JP6877264B2 - 繊維強化複合材料積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化複合材料積層体に関する。
表皮材と発泡樹脂からなる繊維強化複合材料積層体は、一般的に軽量性、剛性、断熱性に優れている。そのため、従来より、フロアパネル、ルーフパネル、ドアパネル等の車両用外板パネルに使用されている。このような積層体としては、例えば、内部が中空に形成されたパネル本体に発泡樹脂を充填した複合パネルや、表皮と発泡樹脂を個別に成形し、接合する複合パネルが知られている。
特許文献1では、内部が中空に形成されたパネル本体と、該パネル本体の内面に接合された不織布と、該パネル本体の内部に充填された樹脂製の発泡体とを具備するパネルが開示されている。そして、当該パネルでは、パネル本体の内面に接合された不織布のアンカー効果によって、発泡体がパネル本体の内面に強固に接合されている。このパネルでは、パネル本体が繊維によって強化された樹脂よりなるため、パネル本体の剛性と強度が高められている。
特開2010−82941号公報
しかしながら、特許文献1のパネルは、まず、中空形状のパネル本体を成形した後、パネル本体の内部に液状の発泡体原料を注入して発泡させることにより、発泡体を充填している。そのため、パネル本体を成形する工程と、発泡体原料を注入して発泡させる工程が必要となることから、製造工程が複雑になるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、製造工程を簡略化することができ、さらに表面性状も良好な繊維強化複合材料積層体を提供することである。
本発明の一態様に係る繊維強化複合材料積層体は、発泡樹脂を含有する芯部と、炭素繊維を含有する熱硬化性樹脂を有する表層部とを備え、発泡樹脂は、算術平均粗さRa及び表面のセルサイズが所定値を満たす。
本発明によれば、製造工程を簡略化することができ、さらに表面性状も良好な繊維強化複合材料積層体を得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る繊維強化複合材料積層体を概略的に示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る繊維強化複合材料積層体において、芯部の表面に表層部を密着させる前の状態を示す斜視図である。 図3は、芯部の表面に表層部を密着させる前の状態において、熱硬化性樹脂前駆体が発泡樹脂のセルに浸入する様子を示す断面図である。 図4は、本発明の他の実施形態に係る繊維強化複合材料積層体を概略的に示す断面図である。 図5は、実施例1における、芯部を構成する発泡樹脂の算術平均粗さRaと表層部前駆体の樹脂量Wresinとの関係を示すグラフである。 図6Aは、実施例1において、表層部前駆体に含まれている樹脂量Wresinが360g/mであり、芯部の算術平均粗さRaが59.0μmの場合に得られた繊維強化複合材料積層体の表面を示す写真である。 図6Bは、実施例1において、表層部前駆体に含まれている樹脂量Wresinが120g/mであり、芯部の算術平均粗さRaが59.0μmの場合に得られた繊維強化複合材料積層体の表面を示す写真である。 図7は、実施例2における、芯部を構成する発泡樹脂の算術平均粗さRaと表層部前駆体の樹脂量Wresinとの関係を示すグラフである。 図8は、セル最大径が1.5mmである発泡樹脂を使用した繊維強化複合材料積層体の表面を示す写真である。
以下、本発明の実施形態に係る繊維強化複合材料積層体について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態で引用する図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本実施形態に係る繊維強化複合材料積層体10は、発泡樹脂を含有する芯部1と、炭素繊維を含有する熱硬化性樹脂を有し、さらに芯部1の表面に密着される表層部2とを備えている。図1に示すように、表層部2は芯部1の上面及び下面に接合されており、2枚の表層部2で芯部1を挟み込むように積層されている。
図1に示すように、芯部1は、発泡樹脂を含有する平板からなることが好ましい。ただ、繊維強化複合材料積層体10の軽量化のために、芯部1は発泡樹脂からなる平板であることが好ましい。
芯部1を構成する発泡樹脂は、複数のセル(気泡)を有する多孔質体であれば特に限定されない。発泡樹脂は、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つの樹脂からなる発泡体を用いることができる。
