JPH0425556Y2

JPH0425556Y2 -

Info

Publication number: JPH0425556Y2
Application number: JP1987108167U
Authority: JP
Priority date: 1987-07-14
Filing date: 1987-07-14
Publication date: 1992-06-18
Also published as: JPS6415851U

Description

【考案の詳細な説明】【産業上の利用分野】

この考案は、機関に使用される動力伝達用ベル
トのオートテンシヨナ装置、特に自動車のエンジ
ンクランクシヤフトの動力を伝達する歯付きタイ
ミングベルトの張力を調整するベルトのオートテ
ンシヨナ装置に関する。

【従来の技術】

自動車のエンジンにおいて、クランクシヤフト
のプーリとカムシヤフトのプーリとの間に掛け渡
された歯付きタイミングベルトの弛みを防止し張
力を調整するようなオートテンシヨナ装置とし
て、例えば特開昭59−208251号が知られている。この従来装置においては、エンジン本体に設け
られたクランクシヤフトのプーリとカムシヤフト
のプーリとの間にタイミングベルトを掛け渡し、
タイミングベルトの張力を調整するためにアイド
ラプーリを備えたオートテンシヨナ装置が設けら
れている。このオートテンシヨナ装置は、油圧式
のものであつて、ハウジング内にシリンダを伸縮
自在に装着し、さらにシリンダ内にプランジヤを
伸縮自在に装着して、シリンダとプランジヤとの
間に油圧室を形成したものである。油圧室にはチ
エツクボール、スプリングが装着され、油圧室及
びプランジヤ内の油をベローズにより密封する構
造となつており、タイミングベルトの張力を自動
的に調整するものである。また、アイドラプーリの支軸にワンウエイクラ
ツチを介在させたオートテンシヨナが知れている
（例えば、実開昭54−182783号公報参照）。この公
知のオートテンシヨナは、ベルトが張る方向には
クラツチが作用せず、アイドラプーリは迅速に揺
動する。しかし、ベルトが弛む方向にはクラツチ
が作用し、アイドラプーリは逆戻りできない構造
になつている。

【考案が解決しようとする問題点】

ところが、従来装置においては、オートテンシ
ヨナ装置が、油圧式のものであり、構成部品の点
数が多く、かつ高精度が要求され、コスト高であ
り、またオートテンシヨナ装置の組立作業が煩雑
であるという問題点があつた。また、ワンウエイクラツチを用いた上記の公知
例のものは、ベルトの周囲温度の変化などによつ
てベルトが緊張した場合でも、アイドラプーリが
逆戻りしないため、ベルトを弛めて一定の大きさ
の張力に調整するということができない問題があ
る。一方、ベルトが弛んだ場合、張つた場合のいず
れの場合にもアイドラプーリが迅速に作動する
と、ベルトに振動が発生する問題がある。

【問題を解決するための手段】

上記の問題点を解決するため、この考案は、内
方部材と該内方部材に対し回転自在に外嵌され、
機関の動力を伝達するベルトに係合して該ベルト
に張力を付与するプーリとからなるアイドラプー
リと、該アイドラプーリを揺動自在に枢支する揺
動支軸と、前記アイドラプーリを前記ベルトの張
り側に押圧するスプリングと、前記アイドラプー
リと前記揺動支軸との間に装置されたワンウエイ
クラツチとからなり、該ワンウエイクラツチは、
前記アイドラプーリが前記ベルトの弛み側へ揺動
する時、クラツチが作動し、かつクラツチが作動
するまでに所要の遅れ角を有するようにした。

【作用】

アイドラプーリを揺動支軸にワンウエイクラツ
チを介して枢支し、スプリングによつてアイドラ
プーリわベルトの張り側に押圧し、ワンウエイク
ラツチは、アイドラプーリがベルトの弛み側へ揺
動する時にクラツチが作動するように配置されて
いるのでベルトが弛んだ場合には、スプリングの
付勢力によつて、アイドラプーリがベルトの張り
側へ迅速に揺動して自動的に張力を調整し、一方
ベルトが張つた場合には、ワンウエイクラツチが
作動するまでに所要の遅れ角を有することを利用
してアイドラプーリがベルトの弛み側へゆつくり
揺動して自動的に張力を調整することができる。

