JPH0424259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はコンロその他のガス燃焼器に備えられ
るバーナに関する。

（従来の技術） 従来の例えばコンロバーナとして、第１１図に
示すように、バーナボデイａの上にバーナキヤツ
プｂを施したバーナ本体ｃの該バーナボデイａと
バーナキヤツプｂとの間に該バーナ本体ｃの周面
に沿う多数の炎孔ｄを施したものであつて、これ
ら炎孔ｄの一部の開口面積を他の炎孔の開口面積
より小さくして、一部の炎孔d₁からの炎を他の炎
孔d₂からの炎より小炎に形成し、これによつてコ
ンロ近傍の調理室の側壁面の過熱を防ぐようにし
たものは知られる（例えば実開昭60−86722号公
報参照）。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来のものは、調理室の側壁面に対向する
炎孔の開口面積を他の炎孔の開口面積より小さく
して小炎を形成しているので、燃焼量が大の時に
該側壁面の過熱を防ぐことはできるが、燃焼量を
絞つた時にも燃焼量が大の時と略同じ割合のガス
量の大炎と小炎を生じる。

その結果、燃焼量を絞つた調理、例えばホツト
ケーキを焼く時には、ガス分布が悪く、うまく焼
けないという不具合を生じる。

また、炎孔に煮汁が入つた場合、小炎に形成さ
れた炎孔に煮汁が詰まり易いという不具合を生じ
る。

本考案はこのような不具合を無くしたバーナを
提供することをその目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するためのものであつ
て、請求項１のバーナはガス分布室の外面に多数
の炎孔を備えたバーナにおいて、該ガス分布室に
所定領域にわたつて狭搾部を設けて該所定領域に
対応する炎孔からの炎を他の炎孔からの炎より小
炎になるようにしたことを特徴とし、請求項２の
バーナはガス分布室の外面に多数の炎孔を備えた
バーナにおいて、該ガス分布室に２つの突部を設
けて該両突部に挾まれた所定領域に対応する炎孔
からの炎を他の炎孔からの炎より小炎になるよう
にしたことを特徴とし、請求項３のバーナはガス
分布室の外面に多数の炎孔を備えたバーナにおい
て、該ガス分布室に狭搾部と突部とを設けて該狭
搾部及び該狭搾部と突部とで挾まれた所定領域に
対応する炎孔からの炎を他の炎孔からの炎より小
炎になるようにしたことを特徴とする。

（作用） 本考案は上記構成によるもので、これによれ
ば、炎孔の開口面積を小さくすることなく、ガス
分布室の所定領域の両端に狭搾部及び／又は突部
から成る流路抵抗を設け、その所定領域に対応す
る炎孔から噴出されるガスの流量を他の領域に対
応するそれより減らすようにしたので、燃焼量が
大の時に所定領域に対応した炎孔からの炎を他の
領域に対応した炎孔からの炎より小炎にすること
ができる。一方、燃焼量を絞つた時には、燃焼量
が大の時ほど所定領域に対応した炎孔から噴出さ
れるガスの流量と他の領域に対応した炎孔から噴
出されるガスの流量とに差を生じない。したがつ
て本考案では、燃焼量が大の時に例えばその小炎
の部分をコンロ近傍の調理室の側壁面に対向させ
ることにより該側壁面の過熱を防ぐことができる
と共に燃焼量を絞つた時にバーナ全体にわたつて
略均一な火力を得ることができ、例えばホツトケ
ーキもうまく焼くことができる。

また、炎孔の開口面積を小にして炎孔を形成し
たものに比して炎孔に煮汁が入つても煮汁詰まり
を生じ難い。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第７図はシステムキツチンのドロツ
プイン式のコンロに本考案のバーナを適用した場
合の実施例を示すもので、１はバーナ２をコンロ
本体３の前側に左右の２個、後側に１個配設した
ガスコンロを示し、該ガスコンロ１は例えばその
右方に調理室の側壁面４を備える箇所に設けられ
る。

該バーナ２はバーナボデイ５の上にバーナキヤ
ツプ６を施したバーナ本体７の該バーナボデイ５
とバーナキヤツプ６との間に該バーナ本体７の周
面に沿う多数の炎孔８，８…を施して成るもの
で、具体的には、上面に開口するガス分布室９を
備えるバーナボデイ５の外周部上面１０に、外周
部下面に多数の歯型１１，１１…を刻設したバー
ナキヤツプ６を載置して両者の間即ち該上面１０
と該歯型１１，１１…間に多数の炎孔８，８…を
形成して成る。

