JPH0424226B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、刷版から求められた絵柄面積率デー
タに基づいて印刷部のインキ量を自動的に設定す
る印刷システムに関するものである。

最近の印刷システムでは、刷版の絵柄面積率
（刷版の全面積に対する画線部の面積の比率）に
基づいて印刷部のインキ量を設定する、いわゆる
インキングプリセツトシステムが採用されてきて
いる。従来のインキングプリセツトシステムは、
絵柄面積率測定装置により、予め版胴に装着され
る前の刷版から絵柄面積率を求め、その測定デー
タを磁気カードやカセツトテープ等に記録させ、
この磁気カード等を刷版とともに指定の印刷機へ
持ち運び、各印刷機において、磁気カード等に記
録された測定データを読み取り、その読み取つた
測定データに基づきインキキーの開度を自動的に
設定するものである。

ところが、このような従来のシステムの場合、
刷版から絵柄面積率を測定する時点において、そ
の刷版が取付けられる印刷機のインキキーの幅を
指定し、その指定した幅単位の絵柄面積率を測定
するようにしているため、例えば測定が終了した
刷版を都合によりインキキーの幅が異なる別の機
種の印刷機に取付けるような場合は、再び絵柄面
積率を測定しなければならない。しかも、このも
のは、磁気カード等を媒介としているため、記録
されるデータ量に制限がある上、その磁気カード
等を各印刷機へ持ち運ぶ関係から記録されたデー
タの信頼性が低下する等の問題がある。

本発明の目的は、刷版が取付けられる印刷機の
機種を考慮することなく絵柄面積率を測定でき、
かつ測定された刷版の絵柄面積率データに基づい
て、印刷機の印刷部におけるインキ量を正確にか
つ自動的に設定できるようにした印刷システムを
提供することにある。

そのため、本発明では、刷版の絵柄面積率を測
定する絵柄面積率測定装置と、この絵柄面積率測
定装置に伝送ラインを介して接続された印刷機と
からなり、前記絵柄面積率測定装置は、刷版の絵
柄面積率を測定する測定部と、この測定部で測定
した一定幅単位の絵柄面積率データを版コード毎
に集計記憶する測定データ記憶部と、伝送指令が
与えられた際前記測定データ記憶部の中から指定
された版コードに関する絵柄面積率データを読み
出して送信する制御部とを備え、前記印刷機は、
複数のインキキーの開度がそれぞれ調整可能な印
刷部と、版コードおよび前記インキキーの幅デー
タを入力する入力部と、前記絵柄面積率測定装置
から伝送ラインを通じて送信されてきたデータを
受信して記憶する受信データ記憶部と、前記絵柄
面積率測定装置に対して前記入力部から入力され
た版コードに関する絵柄面積率データの伝送を指
令するとともにその指令に応答して絵柄面積率測
定装置から伝送されてきたデータを前記受信デー
タ記憶部に記憶させる手段、この受信データ記憶
部に記憶されたデータを前記入力部から入力され
たインキキーの幅データの絵柄面積率データに変
換する手段およびこの変換された絵柄面積率デー
タに基づいて前記印刷部のインキキーの開度をそ
れぞれ設定する手段を有する制御部とを備えた、 ことを特徴とする。

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本実施例の印刷システムを示してい
る。同図において、３１は絵柄面積率測定装置、
P₁〜P_oは印刷機で、絵柄面積率測定装置３１と
各印刷機P₁〜P_oとは光ケーブル等の伝送ライン
４１を介して互いに接続されている。前記絵柄面
積率測定装置３１は、制御部としてのCPU（中央
処理ユニツト）３２に、測定データ記憶部として
のメモリ３３、Ｉ／Ｏユニツト３４Ａ，３４Ｂが
それぞれ接続されている。Ｉ／Ｏユニツト３４Ａ
には測定としてのスキヤニング部３５が接続され
ている。スキヤニング部３５は、光源からの光を
刷版５１に照射するとともに、刷版５１からの反
射光を受光し、その受光した反射光量を電気信号
に変換して前記CPU３２へ与えるもので、CPU
３２からの指令に従つて版版５１の幅方向へ走査
を行う。前記CPU３２は、前記スキヤニング部
３５が刷版５１の幅方向へ向かつて一定幅移動す
る毎に、前記スキヤニング部３５から与えられる
信号を処理して絵柄面積率を求め、その一定幅単
位毎の絵柄面積率データを順次メモリ３３へ記憶
させる一方、前記各印刷機P₁〜P_oからの伝送指
令に従つてメモリ３３に記憶されている絵柄面積
率データを、伝送指令した印刷機P₁〜P_oへ伝送
させるようになつている。

