JPH0424399Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、焼結機のパレツトと給鉱用ドラムフ
イーダとの間の狭隘な空間に配置された焼結原料
装入機を自動的に取り出すことを可能にした取出
し装置に関する。

〔従来の技術〕

粉鉱石等の製鉄原料から焼結鉱を製造する方法
においては、約10mm以下の鉄鉱石粉末に適度な粒
度のコークス及び必要に応じて石灰石粉末を混合
し、この混合物を焼結パレツトに供給していた。
そして、供給された焼結原料の表層にあるコーク
スに点火し、下方に向けて空気を吸引しながらコ
ークスを燃焼させ、このときに発生する燃焼熱に
よつて粉鉱石を焼結している。このようにコーク
スの燃焼によつて燃結反応が進行することから、
原料層の下部ほど高温となり、通気抵抗が増加す
る。その結果、反応が不均一に進行する。

この欠点を解消するために、焼結原料の粒度が
下層で粗く上層で細かくなるように、且つコーク
ス量も上層に多くなるように、装入する方法が従
来から種々提案されている。たとえば、傾斜板等
のシユートにより装入される焼結原料の粒度偏析
を大きくすることが、代表的な方法である。

本考案者等も、焼結原料をその粒度に応じて分
散させてパレツトに送り、均一な燃結反応を可能
にする装入方法を開発し、これを特願昭60−
64677号として出願した。

第４図は、この出願で提案した装入方法を説明
する図である。

同図ａにおいて、被処理物である焼結原料１
は、ホツパー２に蓄えられており逐次ドラムフイ
ーダ３等の搬送手段により、傾斜板等のシユート
４を経て装入機５に送られる。この装入機５は、
同図ｂに示すように、シユート４の棒条材取付け
位置４ａと下端取付け板７との間に掛け渡された
複数の棒条材６からなる。個々の棒条材６はそれ
ぞれ傾斜角度が異なつて棒条材取付け位置４ａで
保持されており、下端取付け板７側で単数又は複
数の山型を作る。これにより、各棒条材６間の横
方向距離に縦方向距離が加わり、下端取付け７に
向かつて間隙が大きくなつたフルイが得られる。

シユート４から送られた被処理物である焼結原
料１がこのフルイ面を落下するとき、順次粒径の
小さいものからフルイ面を通過し、パレツト８上
に原料層９となつて堆積する。したがつて、原料
層９は、各棒条材６の間隙の増加に対応して、上
方に向けて小さな粒径となる粒度分布をもつ。し
たがつて、原料層９の厚み方向に関して焼結性が
均一化され、生産性良く焼結鉱を製造することが
できる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この提案された装入方法によるとき、パレツト
８上に形成される原料層９の粒度分布が焼結に最
適な状態となる。この原料の粒度分布に付随して
コークスも上層ほど量的に多い分布となり、表層
部の熱不足対策に効果を発揮し、表層部の温度低
下が防止される。

しかし、この装入機５にあつては、シユート４
の下位側に棒条材６を固着しているため、その全
長が大きくなる。他方、パレツト８の搬送方向に
沿つて、点火炉等の付属機器が配置されている。
そのため、機種の交換、補修、点検等のために装
入機５を第４図の斜め左上方向に引き出そうとす
るとき、点火炉等が装入機５の引出しに対する障
害とならないように、原料装入位置から付属機器
の配置位置までの距離を大きくとることが余儀無
くされる。このような問題は、第４図に示したシ
ユート４の下位側に棒条材６を設けた装入機の取
り出しに限つた問題ではなく、大きな長さをもつ
装入機を取り出す場合にも生じるものである。

そこで、本考案は、狭隘な空間に配置された原
料装入機を取り出す際の移動軌跡を特定すること
により、周辺に配置されている付属機器に邪魔さ
れることなく取出し作業を円滑に行うことを目的
とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の交換装置は、その目的を達成するた
め、ドラムフイーダと焼結機のパレツトとの間に
傾斜して配置されたシユートをもつ原料装入機を
支持する傾斜受台と、該傾斜受台に接続可能に設
けられた旋回ビームと、前記原料装入機の一端に
取り付けたロープを介して前記原料装入機を前記
旋回ビームに沿つて吊り上げるクレーンと、吊上
げ時に前記原料装入機の移動軌跡を定めるガイド
ローラを備えていることを特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面を参照しながら、実施例により本考
案の特徴を具体的に説明する。

第１図は、本実施例において、原料装入機が操
業状態にあるときの交換装置の概略を示す。

本例にあつては、原料装入機５の下方に傾斜受
台１１が配置されており、この傾斜受台１１によ
り原料装入機５の傾斜角度が一定に維持されてい
る。この原料装入機５は、第４図に示すように棒
条材６を下位側に設けた分だけ、その全長が大き
なものとなつている。なお、棒条材６の下端は、
第４図に示す下端取付け板７で固定する方式、或
いは自由端とする方式の何れをも採用することが
できる。

