JPH04239210A - 表面波装置およびその製造方法 - Google Patents
表面波装置およびその製造方法Info
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
利用した表面波装置およびその製造方法に関し、特に、
バルク波によるスプリアスを抑圧する構造が備えられた
表面波装置に関する。
伝播方向と垂直な方向の変位を主体とするSHタイプの
表面波、例えばBGS波やラブ波等がある。BGS波を
利用した従来の表面波共振子を図2に示す。図2におい
て、表面波共振子1は、圧電セラミックス等の圧電材料
からなる圧電基板2の上面に、くし歯電極3,4からな
るインターデジタルトランスデューサを形成した構造を
有する。くし歯電極3,4は、互いに間挿しあう複数の
電極指3a,4aを有する。なお、矢印Pは分極軸を示
す。
ら交流電界を印加すれば、表面波伝播方向Xと垂直な方
向の変位のみ、すなわち横波成分しか有さないBGS波
が励振される。
た表面波共振子1では、SH波だけでなく、バルク波も
発生され、該バルク波に基づく不要スプリアスがかなり
の大きさで現れるという問題があった。また、表面波装
置を製品化するにあたっては、表面波の励振および伝播
を妨げないために、インターデジタルトランスデューサ
上および表面波伝播路上に空洞を設けるのが普通であっ
た。その結果、製品として組み立てるに際し、上記空洞
を設ける必要があるため、生産工程がおよびパッケージ
構造が複雑化し、コストが高くつくという問題があった
。
スプリアスを効果的に抑制することができ、かつパッケ
ージ構造を簡略化し得る表面波装置およびその製造方法
を提供することにある。
タイブの表面波を用いた表面波装置であり、圧電基板と
、前記圧電基板の表面に形成された少なくとも1のイン
ターデジタルトランスデューサとを備え、表面波伝播方
向に存在する前記圧電基板端面のほぼ中間高さ位置に外
側に延びる段差が形成されており、該段差よりも下方の
端面部分が上方の端面部分よりも粗面とされており、か
つ前記圧電基板の上面および前記段差よりも上方の端面
部分を覆うように樹脂層が設けられていることを特徴と
する。
面波を用いた表面波装置の製造方法であって、圧電母基
板を用意する工程と、圧電母基板の上面に複数のインタ
ーデジタルトランスデューサを形成する工程と、前記圧
電母基板の上面から樹脂を塗布し、圧電基板の上面およ
び前記溝内に樹脂を付与し、硬化させる工程と、前記圧
電母基板を前記溝に沿って個々の表面波装置毎に分割す
る工程とを備えることを特徴とする。
の表面に近い層に集中している。他方、バルク波のエネ
ルギーは、圧電基板の厚みの全域に渡り分散している。 本発明では、圧電基板の表面波伝播方向に存在する端面
の、ほぼ中間高さ位置に上記段差が形成されており、該
段差より下方の端面部分が粗面とされているため、該粗
面においてバルク波が散乱され、バルク波の端面におけ
る反射によるスプリアスを低減することが可能とされて
いる。しかも、圧電基板の端面において、段差よりも上
方の端面部分を覆うように樹脂層が設けられているため
、段差よりも上方の端面部分におけるバルク波の反射も
抑制され、それによって、より一層スプリアスが低減さ
れる。
装置では、インターデジタルトランスデューサ上に樹脂
層を設けても表面波の出力はさほど減衰しないことが本
願発明者により確かめられている。従って、本発明では
、圧電基板の上面を覆うように、上記樹脂層が設けられ
ており、圧電基板の上面に空洞を設ける必要がないため
、表面波装置のパッケージ構造を簡略化することができ
る。
にバルク波に起因するスプリアスを低減することができ
、かつパッケージ構造を簡略化し得る表面波装置を得る
ことができる。しかも、圧電母基板の上面側から中間深
さ位置まで至る溝を形成し、該溝に沿って圧電母基板を
分割するだけで、圧電基板の端面の段差よりも下方の端
面部分を粗面とすることができる。また、上記樹脂層は
、圧電母基板に溝を形成した状態で樹脂を塗布し硬化す
るだけで設けられるため、上記のようにバルク波に起因
するスプリアスが低減され、かつパッケージ構造が簡略
化された表面波装置を比較的簡単な工程により量産する
ことができる。
限定的な実施例を説明することにより、本発明を明らか
にする。本実施例では、まず複数個の表面波装置を得る
ための円板状の圧電母基板を用意する。次に、該圧電母
基板の上面に複数個の表面波装置を構成するための複数
のインターデジタルトランスデューサを形成する。イン
ターデジタルトランスデューサの形成は、圧電母基板の
上面の全面に電極材料を蒸着し、エッチングすることに
より行う。インターデジタルトランスデューサの形成は
、印刷またはスパッタリング等の他の薄膜形成技術によ
り行ってもよい。
に、ダイシングソーにより圧電母基板11の上面11a
側から中間深さ位置にまで達する複数本の溝12を形成
する。なお、図3(a)および(b)では、図示を容易
とするために、圧電母基板11の上面に形成されている
複数組のインターデジタルトランスデューサは省略して
あることを指摘しておく。
