクのにじみの低減
による記録像の質の向上を供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のプリント装置は
、インクを飛ばすプリントヘッドと、前記インクを付着
又は浸透させる記録媒体とを有するプリント装置におい
て、記録を行う部分とその近傍の前記記録媒体の表面に
、または、前記プリントヘッドと前記記録媒体に挟まれ
た空間に向けて超音波を放射する発音源を備えたことを
特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明による構成のプリント装置で、記録媒体
の表面に超音波を放射して記録を行うことによって記録
媒体の表面付近が振動することによりインクの密着性が
向上するとともに、記録媒体内へのインクの染み込み速
度が増し記録媒体の横方向へのにじみが減少し記録ドッ
トの形状が安定するとともにインクの乾きが速くなる。 また、プリントヘッドと記録媒体に挟まれた空間に超音
波を放射しインクの飛行空間を超音波音場とすることに
よりインクの飛行方向が安定しドット位置のばらつきが
減少する。

【０００７】

【実施例】本発明の第１の実施例を図１及び図２により
説明する。図１に示すように本実施例のプリント装置は
従来よりあるシリアルインクジェットプリンタに超音波
発音器１を設けたものであり、プリントヘッド２とイン
クカートリッジ５はキャリッジ送りモータ１１により回
転するキャリッジ送りねじ８とキャリッジガイド９によ
りフレーム７上を左右に移動するように構成されたキャ
リッジ６上に固定し、記録媒体であるところの記録紙３
は紙送りモータ１０で回転するプラテン４に巻き付けら
れている。更に超音波発音器１はプリントヘッド２の上
に設けられている。

【０００８】図２は本実施例のプリント装置の断面を示
す図である。記録が行われる記録紙３の表面と、プリン
トヘッド２と記録紙３に挟まれた空間に超音波を放射す
る発音源であるところの超音波発音源１ａと発振回路１
ｂからなる超音波発振器１がプリントヘッド２の上部に
配置されている。本実施例においては超音波発音源１ａ
としてチタン酸ジルコン酸鉛を円盤状に焼成し厚み方向
に分極した圧電セラミックスを用いて図４に示す発振回
路で共振駆動した。

【０００９】本実施例の超音波発音源１ａからの超音波
は約１．６ＭＨｚの周波数で発振回路１ｂでの消費電力
は約１０Ｗであった。図５（ａ）は図１及び図２に示す
本発明による実施例として製作したプリント装置で普通
紙に記録したドットの拡大図であり、また、図５（ｂ）
は図３に示す従来のインクジェットプリンタで普通紙に
記録したドットの拡大図である。図５（ａ）と（ｂ）は
超音波発音器１の有無以外の条件を同一にしてあるが、
従来の方式によるドットに比べ本発明の方式によるドッ
トはにじみが少なくそれぞれのドットの形が安定してお
り、また、ドットの位置が安定しているためドット間の
隙間がほぼ一定となっている。更に、同様に前記２つの
プリント装置を用いて文字と画像を記録して１０段階の
官能評価を行った結果、普通紙上の記録で約２段階、イ
ンクジェットプリンタ用の合成紙上の記録で約１段階、
いずれも本発明による実施例のプリント装置による記録
像の方が高い評価を得た。また、インクの乾き速度の評
価では本発明による実施例のプリント装置による記録の
方が５〜１０％速く乾くことが確認された。

【００１０】本発明の第２の実施例を図６により示す。 本実施例はプリント装置の構成は図１に示した第１の実
施例とほぼ同じであるが、図６に示すように超音波発音
源１ａにおける圧電セラミクスの中心に穴を開け図７（
ｃ）に示す形状としプリントヘッド２のインク発射部の
近傍から超音波が放射される構成となっている。これに
より第１の実施例に比べ超音波発音源１ａの発振回路１
ｂの消費電力を小さくした場合にも第１の実施例と同様
の効果が得られた。

【００１１】また、本発明の第１の実施例で用いた超音
波発振器１を、熱溶融インクを用いたインクジェットプ
リンタに取り付けて普通紙に文字を記録した結果、熱溶
融インクを用いるインクジェットプリンタの欠点である
紙とインクの密着性の悪さが改善された。その理由とし
ては、超音波により、記録紙の横方向（繊維方向）への
インクのしみ込みより、記録紙の縦方向（隙間方向）へ
のインクのしみ込みが促進され記録紙へのインクのにじ
みが減少するためである。

