JPH04252237A - 多孔性高分子膜およびその製造方法 - Google Patents

多孔性高分子膜およびその製造方法

Info

Publication number
JPH04252237A
JPH04252237A JP2516391A JP2516391A JPH04252237A JP H04252237 A JPH04252237 A JP H04252237A JP 2516391 A JP2516391 A JP 2516391A JP 2516391 A JP2516391 A JP 2516391A JP H04252237 A JPH04252237 A JP H04252237A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
polymer membrane
ions
energy ions
porous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2516391A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyo Matsumoto
松本 安世
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2516391A priority Critical patent/JPH04252237A/ja
Publication of JPH04252237A publication Critical patent/JPH04252237A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔性高分子膜に関し
、さらに詳しくは、エッチング法(飛跡−侵食法)によ
る多孔性高分子膜およびその製造方法に関する。本発明
の多孔性高分子膜は、精密濾過膜や限外濾過膜などの分
離膜や加熱源を備えたフィルターなどとして好適である
【0002】
【従来の技術】分離機能を有する高分子膜は、精密濾過
、限外濾過、逆浸透、透析、気体分離、透過気化、電気
透析などの膜分離法に応用されている。その中でも、多
孔性膜は、精密濾過膜や限外濾過膜などとして広範な分
野で使用されている。ところで、従来、分離膜等に利用
する微孔性の多孔膜は、(1)機械的に高分子膜(フィ
ルム)または繊維状物を(不完全)延伸する方法、(2
)化学的に高分子の溶解度差を利用する方法、(3)溶
剤可溶の固体微粒子を混入後、溶出する方法、(4)燒
結により多孔膜とする方法、(5)気泡入り高分子シー
トの圧潰による方法などの多孔化技術により製造されて
いる。
【0003】その多孔形態も三次元網目状、独立気泡型
、連通型など不規則な孔を有するもの、連続的に孔径が
変わるものなど多様であり、多孔膜中の見かけの孔径も
不均一であって、対象とする被分離物の精製または除去
の分離効率に限界がある。例えば、延伸法により、ポリ
テトラフルオロエチレンやポリオレフィンなどの部分結
晶性をもつポリマーフィルムを延伸して得られる延伸膜
は、三次元網目構造を有しており、また、延伸条件によ
って孔径を制御しているため、見掛けの孔径が不均一で
あり、対象とする分離物の精製または除去における分離
効率(選択的透過性)が不十分である。
【0004】また、相分離法による非対称膜の製造法に
よれば、セルロースエステル、ポリアミド、ポリスルホ
ン等を対象として、これらのポリマーを溶剤に溶解し、
さらに添加剤を加えてドープ液とし、このドープ液を平
板上に流延して、所定時間経過後に貧溶媒と接触させて
多孔膜を得るが、この方法による多孔膜は、多孔層の上
に活性層である緻密層または多孔質スキン層を有してい
る。この方法では、溶媒、沈殿剤、粘性調節剤の選択や
、濃度、温度等の製膜条件によって、孔径を制御してい
るため、見かけの孔径が不均一で分離効率に限界がある
。燒結法により、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子
をフィルムに圧延し、燒結して得られる燒結膜は、孔径
が不均一で、機械的強度が小さい。
【0005】近年、高分子フィルムに原子炉から発生し
た中性子を含む高エネルギーの荷電粒子(イオン)を照
射して、ポリマー鎖が切断された飛跡を作り、この飛跡
をアルカリ性溶液や酸化性溶液などのエッチング剤によ
り化学的にエッチング処理を行なうことにより、多孔膜
を得るエッチング法が提案されている(特公昭52−3
987号公報、特開昭54−11971号公報、特開昭
59−117546号公報等)。
【0006】このエッチング法によれば、非常に均一な
