JP2019214141A - 複合材料構造体及びその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属と繊維強化樹脂との間の熱膨張率の差による影響を低減しつつ剛性を向上することのできる複合材料構造体を提供する。【解決手段】複合材料構造体1は、コア層2と、コア層2の両面上にそれぞれ設けられた繊維強化樹脂層3とを備えており、コア層2が、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含む、液体が浸潤する素材から形成され、コア層2の繊維強化樹脂層3との各接触部に、コア層2の他の部分よりも素材の密度が高い浸潤抑制層20が形成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、コア層と当該コア層の両面に設けられた繊維強化樹脂とを備えた複合材料構造体と、その形成方法とに関する。
下記特許文献1には、一対の炭素繊維強化樹脂(CFRP)板の間に不織布のコア層を設けた複合材料構造体が開示されている。このような構造とすることで、CFRPの優れた機械的特性(強度や弾性率など)を維持し、かつ、不織布のコア層によって厚さを厚くしつつ炭素繊維層を削減することで汎用性・軽量性・製造性を向上させた複合材料構造体を実現している。
特許第4615398号
上記特許文献1に開示された複合材料構造体を用いて最終的に製品を成形する際には、CFRPのマトリクス樹脂が不織布(液体浸潤性を有するコア層)に含浸し、製品表面が滑らかにならないことが懸念される。なお、不織布(液体浸潤性を有するコア層)の内部にまでマトリクス樹脂を完全に含浸させてしまうことも考えられるが、この場合は軽量性が損なわれてしまう。
従って、本発明の目的は、最終成形後に滑らかな表面を実現すると共に優れた軽量性も実現する複合材料構造体と、その形成方法とを提供することである。
本発明に係る複合材料構造体では、コア層の両面上に繊維強化樹脂層がそれぞれ設けられている。コア層は液体が浸潤する素材から形成されているが、コア層の繊維強化樹脂層との各接触部には、コア層の他の部分よりも素材の密度が高い浸潤抑制層が形成されている。
本発明に係る複合材料構造体の形成方法によれば、液体が浸潤する素材から形成されたコア層と、コア層の両面上にそれぞれ設けられた繊維強化樹脂層とを備えた複合材料構造体が形成される。上述した素材が熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含んで形成されており、一対の金型を用いてシート状の素材を両面から加熱圧縮することで、当該両面それぞれの近傍に素材の密度が高められた浸潤抑制層が形成される。浸潤抑制層が形成されたコア層を用いて、複合材料構造体が形成される。
本発明に係る複合材料構造体によれば、最終成形後に滑らかな表面を実現できると共に、優れた軽量性も実現することができる。
本発明に係る複合材料構造体の形成方法によれば、最終成形後に滑らかな表面を実現できると共に、優れた軽量性も実現することができる複合材料構造体を形成することができる。
図1は、実施形態に係る複合材料構造体に用いられる不織布の断面図である。 図2は、前記不織布の金型による加熱圧縮加工を示す断面図である。 図3は、加熱圧縮加工後の前記不織布の断面図である。 図4は、前記不織布を用いて複合材料構造体を製造する第1工程を示す断面図である。 図5は、前記複合材料構造体を製造する第2工程を示す断面図である。 図6は、製造された前記複合材料構造体の断面図である。 図7は、変形例における不織布の加熱圧縮加工を示す断面図である。 図8は、変形例における加熱圧縮加工後の前記不織布の断面図である。 図9は、変形例における複合材料構造体の断面図である。
以下、図面を参照しつつ実施形態を説明する。同一又は同等の構成部分には同一の符号を付してそれらの詳しい説明を省略する。なお、図面は模式的なものであり、寸法や比率などは実際のものとは異なる場合がある。