表層部2は、炭素繊維を含有する熱硬化性樹脂を備える平板からなる。具体的には、表層部2は、炭素繊維の束により構成される繊維層と、繊維層に含まれ、熱硬化性樹脂よりなるマトリックス樹脂とを有する炭素繊維強化プラスチックからなる。
表層部2を構成する炭素繊維は特に限定されず、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維及びレーヨン系炭素繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。また、マトリックス樹脂である熱硬化性樹脂も特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
炭素繊維の束により構成される繊維層の形態は特に限定されず、織物や一方向シートなどを採用することが可能である。また、表層部2では、繊維層を複数積層してもよい。この際、炭素繊維の繊維方向が同じである一方向積層であってもよく、炭素繊維の繊維方向が異なるクロスプライ積層であってもよい。繊維層を複数積層することにより、繊維層に保持されるマトリックス樹脂を増加させることが可能となる。
後述するように、繊維強化複合材料積層体10は、重合反応により表層部2を形成する表層部前駆体2Aと芯部1とを、図2に示すように積層した後、表層部前駆体2Aと芯部1の積層方向に沿って加圧しながら加熱することにより得ることができる。また、表層部前駆体2Aとしては、予め炭素繊維に熱硬化性樹脂の前駆体を含浸し、半硬化状態に留めたプリプレグを用いることができる。そのため、繊維強化複合材料積層体10は、簡易な方法で製造することができる。
ここで、図3に示すように、芯部1と表層部2と密着していない状態において、表層部前駆体2Aと接触する芯部1の表面1aには、複数のセル(気泡)1bが存在している。そして、表層部前駆体2Aの内部に保持されている熱硬化性樹脂前駆体3は、重合する前は流動性を有している。つまり、熱硬化性樹脂前駆体3は加熱により一旦溶融するため流動性が生じ、その後に重合反応が進行することにより、硬化する。そのため、表層部前駆体2Aと芯部1の表面1aとを接触させて積層方向Lに沿って加圧しながら加熱した場合、表層部前駆体2Aの内部の熱硬化性樹脂前駆体3が流動し、表層部前駆体2Aからセル1bの内部に浸入してしまう。
この際、表面1aのセル1bの深さが大きい場合、表層部前駆体2Aからセル1bに多量の熱硬化性樹脂前駆体3が浸入してしまい、表層部前駆体2Aのセル1bに対向する部位2aにおいて、熱硬化性樹脂前駆体3の含有量が過少となってしまう。この状態で熱硬化性樹脂前駆体3を加熱して硬化させた場合、表層部前駆体2Aの部位2aは他の部位と比較して熱硬化性樹脂が欠損しているため、表層部2の表面2bに斑点状の模様が発生し、樹脂枯れと呼ばれる外観不良を引き起こしてしまう。また、表層部2において樹脂枯れが発生した部位は、マトリックス樹脂である熱硬化性樹脂が欠損しているため強度が低下し、当該部位を起点として繊維強化複合材料積層体の破損が発生する可能性がある。
そのため、本実施形態の繊維強化複合材料積層体10において、芯部1と表層部2とが密着していない状態における芯部1の発泡樹脂は、算術平均粗さRaが59μm以下であることが好ましい。芯部1の表面1aの算術平均粗さRaが59μm以下であることにより、表面1aの表面に存在するセル1bの深さが減少する。そのため、表層部前駆体2Aの内部に保持されている熱硬化性樹脂前駆体3は、セル1bの内部に浸入し難くなることから、熱硬化性樹脂前駆体3の含有量が過少となる部位2aを少なくすることができる。その結果、表層部2の表面2bにおける樹脂枯れを抑制し、繊維強化複合材料積層体10の外観を良好にすることが可能となる。なお、本明細書において、芯部1の算術平均粗さRaは、日本工業規格JIS B0601−2013(製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ)に基づき測定することができる。
さらに、芯部1と表層部2とが密着していない状態における芯部1の発泡樹脂は、表面1aのセルの最大径が0.6mm以下であることが好ましい。具体的には、芯部1の表面1aを、芯部1と表層部2(表層部前駆体2A)との積層方向Lから観察した場合、芯部1の表面1aに存在する複数のセル1bの最大径が0.6mm以下であることが好ましい。セル1bの最大径が0.6mm以下であることにより、熱硬化性樹脂前駆体3はセル1bの内部に浸入し難くなるため、熱硬化性樹脂前駆体3の含有量が過少となる部位2aが減少し、樹脂枯れを抑制することが可能となる。なお、芯部1の表面1aにおけるセル1bの最大径は、芯部1の表面1aを顕微鏡観察することにより測定することができる。
