JPH04235724A - 血液適合性に優れた気体透過性材料 - Google Patents

血液適合性に優れた気体透過性材料

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JPH04235724A
JPH04235724A JP3017136A JP1713691A JPH04235724A JP H04235724 A JPH04235724 A JP H04235724A JP 3017136 A JP3017136 A JP 3017136A JP 1713691 A JP1713691 A JP 1713691A JP H04235724 A JPH04235724 A JP H04235724A
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Masakazu Tanaka
田中 昌和
Hideyuki Yokota
英之 横田
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/54Polyureas; Polyurethanes

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  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、心臓手術に伴う開心術
において、血液循環および酸素供給を維持するために用
いられる人工心肺装置、肺不全患者の肺機能を代行する
人工肺、長期体外循環に用いられるECMO(Extr
a  Corporeal  Menbrane  O
xygenator)などのガス交換器の酸素交換膜素
材に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、開心術に用いられている市販の人
工心肺装置のガス交換器(血液に酸素を添加し、炭酸ガ
スを除去して静脈血を動脈血化する部分)は、その酸素
付加機構により次の3種類に大別される:(1)ガス−
血液直接接触型(気泡型、フイルム型など);(2)小
孔(直径数百〜数千オングストローム)を通してガス交
換を行う型(ホローファイバー型、積層型など);(3
)ガス拡散型(均質膜中にガスが溶解・拡散して該膜を
透過する型)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した、従来技術の
うち(1)は静脈血に直接酸素を気泡化して吹き込み、
動脈血化するタイプである。この方式では血液と酸素ガ
スとが直接接触するために赤血球膜が破壊され、遊離ヘ
モグロビンが増加する。つまり溶血が生じやすい。さら
に、酸素ガスが直接吹き込まれるため、このガスが血液
中に微細な気泡となって残留する。これを除去すること
は困難であり、血液が受ける損傷が大きい。そのため長
期間にわたり心肺機能を代行することは困難である。
【0004】(2)の小孔を通してガス交換を行うタイ
プにおいては、(1)のタイプのような血液とガスとの
直接の接触はないため、血球の損傷や血液中へのガス気
泡の混入といった問題は解消される。しかし、小孔を通
して血液中の水分や血漿成分が滲出するためガス交換能
が経時的に低下する。さらに、このような膜の素材は、
通常、ポリプロピレンなどであり、これらは血液適合性
に乏しい。つまり、これらの材料を使用すると血液凝固
因子の活性化や補体の活性化が起こり、さらには血小板
および白血球の凝集、融解などが生じやすい。これらの
反応を抑制するには、例えばヘパリンなどの抗凝固剤を
大量に投与することが必要となる。ヘパリンの大量投与
は出血を引き起こしやすく、生命に危険をおよぼす。こ
のように、(2)のタイプのガス交換器を長時間にわた
り使用することは、出血や血球成分の損傷による臓器不
全が多発するため不可能である。
【0005】(3)のタイプでは均質な膜面を通してガ
ス交換が行われるため、(1)のタイプのような血球の
損傷および血液中へのガス気泡の混入という問題がなく
、かつ(2)タイプのように水分や血漿成分の滲出とい
う欠点もない。このタイプの膜は、通常シリコーンラバ
ー(シリコーン系ポリマー)により調製される。シリコ
ーンラバーは他の材料に比べると比較的血液適合性に優
れるとされている。このように、(1)〜(3)のタイ
プのガス交換器においては、この(3)のタイプが最も