複合材料構造体1(図6参照)の形成方法の実施形態を説明する。形成方法を説明することで、形成された複合材料構造体1の構成も容易に理解できる。まず、コア層2を形成するための素材2Xについて説明する。図1に示されるように、本実施形態における素材2Xは、不織布2Xである。不織布2Xの繊維は、熱可塑性樹脂で形成されている。不織布2Xは、間隙率が高く、液体が浸潤する構造を有している。このため、不織布2Xは軽量であるが、厚さを確保することができる。
まず、不織布2Xからコア層2を形成する。図2に示されるように、シート状の不織布2Xを第1金型100(コア層2を形成するための金型)によって両面から加熱圧縮する。第1金型100には、加熱機構が設けられており、熱可塑性樹脂を軟化させる温度まで不織布2Xを加熱する。第1金型100は予め加熱されており、その状態から不織布2Xを圧縮する。熱は不織布2Xの表面から内部へと伝わるので、熱可塑性樹脂は表面から軟化する。加熱と同時に圧縮もされるので、不織布2Xの表面近傍が、熱可塑性樹脂の軟化と共に潰れて、表面近傍に密度の高い、即ち、間隙率の低い、浸潤抑制層20が形成される。浸潤抑制層20は、コア層2の他の部分よりも密度が高く、従って、コア層2の他の部分より間隙率が低い。
浸潤抑制層20は、間隙率が低い領域となり、液体の浸潤を抑制する。また、浸潤抑制層20が形成されたコア層2は、軟化した熱可塑性樹脂が第1金型100の内面に沿って変形した後に硬化するので、第1金型100の内面が転写された滑らかな表面を備える。コア層2の内部は、間隙率の高い領域のまま維持される。
次に、上述したように形成された図3に示されるコア層2の両面上に、繊維強化樹脂層3をそれぞれ形成する。本実施形態では、強化繊維として炭素繊維が用いられる。また、炭素繊維が織られてシート状にされた二方向性の(bidirectional)炭素繊維シートが積層されて用いられる。さらに、本実施形態では、繊維強化樹脂層3は、RTM(Resin Transfer Molding)法によって形成され、図6に示される複合材料構造体1が最終成形後の状態である(その後、塗装、穿孔、切断などの加工が行われる場合はある)。
RTM法による繊維強化樹脂層3の形成では、図4に示されるように、第2金型200(繊維強化樹脂層3を形成するための金型)内に、コア層2及び炭素繊維シート3Xをセットする。なお、図4中の炭素繊維シート3Xは模式的に示されており、その枚数を正確には表していない。本実施形態における炭素繊維シート3Xは、RTM法用いられるいわゆるプリフォームである。図4の状態で、各第2金型200からマトリクス樹脂を金型内に充填する。
図5に示されるように、浸潤抑制層20と第2金型200との間にマトリクス樹脂が充填されるが、浸潤抑制層20が形成されているため、マトリクス樹脂はコア層2の内部には浸潤しない。なお、少量のマトリクス樹脂が浸潤抑制層20に浸潤することはあり得るが、コア層2の内部深くには浸潤しない。マトリクス樹脂の充填圧力は、コア層2を潰さず、マトリクス樹脂がコア層2の内部にまで浸潤しない圧力に設定される。
本実施形態では、繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂は熱硬化性樹脂である。ただし、RTM法の場合、繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂に熱可塑性樹脂を用いることも可能である。なお、使用する樹脂に応じて、第2金型200には加熱機構(熱硬化性樹脂の硬化用)や冷却機構(熱可塑性樹脂の早期冷却用)が設けられている。コア層2の両面に浸潤抑制層20が形成されるので、マトリクス樹脂は一対の第2金型200のそれぞれから充填される。一方の第2金型200からのみマトリクス樹脂を充填すると、他方の第2金型200側の炭素繊維シート3Xにマトリクス樹脂が充填されない。マトリクス樹脂が硬化して、コア層2の両面上に繊維強化樹脂層3が形成されることで、図6に示される複合材料構造体1が形成される。
