JPH04241937A - 複合成形物及びその製造方法 - Google Patents

複合成形物及びその製造方法

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JPH04241937A
JPH04241937A JP3012661A JP1266191A JPH04241937A JP H04241937 A JPH04241937 A JP H04241937A JP 3012661 A JP3012661 A JP 3012661A JP 1266191 A JP1266191 A JP 1266191A JP H04241937 A JPH04241937 A JP H04241937A
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山本 至郎
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質コアを内層とし
繊維強化樹脂複合材料を表層(外殻)とする複合成形物
(以下、必要に応じてサンドイッチ材と略称することが
ある)及びそれを効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂複合材料(以下FRPと略
称することがある)を外殻とし、多孔質樹脂成形物(通
常、発泡樹脂成形物=以下多孔質コアと略称することが
ある)を内層とする成形物は軽量材料としてハニカムコ
ア等とともに航空機、宇宙機器などから住宅建設用まで
、各種構造材料等に用いられている。かかる成形物は、
通常多孔質コア層は均質であり、外殻を成形(例えば内
圧成形)した後、発泡成形するか、芯部の多孔質コアを
予め成形してこれを補強材としての織物で包んだ後、改
めて型に挿入し、液状樹脂を注入して成形していた。最
近、内層を硬質発泡樹脂で成形してこれをフォームコア
とし、その外側に補強繊維を置き、型に入れ、硬質発砲
体(フォームコア)と型の間に樹脂を入れて加熱し、硬
質発泡体を発泡させて補強繊維層に樹脂を押しこみ一気
に成形する熱膨張性トランスファ成形法が提案されてい
る(特開昭63−162207 号)。
【0003】これらは全て多孔質コア層と繊維強化樹脂
複合材料(FRP)層を実質的には別途成形しており、
その界面が存在している。これらの方法ではたとえ多孔
質コアを形成する樹脂と複合材料層を形成する樹脂を同
一のものにしても界面は発生するものであり、この界面
は成形物の力学特性その他の面で欠陥になり易いもので
ある。例えば、特開昭63−162207 号に記載の
方法は良好な複合サンドイッチコア成形物、即ち外殻を
繊維強化樹脂複合材料(FRP)とし内層を発泡成形し
た多孔質コアとして複合成形物を製造する方法であるが
、外殻の繊維強化樹脂複合材料(FRP)と内層の発泡
成形した多孔質コアの間には異層の接合があり、明確な
界面が存在する。このため、成形物の形状次第ではフォ
ームコアの強度が低い等の理由で、破壊し易いケースも
発生する。 また、この方法では予め最終成形物の形状、大きさに即
した熱弾性硬質フォームコアを作成することを要するた
め、その実際の工程は煩雑である。
【0004】他方、各種の簡易成形法も検討されている
。例えば、補強繊維のプリフォームやプリプレグを成形
して金型に入れ、発泡性樹脂を注入する方法などであり
、本発明者等も先に発泡性(膨張性)粒子を液状の樹脂
とともに分離層材料に包み、金型内で発泡させ発泡コア
である芯部と繊維強化樹脂複合材料からなる表層を同時
に成形する方法を提案した(特願平−179830 号
,特願平2−95069 号等)。しかし、この方法で
も全ての形状の優れたサンドイッチ材状の成形物を効率
よく成形するのは必ずしも容易でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】サンドイッチ材状成形
物の問題点としては、フォームコアの強度等により成形
物の物性が劣ったり、多孔質コア層と繊維強化樹脂複合