好適であると考えられる。しかし、この膜についても次
のような欠点がある。(a)シリコーンラバーは単独で
は強度が低いため、強度保持のために膜厚を厚くしたり
、補強剤としてフィラーを充填する必要がある。このた
め、ガスの拡散が遅くなり、酸素交換能が低い。 (b)シリコーンラバーの血液適合性は、なお充分であ
るとはいえず、血液凝固が起こるため、使用に際しては
、ヘパリンの大量投与が必要であり、そのため、出血が
起こりやすく、生命に危険をおよぼす。(c)補体の活
性化により、血球凝固系の変化、血管壁の(白血球、リ
ンパ球などの)透過性の亢進、白血球の増加などが起こ
る。その結果、発熱やショック症状が起こるなどして生
命に危険をおよぼしたり、手術後の回復が遅れることが
ある。このタイプのガス交換器を有する人工心肺装置も
その使用可能な期間はせいぜい2〜3日間であり、これ
以上の期間にわたって使用を継続した場合の救命率は零
に近い。
【0006】上記の(3)のシリコーンラバー膜の代わ
りに用いられ得る素材としては、例えば、次のようなポ
リマーが研究されている。(a)の強度を改善するため
の例としては、米国特許第3419634号および第3
419635号に、シリコーン−ポリカーボネート共重
合体の製造が開示されている。さらに米国特許第376
7737号にはその共重合体を用いた薄膜の製造方法が
開示されている。特開昭61−430号公報にはジアミ
ノポリシロキサン、イソシアネート化合物および多価ア
ミンを反応させて得られるポリウレアでなる選択性気体
透過膜が開示されている。さらに、特開昭60−241
567号明細書(高分子基盤技術研究組番号:PM−8
0)にはジアミノポリシロキサン、イソシアネート化合
物および第3級窒素を有する多価ヒドロキシ化合物を反
応させて得られるポリウレタンウレアからなる気体選択
透過膜が開示されている。これらのポリマーは比較的高
強度であるが血液適合性がいまだ充分であるとはいえず
、上記(b)および(c)の問題点を解決するには至っ
ていない。さらに、上記特開昭61−430号公報およ
び特開昭60−241567号明細書に記載のポリマー
は分子内にシロキサン結合とウレア結合という全く極性
の異なる2種類の結合が存在するため膜形成時の溶剤の
選択が難しく、薄膜化が困難である。
【0007】上記(b)に記載の血液凝固性の問題を解
決しうる材料としては、高分子論文集、36、223(
1979)に、ヘパリンをイオン結合によりある種のポ
リマーに結合させたものが開示されている。使用される
ポリマーは、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メ
トキシポリエチレングリコールメタクリレートおよびグ
リシジルメタクリレートの三元共重合体の第3級アミノ
基を4級化した後、ポリウレタンにブレンドし、熱処理
により架橋させたポリマーである。この材料から得られ
た成形体は、その表面からヘパリンをスロー・リリース
させるため、血液凝固が阻止される。しかし、ガス透過
性は充分とはいえず、人工心肺などには利用できない。 特開昭58−188458号公報には主鎖にポリシロキ
サンを含むポリウレタンまたはポリウレタンウレアから
なる抗血栓性エラストマーが開示されている。しかし、
このエラストマーの抗血栓性は充分に高いとはいえない
。さらに気体透過性も充分ではなく、かつ補体活性も抑
制されないため、上記用途には利用できない。
【0008】(c)に記載の血液中の補体活性化の問題
を解決しうる材料は、透析型人工腎臓用の透析膜の分野
に多く見られる。例えば、人工臓器16(2)、818
−821(1987)にはセルロース膜をジエチルアミ
ノエチル化した膜は、もとのセルロース膜に比較して、
透析中の補体活性化を著しく抑制すると報告されている
。しかし、この膜はガス透過性に乏しいため人工肺の膜
材料としては実用に供し難い。
【0009】更に、特公昭54−18518には、親水
性成分と疎水性成分と第4級アンモニウム塩成分を必須
単位として含む共重合体とヘパリンからなり且つ標準膜
電位差が負の値を示すことを特徴とする抗凝血性医療用
材料が開示されている。しかし、この材料では気体透過
性のあるセグメントを有さないので、ガス透過性を全く
有さないばかりか、例え気体透過性のあるセグメントを
本共重合体に導入したとしても、本文中に記載のカチオ
ン性共重合体が水と併行にあるとき5〜80重量%の水
を含有した場合は、この共重合体で作製した膜を水分お