ほとんど完全にシリンダー状(円筒状)の垂直孔をもつ
膜(毛管孔膜)を得ることができ、分離膜として使用し
た場合、良好な分離効率を発揮する。ここで、シリンダ
ー状とは、従来の三次元網目状構造を有する多孔膜とは
異なり、ある方向性を有する穿孔のことである。しかし
、現在、エッチング法による多孔性分離膜としては、ポ
リカーボネートやポリエチレンテレフタレートの薄膜が
市販(Nuclepore社製)されている。しかし、
このような膜は、高エネルギーイオンが貫通するための
フィルムの厚さに限界があり、機械的強度、熱変形性等
が十分ではなく、改善が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シリ
ンダー状穿孔を有する分離効率の大きな高分子多孔膜で
あって、機械的強度、熱変形性、耐溶剤性などが改善さ
れた高分子多孔膜を提供することにある。本発明者らは
、前記従来技術の有する問題点を克服するために鋭意研
究した結果、芳香族系高分子などからなる高分子膜膜に
高エネルギーイオンを照射して照射損傷を形成した後、
化学的にエッチング処理することにより形成される穿孔
を有する多孔性高分子膜において、高エネルギーイオン
を照射し、高分子を架橋させることにより、前記目的を
達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、平均孔径が10μm以下のシリンダー状穿孔を有す
る多孔性高分子膜において、高分子膜を形成する高分子
が、芳香族環または複素環を有し、かつ、架橋結合した
ものであることを特徴とする多孔性高分子膜。が提供さ
れる。
【0009】また、本発明によれば、高分子膜に高エネ
ルギーイオンを照射して照射損傷を形成した後、化学的
にエッチング処理して穿孔を形成する多孔性高分子膜の
製造方法において、(a)高分子膜に高エネルギーイオ
ンを照射して高分子を架橋させる工程と、(b)該架橋
工程における高エネルギーイオンより質量の大きな照射
損傷の形成可能なイオン種を用いて高エネルギーイオン
を照射する工程とを有することを特徴とする多孔性高分
子膜の製造方法が提供される。以下、本発明について詳
述する。
【0010】(高分子膜)本発明で使用する高分子材料
は、膜形成が可能で、イオン照射により架橋結合を生じ
るものである。高速のイオンは、その飛跡に沿って高密
度にイオン化を引き起こす。飛跡の単位あたりのエネル
ギー損失を線エネルギー付与(LET;linear 
 energy  transfer)というが、LE
Tの大きなイオン照射により架橋を生じさせるには、L
ET効果が現われる芳香族系高分子が好ましい高分子材
料である。
【0011】このような高分子材料としては、例えば、
ポリイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリアミド、ポリア
ミドイミドなどの芳香族環または複素環(芳香族環およ
び複素環の両者を有するものを含む)を有する高分子を
挙げることができる。これらの高分子膜は、通常の押出
成形、Tダイ法、インフレーション法などの溶融加工方
法、あるいは有機溶剤溶液からの製膜法などの各種の方
法で作成することができる。その膜厚は、エッチング法
(飛跡−侵食法)により多孔膜を形成できる大きさであ
ればよい。
【0012】(多孔性高分子膜の製造方法)本発明にお
いては、高分子膜に高エネルギーイオン(荷電粒子)を
照射して、照射損傷を形成した後、化学的にエッチング
処理を行なうことにより、多孔性高分子膜を製造する。 イオンとしては、例えば、核分裂によって得られる核分
裂片やイオン加速器によって得られる加速イオンなどが
利用できる。原子炉から発生した中性子を含む荷電粒子
など、荷電粒子以外に非荷電粒子を含んでいてもよい。
【0013】高分子膜にイオンを、通常、膜に対してほ
ぼ垂直に照射し、これによって膜中にポリマー鎖が切断
された照射損傷(飛跡)を与える。次いで、この照射損
傷を化学的にエッチング処理すると、均一なシリンダー
状の穿孔を有する多孔性高分子膜が得られる。荷電粒子
の照射は、高分子膜に照射損傷を与えるが、このとき生
じる化学種がエッチングされ易いことが必要である。こ
の化学種を効率良く生成させるため、酸素やオゾン等の
活性ガス雰囲気中で照射することもできる。さらに、化
学種の生成は、イオンの種類、イオンのエネルギーを選
択することによりによっても定まる。
【0014】照射損傷を与える高エネルギーイオンの照
射は、比較的質量が大きく、高分子膜に照射損傷の形成
可能なイオン種を用いて行なう。また、照射損傷を与え
る高エネルギーイオンの照射量は、穿孔の重なりを考慮
して、通常、1×1010個/cm2以下(1cm2当