材料の界面が剥離したりする問題がある。これらは既に
知られており、その解決のために、例えば特開平1−1
10944号,特開平2−282913号等が提案され
ている。本発明が解決しようとするのはこのフォームコ
アの強度、界面の剥離の問題を有効に解決することであ
る。即ち、本発明は多孔質コア層と繊維強化樹脂複合材
料との界面を無くした新規な複合成形物を提供すること
、並びに、このような改良を施した複合成形物を容易に
製造する方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の問題
を解決すべく鋭意研究の結果、フォームコアをシンタク
チックフォームで包みこのシンタクチックフォームと一
体であるFRPで覆った成形物とすれば上述の問題が解
決されることを見い出した。またこの成形物を効率的に
製造する方法として、フォームコアと共に発泡性樹脂粒
子を分離層材料で包み込んだ素材を用いることを考え、
本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明の複合成形物は、芯部がフォ
ームコアであり、その外側をシンタクチックフォームが
覆い、さらにその外側をシンタクチックフォームと一体
化している繊維強化樹脂層が覆っていることを特徴とす
る新規な複合成形物である。
【0008】本発明では、成形物の物性を常に一定レベ
ル以上に確保するために最外殻のFRP層と次層の(そ
の内側の)シンタクチックフォーム層との間に両者を区
分する分離層が存在することが好ましい。
【0009】本発明では、この複合成形物を製造するに
当たり、(a) 成形用の型内に、発泡性樹脂粒子を実
質的に通さないが液状の樹脂は通す分離層を設置し、(
b) 分離層の内部及び/又はその外側に液状樹脂を存
在させ、(c) 成形後に多孔質コアとなる部分に(即
ち分離層の内側に)予め発泡成形したフォームコア及び
発泡性樹脂粒子の両方を存在させ、(d) 型の所定領
域を十分高い温度に加熱すること及び/又は上記硬化性
樹脂の反応熱により、型内の発泡性樹脂粒子を加熱させ
て体積膨張を生じさせ、これにより分離層を押し広げ分
離層の内部及び/又はその外側の樹脂を金型内面に対し
て押しつけるとともに、該樹脂を分離層内部に浸透させ
、かつ少なくともその一部を分離層を通過させて内側の
領域に至らしめて該樹脂をフォームコアの少なくとも表
面まで加圧浸入させ、液状の硬化性樹脂を硬化又は固化
させ、そして、得られた複合成形品を型から取り出す、
方法が採用される。
【0010】本発明の複合成形物において外殻(表皮)
を構成する繊維強化樹脂複合材料(FRP)の補強用繊
維材料として用いるものは、各種の織物、編物、不織布
等であり、不織布には抄造物、スプレーアッププリプレ
グ等を含む。補強用繊維材料の素材はガラス繊維、炭素
繊維、アルミナ繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、
ポリエステル繊維、ポリアリレート繊維、ポリオレフィ
ン繊維等が用いられ、特にガラス繊維が好ましい。高級
品には炭素繊維等が用られる。必ずしも長繊維である必
要は無く、織物、編物、不織布若しくはウェブ等で用い
る。これらは分離層として代用出来るが、別途、分離層
の外側に配置することが望ましい。
【0011】補強用繊維材料に含浸させる樹脂は、通常
の熱硬化性樹脂であり、かかる樹脂としては、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、シクロ
ペンタジエン樹脂等が用いられる。これらの樹脂はその
前駆体、原料(モノマー)などでもよく、本発明ではこ
れらを含めて熱硬化性樹脂と総称する。これらの樹脂は
、発泡性樹脂粒子の発泡開始温度以上で硬化が完了する
ものから選択する。
【0012】シンタクチックフォームは発泡性樹脂粒子
と硬化性樹脂から形成されるが、発泡性樹脂粒子として
は、加熱重合に際して一部が分解してガスを発生するも
の、ガスを発生する原料を配合したもの、ガスを発生す