うに、溝12は、底部がある程度の幅を有するように構
成されている。これは、ダイシングソーの刃先が、ある
程度の肉厚を有するため、必然的に形成されるものであ
る。なお、図3(a)における溝12は、個々の表面波
装置単位に圧電母基板11を後の工程で分割するために
設けられているものである。従って、個々の表面波装置
間の境界に上記溝12が形成されている。
、圧電母基板11の上面に樹脂13を塗布し、硬化させ
る。この塗布は、図5に拡大平面図で示すように、イン
ターデジタルトランスデューサの電極の一部14a〜1
4dを除き、圧電母基板11の上面11aの全面に渡っ
て行われる。従って、図4に拡大断面図で示されている
ように、樹脂層13は溝12の内部にまで至るように塗
布され、硬化されている。
入度測定法で測定した針入度が10〜200の範囲のゲ
ル状樹脂、またはショア硬さあるいはJIS K63
01硬度測定法で測定されるショア硬度が30以下の樹
脂が用いられる。具体的には、シリコン樹脂、エポキシ
樹脂等が挙げられる。なお、電極の一部14a〜14d
に樹脂層13を塗布しないためには、マスクを電極の一
部14a〜14d上に仮固定しておき、その状態で圧電
基板11の上面11aの全面に樹脂を塗布するか、ある
いは電極の一部14a〜14d部にマスクされたスクリ
ーンにて印刷すればよい。
11を溝12に沿って分割する。この分割は、圧電基板
11の溝12が設けられている部分の肉厚が薄いことを
利用して、該溝12が設けられている部分に外力を加え
て割ることにより行われる。その結果、図1に断面図で
示す実施例の表面波装置15が得られる。図1を参照し
て、表面波装置15では、圧電基板16の上面16a上
に、互いに間挿し合うくし歯電極3a,4aを有するイ
ンターデジタルトランスデューサが形成されており、該
インターデジタルトランスデューサの上面を覆うように
樹脂層13が設けられている。従って、表面波装置15
を製品としてパッケージ化する場合、インターデジタル
トランスデューサの上方にわざわざ空洞を設ける必要が
なく、例えば単に外装樹脂ディップを行うだけでよいな
ど、パッケージ構造を簡略化することができる。
置する端面のほぼ中間高さ位置に外側に向かって延びる
段差17a,17bが設けられている。この段差17a
,17bは、上述した溝12の底部により構成されるも
のである。すなわち、溝12に沿って圧電母基板11を
分割することにより得られた個々の表面波装置15では
、段差17a,17bが形成され、かつ段差17a,1
7bよりも下方の端面部分18a,18bは、粗面とし
て形成される。他方、段差17a,17bより上方の端
面部分19a,19bは、溝12をダイシングソーによ
り形成した際に現れる面であるため、端面部分18a,
18bに比べて平滑な表面を有するように形成されてい
る。
伝播する方向に位置する端面に、段差17a,17bが
設けられており、かつ下方の端面部分18a,18bが
粗面とされているため、該下方の端面部分18a,18
bにおいてバルク波を散乱させることができる。しかも
、上方の端面部分19a,19bをも覆うように樹脂層
13が設けられているため、上方の端面部分においては
バルク波を吸音することができる。従って、バルク波に
起因するスプリアスを効果的に低減することができる。
。まず、図2に示した従来の表面波共振子として、PZ
Tからなる1.0×1.6×1.2mmの大きさの矩形
の圧電基板2の上面に、複数本の電極指が幅20μmお
よび電極指間ピッチ80μmで形成された弾性表面波共
振子1を用意した。この従来の弾性表面波共振子1のイ
ンピーダンス−周波数特性を図6に実線Aで示す。
た表面波共振子を作製し、インピーダンス−周波数特性
を測定したところ、図6に破線Bで示す結果が得られた
。また、比較のために、樹脂層13を設けないことを除
いては、実施例と全く同様にして構成した表面波共振子
につき、インピーダンス−周波数特性を測定したところ
図6に示す一点鎖線Cで示す結果が得られた。
示すインピーダンス−周波数特性から明らかなように、
本実施例によれば、スプリアスを効果的に低減すること
ができる。また、図6から明らかなように、圧電基板上
に樹脂層13を設けたとしても、山谷比すなわち共振抵
抗/反共振抵抗比が低下することのないことがわかる。
トランスデューサを圧電母基板上に形成した後に、溝1
2を形成したが、逆に溝12を形成した後に、インター
デジタルトランスデューサを圧電母基板上に形成しても
よい。さらに、上記実施例では、段差17a,17bに
より、下方の端面部分18a,18bが外側へ突出して
いるが、逆に、上方の端面部分19a,19bの側が外
側へ突出するように形成してもよい。
反射型の表面波共振子だけでなく、例えば、反射器を備
えた表面波装置のような他の構造の表面波装置にも適用
することができる。
高さ位置に段差が形成されており、該段差よりも下方の
端面部分が上方の端面部分に比べて粗面とされており、
さらに該段差よりも上方の端面部分に至るように樹脂層
が設けられているため、バルク波の端面における反射に
起因するスプリアスを効果的に低減することができる。 また、圧電基板の上面に、上記樹脂層が設けられている