繊維強化樹脂層3の形成時における繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂のコア層2内部への浸潤が浸潤抑制層20によって抑制されるので、形成された複合材料構造体1は、均一な厚さの繊維強化樹脂層3を備えることができる。従って、マトリクス樹脂の冷却時における樹脂収縮も均一になる。さらに、浸潤抑制層20の表面は上述したように滑らかでもある。従って、これらの要因により、複合材料構造体1は、非常に美麗な外観を実現できる。
また、複合材料構造体1は、その両面に繊維強化樹脂層3(CFRP層)を有し、それらの間に軽量なコア層2を有する複合構造を有している。このため、複合材料構造体1は、軽量であるにもかかわらず、優れた機械的特性を有している。そして、繊維強化樹脂層3とコア層2とは一体的に直接接合されているので、両者間のはく離が生じにくい。
上述した複合材料構造体1は、RTM法で繊維強化樹脂層3が形成されたが、その他の方法で繊維強化樹脂層3が形成されてもよい。例えば、上述した工程で形成された図3に示されるコア層2の両面上に通常のプリプレグと同様の構造を繊維強化樹脂層3として形成することで、図6に示される複合材料構造体1を構築してもよい。この場合、形成された複合材料構造体1はプリプレグとして用いられ、オートクレーブ成形法によって最終成形されることで繊維強化樹脂層3が硬化される。なお、最終成形前の複合材料構造体1だけでなく、最終成形後の複合材料構造体1も本発明の複合材料構造体1とみなせる。
コア層2の表面上にプリプレグと同様の繊維強化樹脂層3を形成するには、コア層2の表面上に、炭素繊維シート(又は炭素繊維束)をセットし、これに熱硬化性樹脂を含浸させればよい。あるいは、コア層2の表面上に、予め熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維シート(又は炭素繊維束)を設けてもよい。図6に示される複合材料構造体1はプリプレグとして用いられるので、その繊維強化樹脂層3の熱硬化性樹脂は半硬化されている状態である。
通常プリプレグを作成する際には、ベースシート(剥離シート)上にプリプレグを構築し、ロール化してベースシートを保護シートとしても用いたり、構築したプリプレグ上に保護シートを貼り付けたりする。この例では、コア層2がこのベースシートと同様に機能する。ただし、コア層2の両面に繊維強化樹脂層3が形成されるので、ロール化することができない。従って、形成されたプリプレグとしての複合材料構造体1の両面に保護シートが貼り付けられ、複合材料構造体1は冷蔵保存される。保護シートは、最終成形に複合材料構造体1を用いる際に剥離される。
この例の場合も、繊維強化樹脂層3を形成する際にマトリクス樹脂(熱硬化性樹脂)のコア層2内部への浸潤が浸潤抑制層20によって抑制されるので、形成された複合材料構造体1は、均一な厚さの繊維強化樹脂層3を備える。また、形成されたプリプレグとしての複合材料構造体1を最終成形する際にも、マトリクス樹脂(熱硬化性樹脂)のコア層2内部への浸潤が浸潤抑制層20によって抑制される。さらに、浸潤抑制層20の表面は上述したように滑らかでもある。従って、これらの要因により、(最終成形後の)複合材料構造体1は、非常に美麗な外観を実現できる。
また、(最終成形後の)複合材料構造体1は、その両面に繊維強化樹脂層3(CFRP層)を有し、それらの間に軽量なコア層2を有する複合構造を有することになる。このため、(最終成形後の)複合材料構造体1は、軽量であるにもかかわらず、優れた機械的特性を有することができる。そして、繊維強化樹脂層3とコア層2とはオートクレーブ成形法の過程で一体的に直接接合されるので、両者間のはく離が生じにくい。
なお、本実施形態の不織布2Xは、熱可塑性樹脂の繊維によって形成されていた。しかし、不織布2Xは、何らかの繊維によって形成された不織布に熱可塑性樹脂の粉体や粒体を混入させたものでもよい。不織布(素材)2Xが、このように熱可塑性樹脂を含んでいれば、上述した浸潤抑制層20を有するコア層2を形成することができる。