上述のように、芯部1の表面1aに存在する複数のセル1bの最大径が0.6mm以下であることにより、熱硬化性樹脂前駆体3がセル1bの内部に浸入し難くなるため、表層部2の樹脂枯れを抑制することが可能となる。そのため、芯部1における表層部2と密着する表面1a以外のセルの最大径は0.6mm以下である必要はない。つまり、芯部1は、表面1a以外のセルを大きくして軽量化を図ってもよく、さらに表面1a以外のセルを小さくして強度を高めてもよい。
ここで、芯部1と表層部2とが密着していない状態において、表層部前駆体2Aに含まれている樹脂量Wresinと芯部1の算術平均粗さRaとの関係が、Wresin≧6.10Raを満たすことが好ましい。「表層部前駆体2Aに含まれている樹脂量Wresin」とは、表層部前駆体2Aに含まれている熱硬化性樹脂前駆体と、当該熱硬化性樹脂前駆体が部分的に重合してなる樹脂との合計量をいう。また、「樹脂量Wresin」は、表層部前駆体2Aにおいて、表面2bの単位面積当たりの樹脂量(g/m)をいう。表層部前駆体2Aに含まれている樹脂量Wresinと、芯部1の表面1aにおける算術平均粗さRaとが上記関係を満たすことにより、表層部前駆体2Aからセル1bに熱硬化性樹脂前駆体3が浸入したとしても、部位2aの樹脂枯れが抑制される。つまり、セル1bに熱硬化性樹脂前駆体3が浸入した場合でも、表層部前駆体2Aに熱硬化性樹脂前駆体3が十分に残存するため、樹脂枯れを抑制し、繊維強化複合材料積層体10の外観を良好にすることが可能となる。
芯部1と表層部2とが密着していない状態における、芯部1の発泡樹脂の算術平均粗さRaの下限は特に限定されないが、当該発泡樹脂の算術平均粗さRaは4μm以上であることが好ましい。芯部1の発泡樹脂の算術平均粗さRaが4μm以上であることにより、芯部1の表面1aにおいて、熱硬化性樹脂前駆体3が浸入するセルが減少するため、表層部前駆体2Aの樹脂枯れを抑制することができる。ただ、芯部1のセル1bに熱硬化性樹脂前駆体3が浸入した状態で硬化した場合、熱硬化性樹脂がセル1bの内面に係合する。このような熱硬化性樹脂によるアンカー効果により、芯部1と表層部2は強固に接合することから、芯部1の表面1aには適度なセル1bが存在することが好ましい。そのため、芯部1の算術平均粗さRaは4μm以上であることが好ましい。
繊維強化複合材料積層体10において、芯部1の発泡樹脂の結晶性は特に限定されず、発泡樹脂は非晶性高分子及び結晶性高分子の少なくとも一方を用いることができる。
芯部1の発泡樹脂が非晶性高分子からなる場合、芯部1の発泡樹脂のガラス転移温度Tgが、芯部1と表層部2とを密着させるための成形温度よりも18度以上高いことが好ましい。芯部1の発泡樹脂のガラス転移温度Tgが成形温度よりも18度以上高いことにより、成形温度で発泡樹脂が溶融することを抑制できるため、外観が良好な繊維強化複合材料積層体10を得ることが可能となる。なお、発泡樹脂のガラス転移温度Tgは、示差熱分析(DTA)又は示差走査熱量測定(DSC)により測定することができる。
芯部1の発泡樹脂が結晶性高分子からなる場合、芯部1の発泡樹脂の融点Tmが、芯部1と表層部2とを密着させるための成形温度よりも65度以上高いことが好ましい。芯部1の発泡樹脂の融点Tmが成形温度よりも65度以上高いことにより、成形温度で発泡樹脂が溶融することを抑制できるため、外観が良好な繊維強化複合材料積層体10を得ることが可能となる。
繊維強化複合材料積層体10は、図1に示すように、芯部1と表層部2とが直接接触して密着している。しかしながら、芯部1と表層部2は直接接触している必要はなく、芯部1と表層部2との間に他の層が介在してもよい。具体的には、図4に示すように、繊維強化複合材料積層体100は、芯部1と表層部2との間に存在する浸透防止層4をさらに備えていてもよい。
上述のように、繊維強化複合材料積層体10の製造段階において、表層部前駆体2Aと芯部1の表面1aとを接触させて加圧した場合、表層部前駆体2Aの熱硬化性樹脂前駆体3は、表層部前駆体2Aから移動してセル1bの内部に浸入してしまう。そのため、熱硬化性樹脂前駆体3が表層部前駆体2Aからセル1bの内部に浸入することを抑制するために、芯部1と表層部前駆体2Aとの間に浸透防止層4を介在させてもよい。芯部1と表層部前駆体2Aとの間に浸透防止層4を介在させた状態で加圧しながら加熱することにより、浸透防止層4によって熱硬化性樹脂前駆体3がセル1bの内部に浸入することを抑制しつつ、熱硬化性樹脂前駆体3を硬化させることができる。その結果、表層部前駆体2Aの厚みを薄くして熱硬化性樹脂前駆体3の含有量を低下させた場合でも、得られる表層部2の樹脂枯れを防止し、表層部2の表面性状を良好に保つことが可能となる。