【実施例】

第１図〜第３図は、本考案の第１の実施例を示
す。アイドラプーリ１は、軸２に転がり軸受３を
介して回転自在に装置されたプーリ４によつて構
成され、プーリ４はタイミングベルト１９に係合
する。軸２は、揺動アーム５の一端にボルト６に
よつて締付固定されて、内方部材が構成されてい
る。揺動アーム５の他端にはワンウエイクラツチ
７が装置され、揺動支軸８に枢支されている。ワンウエイクラツチはカム面９を有する凹所１
０が形成された外輪１１と、凹所１０に収容され
た転動体２０及び転動体２０の両側に配置された
軸受リング１２からなり、外輪１１は揺動アーム
５に形成されたスプライン孔１３に嵌合固定され
ている。１４はワンウエイクラツチの軸方向の位
置決め用止め輪である。揺動支軸８はフレーム１
５に一体形成されている。揺動アームの一端には
係止部１６が設けてあり、フレームに設けた係止
部１７との間に張力設定用スプリング１８が係止
されている。第３図はワンウエイクラツチ７の部分拡大図で
あり、カム面９は傾斜しており、カム面９と揺動
支軸８の外径面との間で楔状空間を形成し、外輪
１１が矢印Ａの方向に回転した時クラツチが作動
し、他方に回転した時、クラツチは掛からない。
カム面９の傾斜角αは５〜10°が望ましく、また
矢印Ａの方向に揺動する時クラツチが作動するま
でに所要の遅れ角を持たせるためには、転動体２
０と凹所１０の側壁との間の間隙Ｂ及び転動体２
０とカム面９、揺動支軸８の外径面との間でのラ
ジアルスキマにより適宜設定される。間隙Ｂは
0.01〜0.05mmが望ましい。次に作用を説明する。プーリ４はタイミングベ
ルト１９に係合してスプリング１８により適切な
張力が与えられる。すなわち、ワンウエイクラツ
チ７はベルト１９の張り側へはクラツチが作動し
ないから、ベルト１９が弛んだ場合には揺動アー
ム５が迅速に右回転し、ベルト１９の張力を自動
的に調整する。一方ベルト１９が張つた場合には、揺動アーム
５が左回転するが、この場合にはワンウエイクラ
ツチが所要の遅れ角を持つてクラツチ作動し、実
際にはベルト１９の振動等が加味されて徐々に左
回転を可能にしてベルト１９の張力を自動的に調
整する。第４図及び第５図は本考案の第２の実施例であ
る。アイドラプーリ２１は、第１の実施例と同
様、軸２２に転がり軸受２３を介して回転自在に
装着されたプーリ２４によつて構成され、軸２２
は偏心位置にワンウエイクラツチ２７が設けられ
ており、このワンウエイクラツチ２７を介して揺
動支軸２８に枢支されている。揺動支軸２８はボ
ルト４０によりエンジン本体に取り付けられてい
る。本実施例においては、ワンウエイクラツチ２７
が軸２２の内部の偏心位置に設けられている結
果、第１の実施例における揺動アームに相当する
ものがなく非常にコンパクトな設計が可能にな
る。軸２２には係止部３３が設けられており、エ
ンジン本体に立設したピン３７との間にスプリン
グ３８が係止されている。

【効果】

本考案は以上のような構成にしたので、下記に
挙げる効果を有する。 (イ) アイドラプーリを揺動支軸にワンウエイクラ
ツチを介して枢支した簡単な構造のオートテン
シヨナ装置であるので、構成部品が簡単で、か
つ部品点数が少なく、コストが安い。 (ロ) 構成部品が少なく、かつ簡単な機械的部品か
らなつているので組立作業が容易で、量産メリ
ツトが大きい。 (ハ) アイドラプーリはベルトの張り方向へは迅速
に揺動するが、ベルトの弛み方向へはゆつくり
揺動するので、ベルトの揺動の発生を防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るベルトのオートテンシヨ
ナ装置の第１の実施例を示す正面図、第２図は同
上断側面図、第３図はワンウエイクラツチ部の部
分拡大正面図、第４図は本考案に係るオートテン
シヨナ装置の第２の実施例を示す正面図、第５図
は同上断側面図を示す。１，２１……アイアイドラプーリ、２，２２…
…軸、３，２３……転がり軸受、４，２４……プ
ーリ、５……揺動アーム、７，２７……ワンウエ
イクラツチ、８，２８……揺動支軸、１８，３８
……スプリング。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

内方部材と該内方部材に対し回転自在に外嵌さ
れ、機関の動力を伝達するベルトに係合して該ベ
ルトに張力を付与するプーリとからなるアイドラ
プーリと、該アイドラプーリを揺動自在に枢支す
る揺動支軸と、前記アイドラプーリを前記ベルト
の張り側に押圧するスプリングと、前記アイドラ
プーリと前記揺動支軸との間に装着されたワンウ
エイクラツチとからなり、該ワンウエイクラツチ
は、前記アイドラプーリが前記ベルトの弛み側へ
揺動する時、クラツチが作動し、かつクラツチが
作動するまでに所要の遅れ角を有することを特徴
とするべルトのオートテンシヨナ装置。