JPH04245972A - 熱融着性アクリル繊維及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、優れた熱融着性を持つ
アクリル繊維に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、熱融着繊維として特公昭５４−４
４７７３号公報においては、結晶性ポリプロピレン（第
一成分）とエチレン酢酸ビニルコポリマーまたはその鹸
化物及びポリエチレン（第二成分）をサイドバイサイド
に、又は芯鞘型に複合紡糸することにより繊維間の熱融
着性，他の異質素材との熱接着性を改善させた熱接着性
複合繊維が開示されている。

【０００３】アクリルやアクリル系の繊維に関しては、
紡糸時において溶融することが難しく、アクリルの熱融
着繊維は未だ開発段階である。

【０００４】また、前述の特公昭５４−４４７７３号公
報の熱融着繊維とアクリル繊維を混紡した場合、糸の染
色時該熱融着繊維は、塩基性染料で染着されず、白く残
り商品価値を著しく損なうという欠点がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、塩
基性染料で染色できる、優れた熱融着性を示すアクリル
繊維を提供するにある。また、市販されている一般的な
アクリル繊維を原料に使用し、染綿などの小ロットでも
製造、少量でも供給可能であり安価な熱融着アクリル繊
維の製造法を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のアクリル繊維は
、繊維表面から溶剤を０．５重量％以上含浸させている
ことを特徴とする熱融着性アクリル繊維である。その製
造方法は、アクリル繊維に均一に溶剤を付着させ、７０
℃以下で水分を乾燥し含浸することを特徴とする。

【０００７】以下、本発明の構成要件を述べる。本発明
に使用するアクリル繊維はアクリロニトリルを主要成分
とする（４０重量％以上）一般的なアクリルまたはアク
リル系繊維をいう。例えばカシミロン、エクスラン、ボ
ンネル、ベスロン、トレロン、カネカロン等市販されて
いる通常のアクリル繊維で良い。第２コモノマーとして
はメチルアクリレート、酢酸ビニル、アクリルアミド、
アクリル酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が使用でき
る。また、第３モノマーとしてはアリルスルホン酸ナト
リウム、メタクリルスルホン酸ナトリウム、２−アクリ
ルアミド２−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム等が
使用できる。

【０００８】本発明のアクリル繊維は、実質的に繊維表
面に溶剤を０．５重量％以上（対繊維重量）含浸してお
り、アクリル繊維表面に含浸された溶剤によりアクリル
繊維表面が可塑化され熱融着性が発現する。含浸してい
る溶剤が０．５重量％未満では熱融着効果が少ない。好
ましくは１重量％以上であり、特に熱融着力（解撚時の
強力）が必要な場合は、３重量％以上が好ましい。溶剤
が１０重量％以上含浸させた場合、混合させる紡績用油
剤との安定性が悪くなり、スカムになったり、油剤の一
部が分離するので好ましくない。

【０００９】次に、本発明の熱融着性アクリル繊維の製
造方法について述べる。ポリマーの重合方法は溶液重合
でも、サスペンジョン重合でも良くとくに制限しない。 紡糸する方法は湿式でも、乾式でもとくに問題ない。使
用するアクリル繊維は、原着綿，染色後いずれであって
も良い。本発明に使用する溶剤はアクリルの一般的な有
機溶剤で良く、例えばジメチルスルフォキシド，ジメチ
ルアセトアミド，ジメチルフォルムアミド，スルフォラ
ン，エチレンカーボネイト等が使用できる。中では、沸
点の高いスルフォランが好ましく、混合溶剤として複数
の溶剤を使用しても良い。溶剤は、例えば紡績用油剤の
水溶液又はエマルジョンと混合して繊維に実質的に均一
に付着させる。０．５％程度の少量の溶剤を繊維に付着
させるためには、スプレーで直接溶剤を噴霧した後、十
分に混綿する方法があるが、揮発しやすい希釈剤、例え
ば水等で溶剤を希釈した後付着するほうが好ましい。付
着する方法は浸漬法でもスプレー法でも良く、特に限定
はしないが、浸漬法が付着斑が少なくて良い。溶剤を繊
維に含浸させるため、また希釈剤を乾燥するために溶剤
を付着後、乾燥する。本発明の重要な点は上記の乾燥温
度にある。すなわち乾燥が進行すると繊維表面の溶剤に
より繊維が膨潤すると同時に溶剤が含浸されるが、乾燥
温度が高すぎると繊維相互で接着してしまう。乾燥温度
が８０℃を越えると接着が著しくなり好ましくない。乾
燥効率が低下するが７０℃以下、好ましくは６０℃以下
が良い。本発明の熱融着繊維は乾燥により軽度に膠着す
ることがあるが、混綿前に開繊し使用すれば良い。

【００１０】

【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「％」とあるのは「重量％」を意味
する。実施例中の繊維の強伸度測定はＪＩＳ　　Ｌ−１
０１５に準じて行った。

【００１１】市販のカネボウアクリル（アクリロニトリ
ル９０重量％，メチルアクリレート９．５重量％，メタ
クリルスルホネートナトリウム塩０．５重量％）３ｄ５
１ｍｍとルフネン（アクリロニトリル６０重量％，ビニ
リデン３９重量％，メタクリルスルホネートナトリウム
塩１重量％）３ｄ５１ｍｍをアクリル繊維として使用し
た。アクリル繊維１０ｇｒを５００ｍｌの溶剤水溶液に
表１に示す条件で浸漬処理した。浸漬法により溶剤を繊
維に付着させた後、マングルで絞り、表２に示す条件で
熱風乾燥機で乾燥した。得られた熱融着繊維を表３に示
した混紡率で通常のアクリルと混紡した２５番単糸を紡
績し、１１０℃１０分間の熱処理をした後、検撚器にて
解撚し、テンシロン型引っ張り試験機で糸強力を測定し
て熱融着性を評価した。本発明の表３試験Ｎｏ．３、５
、６、７、８は良い熱融着性を示した。

【００１２】

【表１】

【００１３】

【表２】

【００１４】

【表３】

【００１５】

【発明の効果】本発明の熱融着アクリル繊維は優れた熱
融着性を示す上に単繊維の強度の低下も少なく、通常の
繊維用途に対応できるため汎用性に富んでいる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　繊維表面から溶剤を０．５重量％以上
   含浸させていることを特徴とする熱融着性アクリル繊維
   。
2. 【請求項２】　　アクリル繊維に実質的に均一に溶剤を
   付着させ、７０℃以下で水分を乾燥し含浸することを特
   徴とする請求項１記載の熱融着性アクリル繊維の製造方
   法。