JP2528715B2 - 押出成形用添加剤および組成物 - Google Patents

押出成形用添加剤および組成物

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JP2528715B2 JP1265830A JP26583089A JP2528715B2 JP 2528715 B2 JP2528715 B2 JP 2528715B2 JP 1265830 A JP1265830 A JP 1265830A JP 26583089 A JP26583089 A JP 26583089A JP 2528715 B2 JP2528715 B2 JP 2528715B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はセメント系押出成形用添加剤および組成物に
関する。
〔従来の技術〕
セメント質を主成分とする水混練物、例えば石綿・セ
メントの水混練物を押出す場合特に問題となることはダ
イスにかかる押出圧力により水混練物の保水性が悪いた
め、水が分離してダイス出口より水のみがでて、固型物
押出成形機に詰まる脱水現象が起こることである。従来
この脱水現象を防止するために、セルロース誘導体、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリア
クリルアミド等の添加剤が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし上記添加剤を使用しても押出成形工程において
セメント系を主成分とする水混練物の脱水現象が起こる
場合や、押出成形機のスクリューのトルクが大きくなる
という問題点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、脱水現象が起こらずトルクが小さい押
出成形用セメント組成物を得ることを目的として鋭意検
討した結果本発明に到達した。すなわち本発明は、(ポ
リ)オキシアルキレングアーガム及び(ポリ)オキシア
ルキレンメチルグアーガムから選ばれるグアーガム誘導
体からなるセメント系押出成形用添加剤;及びセメント
質材料と、(ポリ)オキシアルキレングアーガム及び
(ポリ)オキシアルキレンメチルグアーガムから選ばれ
るグアーガム誘導体とを含有してなる押出成形用セメン
ト組成物である。
グアーガム誘導体において、グアーガムは式(1) で現されるマンを構成単位とする主鎖にガラクトースが
側鎖として構成される多糖類であり、自然界には豆科植
物の種子に多く含有されている。このようなグアーガム
の誘導体としては、例えば以下のようなものがあげられ
る。
(ポリ)オキシアルキレングアーガム 一般式(2) 〔式中、P>1、Rは−HまたはAOnH(但しAは炭
素数2−4のアルキレン基、n=1〜10、Rのうち少な
くとも一つはAOnHである。)〕で示される化合物が
挙げられる。一般式(2)においてAの炭素数2−4の
アルキレン基としては、エチレン、プロピレンおよびブ
チレン基などがあげられる。n個の(AO)の結合の順序
は問わない。また結合形式はランダムでもブロックいず
れでもよい。Pは好ましくは分子量が1000〜300万にな
る数である。一般式(2)で示される(ポリ)オキシア
ルキレングアーガムの例としてグアーガムPO(9)、グ
アーガムEO(2)PO(6)およびグアーガムEO/PO(3/
7)が挙げられる。
上記において( )内の数字は一般式(2)のP当り
の平均付加モル数を示す。またEOはエチレンオキシド、
POはプロピレンオキシド、EO(2)PO(6)はEO 2モ
ル、PO 6モルの順にブロック付加したもの、EO/PO(3/
7)はEOとPOが3:7の重量割合でランダム付加したものを
示す。
この(ポリ)オキシアルキレンは、アルカリグアーガ
ムにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、クロ
ドヒドロキシエチレン、クロドヒドロキシプロピレンな
どを常温・常圧下や30〜90℃で1〜5kg/cm Gの加圧で反
応させることにより得ることができる。
(ポリ)オキシアルキレンメチルグアーガム 一般式(3) 〔式中、P>1、R′は−H、AOnH、−CH3または
AOnCH3(但しA、nは一般式(2)の場合と同じ。
R′のうち少なくとも一つは−CH3またはAOnCH3
ある。)〕で示される化合物が挙げられる。
一般式(3)で示される(ポリ)オキシアルキレンメ
チルグアーガムの例としてグアーガム−CH3(6)、グ
アーガムPO(6)CH3(3)およびグアーガムEO(2)P
O(6)CH3(3)が挙げられる。
上記において( )内の数字は一般式(3)のP当り
の平均置換モル数または平均付加モル数を示す。この
(ポリ)オキシアルキレンメチルグアーガムはアルカリ
グアーガムにメチルクロライド/プロピレンオキサイド
混合系を通常30〜90℃で1〜5kg/cm Gの加圧で反応させ
ることにより得ることができる。
グアーガム誘導体のうち好ましいのは、ポリキシプロ
ピレングアーガムおよびポリオキシプロピレンメチルグ
アーガムである。
さらにこれらの組成物には必要によりセルロース誘導
体、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルメチルセルロース、およびヒドロ
キシプロピルメチルセルロースなどのエーテルセルロー
ス;ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコールお
よびポリアクリルアミドなどの水溶性高分子を併用する
ことができる。
これらのうち好ましくはセルロース誘導体、特に好ま
しくはメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
スおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
本発明の組成物に用いられるセメント質材料として
は、水硬性セメント例えば普通ボルトラインドセメン
ト、早強ポルトランドセメント、アルミナセメント、高
炉セメント、フライアッシュセメントおよび着色セメン
トが挙げられる。
また補強のため繊維質材料例えば無機繊維(石綿、岩
石綿、ガラス繊維など)および有機繊維(ポリアミド繊