一方、各印刷機P₁〜P_oは、印刷部１と制御装
置２１とから構成されている。前記印刷部１は、
第２図に示す如く、印刷物Ｗの搬送方向へ向つて
例えば黒、藍、赤、黄の印刷処理をそれぞれ行う
複数台の印刷ユニツト１Ａ〜１Ｄが順に設置され
ている。各印刷ユニツト１Ａ〜１Ｄには、印刷物
Ｗの上下面に対してそれぞれ印刷装置２₁〜２₈が
設けられている。各印刷装置２₁〜２₈は、第３図
に示す如く、例えば直流モータ等によつて図中時
計方向へ回転駆動されるインキ出しローラ３の周
面にインキつぼ４が構成され、そのインキつぼ４
に溜められたインキがインキ出しローラ３の周面
に付着された状態で導き出されるようになつてい
る。インキ出しローラ３の周面に付着された状態
で導き出されたインキは、揺動アーム５の先端に
設けられたインキ移しローラ６を介して練りロー
ラ７へ移される。練りローラ７に対しては、着け
ローラ８、刷版５１を装着する版胴９および印刷
物Ｗと接するゴム胴１０が順次摺接しながら回転
するように配列されている。ここで、版胴９の回
転数をNoとしたとき、インキ移しローラ６の揺
動数がKNo（Ｋは定数）となるように予め設定さ
れている。従つて、インキ出しローラ３が回転さ
れると、インキつぼ４に溜められていたインキ
は、インキ出しローラ３の周面に付着された状態
で導き出された後、インキ移しローラ６を介して
一定周期毎に練りローラ７へ転移され、更にその
練りローラ７から着けローラ８および版胴９に装
着された刷版５１を介してゴム胴１０へ転移され
る。その結果、ゴム胴１０に接する印刷物Ｗに所
定の着色印刷が行なわれる。

また、前記各インキつぼ４は、第４図および第
５図に示す如く、前記インキ出しローラ３の長手
方向に沿つて、傾斜状の複数のインキキー１１₁
〜１１_oが並列されている。各インキキー１１₁〜
１１_oは、上端を支点として下端がインキ出しロ
ーラ３の周面に対して接離可能に構成され、かつ
その間隙１２の開度がインキ量調整装置１３₁〜
３_oによつてそれぞれ調整されるようになつてい
る。各インキ量調整装置１３₁〜１３_oは、モータ
１４₁〜１４_oと、このモータ１４₁〜１４_oによつ
て回転される回動筒１５₁〜１５_oと、この回動筒
１５₁〜１５_oの回転に伴つて進退され前記インキ
キー１１₁〜１１_oをインキ出しローラ３の周面に
対して接離させる進退杆１６₁〜１６_oとから構成
されている。

一方、前記制御装置２１は、制御部としての
CPU２２に、前記絵柄面積率測定装置３１の
Ｉ／Ｏユニツト３４Ｂに伝送ライン４１を介して
接続されたＩ／Ｏユニツト２３、入力部としての
入力装置２４、受信データ記憶部としてのメモリ
２５、Ｉ／Ｏユニツト２６がそれぞれ接続されて
いる。前記Ｉ／Ｏユニツト２６には、それぞれの
印刷機P₁〜P_oにおける前記印刷装置２₁〜２₈のイ
ンキ量調整装置１３₁〜１３_oが接続されている。
また、前記入力装置２４からは、印刷機P₁〜P_o
の特有の機械番号、その機械に装着される刷版５
１の版コード、インキキー１１₁〜１１_oの幅等の
データのほかに、伝送指令がCPU２２に対して
入力される。CPU２２は、前記入力装置２４か
ら機械番号、版コード、伝送指令が入力された
際、絵柄面積率測定装置３１に対して版コードに
よつて指定した絵柄面積率データの送信を指令す
るとともに、その指令に従つて絵柄面積率測定装
置３１から送信されてくる絵柄面積率データをメ
モリ２５へ記憶させる一方、入力装置２４から入
力されるインキキー１１₁〜１１_oの幅データに基
づき、メモリ２５に記憶された絵柄面積率データ
をインキキー１１₁〜１１_oの幅単位のデータに変
換し、それによつて各インキ量調整装置１３₁〜
１３_oを作動させる。例えば、メモリ２５に記憶
された絵柄面積率データが刷版５１の１mm幅単位
でのデータで、インキキー１１₁〜１１_oの幅が30
mmであれば、メモリ２５のデータは30mm幅単位の
絵柄面積率データに変換される。