【００１２】前記の実施例では超音波発音源１ａに圧電
セラミクスを用いたが、超音波が放射できるものであれ
ば水晶などの圧電結晶、ポリフッ化ビリニデンなどの圧
電高分子、電磁コイルや静電気でダイヤフラムを振動さ
せるスピーカなどでもよい。また、前記実施例では超音
波の周波数を１．６ＭＨｚとしたが約２０ｋＨｚから約
１０ＭＨｚまでの超音波であればよく、また、単一周波
数の超音波だけでなく複数の周波数成分を含む超音波で
あっても同様の効果を示す。超音波の周波数は低いほど
放射後の距離による減衰が少ないが、空気中での超音波
の波長が１ＭＨｚで約０．３４ｍｍ程度であることから
、超音波発音源１ａとプリントヘッド２及び記録媒体３
のなす空間での共振を防止するために超音波発音源１ａ
の配置と周波数を考慮する必要がある。更に、前記第１
の実施例では超音波発音源１ａに図７（ａ）に示すよう
な円盤状の圧電セラミックスを用いたが、図７（ｂ）に
示す様に椀型の振動子を用いたり、図７（ｄ）に示す様
にホーンを用いたりして、超音波を記録の行われている
プリントヘッド正面の記録媒体付近に集中放射させるこ
とにより超音波の放射エネルギーを少なくしても前記実
施例と同様の効果が得られる。

【００１３】また、前記第２の実施例では超音波発音源
１ａに図７（ｃ）に示すような円盤に穴の開いた形状の
圧電セラミックスを用いたが、図７（ｅ）に示す様に筒
状の振動子を用いたり、図７（ｆ）に示す様に板状の振
動子をプリントヘッドのノズル部の両側に配置したりし
て、超音波を飛行中のインクと記録の行われているプリ
ントヘッド正面の記録媒体付近に放射させることにより
前記実施例と同様の効果が得られる。前記実施例の効果
は、超音波が記録媒体の表面か、プリントヘッドと記録
媒体に挟まれた空間のどちらか、又は両方に放射される
超音波発音源が備えられていればその方式や材質や形状
によらず得られることはいうまでもない。

【００１４】つまり、プリントヘッドと記録媒体に挟ま
れた空間に超音波を放射すると、吐出中のインク滴周辺
の空気抵抗を減らす効果を生じ、インクの飛行曲がりが
なくなり、インクドット形状の安定性及びドット位置の
安定性が得られるのである。また、本実施例では超音波
発音源をキャリッジ上に配置したが、必ずしもキャリッ
ジ上である必要はなく、桁方向に長い超音波発音源をキ
ャリッジとは別に配置するなどしても同様の効果を示す
。

【００１５】

【発明の効果】本発明によってインクジェットプリンタ
の記録媒体へのインクの密着性向上、ドット位置のばら
つきの低減、インクの乾きの高速化、インクのにじみの
低減による記録像の質の向上の効果が得られた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による第１の実施例を示す斜視図である
。

【図２】本発明による第１の実施例を示す断面図である
。

【図３】従来例を示す断面図である。

【図４】本発明による実施例で用いた超音波発音源の発
振回路図である。

【図５】本発明による実施例及び従来例により記録した
ドットの拡大図である。

【図６】本発明による第２の実施例を示す断面図である
。

【図７】本発明で用いる超音波発音源に用いることの出
来る超音波発音源の例を示す図である。

【符号の説明】

１・・・・・・・超音波発音器 １ａ・・・・・・超音波発音源 １ｂ・・・・・・発振回路 ２・・・・・・・プリントヘッド ３・・・・・・・記録紙 ４・・・・・・・プラテン ５・・・・・・・インクカートリッジ ６・・・・・・・キャリッジ ７・・・・・・・フレーム ８・・・・・・・キャリッジ送りねじ ９・・・・・・・キャリッジガイド １０・・・・・・紙送りモータ １１・・・・・・キャリッジ送りモータ１２・・・・・
・インク（飛行中）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　インクを飛ばすプリントヘッドと、前記
   インクを付着又は浸透させる記録媒体とを有するプリン
   ト装置において、記録を行う部分とその近傍の前記記録
   媒体の表面に超音波を放射する発音源を備えたことを特
   徴とするプリント装置。
2. 【請求項２】　　請求項１記載のプリント装置において
   、前記プリントヘッドと前記記録媒体とに挟まれた空間
   に向けて超音波を放射する発音源を備えたことを特徴と
   するプリント装置。