維)、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維など)の
添加も可能である。さらに骨材例えば川砂、ケイ砂、軽
量骨材、ポラゾン等を用いてもよい。
本発明の組成物には必要に応じて各種混和剤(材)を
併用する事も可能である。これらの混和剤(材)として
公知のセメント分散剤(ナフタリンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、
リグニンスルホン酸塩など)、硬化遅延剤(グルコン酸
塩、クエン酸塩、酒石酸塩、ポリリン酸塩など)、硬化
促進剤(塩化カルシウム、亜硝酸塩など)、撥水防止剤
(高級脂肪酸、パラフィンなど)、収縮低減剤(低級ア
ルコールアルキレンオキシド付加物など)、防錆剤(亜
硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウムなど)、急結剤(ア
ルミン酸カルシウム、カルシウムスルホアルミネートな
ど)、膨脹材、高炉スラグ、シリカフューム、石膏、石
灰など種々のものを挙げることができる。セメント系材
料に対する本発明の添加剤の配合量は、セメント質材
料、繊維質材料、骨剤などの配合割合、成形品の押出速
度、ダイス形状などにより種々変えることができるが、
セメント質材料100部(部は重量部をいう。以下同様)
に対して添加剤は通常0.05〜7部、好ましくは0.2〜5
部である。0.05部未満では押出成形機のスクリューのト
ルクが小さくなるという本発明の効果が得られないこと
があり、7部を超えても効果は同じである。
またセメント質材料100部に対して、繊維質材料の量
は、通常0〜50部、好ましくは2〜40部、骨材の量は通
常0〜50部、好ましくは0〜40部、水の量は通常20〜80
部、好ましくは20〜70部、混和剤の量は通常0〜10部、
好ましくは0〜8部である。
本発明の組成物の使用法の例を示せば以下の通りであ
る。すなわちセメント質材料無機質材料、骨材、および
本発明の組成物をニーダー型ミキサーなどでドライブレ
ンドしたのち水を加え、スクリュー型真空押出成形機、
スクリュー型押出成形機、プランジャー型成形機などと
その先端に付けたダイス等を通して、水混練物を所望の
形に押出成形する。
押出された押出成形品は切断機などを用いて所望の長
さに切断した後室温、蒸気養生またはオートクレーブ養
生などで養生後製品とする。
〔実施例〕
以下本発明を実施例によるさらに説明するが本発明は
これら実施例により限定されるものではない。
実施例1〜3、比較例1〜3 本発明の添加剤(実施例1〜3)および比較添加剤
(比較例1〜3)を表−1に示す。
実施例4〜6、比較例4〜6 実施例1〜3および比較例1〜3の添加剤を使用して
ポルトランドセメント100部、石綿20部および添加剤1
部をドライブレンドした後、水35部を加え、モルタルミ
キサーで5分間混練後、本発明の組成物(水混練物)を
得た。その組成物(水混練物)を45mmφのシリンダーを
持つスクリュー形押出成形機とその先端にとりつけた10
mmφとなっているダイスを通して押出成形をおこなって
スクリュー軸にかかるトルクの測定、脱水現象の有無の
観察、および押出成形品の表面の観察を行った。
結果を表−2に示す。
性能が良好な組成物とはスクリュー軸にかかるトルク
の値が小さくダイス出口からの脱水現象がなく、押出成
形品の外観がなめらかなものである。表−2の試験結果
より本発明の組成物は、押出成形機のスクリューんトル
クが低くなり押出成形品の表面もなめらかで脱水現象も
みられなかった。
〔発明の効果〕
本発明の添加剤および組成物は、セメント系押出成形
用添加剤および組成物として従来の添加剤および組成物
に比べ以下の項目で性能がすぐれているという特長を持
ったものである。
(1) 押出成形機にかかるトルクが低くなる。
本発明の添加剤および組成物を使用することにより、
水混練物のダイス内の滑りがよくなったり、粘着性が低
くなるため、押出成形機にかかるトルクが低くなる。
(2) 押出成形機内での脱水現象がなくなる。
本発明の添加剤および組成物を使用することにより、
水混練物の保水性が良好になり押出成形機内での脱水現
象がなくなる。
(3) 押出成形品の表面が良好になる。
本発明の添加剤および組成物を使用することにより、
水混練物の保水性および粘着性が良好になり、押出成形
品の表面が良好になる。
(4) 押出成形品の単位時間当りの生産量を増やすこ
とができる。
本発明の添加剤および組成物を使用することにより押
出成形機にかかるトルクが低くなるため、押出成形品の
押出速度を上げることが可能になり、押出成形品の単位
時間当りの生産量を増やすことができる。
上記効果を奏することから本発明の添加剤および組成
物を用いた押出成形品は建築物の外壁材、間切材、天井
材などに有用である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(ポリ)オキシアルキレングアーガム及び
    (ポリ)オキシアルキレンメチルグアーガムから選ばれ
    るグアーガム誘導体からなるセメント系押出成形用添加
    剤。
  2. 【請求項2】セメント質材料と、(ポリ)オキシアルキ
    レングアーガム及び(ポリ)オキシアルキレンメチルグ
    アーガムから選ばれるグアーガム誘導体とを含有してな
    る押出成形用セメント組成物。
  3. 【請求項3】グアーガム誘導体の配合量がセメント質材
    料に対して0.05〜7.0重量%である請求項2記載の押出
    成形用セメント組成物。
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JPS5374527A (en) * 1976-12-13 1978-07-03 Sumitomo Chemical Co Composition of gypsum plaster
JPS58132505A (ja) * 1982-02-01 1983-08-06 信越化学工業株式会社 セメント系成形体の製造方法
JPS6283347A (ja) * 1985-10-08 1987-04-16 ダイセル化学工業株式会社 セメント押出成形品用混和剤

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