る原料を封じ込んだもの、ガスを溶解したもの等が挙げ
られる。ガスを発生するものの他、自己膨張するものが
挙げられ、ことに発泡バルーン、発泡性粒子と呼ばれる
平均粒径1μm〜1mm程度のものが好ましい。商品名
では例えばダウケミカル社や松本油脂製薬社の「マイク
ロスフェア」、エクスパンセル社の「エクスパンセル」
、積水化成品社の「エスレンビーズ」などが挙げられる
。 これらの粒子を構成する樹脂成分にはポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリフェ
ニレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、エ
ポキシ等が挙げられる。一方、硬化性樹脂としては上述
のFRP層を形成する樹脂と同一のもの又は親和性のあ
るものが好ましい。
【0013】これに、非膨張性の中空体微粒子ないし軽
量微粒子、例えばガラスバルーン、シリカバルーン、シ
ラスバルーン等の無機軽量微粒子、「エクスパンセルD
E」等の有機中空体ないし軽量微粒子を加えてもよい。 この非膨張性中空体微粒子等の添加により、発泡量の調
整と成形用の型への原料の供給量の加減が出来る。これ
は実際の型の取扱いに際して重要な要素である。また、
シンタクチックフォーム層の改善にも有用であり、成形
物の強度、弾性率等を向上させ得る場合がある。
【0014】この非膨張性の中空体微粒子ないし軽量微
粒子は、発泡性樹脂粒子に対し10〜200重量%配合
するのが好ましい。
【0015】本発明では、外殻(表皮)のFRP層とシ
ンタクチックフォーム層との間に分離層が存在すること
が好ましい。ここで用いる分離層は、樹脂は通すが発泡
性樹脂粒子は通さない目開きの小さい補強繊維等の織物
、編物、不織布であり、多孔質薄葉体でもよい。これら
は発泡性樹脂粒子を包んだ後、成形がほぼ終了するまで
壊れないことが好ましく、その材質は目的により選択さ
れるが、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアミド繊維、アラ
ミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアリレート繊維、ポ
リオレフィン繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維等の織物、
編物、不織布が挙げられる。天然繊維、例えば木綿の織
物、編物、不織布や紙等も用いられる。
【0016】複合成形物の中心部を構成するフォームコ
アとしては、通常のポリウレタンフォームが好ましいが
、これに限定されない。該フォームコアは硬質フォーム
が好ましいが、用途によっては軟質フォームでもよい。 該フォームの気泡は独立気泡、連続気泡の何れでもよい
が、少くともシンタクチックフォーム層より密度の小さ
いものが好ましい。
【0017】フォームコアの厚みや大きさは製造すべき
成形物の大きさ、形状に応じて適宜選択することができ
る。フォームコア中には適当な添加剤や強化材を含んで
もさしつかえない。
【0018】本発明の複合成形物は、上述の如き構成を
有するが、一般にサンドイッチ材の場合、フォームコア
よりシンタクチックフォームの方が通常は成形物におい
て強度等の物性を向上させやすい。また、サンドイッチ
材としての物理的性質には表皮層と芯材との剥離の問題
が大きく関与する。本発明の意図する所は、表皮FRP
層を丈夫なシンタクチックフォームと一体に作成し、成
形物の物性を向上させ、その上、中心部は軽量化し易い
フォームコアとすることでその実を上げようとするもの
である。これに対し、表皮FRPと芯材コアを同時に成
形する方法、例えば前記の特願平1−179830号の
方法などでは、シンタクチックフォームコア層が厚くな
るとこの層が均一になり難くなる。
【0019】次に、本発明の複合成形物を効率的に製造
する方法について詳述する。
【0020】本発明方法の実施態様の一つとして、分離
層材料で予め発泡成形したフォームコアと発泡性樹脂粒