また、コア層2に、熱可塑性樹脂に代えて熱硬化性樹脂を含ませてもよい。この場合、不織布2Xの繊維を熱硬化性樹脂によって形成してもよいし、熱硬化性樹脂の粉体や粒体を不織布2Xに混入させてもよい。このようにしても、上述した浸潤抑制層20を有するコア層2を形成することができる。熱硬化性樹脂を用いる場合、熱硬化性樹脂は、第1金型100により加熱されて軟化した後に硬化反応(架橋反応)温度で硬化が進行する。この際、不織布2Xが加熱と共に圧縮されて、浸潤抑制層20が形成される。
さらに、本実施形態では、素材2Xは不織布であったが、液体を浸潤させる(間隙率が高い)素材であればよい。例えば、素材2Xは、発泡体や多孔体などであってもよい(例えば、スポンジ)。このような素材2Xであっても、熱可塑性樹脂(又は熱硬化性樹脂)を含んで加熱圧縮されることで、やはり浸潤抑制層20が形成される。ただし、気泡が独立気泡である発泡体は、液体が内部に浸潤しない素材である。
なお、本実施形態では、二方向性の(多方向性の)炭素繊維シートが用いられたが、一方向性(unidirectional)の炭素繊維シートが用いられて繊維強化樹脂層3が形成されてもよい。また、一方向性や多方向性(multidirectional)などの異方性の(anisotropic)繊維強化樹脂層3ではなく、等方性の(isotropic)繊維強化樹脂層3が形成されてもよい。例えば、炭素繊維シートを用いずに、マトリクス樹脂を含浸させた短く切断された炭素繊維(チョップトストランド)や短く切断された炭素繊維(チョップトストランド)に混練したマトリクス樹脂を用いて、等方性の繊維強化樹脂層3が形成されてもよい。この場合、SMC(Sheet Molding Compound)成形法やBMC(Bulk Molding Compound)成形法によってコア層2の両面に繊維強化樹脂層3を形成することができる。
また、異方性の炭素繊維シートを複数枚用いて、疑似等方性(quasi-isotropic)の繊維強化樹脂層3が形成されてもよい。なお、本実施形態では、炭素繊維を用いて繊維強化樹脂層3を形成したが、ガラス繊維などの他の繊維を用いて繊維強化樹脂層3を形成してもよい。ガラス繊維を用いる場合の繊維の方向性に関しても上述した炭素繊維の場合と同様である。上述したSMC成形法やBMC成形法はガラス繊維強化樹脂(GFRP)の成形法としてよく用いられている。
なお、本実施形態では、複合材料構造体1を構成する繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂は熱硬化性樹脂であった。RTM法では、繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂として熱可塑性樹脂も用いることができることは上述した。しかし、成形法にもよるが、RTM法以外の成形法によって繊維強化樹脂層3を形成する際にマトリクス樹脂として熱可塑性樹脂を用いてもよい(繊維強化樹脂層3をCFRTPで形成)。また、上述したオートクレーブ成形法に代えて、PCM(Prepreg Compression Molding)法を用いることも可能である。
なお、上記実施形態では、コア層2の素材2Xは熱可塑性樹脂を含んでいたが、熱可塑性樹脂に代えて熱硬化性樹脂を用いることも可能である。この場合、コア層2の形成後の図3の状態で、熱可塑性樹脂が完全に硬化されていてもよいし、熱硬化性樹脂が完全に硬化されていなくてもよい。例えば、コア層2の作成時には硬化反応温度まで加熱せずに、熱硬化性樹脂を軟化だけさせて浸潤抑制層20を形成する。その後、コア層2の両面上に繊維強化樹脂層3を形成する。繊維強化樹脂層3の形成時に、硬化反応温度まで加熱することでコア層2の熱硬化性樹脂を硬化させる。この場合、繊維強化樹脂層3の形成後の図6に示される状態が最終成形後の状態になる。このようにしても、浸潤抑制層20が前もって形成されるため、繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂のコア層2の内部への浸潤を抑制できる。