浸透防止層4の形状は、板状又はフィルム状であることが好ましい。また、浸透防止層4の材料は熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の少なくとも一方を用いることができる。浸透防止層4を構成する樹脂が熱硬化性樹脂からなる場合、熱硬化性樹脂は上述の表層部2を構成する熱硬化性樹脂と同様のものを用いることができる。浸透防止層4を構成する樹脂が熱可塑性樹脂からなる場合、熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エラストマー系(スチレン系、オレフィン系、ポリ塩化ビニル(PVC)系、ウレタン系、エステル系、アミド系)樹脂、ポリエステル系樹脂、エンジニアリングプラスチック、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリル樹脂、エチレンアクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタレートからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。この中でも、浸透防止層4を構成する樹脂としては、エポキシ樹脂及びポリエチレンテレフタレート(PET)の少なくとも一方を用いることが好ましく、エポキシ樹脂を用いることがより好ましい。
後述するように、浸透防止層4を備える繊維強化複合材料積層体100は、芯部1、浸透防止層4及び表層部前駆体2Aをこの順で積層した後、加圧しながら加熱することにより得ることができる。また、浸透防止層4の代わりに、重合反応により浸透防止層4を形成する浸透防止層前駆体を用いてもよい。つまり、例えば、芯部1、浸透防止層前駆体及び表層部前駆体2Aをこの順で積層した後、加圧しながら加熱することにより、表層部前駆体2A及び浸透防止層前駆体が硬化し、繊維強化複合材料積層体100を形成することができる。なお、浸透防止層前駆体としては、熱硬化性樹脂前駆体及び重合開始剤を混合した後、半硬化状態に留めたプレポリマーを用いることができる。
浸透防止層4は熱硬化性樹脂を含み、浸透防止層4を構成する熱硬化性樹脂の前駆体は、芯部1と表層部2とを密着させるための成形温度における、表層部2を構成する熱硬化性樹脂の前駆体の硬化時間よりも短時間で硬化することが好ましい。つまり、浸透防止層4が熱硬化性樹脂よりなる場合、成形温度において、浸透防止層前駆体に含まれる熱硬化性樹脂前駆体の硬化時間は、表層部前駆体2Aに含まれる熱硬化性樹脂前駆体の硬化時間よりも短いことが好ましい。成形温度において、浸透防止層4を構成する熱硬化性樹脂前駆体が素早く硬化して浸透防止層4が形成された場合には、浸透防止層4によってセル1bに熱硬化性樹脂前駆体3が浸入することを抑制することが可能となる。
また、浸透防止層4は熱可塑性樹脂を含み、浸透防止層4の融点が、芯部1と表層部2とを密着させるための成形温度よりも65度以上高いことが好ましい。浸透防止層4の融点が成形温度よりも65度以上高い場合には、浸透防止層4は成形温度で十分な貯蔵弾性率を有することから、浸透防止層4によってセル1bに熱硬化性樹脂前駆体3が浸入することを抑制することが可能となる。
次に、本実施形態の繊維強化複合材料積層体の製造方法について説明する。まず、炭素繊維に熱硬化性樹脂前駆体を含浸し、半硬化状態に留めた表層部前駆体2Aを調製する。表層部前駆体2Aの調製方法は特に限定されず、公知の知見により調製することができる。なお、表層部前駆体2Aには重合開始剤を含有することが好ましく、必要に応じて着色剤や重合禁止剤などの添加剤を添加してもよい。
繊維強化複合材料積層体10を作製する場合には、芯部1を挟み込むように表層部前駆体2Aを積層することにより、積層体を作製する。そして、芯部1と表層部前駆体2Aと積層体を上金型及び下金型の間に挿入し、加圧しながら加熱する。これにより、熱硬化性樹脂前駆体中の重合開始剤よりフリーラジカル又はイオンが発生し、連鎖反応による重合が進行することにより、熱硬化性樹脂前駆体が硬化する。このような工程により、芯部1と表層部2が強固に接合した繊維強化複合材料積層体10を得ることができる。