ため、圧電基板の上面に空洞を設ける必要がなく、従っ
てパッケージ構造を簡略化することができ、それによっ
て表面波装置のコストを低減することがと可能となる。
ようにスプリアスが低減されており、かつパッケージ構
造を簡略化し得る表面波装置を、圧電母基板から効率よ
く量産することが可能となる。
斜視図である。
図、(b)は圧電母基板の部分切欠拡大断面図である。
拡大断面図である。
て示す部分拡大平面図である。
ンピーダンス−周波数特性を示す図である。
… 表面波装置16
… 圧電基板16a
… 上面17a,17b … 段差
Claims (2)
- 【請求項1】 SHタイプの表面波を用いた表面波装
置であって、圧電基板と、前記圧電基板の表面に形成さ
れた少なくとも1のインターデジタルトランスデューサ
とを備え、表面波伝播方向に存在する圧電基板端面のほ
ぼ中間高さ位置に外側に向かって突出した段差が形成さ
れており、該段差よりも下方の端面部分が上方の端面部
分に比べて粗面とされており、かつ前記圧電基板の上面
および前記段差よりも上方の端面部分を覆うように、樹
脂層が形成されていることを特徴とする、表面波装置。 - 【請求項2】 SHタイプの表面波を用いた表面波装
置の製造方法であって、圧電母基板を用意する工程と、
前記圧電母基板の上面に複数のインターデジタルトラン
スデューサを形成する工程と、前記圧電母基板の上面側
からほぼ中間深さ位置に至るように、かつ個々の表面波
装置を分離する境界に溝を形成する工程と、前記圧電母
基板の上面に樹脂を塗布し、圧電母基板の上面および前
記溝内に樹脂を付与し、硬化させて樹脂層を形成する工
程と、前記圧電母基板を前記溝に沿って個々の表面波装
置に分割する工程とを備えることを特徴とする、表面波
装置の製造方法。
Priority Applications (3)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JPH04239210A true JPH04239210A (ja) | 1992-08-27 |
JP2712842B2 JP2712842B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=11518107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2712842B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009100436A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-05-07 | Citizen Finetech Miyota Co Ltd | 圧電デバイスの製造方法 |
US7830067B2 (en) | 2006-03-07 | 2010-11-09 | Taiyo Yuden Co., Ltd. | Elastic boundary wave device |
JP2019091992A (ja) * | 2017-11-13 | 2019-06-13 | 太陽誘電株式会社 | 弾性波デバイスおよびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサ |
CN112383287A (zh) * | 2020-11-27 | 2021-02-19 | 广东省科学院半导体研究所 | 声表面波谐振器及其制备方法 |
WO2022265071A1 (ja) * | 2021-06-17 | 2022-12-22 | 株式会社村田製作所 | 弾性波装置 |
-
1991
- 1991-01-11 JP JP203691A patent/JP2712842B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7830067B2 (en) | 2006-03-07 | 2010-11-09 | Taiyo Yuden Co., Ltd. | Elastic boundary wave device |
JP2009100436A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-05-07 | Citizen Finetech Miyota Co Ltd | 圧電デバイスの製造方法 |
JP2019091992A (ja) * | 2017-11-13 | 2019-06-13 | 太陽誘電株式会社 | 弾性波デバイスおよびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサ |
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WO2022265071A1 (ja) * | 2021-06-17 | 2022-12-22 | 株式会社村田製作所 | 弾性波装置 |
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