JPH042395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案はコンクリートパネルのような板状の被
焼成物を縦置きして焼成するための焼成治具に関
する。

［背景技術］ 従来より、コンクリートパネルのような被焼成
物１は、第３図に示すように耐火レンガ１０を積
み上げて形成された焼成治具A′に横置きして焼
成されているが、この種の焼成治具A′では、耐
火レンガ１０は賦形性に難があることから長尺の
ものを成形しがたく、又、耐火レンガ１０を高く
積み上げることができないことから、被焼成物１
を縦置きして多量生産できないという問題があつ
た。このため、第４図に示すように被焼成物１を
台車１１上で垂直に保持させて焼成されてもいる
が、この場合にあつては、第５図に示すように被
焼成物１の自重により被焼成物１に反りなどが発
生してしまうという問題があつた。

［考案の目的］ 本考案は上記事情に鑑みて為されたものであ
り、その目的とするところは、支柱を金属製にす
ることにより支柱を高く形成でき、従つて、被焼
成物を縦置きして多量生産が可能となり、しかも
焼成時の被焼成物の膨張及び冷却時の被焼成物の
収縮による変形を防止できる焼成治具を提供する
ことにある。

［考案の開示］ 本考案の焼成治具は、板状の被焼成物１を縦置
きして焼成するための焼成治具であつて、被焼成
物１の載置台２の両側に被焼成物１の側端面を支
持する金属製の支柱３を立設し、支柱３の上端間
に被焼成物１の上端面を下方に押圧する押圧材４
を配置し、載置台２と押圧材４との間に引張金具
５を伸張に対して弛緩自在に取付けて成るもので
あり、この構成により上記目的を達成できたもの
である。即ち、支柱３が金属製であるので、高く
形成でき、従つて、被焼成物１を支柱３に支持さ
せて縦置きし、多量生産が可能となり、しかも被
焼成物１の上端面を下方に押圧する押圧材４と載
置台２との間に引張金具５を伸張に対して弛緩自
在に取付けているので、焼成時の高温下では引張
金具５が熱膨張により伸張して弛緩することによ
り、引張金具５の熱膨張を吸収でき押圧材４と載
置台２との拘束力が解除され被焼成物１に膨張に
より反りを発生させることがなく、一方冷却時に
は引張金具５が元の状態に収縮して押圧材４と載
置台２を介して被焼成物１を拘束させることによ
り被焼成物１の収縮による変形を防止できる。

以下、本考案を添付の図面に示す実施例に基づ
いて説明する。被焼成物１の長方形状の載置台２
は長尺の耐火レンガである耐火物を敷き詰めて形
成されている。この耐火物には長手方向全長に亘
つて鉄棒が埋設されている。この載置台２の４隅
には金属製の四角筒体である支柱３が立設されて
いる。各支柱３には長手方向で相対向する面に上
下に長い長孔６が上下に複数穿孔されている。こ
の長孔６には後端部が抜け止め用の膨大部７ａと
なつた支持ピン７が上下で移動自在に遊嵌されて
いる。支柱３間に配置される押圧材４は溝形鋼を
＃状に組んで形成されており、この４隅に係合孔
８が穿孔されている。この押圧材４と載置台２と
の間に引張金具５が伸張に対して弛緩自在に取付
けられる。この実施例では引張金具５はターンバ
ツクルであり、その一端が載置台２に固定され、
鍔部５ａを有する他端が押圧材４の係合孔８に摺
動自在に係止されている。この焼成治具Ａにより
被焼成物１を焼成するには、被焼成物１は、例え
ば成形後の孔あき中空軽量コンクリートパネルで
あり、側端面には長手方向全長に亘つて貫通して
形成された複数の孔が開口しており、この被焼成
物１が複数枚焼成治具Ａの載置台２に縦置きさ
れ、支持ピン７が長孔６を通して孔に嵌入されて
被焼成物１を支持し、次いで、押圧材４を被焼成
物１の上端面に載置し、支柱３の外周に支柱継ぎ
材９を張り巡らし、引張金具５を取付け、この状
態で、焼成治具Ａが台車などにより焼成炉内に搬
入され、被焼成物１が、例えば900℃、12時間か
けて焼成される。この場合、金属製の支柱３が高
温での熱膨張によつて変形しても、その変形は長
孔６により吸収されて被焼成物１に影響を与える
ことがないものである。又、焼成時には引張金具
５の熱膨張により、押圧材４と載置台２との被焼
成物１の拘束力が解除され、被焼成物１が膨張し
ても反りは発生することがなく、又、焼成後の冷
却時には引張金具５の収縮により被焼成物１は押
圧材４と載置台２とで拘束されて反りが発生する
ことがない。

［考案の効果］ 本考案にあつては、支柱が金属製であるので、
高く形成でき、従つて、被焼成物を支柱に支持さ
せて縦置きし、多量生産が可能となり、しかも被
焼成物の上端面を下方に押圧する押圧材と載置台
との間に引張金具を伸張に対してを弛緩自在に取
付けているので、焼成時の高温下では引張金具が
弛緩することにより、引張金具の熱膨張を吸収で
き、押圧材と載置台との拘束力が解除され被焼成
物に膨張による反りを発生させることがなく、一
方冷却時には引張金具が元の状態に収縮して押圧
材と載置台を介して被焼成物を拘束し、被焼成物
の収縮による変形を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２
図は同上の正面図、第３図は従来例を示す正面
図、第４図及び第５図は他の従来例及びその問題
点を示す側面図であつて、Ａは焼成治具、１は被
焼成物、２は載置台、３は支柱、４は押圧材、５
は引張金具である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板状の被焼成物を縦置きして焼成するための焼
   成治具であつて、被焼成物の載置台の両側に被焼
   成物の側端面を支持する金属製の支柱を立設し、
   支柱の上端間に被焼成物の上端面を下方に押圧す
   る押圧材を配置し、載置台と押圧材との間に引張
   金具を伸張に対して弛緩自在に取付けて成る焼成
   治具。