次に、本実施例の作用を説明する。まず、絵柄
面積率測定装置３１において、刷版５１の絵柄面
積率を測定する。絵柄面積率の測定に当つては、
スキヤニング部３５を版胴９に装着する前の刷版
５１の幅方向へ向つて移動させると、刷版５１の
画線部と非画線部とが光学的に走査、検出され
る。すると、CPU３２は、スキヤニング部３５
から与えられる信号を処理し、そのスキヤニング
部２３が各印刷機P₁〜P_oのインキキー１１₁〜１
１_oの幅より小さい距離移動する範囲毎、例えば
刷版５１の１mm幅毎の絵柄面積率を算出し、その
１mm幅単位の絵柄面積率データをメモリ３３に順
次記憶させる。同様にして、少なうとも１台分の
印刷機P₁〜P_oの印刷装置２₁〜２₈に装着される全
ての版コードについて測定を行うと、メモリ３３
には、それぞれの刷版５１毎に、一定幅単位の絵
柄面積率データが集計記憶された状態となる。こ
のようにして、メモリ３３に許容できる刷版５１
の数だけ連続的に測定を行い、それらの測定結果
をメモリ３３へ記憶させておく。

そこで、絵柄面積率想定装置３１によつて測定
が終了した印刷機１台分の刷版５１をその印刷機
の印刷装置２₁〜２_oへ運び、それらの刷版５１を
版胴９の外周にセツトした後、印刷部１における
各印刷装置２₁〜２₈のインキ量をプリセツトす
る。これには、制御装置２１において、入力装置
２４から版コードをそれぞれ入力した後、伝送指
令を与える。例えば、印刷機P₁の印刷装置２₁〜
２₈におけるインキ量をプリセツトするには、そ
の印刷機P₁の制御部２１において、入力装置２
４から印刷機P₁の印刷装置２₁〜２₈のそれぞれの
版胴９にセツトされた全ての版胴５１を１セツト
とする版コードをそれぞれ入力した後、伝送指令
を与える。すると、印刷機P₁の制御部２１の
CPU２２は、絵柄面積率測定装置３１に対して、
入力装置２４から入力された版コードを送信す
る。これにより、絵柄面積率測定装置３１におい
ては、CPU３２がメモリ３３の中から受信した
版コードに該当する絵柄面積率データを読み出
し、それを版コードを送信した印刷機P₁の制御
装置２１へ送信する。すると、印刷機P₁の制御
装置２１においては、CPU２２が絵柄面積率測
定装置３１から送信されてくる絵柄面積率データ
を受信し、メモリ２５へ格納する。

ここで、印刷機P₁の制御装置２１において、
入力装置２４から印刷機P₁におけるインキキー
１１₁〜１１_oの幅データ例えば30mmを入力する
と、CPU２２は、メモリ２５に格納されている
一定幅単位例えば１mm幅単位の絵柄面積率データ
を読み出し、それを30mm幅単位の絵柄面積率デー
タに変換した後、その各幅の絵柄面積率データに
従つてインキ量調整装置１３₁〜１３_oを作動させ
る。これにより、各印刷装置２₁〜２₈のインキキ
ー１１₁〜１１_oの開度が刷版５１から求められた
絵柄面積率データに基づいて自動的に設定される
ことにより、各インキキー１１₁〜１１_oの開度に
変換されたインキ量が供給される。このようにし
て、他の印刷機P₂〜P_oのインキ量も自動的に設
定される。

従つて、本実施例では、刷版５１の絵柄面積率
を一定幅単位で測定し、その測定した一定幅単位
の絵柄面積率データを刷版毎に集計記憶する絵柄
面積率測定装置３１と、各印刷機P₁〜P_oにおけ
る印刷部１のインキ量をそれぞれ調整する制御装
置２１とを伝送ライン４１を介して互いに接続
し、各印刷機P₁〜P_oの制御装置２１において、
絵柄面積率測定装置３１に対して版コードによつ
て指定する刷版の絵柄面積率データの伝送を指令
するとともに、その指令に従つて、絵柄面積率測
定装置３１から伝送されてくる絵柄面積率データ
を受信し、その受信した絵柄面積率データに基づ
いて印刷部１の印刷装置２₁〜２₈のインキ量を設
定するようにしたので、従来のような磁気カード
を媒介とすることなく、絵柄面積率測定装置３１
で測定された絵柄面積率データを各印刷機P₁〜
P_oの制御装置２１へ直接伝送させ、それにより
各印刷機P₁〜P_oの印刷部１のインキ量を設定す
ることができ、その結果各印刷機P₁〜P_oの印刷
部１のインキ量を正確にかつ自動的に設定するこ
とができる。