図4に示す繊維強化複合材料積層体100を作製する場合には、まず、芯部1、浸透防止層4及び表層部前駆体2Aを積層することにより、積層体を作製する。そして、上述と同様に、積層体を上金型及び下金型の間に挿入し、加圧しながら加熱する。このような工程により熱硬化性樹脂前駆体が硬化し、芯部1、表層部2及び浸透防止層4が強固に接合した繊維強化複合材料積層体100を得ることができる。
また、重合反応により浸透防止層4を形成する浸透防止層前駆体を用いる場合には、まず、芯部1、浸透防止層前駆体及び表層部前駆体2Aを積層することにより、積層体を作製する。そして、上述と同様に、積層体を上金型及び下金型の間に挿入し、加圧しながら加熱する。このような工程により、表層部前駆体2A及び浸透防止層前駆体が硬化し、芯部1、表層部2及び浸透防止層4が強固に接合した繊維強化複合材料積層体100を得ることができる。
なお、芯部1と表層部前駆体2Aとを備える積層体、及び芯部1と表層部前駆体2Aと浸透防止層4又は浸透防止層前駆体とを備える積層体を加熱加圧成形する方法は、上述の上金型及び下金型を用いた方法に限定されない。また、加熱加圧成形の条件も特に限定されないが、例えば温度を100〜180℃とし、圧力を0.5〜10MPaで行うことができる。また、上記の温度範囲内で上金型と下金型に温度差を設けて加熱してもよい。
このように、本実施形態に係る繊維強化複合材料積層体10,100は、発泡樹脂を含有する芯部1と、炭素繊維を含有する熱硬化性樹脂を有し、芯部1の表面1aに密着される表層部2とを備える。そして、芯部1と表層部2とが密着していない状態における芯部1の発泡樹脂は、算術平均粗さRaが59μm以下であり、かつ、表面1aのセル1bの最大径が0.6mm以下である。芯部1の表面1aの算術平均粗さRaが59μm以下であり、かつ、表面1aに存在する複数のセル1bの最大径が0.6mm以下であることにより、表層部前駆体2Aの内部に保持されている熱硬化性樹脂前駆体3は、セル1bの内部に浸入し難くなる。そのため、表層部前駆体2Aにおいて熱硬化性樹脂前駆体3の含有量が過少となる部位2aを少なくすることができる。その結果、表層部2の表面2bにおける樹脂枯れを抑制し、繊維強化複合材料積層体10,100の表面性状を良好にすることが可能となる。また、表層部2の樹脂枯れを抑制することで、繊維強化複合材料積層体10,100の破損が発生し難くなることから、繊維強化複合材料積層体10,100の強度を高めることが可能となる。
また、上述のように、繊維強化複合材料積層体10,100は、芯部1と表層部前駆体2Aとを積層した後、加圧しながら加熱することにより、製造することができる。そのため、特許文献1のように中空体の内部で発泡させるような複雑な工程を経なくても、加熱加圧処理の一工程で製造することができるため、製造工程を簡略化することが可能となる。
さらに、繊維強化複合材料積層体10は、加圧により芯部1のセル1bに熱硬化性樹脂前駆体3が浸入し、その状態で熱硬化性樹脂前駆体3が硬化するため、熱硬化性樹脂がセル1bの内面に係合することができる。つまり、繊維強化複合材料積層体10は、熱硬化性樹脂のアンカー効果により、芯部1と表層部2が強固に接合することができるため、接着剤を用いる必要がない。このように接着剤の塗布工程が不要となることから、製造工程を簡略化することが可能となる。
本実施形態の繊維強化複合材料積層体10,100は、発泡樹脂を含有する芯部1と、炭素繊維を含有する表層部2とを密着してなるため、高い強度を有しつつも、軽量性及び断熱性に優れている。さらに、繊維強化複合材料積層体10,100は、樹脂枯れが抑制されているため、外観も良好である。そのため、繊維強化複合材料積層体10,100は、フロアパネル、ルーフパネル、ドアパネル、インストルメントパネル等の車両用外板パネルや内装材に好適に用いることができる。
なお、本実施形態の繊維強化複合材料積層体では、図1、図2及び図4に示すように、芯部1の上面及び下面の両方に表層部2を密着する必要はなく、芯部1の少なくとも一面に密着していればよい。また、本実施形態の繊維強化複合材料積層体では、芯部1の表面1aの全面に表層部2が密着している必要はなく、表面1aの少なくとも一部に表層部2が密着していてもよい。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、芯部を構成する発泡樹脂として、次のものを準備した。なお、発泡樹脂の算術平均粗さRaは、測定装置として株式会社ミツトヨ製 コントレーサ(登録商標)CV−3200を用い、表1に示す条件で測定した。