よび血漿が通過(ウエット・ラング)し、経時的に気体
透過性が低下するとともに、体内の有効成分が漏出する
ために、生体の生命維持が困難となる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の欠点
を解決するものであり、その目的としては、長期間にわ
たり、ウエット・ラングを引き起すこと無く長期に渡る
気体透過性を有し、且つ長期間血液適合性に優れ、薄膜
化容易である、人工心肺装置のガス交換膜に最適な材料
を提供することにある。
【0011】本発明の血液適合性に優れた気体透過性材
料は、ジイソシアネート(DI):イソシアネート基と
反応しうる水酸基またはアミノ基を分子末端に有するポ
リシロキサン(NOPS):第3級アミノ基を有するポ
リエーテルポリオール(NPO);および必要に応じて
他のポリアミンまたはポリオールを反応させて得られる
、ポリウレタンまたはポリウレタンウレアであって、こ
のポリウレタンまたはポリウレタンウレアに含まれる一
部または全部の第3級アミノ基をハロゲン化アルキルま
たは活性エステルで4級塩化したときの吸水率が4重量
%以下であることを特徴とするものである。本発明の血
液適合性に優れた気体透過性材料は、上記の第3級アミ
ノ基を有するポリエーテルポリオールが化1で表される
アミンジオールを50モル%以上含んで縮合して成るこ
とを特徴とする。本発明の血液適合性に優れた気体透過
性材料は、上記のポリウレタンまたはポリウレタンウレ
アをヘパリン類で処理することにより得られたものであ
ることを特徴とする。
【0012】本発明の気体透過性材料であるポリウレタ
ンまたはポリウレタンウレアに用いられるジイソシアネ
ートとしては、ポリウレタンまたはポリウレタンウレア
の調製に通常用いられるジイソシアネート類(芳香族、
脂肪族、脂環族)が利用され得る。上記芳香族ジイソシ
アネートとしては、p−フェニレンジイソシアネート、
o−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイ
ソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2
,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
ナフタレンジイソシアネートなどの炭素数8〜25の芳
香族ジイソシアネートがある。脂肪族ジイソシアネート
としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメ
チレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネ
ート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジ
イソシアネートなどの炭素数6〜20の脂肪族ジイソシ
アネートがある。脂環族ジイソシアネートとしては、4
,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネートなどの炭素数8〜20の脂環
族ジイソシアネートがある。上記ジイソシアネートは2
種以上が混合されて用いられ得る。以下、ポリシロキサ
ン、3級アミノ基を有するポリエーテルポリオールなど
本発明のポリマーに使用される成分は、それぞれについ
て2種以上が混合されて用いられ得る。
【0013】イソシアネート基と反応し得る水酸基もし
くはアミノ基を分子末端に有するポリシロキサンは次の
化2で示されるものが好ましい:
【0014】
【化2】
【0015】(ここで、化2においてXおよびYはそれ
ぞれ独立して−OH、−NH2 または炭素数2〜10
の置換アミノ基、R1 およびR3 はそれぞれ独立し
て炭素数2〜10のアルキレン基、オキシアルキレン基
、アラルキレン基またはアリーレン基、R2 はそれぞ
れ独立して炭素数1〜10のアルキル基、アリール基ま
たはアラルキル基であり;nは5〜300の整数である
。)
【0016】このポリシロキサンの分子量は、20
0〜20000、好ましくは500〜8000、さらに
好ましくは1000〜4000である。得られるポリウ
レタンまたはポリウレタンウレア中のこのポリシロキサ
ンの含量は20〜95%、好ましくは30〜85%であ
る。
【0017】本発明に使用される第3級アミノ基を有す
るポリエーテルポリオール(NPO)は、化1のアミン