子とを包み成形用の型(以下金型という)に収め、金型
を実質的に閉じた後、金型に設けたノズルから金型内へ
液状の樹脂を注入し、その後、金型を加熱し、内部の発
泡性樹脂粒子を膨張させ、その力を利用して液状の樹脂
を分離層内側に領域に取り込み、成形する方法がある。 かかる場合には発泡性樹脂粒子間に予め非膨張性の樹脂
を存在させておかないと成形に際して発泡粒子等が互い
に直接接着し合って多孔質の気泡間の隔壁が薄くなり成
形物において所望の物性が得難い場合がおきることがあ
る。従って発泡性樹脂粒子の間に非膨張性樹脂を存在さ
せて成形することも好ましく、このような場合には予め
分離層内側に非膨張性の樹脂を加えたものを用いること
が好ましい。この樹脂は追加注入させる液状樹脂に溶け
、成形後一体となる固形樹脂であることが特に好ましい
【0021】発泡性樹脂粒子とともに分離層内側に入れ
る樹脂は成形時に流動性を有するものであれば、熱可塑
性でも熱硬化性でもよい。分離層内部ないし分離層の外
側にある樹脂により容易に溶解するものが好ましく、少
なくとも相溶性があるものが好ましい。かかる樹脂とし
てポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ゴ
ム等や室温で固体のエポキシ樹脂等が用いられるが、特
に後者が好ましい。
【0022】また、このような実施態様においては、発
泡性樹脂粒子(及び中空体粒子等)をフォームコアの外
側に配して補強材料を兼ね得る分離層で覆って金型に収
めてあるので、この部分を液状樹脂が容易に移動出来、
従って樹脂の注入が容易であり、例えば前記の熱膨張ト
ランスファー成形法(特開昭63−162207 号参
照)や通常のフォームRTM法に比して著しく有利であ
る。
【0023】また、本発明の成形物の製造方法の好まし
い実施態様として、成形物に酷似した硬質フォームコア
の代わりに、概略の形状をもったフォームコアと共に容
易に形態の代わり得る発泡性樹脂粒子を分離層からなる
袋に収めた包蔵物を用いて、金型の内面の形状に即した
、外殻のFRPに相当する分だけ小さな多孔質成形物を
作りながら/又は作って、最外殻になる補強用繊維材料
とこれらに含浸した/又は含浸する樹脂を金型の内面に
押し付けながら最外殻がFRPで内層が多孔質コアであ
る成形物を得る方法を挙げることができる。すなわち、
この方法はコア部の多孔質成形物を作るに際して予め適
当な形状に成形したフォームコアとともに分離層内側の
発泡材料と分離層外側の樹脂とを巧みに用いて両者の間
にシンタクチックフォーム層を形成させるものである。
【0024】従って本発明方法による複合成形物にあっ
ては、最外殻(表皮)を構成する繊維強化複合材料と次
層の多孔質コアとはその樹脂が同一であり、成形も同時
に実施されるため、界面が実質的に出来ないことに一つ
の特徴がある。また、中心部のフォームコアには、膨張
圧でその外側のシンタクチックフォームの樹脂を浸入さ
せて強固に接着させることも出来る。しかも容易に中心
部のフォームコアと表皮FRP、両者の間のシンタクチ
ックコア層の密度その他の性質をそれぞれ別個に調整出
来る。
【0025】このような成形を行う場合、予め分離層の
内側に発泡樹脂粒子とともに樹脂を存在させることは成
形する多孔質コア(芯材)層の調節に役立つ。特にその
密度と、表皮FRP層との微妙な樹脂性質の違いを与え
るのに役立つ。
【0026】本発明方法を実施するに際し、フォームコ
アと発泡性樹脂粒子とを、樹脂を含浸した分離層で覆い
その外側を補強用繊維材料で覆って、金型内で加熱膨張
させ、樹脂を分離層を通して分離層の内側の領域に取入
れ、成形するに際して、予め補強用繊維材料に樹脂を含
浸して金型に入れてもよく、補強繊維織物や不織布、ウ
ェブ等を金型に入れた後、樹脂を塗布してもよい。この
場合は、これらの間に分離層材料で包んだ発泡性樹脂粒
子とフォームコアを入れる。また、発泡性樹脂粒子とフ
ォームコアを分離層材料で包んだものを補強繊維織物や
不織布、ウェブ等で覆って金型に入れ、金型を閉じ、樹