・変性ポリフェニレンエーテル樹脂発泡体、サンフォース(登録商標)(旭化成ケミカルズ株式会社製)、算術平均粗さRa:3.9μm
・ポリエチレンテレフタレート樹脂発泡体、セルペット(登録商標)(積水化成品工業株式会社製)、算術平均粗さRa:18.5μm
・ポリメタクリルイミド硬質発泡体、ROHACELL(登録商標)71SL(ダイセル・エボニック株式会社製)、算術平均粗さRa:57.2μm
・硬質アクリル発泡体、フォーマック(登録商標)#1000(積水化成品工業株式会社製)、算術平均粗さRa:59.0μm
・ポリメタクリルイミド硬質発泡体、ROHACELL 51IG(ダイセル・エボニック株式会社製)、算術平均粗さRa:73.6μm
Figure 0006877264
次に、表層部前駆体として、炭素繊維の束を平織してなる繊維層を三層重ねた積層体に、エポキシ樹脂の前駆体を含浸して半硬化状態にしたプリプレグを準備した。なお、表層部前駆体は、樹脂量Wresinが120g/m、240g/m、360g/mの三種類を準備した。エポキシ樹脂の前駆体としては、三菱レイヨン株式会社製TR3110を用いた。
そして、上記発泡樹脂と表層部前駆体とを直接接触させた状態で、成形温度140℃、圧力5MPaで押圧することにより、本例の繊維強化複合材料積層体を得た。なお、本例では、発泡樹脂及び表層部前駆体の組み合わせを変えて、複数種の繊維強化複合材料積層体を作製した。図5では、繊維強化複合材料積層体を成形する前における、芯部を構成する発泡樹脂の算術平均粗さRaと表層部前駆体の樹脂量Wresinとの関係を示している。また、図5は、得られた繊維強化複合材料積層体における表層部を目視で観察した際の樹脂枯れ部位の有無も合わせて示している。
図5に示すように、芯部の算術平均粗さRaが73.6μmの場合には、表層部前駆体の樹脂量が360g/mであっても樹脂枯れが発生し、外観不良を引き起こしている。そして、繊維強化複合材料積層体は、表層部前駆体における繊維層の積層数を三層に抑え、樹脂量を360g/m程度までにすることが好ましいことから、芯部の算術平均粗さRaの上限は59μmであることが好ましい。
また、図5に示すように、表層部前駆体に含まれている樹脂量Wresinと芯部の算術平均粗さRaとの関係が、Wresin≧6.10Raを満たす場合には、樹脂量が120g/m及び240g/mの場合でも樹脂枯れが発生していない。そのため、この関係を満たす場合には、繊維強化複合材料積層体の表面性状が良好となることが分かる。
図6Aは、表層部前駆体に含まれている樹脂量Wresinが360g/mであり、芯部の算術平均粗さRaが59.0μmの場合に得られた繊維強化複合材料積層体の表面を示している。図6Aに示すように、この繊維強化複合材料積層体では、表面に樹脂枯れが発生しておらず、表面性状が良好であることが分かる。これに対して、図6Bは、表層部前駆体に含まれている樹脂量Wresinが120g/mであり、芯部の算術平均粗さRaが59.0μmの場合に得られた繊維強化複合材料積層体の表面を示している。図6Bに示すように、この繊維強化複合材料積層体では、表面に樹脂枯れDが発生しており、外観不良が発生していることが分かる。
[実施例2]
まず、芯部を構成する発泡樹脂として、次のものを準備した。なお、発泡樹脂の算術平均粗さRaは、実施例1と同様に測定した。
・ポリエチレンテレフタレート樹脂発泡体、セルペット(積水化成品工業株式会社製)、算術平均粗さRa:18.5μm
・ポリメタクリルイミド硬質発泡体、ROHACELL 71SL(ダイセル・エボニック株式会社製)、算術平均粗さRa:57.2μm
・硬質アクリル発泡体、フォーマック#1000(積水化成品工業株式会社製)、算術平均粗さRa:59.0μm
次に、表層部前駆体として、炭素繊維の束を一方向にのみ揃えた繊維層を三層重ねた積層体に、実施例1と同じエポキシ樹脂の前駆体を含浸して半硬化状態にしたプリプレグを準備した。なお、表層部前駆体は、樹脂量Wresinが200g/m、220g/m、260g/m、330g/mの四種類を準備した。
そして、上記発泡樹脂と表層部前駆体とを直接接触させた状態で、実施例1と同様に押圧することにより、本例の繊維強化複合材料積層体を得た。なお、本例では、発泡樹脂及び表層部前駆体の組み合わせを変えて、複数種の繊維強化複合材料積層体を作製した。図7では、繊維強化複合材料積層体を成形する前における、芯部を構成する発泡樹脂の算術平均粗さRaと表層部前駆体の樹脂量Wresinとの関係を示している。また、図7は、得られた繊維強化複合材料積層体における表層部を目視で観察した際の樹脂枯れ部位の有無も合わせて示している。