本実施例では、例えば前側で且つ右側のバーナ
２₁のガス分布室９の右側部分に狭搾部１２たる
肉盛り１２ａを設け、その両端が流路抵抗として
作用するようにし、該ガス分布室９内の前側部分
にもう１つの流路抵抗として作用する点火プラグ
１３の取付用の突部１４を設けて、これらによ
り、突部１４と狭搾部１２の該突部１４とは反対
側の一端との間の所定領域に対応し、ひいては側
壁面４及び調理人Ａに対向する炎孔８ａのガス量
を他の炎孔８ｂのガス量より少なくして第３図で
は斜線示の部分、第６図では矢印の部分を小炎と
し、これによつて燃焼量が大の時に、側壁面４や
カウンタトツプ１５の前部の過熱を防ぐと共に調
理人Ａへ熱の影響が及ばないようにし、さらに燃
焼量を絞つた時には、ガス分布室９の突部１４と
肉盛り１２ａの突部１４とは反対側の一端とで挾
まれた所定領域に対応する炎孔８ａから噴出され
るガスの流量と他の領域に対応した炎孔８ｂから
噴出されるガスの流量とにあまり差が生じないよ
うにし、バーナ２₁の全周にわたつて略均一な火
力が得られるようにした。

図面で１６はガスコンロ１の天板、１７は排気
筒、１８は五徳、１９はグリル庫前面の扉、２０
はグリル用ガスコツク摘み、２１はバーナ２のガ
スコツク摘み、２２は熱電対、２３は鍋、２４は
流し台を夫々示す。

また、上記した構成によれば、小炎を形成する
のに炎孔８の開口面積を小さくしていないので、
開口面積を小さくするものに比して炎孔８に煮汁
が入つても煮汁詰まりを生じ難い。

また、ガス分布室９の前記所定領域に対応した
位置に点火プラグ１３を配設し、ガス分布室９の
他の領域に対応した位置に熱電対２２を配設した
ので、特に燃焼量が大の時に点火プラグ１３側に
は煮こぼれが行きにくく、点火性能が良好に保持
されると共に、煮こぼれが生じた場合、熱電対２
２側に行きやすく、煮こぼれが速やかに検知され
る。

尚、所定領域部分に点火電極１３の代わりに、
第８図に示すように、点火バーナ用の開口１３ａ
を配設した場合も、上記した点火プラグ１３の場
合と同様に煮こぼれ対策となる。

また、他の領域部分に上記した熱電対２２の代
わりにフレームロツドを配設した場合にも、煮こ
ぼれを速やかに検知できる。

尚、上記した実施例では、例えば前側で且つ右
側のバーナ２₁の場合、ガス分布室９内の突部１
４と右側の肉盛り１２ａの該突部１４とは反対側
の一端とで挾まれたガス分布室９の所定領域に対
応する炎孔８ａを小炎に形成したが、第８図に示
すように、流路抵抗としての右側の突部１４と前
側の突部１４を設け、これらで挾まれたガス分布
室９の所定領域、或いは第９図に示すように、両
端が流路抵抗として作用する右側から前側に連続
する肉盛り１２ｂが設けられたガス分布室９の所
定領域の流路抵抗に対応した炎孔８ａを小炎に形
成しても良い。

尚、上記した実施例では、バーナボデイ５の上
にバーナキヤツプ６を施してバーナ本体７を構成
したが、バーナボデイ５とバーナキヤツプ６とが
一体となつたものでバーナ本体７を構成しても良
い。

尚、上記した実施例では、本考案のバーナを前
側で且つ右側のバーナ２₁に適用した場合につい
て説明し、前側で且つ左側のバーナ及び後側のバ
ーナに適用した場合について説明しなかつた。こ
れは前側で且つ左側のバーナ及び後側のバーナは
小バーナであり、本考案のバーナを適用する必要
がなかつたからである。しかし、前側で且つ左側
のバーナが大バーナの時はガス分布室９の前側の
みに前記所定領域を作り、その領域に対応する炎
孔８の炎を小炎として燃焼量が大の時炎による前
方への熱影響を小とするとよい。