脂を注入して補強繊維織物や不織布、ウェブ等の層に入
れてもよい。この場合は金型を閉じた時点で予め金型内
を真空にすることが好ましいことがある。この際、発泡
性樹脂粒子を選択するに当って真空にする時点では発泡
しないものを選ぶべきである。
【0027】しかし、本発明方法では、この真空操作は
通常は不要であり、それがまた、本発明方法の利点の一
つでもある。つまり、発泡膨張による排気と、樹脂層へ
のガスの加圧溶解等により、目立った気泡は残らずに成
形出来る。また、この際注入する樹脂は、例えば表層の
改質材として炭化カルシウム、マイカ等を加えて表面の
みに存在させることも出来る。
【0028】このようにして樹脂を含浸した分離層及び
補強用繊維材料でフォームコアと発泡性樹脂粒子を覆っ
たものを金型に収めて加熱する。この際、予め金型の上
部にノズルを設け、樹脂の一部とガスを排出することが
好ましい場合がある。但し、成形時には必ず内圧を生じ
せしめ分離層内部及びその外側にある樹脂を分離層の内
側の領域(即ちシンタクチックフォーム層となる領域)
に取り込む。この樹脂により発泡した多孔質コア層は固
定される。この際、成形が完了するまでノズルをゆるめ
ておけば比較的軽いものが得られ、ノズルを閉じれは比
較的重いものが得られる。これも目的成形物により多孔
質コア層の量を決める一つの手段にすることが出来る。
【0029】次に、具体的に実施する方法の一例を述べ
る。フォームコアと発泡性樹脂粒子(バルーン)例えば
「エクスパンセル」とを分離層となる不織布の袋に入れ
る。この袋の入口を融着させ袋を閉じる。別途、補強用
繊維の織物を準備し、所定の形状とする。予め準備した
金型に、この織物でフォームコアとバルーンを入れた袋
を挟んで(包んで)入れる。この際、例えば補強用繊維
織物は金型に挟んで固定する。金型の上下にはそれぞれ
ノズルを設けておき、金型に挟んだ繊維層を通して内部
と連通するように取付ける。上方のノズルから排気して
金型内を真空になし、そのノズルを閉じてから下方のノ
ズルから液状の硬化性樹脂を注入する。この樹脂には必
要あれば成形物表面の硬度を上げるため炭化カルシウム
粉末等を加える。当初は樹脂を吸い込ませ、後には圧入
する。この際バルーンを入れた袋は押しつぶされる。隅
々まで十分に樹脂が入ったら下方のノズルを閉じ、上方
のノズルを微開して加熱し、発泡させる。必要に応じて
ノズルの開閉、開度調整を行う。硬化が終了したらば冷
却して成形物を取り出す。得られる成形物は、表面がF
RP、その直下がFRPと一体であるシンタクチックフ
ォーム、内部が少なくともその接続部分はシンタクチッ
クフォームの樹脂が浸透したフォームコアで構成される
ものである。
【0030】
【発明の効果】本発明による新規複合成形物はフォーム
コアをシンタクチックフォームで覆い、更にこのシンタ
クチックフォームと一体であるFRPで覆った複合成形
物であり、表皮が強靭なFRP、その内側が高物性でか
つFRP層との間に継目のないシンタクチックフォーム
、芯部が該シンタクチックフォーム層と良好に接着した
軽量のフォームコアである、比強度、比剛性が優れた成
形物である。
【0031】そして、本発明方法によれば、軽量で丈夫
で、比較的安価な、FRPを最外殻とし、これと樹脂層
が一体であるシンタクチックフォームを次層とし、発泡
コアを最内層として、その中間をシンタクチックフォー
ムでつないだ、比強度等の優れた成形物を効率的に製造
できる。
【0032】かくして得られた複合成形物は、建築物、
航空機、車輌等の構造材料(例えば裏打ち材)や部品の
分野、またスポーツ用品の分野等に有用である。
【0033】
【実施例】次に、本発明の実施例及び比較例を詳述する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。尚、
特に断りのないかぎり各例中の「部」は重量部である。
【0034】
【実施例1】ウレタンフォームスラブ材を購入して厚さ
2mmにした。このスラブ材から、後記の金型に合わせ