図7に示すように、芯部の算術平均粗さRaが59.0μm以下の場合には、樹脂枯れの発生が抑制されていることが分かる。つまり、上述のように、繊維強化複合材料積層体は、表層部前駆体における繊維層の積層数を三層に抑え、樹脂量を360g/m程度までにすることが好ましい。そのため、芯部の算術平均粗さRaの上限は59μmであることが好ましい。
また、表層部前駆体に含まれている樹脂量Wresinと芯部の算術平均粗さRaとの関係が、Wresin≧4.41Raを満たす場合には、樹脂枯れが発生せず、表面性状が良好となっていることが分かる。
[実施例3]
まず、芯部を構成する発泡樹脂として、次のものを準備した。なお、発泡樹脂の算術平均粗さRaは、実施例1と同様に測定した。さらに、発泡樹脂の表面に存在するセルの最大径を、光学顕微鏡を用いて測定した。
・ポリメタクリルイミド硬質発泡体、ROHACELL 71SL(ダイセル・エボニック株式会社製)、算術平均粗さRa:57.2μm、セル最大径:0.6mm
・硬質アクリル発泡体、フォーマック#1000(積水化成品工業株式会社製)、算術平均粗さRa:59.0μm、セル最大径1.5mmの欠陥が見られるもの
次に、表層部前駆体として、炭素繊維の束を平織してなる繊維層を三層重ねた積層体に、実施例1と同じエポキシ樹脂の前駆体を含浸して半硬化状態にしたプリプレグを準備した。なお、表層部前駆体の樹脂量Wresinは、360g/mとした。
そして、上記発泡樹脂と表層部前駆体とを直接接触させた状態で、実施例1と同様に押圧することにより、本例の繊維強化複合材料積層体を得た。なお、発泡樹脂であるフォーマック#1000の表面を光学顕微鏡で観察した結果、セルの最大径が1.5mmのものが見られた。そして、図8では、得られた繊維強化複合材料積層体における表層部を観察した結果を示している。
図8に示すように、発泡樹脂のセルHに対応する部位では樹脂枯れDが発生しており、外観不良が生じていることが分かる。つまり、たとえ発泡樹脂の算術平均粗さRaが59μm以下であったとしても、セルHの最大径が1.5mmの場合には、表面性状が悪化することが分かる。
これに対し、表面に存在するセルの最大径が0.6mmである発泡樹脂を用いた繊維強化複合材料積層体の表面を目視で観察した結果、樹脂枯れが確認できず、表面性状が良好となっていた。このことから、芯部の発泡樹脂は、表面のセルの最大径が0.6mm以下であることが好ましいことが分かる。
[実施例4]
まず、芯部を構成する発泡樹脂として次のものを準備し、縦30cm横30cmの板状に切断した。なお、発泡樹脂の算術平均粗さRaは、実施例1と同様に測定した。
・硬質アクリル発泡体、フォーマック#1000(積水化成品工業株式会社製)、算術平均粗さRa:59.0μm
次に、表層部前駆体として、炭素繊維の束を平織してなる繊維層を二層重ねた積層体に、実施例1と同じエポキシ樹脂の前駆体を含浸して半硬化状態にしたプリプレグを準備した。なお、表層部前駆体の樹脂量Wresinは、240g/mとした。そして、表層部前駆体を縦30cm横30cmの板状に切断した。この表層部前駆体の硬化特性は、成形温度140℃で5分間加熱することにより硬化することが可能である。
さらに、浸透防止層前駆体及び浸透防止層として次のものを準備し、縦30cm横30cmのフィルム状に切断した。
・浸透防止層前駆体1:エポキシ樹脂(速硬化性)、樹脂量120g、特性:140℃、3〜5分で硬化
・浸透防止層前駆体2:エポキシ樹脂(遅硬化性)、樹脂量80g、特性:140℃、10〜15分で硬化
・浸透防止層:東レ株式会社製PET樹脂、樹脂量78g、特性:融点が240℃
(実施例4−1)
上記表層部前駆体、浸透防止層前駆体1、及び発泡樹脂をこの順で積層した後、加圧しながら成形温度140℃で押圧することにより、本例の繊維強化複合材料積層体を得た。
(実施例4−2)
上記表層部前駆体、浸透防止層、及び発泡樹脂をこの順で積層した後、加圧しながら成形温度140℃で押圧することにより、本例の繊維強化複合材料積層体を得た。
(比較例4−1)
上記表層部前駆体及び発泡樹脂をこの順で積層した後、加圧しながら成形温度140℃で押圧することにより、本例の繊維強化複合材料積層体を得た。
(比較例4−2)
上記表層部前駆体、浸透防止層前駆体2、及び発泡樹脂をこの順で積層した後、加圧しながら成形温度140℃で押圧することにより、本例の繊維強化複合材料積層体を得た。