あるいは、コア層2の作成時に硬化反応温度まで加熱せずに浸潤抑制層20を形成した後に、上述したようにコア層2の両面上にプリプレグとしての繊維強化樹脂層3を形成してもよい。この場合、繊維強化樹脂層3の形成時に、繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂のコア層2の内部への浸潤を抑制できる。繊維強化樹脂層3の形成後の図6に示される状態の複合材料構造体1は、プリプレグとしてのオートクレーブ成形法(又はPCM法)により最終成形される。この際にも、浸潤抑制層20が前もって形成されるため、繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂のコア層2の内部への浸潤を抑制できる。
なお、複合材料構造体1では、繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂は、コア層2の浸潤抑制層20と直接接触している。言い換えれば、コア層2の両面上に繊維強化樹脂層3が直接設けられている。コア層2(浸潤抑制層20)と繊維強化樹脂層3との間には、接着剤層などの他の素材の層は設けられない。
本実施形態に係る複合材料構造体1は、コア層2と、コア層2の両面上にそれぞれ設けられた繊維強化樹脂層3とを備えている。コア層2は、液体が浸潤する素材2Xから形成されているが、コア層2の繊維強化樹脂層3との各接触部は、素材2Xの密度が高められた浸潤抑制層20を形成している。
従って、繊維強化樹脂層3を形成時におけるマトリクス樹脂のコア層2内部への浸潤が浸潤抑制層20によって抑制されるので、均一な厚さの繊維強化樹脂層3を備えることができる。従って、複合材料構造体1は、凹凸の無い滑らかで美麗な外観を実現できる。
なお、複合材料構造体1が最終成形前の状態(例えばプリプレグ)である場合であっても、最終成形時におけるマトリクス樹脂のコア層2内部への浸潤も浸潤抑制層20によって抑制される。従って、最終成形後の複合材料構造体1に、凹凸の無い滑らかな美麗な外観を与えることができる。
また、複合材料構造体1は、その両面に繊維強化樹脂層3を有し、それらの間にコア層2を有する複合構造を有している。このため、コア層2によって繊維強化樹脂層3の体積を低減できる。この結果、複合材料構造体1を軽量化しつつ、複合材料構造体1の優れた機械的特性を実現できる。
また、本実施形態に係る形成方法では、液体が浸潤する素材2Xから形成されたコア層2と、コア層2の両面上にそれぞれ設けられた繊維強化樹脂層3とを備えた複合材料構造体1を形成する。コア層2を形成する素材2Xは、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含んで形成されている。そして、一対の金型(第1金型100)を用いてシート状の素材2Xを両面から加熱圧縮することで、当該表面の近傍にそれぞれ素材2Xの密度が高められた浸潤抑制層20を形成してコア層2が形成される。次いで、形成されたコア層2の両面上にそれぞれ繊維強化樹脂層3が形成される。
従って、繊維強化樹脂層3を形成時におけるマトリクス樹脂のコア層2内部への浸潤が浸潤抑制層20によって抑制されるので、この形成方法によれば、均一な厚さの繊維強化樹脂層3を備える複合材料構造体1を形成できる。従って、複合材料構造体1に、凹凸の無い滑らかな美麗な外観を与えることができる。
なお、複合材料構造体1が最終成形前の状態(例えばプリプレグ)である場合であっても、この形成方法による複合材料構造体1を最終成形(例えばオートクレーブ成形)する際のマトリクス樹脂のコア層2内部への浸潤も浸潤抑制層20によって抑制できる。従って、最終成形後の複合材料構造体1に、凹凸の無い美麗な外観を与えることができる。
また、この形成方法によれば、両面に繊維強化樹脂層3を有し、それらの間にコア層2を有する複合構造を有する複合材料構造体1を形成する。このため、コア層2によって繊維強化樹脂層3の体積を低減できる。この結果、形成される複合材料構造体1を軽量化しつつ、優れた機械的特性を複合材料構造体1に与えることができる。