て、やや小さ目のサンプルを切り取った。
【0035】油化シェル製のエポキシ樹脂及び硬化剤、
「エピコート828 」100部、「エポメートYLH
006」33部を混合した。これを樹脂Aとする。一方
、松本油脂製薬製の発泡バルーン「マツモトマイクロス
フェアーF−30D 」44部及び粉砕したエポキシ樹
脂「エピコート1001」(室温で固体である)20部
を混合した。この混合物を発泡性混合物Bとする。
【0036】ポリエチレンテレフタレートとポリプロピ
レンの繊維で不織布を作った商標「ユニセル」で知られ
る目開きの小さい長繊維不織布を用意した。これは特注
品である。これを用い後記の金型の内寸に合わせてやや
小さ目の袋を作った。この袋にウレタンフォームスラブ
材の切り取りサンプルと発泡性混合物Bとを詰めた。
【0037】アルミニウムの板2枚の間に、テフロンの
枠を挟んだ金型を作り、上下の端にノズルを設けた。金
型一杯のガラスクロスを2枚と、長さを金型に合せ、幅
をノズルを覆うサイズにした短冊状ガラスクロス10枚
を作り、これら全てに樹脂Aを十分に含浸させた。大き
なガラスクロスを用いて、樹脂含浸ガラスクロス/発泡
性混合物Bの袋詰め/樹脂含浸ガラスクロスの順で金型
に入れた。小さなガラスクロスを重ねてノズルを覆う位
置つまり上下端を埋めた。上方のノズルを用いて金型内
部の空気を一部の樹脂と共に抜きながら、そのまま金型
を閉じ、ノズルを閉じた。
【0038】金型を80℃の温浴に入れ、内圧が正にな
ってから上方のノズルを微開した。このノズルから過剰
の樹脂を抜きながら、硬化させた。
【0039】1時間後に金型を温浴から取りだし、冷却
した後金型を開いて成形物を取りだした。かくして表面
がガラス繊維強化エポキシ樹脂、内層がエポキシ樹脂の
発泡体及びポリウレタンフォームである軽量で良好なサ
ンドイッチ材が得られた。このサンドイッチ材は比重0
.48であり、曲げ試験の結果、強度7.6kg/mm
2 、弾性率780kg/mm2 であった。
【0040】
【実施例2】40mm×60mm角の棒を作る金型を準
備した。これはアルミニウム製で、上下にはバルブを付
したノズルを設けた。
【0041】一方、市販のウレタンフォームスラブ材(
東洋ゴム社製の硬質ウレタンフォーム)を購入して25
mm×45mm角の棒を作った。また、油化シェル製の
エポキシ樹脂及び硬化剤、「エピコート807 」10
0部、「エポメートYLH006」31部を混合した。 これを樹脂Aとする。
【0042】ポリエチレンテレフタレートとポリプロピ
レンの繊維で不織布を作った。商標「ユニセル」で知ら
れる目開きの小さい長繊維不織布で特注品である。これ
で周囲200mmの筒を作り、一方を閉じた。
【0043】また、一方向配列炭素繊維シート(Anc
hor Reinforcements,Inc.An
caref C250)を8枚と炭素繊維ストランドT
400D−3000−40Dを96本で編角40°で試
作したブレードを1本準備した。
【0044】ウレタンフォームスラブ材を上記不織布の
筒状袋に入れ、その上に前記の炭素繊維シートを被せた
。逐次被せ8層とし、最外層を上記のブレード1層で覆
った。これを金型に収め、上記不織布とウレタンスラブ
材の間に実施例1と同様の「マツモトマイクロスフェア
F−30D 」を入れた。そして袋の端部を閉じ、炭素
繊維ブレードの端部を処理して金型に収め、金型の蓋を
閉じた。
【0045】次いで、金型の上部のノズルを開き、下部
のノズルから樹脂Aを注入し、上部ノズルから樹脂が溢
流し始めた時に注入を止めた。静置後、上部ノズルを上
にして金型を80℃の乾燥器に入れた。上部ノズルから
排出する樹脂は回収した。
【0046】1時間後に乾燥器から取りだし、冷却して
金型から成形物を取りだした。かくして表面がエポキシ
樹脂、その内側が炭素繊維強化エポキシ樹脂、次層がエ
ポキシ樹脂のシンタクチックフォーム、中心部がウレタ
ンフォームの棒が得られた。この棒の曲げ試験の結果は
曲げ破壊モーメント9.4×105kgf−mm、曲げ
剛性1.7×109 kgf−mm2 であった。