ジオールを強酸触媒により重縮合させて得られるが、化
1のR1 、R2 およびR3 の炭素数の合計が2〜
10、好ましくは3〜8のアミンジオールを用いること
が好ましい。合計の炭素数が3以下の場合は、親水性が
大きく、水および血漿の透過性が大きくなると同時に高
吸水性のため、4級化後ヘパリン化しても、ヘパリンの
放出速度が早く長期に渡る血液適合性が得られない。ま
た炭素数合計が10を越えると第3級アミノ基の窒素原
子の回りの立体障害が大きくなり、4級化が困難となる
。また例え4級化を進行させたとしても立体障害大き過
ぎるために、ヘパリンとの造塩結合が弱くなり、ヘパリ
ン化が不十分となり長期の血液適合性を達成することが
困難である。またR1 、R2 およびR3 いずれも
直鎖のアルキル基であることが好ましい。
【0018】本発明に用いられるアミンジオールの好適
な例としては、3−エチル−3−アザ−1,5−ペンタ
ンジオール、3−プロピル−3−アザ−1,5−ペンタ
ンジオール、3−ブチル−3−アザ−1,5−ペンタン
ジオール、3−ペンチル−3−アザ−1,5−ペンタン
ジオール、3−ヘキシル−3−アザ−1,5−ペンタン
ジオール、3−ヘプチル−3−アザ−1,5−ペンタン
ジオール、3−オクチル−3−アザ−1,5−ペンタン
ジオール、3−デシル−3−アザ−1,5−ペンタンジ
オール、4−メチル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオ
ール、4−エチル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオー
ル、4−プロピル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオー
ル、4−ブチル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオール
、4−ヘプチル−4−アザ2,6−ヘプタンジオール、
4−オクチル−4−アザ−2,6−ヘプタンジオールな
どがあげられる。触媒として使用される強酸としては、
亜燐酸、次亜燐酸、ピロ燐酸、p−トルエンスルホン酸
、メタンスルホン酸などがあり、これらは上記アミンジ
オールにたいして0.01〜8モル%、好ましくは、0
.1〜3モル%の割合で使用される。
【0019】化1で示されるアミンジオールとともに、
必要に応じて他のジオールが用いられ得る。そのような
ジオールとしては、炭素数2〜20の脂肪族または脂環
族ジオールおよび/または分子量150〜2000のポ
リオキシアルキレングリコールがある。上記脂肪族また
は脂環族ジオールの例としては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどがある。 上記ポリオキシエチレングリコールの例としては、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコールなどがある。これらDI、N
OPS、NPO、およびその他ジオールの選定は本発明
の範囲を逸脱しないことを条件に行うべきであることは
いうまでもない。
【0020】アミノポリエーテルポリオールを調製する
には、まず、化1のアミンジオールに必要に応じて他の
ジオールを混合し、上記触媒を加え、常圧下で150〜
270℃、好ましくは200〜250℃に加熱し、生成
する水を留去しながら、1〜30時間、好ましくは3〜
20時間にわたり反応させる。次いで、0.5〜6時間
、好ましくは1〜4時間をかけて、10mmHg以下、
好ましくは3mmHg以下の減圧とする。この減圧状態
、かつ上記温度下で1〜10時間、好ましくは2〜7時
間反応させると、分子量200〜8000、好ましくは
500〜4000のアミノポリエーテルポリオールが得
られる。このアミノポリエーテルポリオールの塩基性窒
素含量は1.0〜15.0%、好ましくは2.0〜11
.0%である。本発明のポリウレタンまたはポリウレタ
ンウレアの調製時には、上記各方法で得られたアミノポ
リエーテルポリオールは、分子内に存在する第3級アミ
ノ基が、該ポリウレタンまたはポリウレタンウレア中に
0.01〜3.00mmol/g、好ましくは0.05
〜2.00mmol/gとなるような割合で使用される
【0021】本発明のポリウレタンまたはポリウレタン
ウレアの調製に、必要に応じて用いられる他のポリオー
ルまたはポリアミンは、例えば低分子量鎖延長剤や高分