特に、絵柄面積率測定装置３１において設定さ
れる絵柄面積率データを、各印刷機P₁〜P_oにお
けるインキキー１１₁〜１１_oの幅より充分狭い幅
単位で集計す一方、各印刷機P₁〜P_oの制御装置
２１において、絵柄面積率測定装置３１から伝送
されてきた絵柄面積率データを、それぞれの印刷
部１のインキキー１１₁〜１１₈の幅と同じ幅単位
の絵柄面積率データに変換するようにしたので、
複数台の印刷機P₁〜P_oにおけるインキキー１１₁
〜１１₈の幅がそれぞれ異なつている場合でも、
絵柄面積率測定装置３１は常に一定幅単位のデー
タとして処理すればよく、従つて絵柄面積率の測
定時点で刷版５１の取付対象機種が定まらなくと
もインキキー１１₁〜１１_oの幅を考慮することな
く連続的に複数の刷版５１の絵柄面積率を測定
し、そのデータを記憶しておくことができる。

また、各印刷機P₁〜P_oにおいて、その入力装
置２４から版コードおよびインキキーの幅データ
を入力できるようにしたので、刷版５１を実際に
各印刷機P₁〜P_oに持つてきた時点でこれらのデ
ータを入力することができるから、間違いを少な
くできる。しかも、各印刷機P₁〜P_oのCPU２２
において、受信したデータをインキキーの幅デー
タの絵柄面積率データに変換するようにしたの
で、絵柄面積率測定装置３１を効率的に使用する
ことができる。

以上の通り、本発明によれば、刷版が取付けら
れる印刷機の機種を考慮することなく絵柄面積率
を測定でき、かつ測定された刷版の絵柄面積率デ
ータに基づいて、印刷機の印刷部のインキ量を正
確にかつ自動的に設定できる印刷システムを提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すもので、第１図は
印刷システムを示すブロツク図、第２図は印刷機
の印刷部を示す概略図、第３図は印刷部を構成す
る各印刷装置を示す説明図、第４図はインキつぼ
の概要を示す斜視図、第５図はその断面図であ
る。 １……印刷部、１１₁〜１１_o……インキキー、
２２……CPU（制御部）、２４……入力装置（入
力部）、２５……メモリ（受信データ記憶部）、３
１……絵柄面積率測定装置、３２……CPU（制御
部）、３３……メモリ（測定データ記憶部）、３５
……スキヤニング部（測定部）、４１……伝送ラ
イン、５１……刷版。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 刷版の絵柄面積率を測定する絵柄面積率測定
   装置と、この絵柄面積率測定装置に伝送ラインを
   介して接続された印刷機とからなり、 前記絵柄面積率測定装置は、刷版の絵柄面積率
   を測定する測定部と、この測定部で測定した一定
   幅単位の絵柄面積率データを版コード毎に集計記
   憶する測定データ記録部と、伝送指令が与えられ
   た際前記測定データ記憶部の中から指定された版
   コードに関する絵柄面積率データを読み出して送
   信する制御部とを備え、 前記印刷機は、複数のインキキーの開度がそれ
   ぞれ調整可能な印刷部と、版コードおよび前記イ
   ンキキーの幅データを入力する入力部と、前記絵
   柄面積率測定装置から伝送ラインを通じて送信さ
   れてきたデータを受信して記憶する受信データ記
   憶部と、前記絵柄面積率測定装置に対して前記入
   力部から入力された版コードに関する絵柄面積率
   データの伝送を指令するとともにその指令に応答
   して絵柄面積率測定装置から伝送されてきたデー
   タを前記受信データ記憶部に記憶させる手段、こ
   の受信データ記憶部に記憶されたデータを前記入
   力部から入力されたインキキーの幅データの絵柄
   面積率データに変換する手段およびこの変換され
   た絵柄面積率データに基づいて前記印刷部のイン
   キキーの開度をそれぞれ設定する手段を有する制
   御部とを備えた、 ことを特徴とする印刷システム。