【0047】
【比較例1】実施例2と同じ大きさの角棒を膨張力の残
っているウレタンフォームと実施例2で用いた炭素繊維
シート8枚、ブレード層1層、ユニセル1層を用い、実
施例2と同じ金型を用いて特開昭63−162207 
号に記載の方法で成形を実施した。得られた成形物(棒
)は、曲げ試験の結果、曲げ破壊モーメント7.3×1
05 kgf−mm、曲げ剛性1.4×109 kgf
−mm2 であった。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯部がフォームコアであり、その外側をシ
    ンタクチックフォームが覆い、さらにその外側をシンタ
    クチックフォームと一体化している繊維強化樹脂層が覆
    っていることを特徴とする複合成形物。
  2. 【請求項2】フォームコアの密度がシンタクチックフォ
    ームの密度より小さいことを特徴とする請求項1記載の
    複合成形物。
  3. 【請求項3】シンタクチックフォームと繊維強化樹脂層
    の間にシンタクチックフォームの発泡粒子を通さない分
    離層が存在することを特徴とする請求項1又は2記載の
    複合成形物。
  4. 【請求項4】(1) 成形用の型内に、発泡性樹脂粒子
    を実質的に通さないが液状の樹脂は通す分離層を設置す
    ること、(2) 分離層の内部及び/又はその外側に液
    状樹脂を存在させること、(3) 成形後の多孔質コア
    となる部分に予め発泡成形したフォームコア及び発泡性
    樹脂粒子を存在させること、(4) 型の所定領域を十
    分高い温度まで加熱すること及び/又は上記樹脂の反応
    熱により、型内の発泡性樹脂粒子を加熱させて体積膨張
    を生じさせ、これにより分離層を押し広げ分離層の内部
    及び/又はその外側の液状樹脂を金型内面に対して押し
    つけるとともに、液状樹脂を分離層に浸透させ、かつ少
    なくともその一部を分離層を通過させて内側の領域に至
    らしめ、該樹脂をフォームコアの少なくとも表面まで加
    圧浸入させること、(5) 液状樹脂を硬化又は固化さ
    せること、そして、(6) 得られた複合成形物を型か
    ら取り出すこと、を特徴とする複合成形物の製造方法。
  5. 【請求項5】フォームコアを発泡性樹脂粒子と共に分離
    層で覆い、必要に応じ更に補強用繊維材料で覆った状態
    で、金型に収め、金型内へ液状樹脂を注入することを特
    徴とする請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】発泡性樹脂粒子が中空状の熱膨張性樹脂粒
    子である請求項4又は5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】発泡性樹脂粒子が発泡成分を含有する非中
    空樹脂粒子である請求項4又は5記載の製造方法。
  8. 【請求項8】分離層が表層の補強材料を兼ねる請求項4
    、5、6又は7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】分離層の内側の成形後に多孔質コアとなる
    部分に、実質的に膨張しない軽量の微粒子を発泡性樹脂
    粒子と共に存在させる請求項4〜8のいずれかに記載の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11300870A (ja) * 1998-04-20 1999-11-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd 繊維強化プラスチック製サンドイッチボード
JP2019214141A (ja) * 2018-06-11 2019-12-19 日産自動車株式会社 複合材料構造体及びその形成方法

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