子量ポリオールである。低分子量鎖延長剤としては、ジ
オール類、ジアミン類およびオキシアルキレングリコー
ル類がある。上記ジオール類としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール
、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール
、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノールな
どの炭素数2〜20の脂肪族および/または脂環族ジオ
ール類がある。上記ジアミン類としては、エチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、1,4−テトラメチレンジ
アミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジ
アミノシクロヘキサン、4,4′−ジアミノジフェニル
メタン、キシリレンジアミンなどの脂肪族および/また
は芳香族ジアミン類がある。
【0022】上記オキシアルキレングリコール類として
は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコールおよび/またはテトラプロピ
レングリコールなどの炭素数5〜30のオキシアルキレ
ングリコール類がある。これら低分子量鎖延長剤のうち
では、特にエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−
ブチレンジアミンおよび1,6−ヘキサメチレンジアミ
ンが特に好ましい。上記高分子量ポリオールとしては、
ポリオキシアルキレングリコールやポリエステルジオー
ルが挙げられる。ポリオキシアルキレングリコールとし
ては、分子量300〜15000、好ましくは800〜
8000のポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどがある。 ポリエステルジオールとしては、炭素数2〜10の脂肪
族ジオールと炭素数6〜16の脂肪族ジカルボン酸類と
から得られるポリエステルジオール;ε−カプロラクト
ンなどのカプロラクトン類から得られるポリエステルジ
オールなどがある。これら高分子量ポリオールのうちで
はポリエステルジオールが好適である。高分子量ポリオ
ールは、得られるポリマー中の含量は50%以下、好ま
しくは30%以下である。
【0023】本発明のポリウレタンおよびポリウレタン
ウレアは、いずれも公知の方法で調製され得る。例えば
、溶液重合法によりポリウレタンを調製するには、まず
、化2で示され、分子末端に水酸基またはアミノ基を有
するポリシロキサン、およびジイソシアネート、さらに
必要に応じて上記高分子量ポリオールをイソシアネート
基に不活性な溶媒に溶解させ、30〜150℃、好まし
くは40〜120℃で5〜300分間、好ましくは15
〜120分間にわたり、窒素気流下にて攪拌しながら反
応を行う。これに前記のアミノポリエーテルポリオール
(NPO)および必要に応じて上記低分子量鎖延長剤(
低分子量ジオール)を添加し0〜100℃、好ましくは
5〜80℃にて15〜300分間反応させて鎖延長し、
高分子量化を行う。
【0024】ここで使用される溶媒としてはジオキサン
、テトラヒドロフラン、クロロホルム、四塩化炭素、ベ
ンゼン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、N
,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセト
アミド、N−メチルピロリドン、これらの混合物などが
挙げられる。特に、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミドおよびこれらの混合物が
好ましい。反応時には、必要に応じて重合触媒が加えら
れる。触媒としては、ジブチルチンジラウレートなどの
錫系触媒、テトラブトキシチタンのようなチタン系触媒
または他の金属触媒が挙げられる。触媒は、反応液中に
1〜500ppm、好ましくは5〜100ppmの含有
で添加される。ポリウレタンの調製には、使用される上
記各モノマー成分を1度に仕込んで溶融重合する方法も
採用され得る。
【0025】上記重合反応において、各成分の混合モル
比は次のとおりである:ポリシロキサンポリオールと、
アミノポリエーテルポリオールとのモル比は100/1
