JPH04254453A - 石膏スラリー用減水剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は石膏または石膏配合物の
減水剤に関するものであり、更に詳しくは水硬性石膏配
合物である石膏ボードの製造時に於いて、石膏スラリー
の流動性を改善し、更には添加した起泡剤による泡沫を
安定化し得る石膏スラリー用減水剤に関するものである
。

【０００２】

【従来の技術】従来、石膏成形体は無機材料として、各
種用途に用いられているが、なかでも石膏ボード等の建
築材料としての用途が多い。半水石膏、水、混和剤（材
）を配合してなる石膏ボード製造時に於いて、半水石膏
／水スラリーの流動性を高めると共に乾燥エネルギーを
低減する目的でナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド
高縮合物系またはリグニンスルホン酸系減水剤が使用さ
れている。

【０００３】しかしながらナフタレンスルホン酸ホルム
アルデヒド高縮合物系減水剤は軽量化の目的で添加した
起泡剤による泡沫を消泡させ、起泡剤の添加量を増加さ
せると言う問題点がある。更にリグニンスルホン酸系減
水剤はスラリーの凝結時間を遅らせ、凝結促進剤の添加
量を増加させると言う問題点がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】石膏ボードは半水石膏
に水、補強剤として繊維質物質、軽量化剤として例えば
ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、ア
ルキルベンゼンスルホン塩酸等の界面活性剤の希釈溶液
を発泡機により泡沫化し添加している。更にスラリーの
凝結時間を促進させる為に硫酸カリウム等が添加されて
いる。この配合物に含まれる多量の水を除去する為に石
膏スラリーが硬化後、乾燥機にて乾燥される。この乾燥
エネルギーを節減する目的で一般に減水剤が使用されて
いる。

【０００５】使用されている減水剤としては、ナフタレ
ンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物系減水剤及びリ
グニンスルホン酸系減水剤等がある。前記減水剤はスラ
リーの減水性が大であり、凝結遅延作用もなく優れた減
水剤であるが、唯一の欠点は起泡剤により添加した泡沫
を消泡させ、結果として起泡剤の添加量が増加する事で
ある。リグニンスルホン酸系減水剤の欠点は、凝結遅延
作用がある事である。凝結遅延作用は、凝結促進剤の添
加量の増加、及び多量添加による大幅な減水作用が期待
出来ない。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の欠
点がない減水剤、即ち半水石膏スラリーの流動性を高め
ると共に凝結時間を遅延させず、更には添加した泡沫を
消泡させない様な減水剤を鋭意検討した結果、スルホン
酸基又はスルホメチル基を有するメラミン・尿素・ホル
ムアルデヒド付加共縮合物よりなる減水剤が、上記問題
点を解決する優れた減水剤である事を見出し本発明を完
成した。

【０００７】本発明のスルホン酸基又はスルホメチル基
を有するメラミン・尿素・ホルムアルデヒド付加共縮合
物とは、分子内にスルホン酸基又はスルホメチル基を有
し、その酸基をアルカリで中和されたメラミンと尿素の
ホルムアルデヒドとの水溶性共縮合物を主成分とする水
溶解性化合物である。

【０００８】これらの共縮合物の製造には特に制限はな
く、通常用いられる公知の手段、例えば、メラミン・尿
素・ホルムアルデヒドからプレポリマーを合成し、これ
を亜硫酸ナトリウム及び／又は重亜硫酸ナトリウムによ
って亜硫酸変性した後、アルカリを添加して中和する方
法が挙げられる。

【０００９】メラミンと尿素とのモル比は０．１：０．
９　〜０．９５：０．０５　の範囲が好ましく、０．５
　：０．５　〜０．９：０．１　の範囲が特に効果が顕
著である。ホルムアルデヒドはその水溶液で３０％〜４
０％濃度のホルマリンを使用するのが好ましく、ホルマ
リン反応付加モル数はメラミンと尿素との合計１モルに
対し、１〜５モル程度の範囲で反応させる。

【００１０】分子内のスルホン酸基あるいはスルホメチ
ル基はメラミンと尿素との合計１モルに対し、０．２　
〜２モル程度で共重合物が水に溶解する状態であればよ
く、特に限定するものではない。スルホン酸基あるいは
スルホメチル基を有するメラミン・尿素・ホルムアルデ
ヒド付加共縮合体の平均分子量は、１０００〜　５００
００の範囲が好ましく、２０００〜１００００程度の範
囲がより好ましい。