たりの照射イオンの個数を意味する)が好ましく、より
好ましくは1×109個/cm2以下である。
【0015】化学的なエッチング処理は、通常、照射損
傷を与えた高分子膜をエッチング剤に所定時間浸漬して
行なう。エッチング剤としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ溶液;硫酸、硝酸等の酸性溶
液や重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム等の酸
化剤などが使用できる。それらの中でも、重クロム酸カ
リウムの硫酸溶液あるいは過マンガン酸カリウムを含む
アルカリ溶液、次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ溶液な
どの酸化性溶液が好ましい。これらのエッチング剤に、
アルコールや界面活性剤を添加したものも用いることが
できる。エッチング処理をすることにより、高分子膜の
イオンの貫通により生じた損傷部分が選択的にエッチン
グされ、穿孔が形成される。
【0016】穿孔形成を効率よく行なうために、照射損
傷を形成した高分子膜に、電離放射線もしくは紫外線を
照射した後、または照射を行ないつつ、化学的にエッチ
ング処理をしてもよい。紫外線もしくは電離放射線、例
えば、電子線、γ線等を再照射することにより、よりエ
ッチングされやすい化学種に変えることができ、エッチ
ング時間の短縮や孔径の均一化が図れる。このようにし
て得られる穿孔の孔数は、イオンの数と対応し、照射条
件を選択することにより任意に孔数制御ができる。また
、平均孔径は、照射するイオンの種類、エッチング条件
により、10μm以下において任意に制御できる。
【0017】本発明においては、高分子膜に高エネルギ
ーイオンを照射して高分子を架橋させる工程を設ける。 架橋工程においては、イオン種として、通常、水素イオ
ンやヘリウムイオンなどの比較的質量の小さなものを用
いる。高エネルギーイオンの照射を照射量1×1011
〜1×1016個/cm2の条件で行なうことにより、
架橋結合を有する高分子膜が得られる。この場合、例え
ば、水素イオンのような質量の小さなイオンでは、1×
1013〜1×1016個/cm2、ヘリウムイオンで
は、1×1012〜1×1015個/cm2の範囲が好
ましい。
【0018】本発明においては、高分子膜に高エネルギ
ーイオンを照射して高分子を架橋させる工程(架橋工程
)は、照射損傷の形成可能なイオン種を用いて高エネル
ギーイオンを照射する工程(照射損傷形成工程)の前お
よび/または後に設ける。通常は、架橋工程を照射損傷
形成工程の前または後に設ける。先ず、高分子膜に高エ
ネルギーイオンを照射して高分子を架橋させ、ついで照
射損傷の形成可能なイオン種を用いて高エネルギーイオ
ンを照射し、しかる後、エッチング処理を行なう方法が
ある。架橋工程を照射損傷形成工程の後に設ける場合に
は、エッチング処理の前または後のいずれでもよい。 すなわち、化学的にエッチング処理して穿孔を形成した
後に、再度高エネルギーイオンを照射して高分子を架橋
させてもよいし、あるいは照射損傷を形成し、ついで架
橋させ、しかる後、エッチング処理を行なってもよい。
【0019】エッチング処理により、より質量の大きな
イオン種の通過した飛跡に沿って形成された照射損傷部
分が選択的にエッチングされ、穿孔を有する多孔性高分
子膜が得られる。かくして得られた多孔性高分子膜は、
未架橋膜と比較して、熱的な機械的強度が向上し、熱変
形性が改善される。しかも、架橋しているため、耐溶剤
性も改善されたものである。
【0020】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに
限定されるものではない。
【0021】なお、以下の実施例および比較例で用いた
ポリマーは次のとおりである。 ポリエーテルイミド:  GEプラスチック社製、商品
名ウルテム−1000 ポリアリレート    :  ユニチカ社製、商品名U
−100 ポリスルホン      :  アモコ社製、商品名P
−1700
【0022】[実施例1]厚さ2μmのポリエーテルイ
ミド膜に、イオン加速器を用い、S4+イオンを1×1
08個/cm2照射して、照射損傷を形成した後、過マ
ンガン酸カリウムの80℃飽和水溶液に浸漬して化学的
にエッチング処理を行なった。30時間浸漬してエッチ
ング処理を行なった後、水洗・乾燥して多孔性高分子膜
を得た。
【0023】このようにして得られた多孔性膜に、H+
イオンを7×1014個/cm2照射することにより架
橋結合を有する高分子膜を作成した。  得られた多孔
性高分子膜の孔径は、電子顕微鏡観察によると、0.1