〜1/3、好ましくは20/1〜1/5;ポリシロキサ
ンポリオール、およびアミノポリエーテルポリオールす
なわちNOPS+NPOと、(必要に応じて使用される
)低分子量鎖延長剤であるポリオールとのモル比は1/
100〜1/1、好ましくは1/30〜1/2;全ポリ
オールとジイソシアネートとのモル比は10/8〜8/
10、好ましくは10/9〜9/10である。
【0026】本発明のポリウレタンウレアは、公知のポ
リウレタンウレアの製法のいずれを用いても調製され得
る。そのなかでも特に溶液重合法が好適である。ポリウ
レタンウレアを溶液重合法により調製する場合に、ポリ
シロキサンポリオール、アミノポリエーテルポリオール
、それに必要に応じて高分子量ポリオールなどが用いら
れる。この場合には、これらとジイソシアネートを不活
性溶媒に溶解させる。これを上記ポリウレタンの場合と
同様に0〜150℃、好ましくは10〜100℃で5〜
300分間、好ましくは15〜120分間にわたり反応
させる。これを0〜40℃、好ましくは5〜20℃に冷
却し、前記化2で示され、末端にアミノ基を有するポリ
シロキサン、および必要に応じて低分子量鎖延長剤(低
分子量ジアミン)を不活性溶媒に溶解させたものを滴下
し、反応させると所望の分子量のポリウレタンウレアが
得られる。この反応においては、生成するポリマーがウ
レア結合を有するため、使用する溶媒としてはN,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
およびN−メチルピロリドンのようなアミド系溶媒;ま
たはそれらとジオキサン、テトラヒドロフランなどとの
混合溶媒が好適である。生成するポリマーの溶解性を高
める目的で、LiCl、LiBr、CaCl3 などの
塩類を添加することも推奨される。各成分の配向割合な
ど、その他の条件については、ポリウレタンの場合に準
じる。
【0027】このようにして得られる本発明のポリウレ
タンまたはポリウレタンウレアは、後述のように中空糸
状もしくは薄膜状に成形されて気体透過性材料として人
工心肺装置などに用いられる。さらに、本発明のポリウ
レタンまたはポリウレタンウレアは、その分子内の3級
アミノ基を4級化すること、そしてそれにヘパリンもし
くはその類似化合物(以下、ヘパリン類とする)を結合
させることが可能である。そのようにすることにより血
液適合性がさらに向上する。ヘパリン類の結合は、ポリ
ウレタンまたはポリウレタンウレアを4級化剤で処理す
ることにより分子内の3級アミノ基を4級化し、次にヘ
パリン類で処理してポリイオンコンプレックスを形成さ
せることにより行われる。このような4級化剤としては
炭素数1〜10、好ましくは2〜8のアルキルハライド
、アラルキルハライド、アリルハライドおよび活性エス
テルのうちの少なくとも1種が用いられる。これら4級
化剤のうち、炭素数1〜10、好ましくは2〜8のアル
キルハライドが好適である。4級化剤は、ポリマー中の
3級アミノ基に対して0.1〜10.0モル倍、好まし
くは0.5〜5.0モル倍の割合で用いられる。ポリウ
レタンまたはポリウレタンウレアの4級化には、例えば
、これらポリマーを適当な溶媒に溶解させて、これに上
記4級化剤を加えて反応させる方法;またはポリマーを
成形した後に上記4級化剤溶液を接触させて反応させる
方法により行われる。溶液中で反応させる方法がより好
ましい。例えば、ポリウレタンまたはポリウレタンウレ
アの重合終了後の溶液に4級化剤を添加し、20〜10
0℃、好ましくは40〜80℃で0.1〜60時間、好
ましくは1〜30時間反応させる。このようにして4級
化された3級アミノ基の4級化率は1〜100%、好ま
しくは10%以上である。
【0028】4級化されたアミノ基を含有するポリウレ
タンまたはポリウレタンウレアは所望の膜、中空糸など
の成形品とされる。これにヘパリン類を接触させること
により該ヘパリン類を結合させる(ヘパリン化する)。 例えば、上記4級化されたアミノ基を有するポリウレタ
ンまたはポリウレタンウレア成形体を、ヘパリン類を0
.1〜10%、好ましくは0.5〜5%の割合で含有す
る水溶液、(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、テトラヒドロフランまたはエタノールなどの水溶
性溶剤と水との混合溶剤)に20〜100℃、好ましく
は40〜80℃で、0.1〜40時間、好ましくは0.