そして、傾斜受合１１の上端部に対し、旋回ビ
ーム１２の下端が接続可能にされている。すなわ
ち、点火炉１３等の適宜の基盤上に立設された支
柱１４の先端を支点１５とし、シリンダ１６等の
駆動源に連結されたロツド１７を伸縮させること
によつて、旋回ビーム１２は回転する。そして、
このビーム１２が傾斜受台１１に対して直線状に
なつたとき、両者の接続状態を維持するストツパ
ー１８が、傾斜受台１１の下位側端部に設けられ
ている。

この操業状態にある原料装入機５と旋回ビーム
１２との間の上方空間には、天井クレーン１９が
配置されている。この天井クレーン１９から、先
端にフツク２０を持つロープ２１（第２図参照）
が送り出されて、原料装入機５の上位側先端部に
設けた係止部（図示せず）に引つ掛けられる。

そして、天井クレーン１９でロープ２１を巻き
上げることによつて、第２図ａに示すように原料
装入機５を傾斜受台１１及び旋回ビーム１２に沿
つて引き上げる。このとき、旋回アーム２２の先
端に取り付けられたガイドローラ２３によつてロ
ープ２１の一部が押さえられる。そのため、原料
装入機５は、傾斜した旋回ビーム１２上を所定の
長さ走行することになる。また、本実施例では、
第２図ｂに示すように、旋回ビーム１２をコ字型
に成形し、原料装入機５の車輪２４がそのコ字型
の内部空間を転動するようにしている。しかし、
原料装入機５を走行可能にする手段は、これに拘
束されるものではなく、その他の種々の方式を採
用することができるのは勿論である。

第２図のように、原料装入機５を傾斜したまま
で旋回ビーム１２に沿つて所定の長さだけ取り出
して、ホツパー２、ドラムフイーダ３、点火炉１
３等が原料装入機５の移動に支障を来さない状態
になると、ロツド１７を後退させることによつて
旋回ビーム１２を直立させる。そして、原料装入
機５を第３図に示すように垂直上方に引き上げ
る。このとき、ガイドローラ２３は、旋回アーム
２２を反時計方向に回転させることにより、後退
位置にある。したがつて、この垂直引上げ過程
で、ガイドローラ２３が原料装入機５の移動を邪
魔することがない。

第３図の垂直引上げを旋回ビーム１２に沿つて
所定の長さ行うことにより、原料装入機５は、周
辺の機器に邪魔されない広い空間に引き出され
る。このようにして引き出された原料装入機５
を、第３図において紙面と垂直な方向に取り出
す。或いは、旋回ビーム１２を反時計方向に回転
させて、原料装入機５を水平状態としてから、原
料装入機５を取り出すこともできる。

このようにして取り出された原料装入機５に対
して、部品の交換、補修、点検等の作業が行われ
る。したがつて、これらの作業は、焼結機周りに
あるホツパー２、ドラムフイーダ３、点火炉１３
等の設備に邪魔されることなく、広い空間で行わ
れるものとなる。

また、これら作業を完了した原料装入機５は、
第３図→第１図と逆の順序に従つて、ドラムフイ
ーダ３〜パレツト８間の操業位置に運ばれる。

なお、以上の例においては、棒条材６を備えた
原料装入機５について説明した。しかし、本考案
は、これに拘束されるものではなく、操業状態で
狭隘な空間に配置された原料装入機を取り出すこ
とを主題とするものであり、棒条材６を備えてい
ない通常の傾斜シユートを使用した原料装入機に
対しても適用可能であることは勿論である。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案においては、焼
結機のパレツト近傍の狭隘な空間に傾斜して配置
されている原料装入機を、傾斜したままで所定距
離引き出した後、垂直上方に引き上げることによ
つて、焼結機の付属設備として配置されているド
ラムフイーダ、点火炉等に邪魔されることなく、
広い空間に原料装入機を取り出すことができる。
そのため、原料装入機の交換、補修、点検等の作
業を容易に行うことが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例において原料装入機が
操業状態にあるときの取出し装置の位置関係を示
し、第２図ａは同じく引出し状態での位置関係を
示し、第２図ｂは第２図ａのＡ−Ａ矢視図を示
し、第３図は同じく垂直引き上げ状態での位置関
係を示す。他方、第４図は、本考案者等が先に提
案した原料装入方法を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドラムフイーダと焼結機のパレツトとの間に傾
   斜して配置されたシユートをもつ原料装入機を支
   持する傾斜受台と、該傾斜受台に接続可能に設け
   られた旋回ビームと、前記原料装入機の一端に取
   り付けたロープを介して前記原料装入機を前記旋
   回ビームに沿つて吊り上げるクレーンと、吊上げ
   時に前記原料装入機の移動軌跡を定めるガイドロ
   ーラとを備えていることを特徴とする焼結原料装
   入機の交換装置。