μmであった。この多孔性高分子膜に、4.6kg/c
m2の定荷重を加えながら、昇温し、10%変位すると
きの温度を測定したところ、236℃であった。また、
ジメチルホルムアミドを溶媒として用いてゲル分率を測
定したところ、45%であり、架橋していることが確認
された。
【0024】[実施例2]厚さ2μmのポリエーテルイ
ミド膜に、イオン加速器を用い、Ni4+イオンを1×
108個/cm2照射して、照射損傷を形成した後、過
マンガン酸カリウムの80℃飽和水溶液に浸漬して化学
的にエッチング処理を行なった。30時間浸漬してエッ
チング処理を行なった後、水洗・乾燥して多孔性高分子
膜を得た。
【0025】この多孔性高分子膜に、H2  +イオン
を1×1014個/cm2照射することにより架橋結合
を有する多孔性高分子膜を作成した。得られた多孔性高
分子膜の孔径は、電子顕微鏡観察によると、0.1μm
であった。この多孔性高分子膜に、4.6kg/cm2
の定荷重を加えながら、昇温し、10%変位するときの
温度を測定したところ、255℃であった。また、ジメ
チルホルムアミドを溶媒として用いてゲル分率を測定し
たところ、68%であった。
【0026】[実施例3]厚さ2μmのポリアリレート
膜に、H+イオンを1×1015個/cm2照射し架橋
させた後、この膜に、Cu5+イオンを1×108個/
cm2照射して、照射損傷を形成した。ついで、5Nの
水酸化ナトリウム水溶液に、50℃で1時間浸漬して化
学的にエッチング処理を行なった。しかる後、水洗・乾
燥して、Cu5+イオンに起因する穿孔を有する多孔性
高分子膜を得た。得られた多孔性高分子膜の孔径は、電
子顕微鏡観察によると、0.1μmであった。この多孔
性高分子膜に、4.6kg/cm2の定荷重を加えなが
ら、昇温し、10%変位するときの温度を測定したとこ
ろ、211℃であった。また、N−メチル−2−ピロリ
ドンを溶媒として用いてゲル分率を測定したところ、5
1%であった。
【0027】[実施例4]厚さ2μmのポリスルホン膜
に、Cu5+イオンを1×108個/cm2照射して、
照射損傷を形成した。この膜に、H2  +イオンを1
×1014個/cm2照射した後、5g  K2Cr2
O7  +  18g  30%H2SO4  溶液に
65℃の条件下で6時間浸漬しエッチング処理を行なっ
た。しかる後、水洗・乾燥して、Cu5+イオンに起因
する穿孔を有する多孔性高分子膜を得た。得られた多孔
性高分子膜の孔径は、電子顕微鏡観察によると、0.1
μmであった。この多孔性高分子膜に、4.6kg/c
m2  の定荷重を加えながら、昇温し、10%変位す
るときの温度を測定したところ、203℃であった。ま
た、メチルエチルケトンを溶媒として用いてゲル分率を
測定したところ、41%であった。
【0028】[比較例1]厚さ2μmのポリエーテルイ
ミド膜に、イオン加速器を用い、S4+イオンを1×1
08個/cm2照射して、照射損傷を形成した後、過マ
ンガン酸カリウムの80℃飽和水溶液に浸漬して化学的
にエッチング処理を行なった。30時間浸漬してエッチ
ング処理を行なった後、水洗・乾燥して多孔性高分子膜
を得た。得られた多孔性高分子膜の孔径は、電子顕微鏡
観察によると、0.1μmであった。こ多孔性高分子膜
に、4.6kg/cm2の定荷重を加えながら、昇温し
、10%変位するときの温度を測定したところ、220
℃であった。また、ジメチルホルムアミドを溶媒として
用いてゲル分率を測定したところ、0%であった。
【0029】[比較例2]厚さ2μmのポリアリレート
膜に、Cu5+イオンを1×108個/cm2照射して
、照射損傷を形成した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶
液に、50℃で1時間浸漬して化学的にエッチング処理
を行なった。しかる後、水洗・乾燥して、多孔性高分子
膜を得た。得られた多孔性高分子膜の孔径は、電子顕微
鏡観察によると、0.1μmであった。この多孔性高分
子膜に、4.6kg/cm2の定荷重を加えながら、昇
温し、10%変位するときの温度を測定したところ、1
97℃であった。また、N−メチル−2−ピロリドンを
溶媒として用いてゲル分率を測定したところ、0%であ
った。
【0030】[比較例3]厚さ2μmのポリスルホン膜
に、Cu5+イオンを1×108個/cm2照射して、
照射損傷を形成した後、5g  K2Cr2O7  +
18g30%H2SO4  溶液に65℃の条件下で6
時間浸漬してエッチング処理を行なった。しかる後、水
洗・乾燥して、多孔性高分子膜を得た。得られた多孔性
高分子膜の孔径は、電子顕微鏡観察によると、0.1μ