5〜30時間にわたり浸漬することによりヘパリン化が
行われる。ここでヘパリン類とは、ヘパリン:コンドロ
イチン硫酸、−SO3 H、−NHSO3 H基などを
有する天然または合成高分子化合物などを包含していう
【0029】本発明のポリウレタンまたはポリウレタン
ウレアは、例えば常法により中空糸状に紡糸して中空糸
膜とし、あるいは適当な溶媒に溶解させて平板上に流延
・乾燥して薄膜状に成形される。さらに必要に応じて、
これを上記のようにヘパリン化し、所望の気体透過性材
料とされる。本発明の材料を人工心肺装置における酸素
交換膜として利用すると、酸素/炭酸ガス交換が有利に
行われる。かつ該材料は血液適合性に優れるため血液凝
固や補体の活性化に起因するショック症状などが極めて
起こりにくい。ヘパリン化した材料を使用すると、ポリ
マー上のヘパリン類がスローリリースされるため、さら
に抗凝固性に優れる。このように本発明の材料は、例え
ば、長期間肺機能を代行するECMOにも効果的に利用
され得る。さらに、本発明材料は、呼吸器系患者の酸素
吸入療法に用いられる医療用酸素富化膜、ガス燃焼用酸
素富化膜などに利用され得る。優れた抗血栓性を利用し
て、血液が接触する医療用具のコーティング材料として
使用することも推奨される。
【0030】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。実
施例中の部は重量部を意味する。 〈実施例1〉4−メチル−4−アザ−2,6−ヘプタン
ジオール1472部、1,6−ヘキサンジオール591
部および亜燐酸12.3部をオートクレーブに仕込攪拌
しながら、窒素気流化、定圧で200〜220℃にて2
6時間加熱し、生成水を留去しながら反応を行なった。 次いで、220℃で760mmHgから0.3mmHg
まで2時間かけて減圧し、さらに、220℃、0.3m
mHgで3時間反応を継続させた。このようにして、O
H価57.3、塩基性窒素6.11mmol/gのアミ
ノポリエーテルポリオール(a)を得た。数平均分子量
1800の下記化3で表わされるポリジメチルシロキサ
ンジオール1800部、
【0031】
【化3】
【0032】上記アミノポリエーテルポリオール(a)
300部、1,4−ブタンジオール90.1部、ジブチ
ルチンジラウレート0.3部および4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(以下MDIと略記する)5
54部をテトラヒドロフラン(以下THFと略記する)
1994部およびジメチルホルムアミド(以下DMFと
略記する)3887部の混合溶媒に溶解し、窒素気流下
で40℃で1時間、さらに60℃で15時間反応させた
。このようにして固形分32%、粘度3200ポイズ(
30℃)のベースポリマー溶液Aを得た。この溶液にD
MFを追加し、攪拌して5%溶液とした。5%溶液10
gを水平に保った100cm2 のガラス居た上に均一
に塗布した後、40℃で1時間、60℃で2時間、窒素
気流下で乾燥後、60℃で減圧乾燥を15時間行ない、
50μm厚みのベースポリマーフイルムAを得た。
【0033】さらに、DMFで稀釈して得た10%ベー
スポリマー溶液100部に沃化ヘキシル4.58部を加
え、70℃で攪拌しながら反応させて、ベースポリマー
中の3級アミノ基の4級化を行った。この溶液をジオキ
サンで稀釈して5%溶液とし、上記ベースポリマーAの
場合と同様にして、50μm厚の4級化ポリマーフイル
ムAを得た。このベースポリマーフイルムAおよび4級
化ベースポリマーフイルムA約0.2gをそれぞれ正確
に秤量し、ジオキサン/エタノール(7/3容量比)混
合溶媒50mlに溶解し電位差滴定装置(平沼製作所製
、Comtite−7)を用いて、N/10−HC10
4 ジオキサン溶液で滴定し、その変曲点より塩基性窒
素含量を測定したところ、ベースポリマーフイルムAの
塩基性窒素含量は0.67mmol/kg、4級化フイ