ここで、コア層2の素材2Xは不織布であることが好ましい。不織布は、間隙率が大きく、複合材料構造体1の軽量化に効果的に寄与する。また、不織布は、間隙率が大きいにもかかわらず、浸潤抑制層20を形成しやすい。また、加熱圧縮後にほとんど弾性復元しないので、複合材料構造体1を形成する際に複合材料構造体1(コア層2)の厚さを制御しやすい。さらに、不織布は形状を変えやすく、複合材料構造体1の形成性を向上させる。特に、複合材料構造体1がプリプレグとして用いられる場合は、最終成形のために成形型に貼り込みやすい。
次に、上述したコア層2の変形例について図7〜図9を参照しつつ説明する。図3に示されるコア層2に代えて、図9に示されるコア層2Aを用いて、複合材料構造体1Aが形成される。繊維強化樹脂層3の形成に関しては、上述した実施形態と同様である。
図9に示されるコア層2Aも、図1に示される不織布2Xから形成される。しかし、不織布2Xを加熱圧縮する一対の第1金型100,101のうち、一方の第1金型101には、図7に示されるように、不織布(素材)2Xとの接触面に複数の柱状突起100aが形成されている。本変形例の柱状突起100aは、錘状の突起であり、円錐形や多角錐形(三角錐形や四角錐形など)である。複数の柱状突起100aは、接触面上に一様に配置されている。柱状突起100aの先端は、他方の第1金型100までは達していないが、他方の第1金型100近傍の浸潤抑制層20が形成される領域には達している。
上述した一対の第1金型100,101を用いて不織布2Xを加熱圧縮すると、図7に示されるように、柱状突起100aが不織布2Xに刺さり、柱状突起100aの周囲の熱可塑性樹脂(又は熱硬化性樹脂)によって、形状保持層21が形成される。形状保持層21も、浸潤抑制層20と同様に、コア層2の他の部分(浸潤抑制層20以外の部分)よりも密度が高く、従って、コア層2の他の部分より間隙率が低い。一対の第1金型100,101を外すと、柱状突起100aによって形状保持層21の内部には、素材2Xの存在しない柱状部22が形成される。即ち、各柱状部22の隣接部には、形状保持層21が形成されている。形状保持層21は、浸潤抑制層20の一方から他方に向けて形成される。形状保持層21も、浸潤抑制層20と同様に形成されるので素材2Xの密度が高められており、剛性も高くなっている。従って、形状保持層21は、コア層2Aの厚さ方向の潰れを抑止し、コア層2(即ち、複合材料構造体1A)の形状を保持する。
図8に示されるコア層2Aを用いて上述したRTM法で繊維強化樹脂層3して形成した複合材料構造体1Aを図9に示す。RTM法で繊維強化樹脂層3を形成したため、柱状部22の内部にも繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂が充填されている。このように作成された複合材料構造体1Aは、一対の浸潤抑制層20を繋ぐように多数の形状保持層21が形成されて厚さ方向の潰れが抑止される。さらに、このコア層2Aの両面上に繊維強化樹脂層3が形成されることでコア層2Aの曲げも抑制されるため、複合材料構造体1Aの面剛性が向上する。特に、図9に示される例では、柱状部22の内部にも繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂が充填されるので、複合材料構造体1Aの面剛性は特に優れたものとなる。
また、柱状部22の周囲にも密度の高い形状保持層21が形成されるため、繊維強化樹脂層3を形成する際にマトリクス樹脂は柱状部22からコア層2Aにほとんど浸潤しない。従って、上述した実施形態でもたらされる利点は、本変形例によってももたらされる。なお、柱状部22は、最終的に外観となる側に先端が位置するように配置されるのが好ましい。即ち、図9に示される場合は、上面が外観となる面にされる。柱状部22の基端には柱状部22の開口が形成されるので、上側の繊維強化樹脂層3の表面の方が柱状部22の開口の影響を受けずに確実に美麗となる。