mであった。この多孔性高分子膜に、4.6kg/cm
2の定荷重を加えながら、昇温し、10%変位するとき
の温度を測定したところ、195℃であった。また、メ
チルエチルケトンを溶媒として用いてゲル分率を測定し
たところ、0%であった。
【0031】上記の実施例および比較例から明らかなよ
うに、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリスル
ホンのいずれも、架橋することにより、熱的な機械的強
度が向上し、熱変形性が改善された多孔性高分子膜を与
えることが分かる。また、架橋しているため、耐溶剤性
も改善されている。
【0032】
【発明の効果】本発明の多孔性高分子膜は、孔径が均一
で、かつ、高分子膜へのイオン照射時のイオン種の選択
、エッチング処理条件の選択により任意の孔径が得られ
、しかも孔径が均一であるため、分離膜として利用した
場合、従来の三次元網目状の分離膜と比較して高効率の
分離が可能となる。さらに、本発明の多孔性高分子膜は
、架橋しているため、未架橋膜と比較して、耐熱性、高
温時の機械的強度、耐溶剤性等が向上したものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  平均孔径が10μm以下のシリンダー
    状穿孔を有する多孔性高分子膜において、高分子膜を形
    成する高分子が、芳香族環または複素環を有し、かつ、
    架橋結合したものであることを特徴とする多孔性高分子
    膜。
  2. 【請求項2】  高分子膜に高エネルギーイオンを照射
    して照射損傷を形成した後、化学的にエッチング処理し
    て穿孔を形成する多孔性高分子膜の製造方法において、
    (a)高分子膜に高エネルギーイオンを照射して高分子
    を架橋させる工程と、(b)該架橋工程における高エネ
    ルギーイオンより質量の大きな照射損傷の形成可能なイ
    オン種を用いて高エネルギーイオンを照射する工程とを
    有することを特徴とする多孔性高分子膜の製造方法。
  3. 【請求項3】  (a)高分子膜に高エネルギーイオン
    を照射して高分子を架橋させる工程を、(b)照射損傷
    の形成可能なイオン種を用いて高エネルギーイオンを照
    射する工程の前および/または後に設ける請求項2記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】  (a)架橋工程で用いる高エネルギー
    イオンの照射量が1×1011〜1×1016個/cm
    2であり、(b)高分子膜に照射損傷を形成する高エネ
    ルギーイオンの照射量が1×1010個/cm2以下で
    ある請求項2または3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】  多孔性高分子膜の孔が、平均孔径10
    μm以下のシリンダー状穿孔からなり、かつ、高分子膜
    が、芳香環または複素環を有する高分子からなる膜であ
    る請求項2ないし4のいずれか1項記載の製造方法。
JP2516391A 1991-01-28 1991-01-28 多孔性高分子膜およびその製造方法 Pending JPH04252237A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2516391A JPH04252237A (ja) 1991-01-28 1991-01-28 多孔性高分子膜およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2516391A JPH04252237A (ja) 1991-01-28 1991-01-28 多孔性高分子膜およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04252237A true JPH04252237A (ja) 1992-09-08

Family

ID=12158347

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2516391A Pending JPH04252237A (ja) 1991-01-28 1991-01-28 多孔性高分子膜およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04252237A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007173243A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Samsung Electro Mech Co Ltd 燃料電池及びその製造方法