尚、上記した実施例では、点火プラグ１３又は
点火バーナ用の開口１３ａを小炎が形成される領
域の端部に位置させたが、第８図に示すようにそ
の領域の中央部に位置させるようにしても勿論良
い。

尚、上記した実施例では熱電対２２のある部分
もガス分布室９に若干突出している部分がある
が、その突出部分の下側はガスの流路となつてい
るので、その突出部分が流路抵抗として作用する
ことはない。この場合、熱電対２２の出力特性を
良くするため、これに対向する炎孔８の開口面積
を他の炎孔８の開口面積より小にして小炎とした
が、小炎の部分はせいぜい、炎孔１，２個分なの
で煮汁詰まりやガス分布に問題を生じない。

尚、数個のバーナ２が近接配置され、互いのバ
ーナ１の炎が影響し合わないように互いに対向す
る炎孔を第１０図に示すように小炎に形成する場
合にも本考案のバーナは適用できる。

尚、上記した実施例では、本考案のバーナをド
ロツプイン式のコンロに適用したが、テーブルコ
ンロに適用しても勿論同様の効果を得ることがで
きる。

（考案の効果） このように請求項１乃至請求項３のバーナによ
るときは、炎孔の開口面積を小さくすることな
く、ガス分布室の所定領域の両端に流路抵抗をと
して作用する狭搾部及び／又は突部を設けて所定
領域に対応した炎孔の炎を他の領域に対応した炎
孔の炎より小炎にすることができ、その小炎の部
分を例えばガスコンロ近傍の調理室の側壁面及び
調理人に対向させるようにすれば、燃焼量が大の
時に該側壁面の過熱を防ぐと共に調理人Ａや調理
人側のガスコンロ１の天板１６に熱の影響が及ば
ないようにすることができ、さらにドロツプイン
式のコンロの場合にはカウンタトツプの過熱をも
防ぐことができ、また燃焼量を絞つた時にバーナ
の全周にわたつて略均一な火力を得ることができ
る効果を有する。

また、炎孔の開口面積を小さくして小炎を形成
した前記従来のものに比して炎孔に煮汁が入つて
も煮汁詰まりを生じ難い効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバーナをドロツプイン式のガ
スコンロに適用した場合の実施の１例を示す正面
図、第２図はそのバーナ本体のバーナキヤツプを
外した状態の斜視図、第３図はそのバーナ本体の
バーナキヤツプを外した状態の平面図、第４図は
バーナキヤツプを施した状態の第３図のバーナ本
体の−線断面図、第５図はバーナキヤツプを
施した状態の第３図のバーナ本体の−線断面
図、第６図は第１図のガスコンロと調理室の側壁
面と調理人との関係を示す説明図、第７図は第１
図のガスコンロの各バーナの燃焼状態を示す説明
図、第８図は本考案の他の実施例を示す概略説明
図、第９図は本考案のさらに他の実施例を示す概
略説明図、第１０図はさらに他の実施例を示す概
略説明図、第１１図は従来例の截断側面図であ
る。 ２，２₁……バーナ、４……側壁面、８，８ａ，
８ｂ……炎孔、９……ガス分布室、１２……狭搾
部、１２ａ，１２ｂ……肉盛り、１４……突部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ガス分布室の外面に多数の炎孔を備えたバー
   ナにおいて、該ガス分布室に所定領域にわたつ
   て狭搾部を設けて該所定領域に対応する炎孔か
   らの炎を他の炎孔からの炎より小炎になるよう
   にしたことを特徴とするバーナ。 ２ ガス分布室の外面に多数の炎孔を備えたバー
   ナにおいて、該ガス分布室に２つの突部を設け
   て該両突部に挾まれた所定領域に対応する炎孔
   からの炎を他の炎孔からの炎より小炎になるよ
   うにしたことを特徴とするバーナ。 ３ ガス分布室の外面に多数の炎孔を備えたバー
   ナにおいて、該ガス分布室に狭搾部と突部とを
   設けて該狭搾部及び該狭搾部と突部とで挾まれ
   た所定領域に対応する炎孔からの炎を他の炎孔
   からの炎より小炎になるようにしたことを特徴
   とするバーナ。