なお、コア層2Aの表面上にセットした炭素繊維シート(又は炭素繊維束)に熱硬化性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂層3を形成して複合材料構造体1Aをプリプレグとして形成してもよい。複合材料構造体1Aをプリプレグとして用いる場合、最終成形(例えばオートクレーブ成形やPMC成形)時に熱硬化性樹脂が柱状部22の内部には浸潤し得るが、熱硬化性樹脂は柱状部22からコア層2Aの内部(柱状部22の外側)にはほとんど浸潤しない。
なお、図7〜図9では、分かりやすいように柱状突起100a基端の外径や柱状部22基端の内径を大きく示している。しかし、柱状突起100aは熱を伝えることができる程度の太さであればよく、柱状部22の内部容積は多くない。従って、繊維強化樹脂層3のマトリクス樹脂が柱状部22の内部に浸潤したとしても、その量は多くない。
また、この場合も、柱状部22の先端が成形型側(即ち、最終的に外観となる側)に配置されるのが好ましい。柱状部22の先端側の繊維強化樹脂層3の表面の方が柱状部22の基端に形成される開口や柱状部22の内部へのマトリクス樹脂の浸潤の影響を受けずに確実に美麗となる。
本発明は上記実施形態や変形例に限定されない。例えば、上述した変形例の柱状突起100aは錘状の突起として形成された。しかし、柱状突起100aは、先端だけが尖っている一定外径を有する柱状の突起として形成されてもよい。
本発明の複合材料構造体は、自動車のパネル材など、様々なパネル材に適用することができる。また、その成形方法は、そのような複合材料構造体の形成する際に適用できる。
1,1A 複合材料構造体
2,2A コア層
2X 不織布(素材)
3 繊維強化樹脂層
20 浸潤抑制層
21 形状保持層
22 柱状部
100,101 (コア層形成用の)第1金型
100a 柱状突起
200 (繊維強化樹脂層形成用の)第2金型

Claims (6)

  1. コア層と、前記コア層の両面上にそれぞれ設けられた繊維強化樹脂層とを備えた複合材料構造体において、
    前記コア層が、液体が浸潤する素材から形成されており、
    前記コア層の前記繊維強化樹脂層との各接触部に、前記コア層の他の部分より前記素材の密度が高い浸潤抑制層が形成されている、複合材料構造体。
  2. 前記コア層に、前記浸潤抑制層の一方から他方に向けて形成された、前記素材が存在しない柱状部が複数形成されており、
    前記コア層の内部の前記柱状部との各隣接部にも、他の部分よりも前記素材の密度が高い形状保持層が形成されている、請求項1に記載の複合材料構造体。
  3. 前記素材が不織布である、請求項1又は2に記載の複合材料構造体。
  4. 液体が浸潤する素材から形成されたコア層と、前記コア層の両面上にそれぞれ設けられた繊維強化樹脂層とを備えた複合材料構造体の形成方法であって、
    前記コア層を形成する前記素材が、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含んで形成されており、
    一対の金型を用いてシート状の前記素材を両面から加熱圧縮することで、当該両面の近傍にそれぞれ前記素材の密度が高められた浸潤抑制層を形成して前記コア層を形成し、
    形成された前記コア層の前記両面上にそれぞれ前記繊維強化樹脂層を形成する、複合材料構造体の形成方法。
  5. 一対の前記金型の一方が、前記素材との接触面上に複数の柱状突起を備えており、
    一対の前記金型を用いて前記素材を加熱圧縮する際に、前記コア層の内部に、複数の前記柱状突起が刺さることにより、前記浸潤抑制層の一方から他方に向けて、前記素材が存在しない柱状部を複数形成すると共に、前記柱状部の周囲に前記素材の密度が高められた形状保持層を形成する、請求項4に記載の複合材料構造体の形成方法。
  6. 前記素材が不織布である、請求項4又は5に記載の複合材料構造体の形成方法。
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