実施例4−1、実施例4−2及び比較例4−1、比較例4−2の繊維強化複合材料積層体の表面を目視で観察し、樹脂枯れした部位の数を求めた。各例の樹脂枯れ部位の数を表2に示す。なお、表2では、浸透防止層の種類、浸透防止層の樹脂量、浸透防止層の特性も合わせて示す。
Figure 0006877264
表2に示すように、浸透防止層を設けた実施例4−1及び4−2は、樹脂枯れが発生しておらず、表面性状が良好となっていることが分かる。これに対し、浸透防止層を設けなかった比較例4−1は樹脂枯れが数多く発生しており、外観不良が生じていることが分かる。
また、実施例4−1で使用した浸透防止層前駆体は、成形温度140℃で3〜5分で硬化する。これに対して、表層部前駆体の硬化特性は、成形温度140℃で5分間加熱することにより硬化する。そのため、成形温度において、浸透防止層前駆体に含まれる熱硬化性樹脂前駆体の硬化時間が、表層部前駆体に含まれる熱硬化性樹脂前駆体の硬化時間よりも短い場合には、浸透防止層4が素早く形成され、樹脂枯れを抑制できることが分かる。
実施例4−2で使用した浸透防止層は、融点が成形温度140℃よりも100度高いことから、浸透防止層は成形温度で十分な貯蔵弾性率を有する。そのため、浸透防止層によってセルに熱硬化性樹脂前駆体が浸入することを効果的に抑制できることが分かる。
これに対して、比較例4−2で使用した浸透防止層前駆体は、成形温度140℃で10〜15分で硬化する。上述のように、表層部前駆体の硬化特性は、140℃で5分間加熱することにより硬化するため、浸透防止層前駆体に含まれる熱硬化性樹脂前駆体の硬化時間が、表層部前駆体に含まれる熱硬化性樹脂前駆体の硬化時間よりも遅い。この場合には、浸透防止層4が形成されず、熱硬化性樹脂前駆体がセルに浸入することを抑制できないため、樹脂枯れが発生することが分かる。
以上、本実施形態を実施例によって説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 芯部
1a 表面
1b セル(気泡)
2 表層部
2A 表層部前駆体
4 浸透防止層
10,100 繊維強化複合材料積層体

Claims (8)

  1. 発泡樹脂を含有する芯部と、
    炭素繊維を含有する熱硬化性樹脂を有し、前記芯部の表面に密着される表層部と、
    を備え、
    前記芯部と前記表層部とが密着していない状態における前記芯部の発泡樹脂は、算術平均粗さRaが59μm以下であり、かつ、表面のセルの最大径が0.6mm以下である、
    繊維強化複合材料積層体。
  2. 前記芯部と前記表層部とが密着していない状態において、表層部前駆体に含まれている樹脂量Wresin (g/m と前記芯部の算術平均粗さRa(μm)との関係が、Wresin≧6.10Raを満たす、請求項1に記載の繊維強化複合材料積層体。
  3. 前記芯部と前記表層部とが密着していない状態における、前記芯部の発泡樹脂の算術平均粗さRaが4μm以上である、請求項1又は2に記載の繊維強化複合材料積層体。
  4. 前記芯部の発泡樹脂が非晶性高分子からなり、
    前記芯部の発泡樹脂のガラス転移温度が、前記芯部と前記表層部とを密着させるための成形温度よりも18度以上高い、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の繊維強化複合材料積層体。
  5. 前記芯部の発泡樹脂が結晶性高分子からなり、
    前記芯部の発泡樹脂の融点が、前記芯部と前記表層部とを密着させるための成形温度よりも65度以上高い、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の繊維強化複合材料積層体。
  6. 前記表層部は、前記芯部と前記表層部との間に存在する浸透防止層を介して前記芯部の表面に密着される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の繊維強化複合材料積層体。
  7. 前記浸透防止層は熱硬化性樹脂を含み、
    前記浸透防止層を構成する熱硬化性樹脂の前駆体は、前記芯部と前記表層部とを密着させるための成形温度における、前記表層部を構成する熱硬化性樹脂の前駆体の硬化時間よりも短時間で硬化する、請求項6に記載の繊維強化複合材料積層体。
  8. 前記浸透防止層は熱可塑性樹脂を含み、
    前記浸透防止層の融点が、前記芯部と前記表層部とを密着させるための成形温度よりも65度以上高い、請求項6に記載の繊維強化複合材料積層体。
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