【００１１】本発明の減水剤の半水石膏（焼石膏）に対
する添加量は０．０１％〜５．０　％であり、更に好ま
しくは０．０５〜１．０　％である。石膏ボード製造時
に使用する場合、本発明品は減水剤溶液、又は粉末の形
態のいずれも使用出来る。更に添加水に配合したり、又
は起泡剤水溶液に添加し使用する事も可能である。ある
いはポリビニルアルコール、メチルセルロース、或はカ
ルボキシメチルセルロース等のような水溶性高分子、硫
酸カリウム、コーンスターチ、及び繊維質物質との併用
も可能である。また無水石膏を使用する石膏プラスター
にも使用することができる。

【００１２】

【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

【００１３】共縮合物の製造例（１） 攪拌機付き反応容器中にメラミン０．５　モルと、尿素
０．５　モルと、３７％ホルマリン３モルとを仕込み、
ｐＨ７．５　に調整して８０℃で透明になるまで混合す
る。

【００１４】透明になってから４０℃に冷却し、亜硫酸
ナトリウム１モルを加えて、再び８０℃で２時間反応さ
せる。次に４０℃に冷却し、２５％硫酸でｐＨ７．５　
に調整してから、５０℃で３〜２０時間反応させる。次
に４５％水酸化ナトリウム溶液でｐＨを９．５　に調整
し、水を加えて所定濃度に調整して本発明の混和剤を得
る。

【００１５】以下、製造例（１）に従って製造した本発
明の付加共縮合物の内容を表１の製造例１〜１０に示す
。

【００１６】尚、製造した付加重合体の平均分子量は、
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法（ポリスチ
レンスルホン酸平均分子量換算）で求めた。

【００１７】

【表１】

【００１８】〔半水石膏スラリーの分散性、凝結性試験
〕上記１０種類の本発明による減水剤を、以下の条件に
より半水石膏スラリーの分散性及び凝結時間に及ぼす影
響を測定した。尚、比較の為にナフタレンスルホン酸ホ
ルムアルデヒド高縮合物系減水剤〔マイテイ１５０　、
花王（株）製〕、リグニンスルホン酸系減水剤系減水剤
（ＬＩＧＮＯＳＩＴＥ　１２０　、Ｇｅｏｒｇｉａ−Ｐ
ａｃｉｆｉｃ　Ｃｏ．　製）を使用した。

【００１９】 ・試験条件 水／半水石膏＝６０重量％ 半水石膏＝燐酸副生焼石膏 減水剤の添加量＝０．１　、０．５　及び１．０　重量
％（対半水石膏）、固型分換算 ・混練法 ピンミキサーにて３０秒間混練した。

【００２０】 ・分散性の測定 ５×５ｃｍの円柱中空容器にスラリーを詰め、上部に引
き抜いた後の円状の広がりの直径を二個所測定し、その
平均値（ｍｍ）で示した。

【００２１】 ・凝結時間の測定 ＪＩＳ　Ｔ　６６０４「歯科用焼石膏」に準じて試験し
た。

【００２２】分散性と凝結時間の測定結果を表２に示す
。

【００２３】

【表２】

【００２４】 ・試験条件 水／半水石膏＝６０重量％ 半水石膏＝燐酸副生石膏 減水剤の添加量＝０．３　重量％（対半水石膏）、固型
分換算 ・泡沫の調整 ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート系起
泡剤〔エマールＤ−３−Ｄ、花王（株）製〕の０．５　
重量％（固型分換算）溶液を、発泡機（ガラスビーズ型
）に通し泡密度０．０６ｇ／ｃｍ３　になるように調製
した。

【００２５】 ・混練法 半水石膏１０００ｇに上記泡沫を添加し（水溶液として
２５ｃｃ）、更に減水剤を対半水石膏で０．３　重量％
（固型分換算）添加した水溶液を添加し、ピンミキサー
で２０秒間混練りした。

【００２６】 ・分散性（フロー）の測定 ５×５ｃｍの円柱中空容器にスラリーを詰め、上部に引
き抜いた後の円状の広がりの直径を二個所測定し、その
平均値（ｍｍ）で示した。

【００２７】スラリーの物性の測定結果を表３に示す。

【００２８】

【表３】

【００２９】表２より本発明による減水剤は、比較品の
減水剤に比べて分散性が大で、しかも凝結時間が速く優
れた減水剤であることが判る。また表３より添加した泡
沫を消泡しがたく、優れた減水剤であることが判る。

【００３０】

【発明の効果】半水石膏、水、混和剤（材）を配合して
なる石膏ボード製造時に於いて、本発明による石膏スラ
リー用減水剤を使用することにより、半水石膏／スラリ
ーの流動性を高め、乾燥エネルギーを低減することが可
能になる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　スルホン基あるいはスルホメチル基を
   有するメラミンと、尿素とのホルムアルデヒド付加共縮
   合物を含有する事を特徴とする石膏スラリー用減水剤。
2. 【請求項２】　　メラミンと尿素とのモル比が、０．１
   ：０．９　〜０．９５：０．０５　である請求項１記載
   の石膏スラリー用減水剤。