JP2012229309A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc 多孔性フィルムの製造方法
US8575574B2 (en) 2009-12-14 2013-11-05 Samsung Display Co., Ltd. Ion implanting system

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007173243A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Samsung Electro Mech Co Ltd 燃料電池及びその製造方法
US8039174B2 (en) 2005-12-21 2011-10-18 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Flexible fuel cell
US8575574B2 (en) 2009-12-14 2013-11-05 Samsung Display Co., Ltd. Ion implanting system
JP2012229309A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc 多孔性フィルムの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE2539408C3 (de) Membrane, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung zur umgekehrten Osmose und Ultrafiltration
EP1678245B1 (en) Microporous pvdf films and method of manufacturing
US6540953B1 (en) Microporous membrane and method for providing the same
AU2004220187B2 (en) Porous membrane of vinylidene fluoride resin and process for producing the same
US3642668A (en) Microporous vinylidene fluoride polymer and process of making same
CN108295667B (zh) 一种基于大孔径基膜的正渗透复合膜及其制备方法
JPS5857205B2 (ja) 半透膜の製造方法
JP3209998B2 (ja) 冷間圧延前駆体フィルムから製造される微孔性膜
WO2002072248A1 (fr) Film microporeux et procede de preparation correspondant
JPWO2009060836A1 (ja) セルロース系多孔膜
JP2004016930A (ja) 微多孔膜及びその製造方法
JPH04252237A (ja) 多孔性高分子膜およびその製造方法
Vigo et al. Asymmetric polivinylidenfluoride (pvdf) radiation grafted membranes: preparation and performance in reverse osmosis application
JP2610676B2 (ja) 多孔性分離膜の製造方法
US4268662A (en) Process for improving semipermeable membranes by treating with protic acids or inorganic salts
JPH0338228A (ja) 多孔性高分子膜及びその製造方法
JPH0338227A (ja) 多孔性高分子膜の製造方法
JPH0360713A (ja) 多孔性炭素膜及びその製造方法
JP2610677B2 (ja) 多孔性分離膜の製造方法
JPH03267131A (ja) 多孔性ポリエーテルスルホン膜およびその製造方法
JPH03273038A (ja) 多孔性ポリエーテルエーテルケトン膜およびその製造方法
JPH0247141A (ja) 多孔性ポリイミド膜の製造方法
JPH02180624A (ja) 多孔性高分子膜の製造法
JPH02180625A (ja) 多孔性高分子膜
JPH03182531A (ja) 多孔性中空糸およびその製造方法