ルムAのそれは0.25mmol/gであった。この結
果より、4級化率は約63%であることがわかる。次い
で、このフイルムの酸素の透過係数をガス透過率測定装
置(柳本社製)を用いて測定したところ、ベースポリマ
ーAは1.23×10−8cm3 (STP)cm/c
m2 ・sec・cmHg、4級化フイルムAは1.4
8×10−8(以下、単位cm3 (STP)・cm/
cm2 ・sec・cmHgは省略する。)であった。 次に、各々のフイルムを1%ヘパリン水溶液に浸漬して
70℃で2時間処理してヘパリン化を行い、ヘパリン化
ベースポリマーフイルムAおよびヘパリン化4級化ポリ
マーフイルムAを得た。これらのフイルムを直径3cm
の円形に切り、37℃の生理食塩水中に1週間浸漬した
後、蒸留水でよく濯いでフイルム表面の水を濾紙で吸い
取った。このフイルムを直径10cmの時計皿の中央に
貼り付け、フイルム上にウサギ(日本白色種)のクエン
酸加血漿200μlを採取し、これに1/40モル濃度
の塩化カルシウム水溶液200μlを添加し、37℃の
恒温水槽中に時計皿を浮かせ、手で内液が混和するよう
に攪拌しながら、塩化カルシウム添加時から凝固(血漿
が動かなくなる点)までの時間を測定し、ガラス上での
凝固時間(対照として別に測定する)で除して、相対値
として表した。
【0034】また、各々の溶液をDMFで稀釈して1%
溶液とし、この溶液100mlに40〜60メッシュの
ガラスビーズを30分間浸漬して、その後、ガラスフィ
ルターで濾過し、窒素気流下40℃で3時間、減圧60
℃で12時間乾燥して、ガラスビーズ表面に各々のポリ
マーをコートした。このコートビーズ200mg、50
0μlのベロナール緩衝液および血清(健常人のプール
血清を使用した)をプラスチック試験管に加え、37℃
にて温和に振盪して30分間インキュベートした後、溶
血補体価(CH50と略記)およびC3a、C5aの生
成量を測定した結果を表1に示す。なお、CH50の測
定はMeyer法(Neyer,M.M.,“Comp
liment  and  Compliment  
fixation”Experimental  Im
mune  Chemistry,  2th  Ed
ition  pl33,  Charls  C. 
 Thomas  Publisher,  Stut
tgart,  1964)に記載の方法により、そし
てC3a、C5aの測定はUpjon社より販売されて
いるラジオイミュノアッセー用キットを用いて測定した
。また、得られた各種フイルムを20℃で蒸留水中に2
4時間浸漬した後、表面水をふき取り、重量を測定し、
吸水率を求めた。吸水率の算出は次式を用いて行なった
。 吸水率(%)={(W−D)/D}×100上式でWは
浸漬後のフイルム重量、Dは乾燥時のフイルム重量を示
す。以上の結果を下記表1に示した。なお表1における
酸素透過係数の単位は、(cm3 (STP)・cm)
/(cm2 ・sec・cmHg)である。
【0035】
【表1】
【0036】〈実施例2〉3−n−ブチル−3−アザ−
1,5−ペンタンジオール8040部および亜燐酸10
.3部をオートクレーブに仕込攪拌しながら、窒素気流
化、定圧で200〜230℃にて26時間加熱し、生成
水を留去しながら反応を行なった。次いで、230℃で
760mmHgから0.3mmHgまで2時間かけて減
圧し、さらに、230℃、0.3mmHgで3時間反応
を継続させた。このようにして、OH価64.7、塩基
性窒素6.75mmol/gのアミノポリエーテルポリ
オール(b)を得た。数平均分子量2040の化3で表
わされるポリジメチルシロキサン3240部、MDI 
 1195部、上記ポリアミノエーテルポリオ773.
4部、ジブチルチンジラウレート0.3部および1,4
−ブタンジオール191.1部をTHF3782部とD
MF  7564部との混合溶媒に溶解し、窒素気流下
、20℃で1時間、40℃に昇温して20時間反応させ
て、固形分32%、粘度1800ポイズ(30℃)ベー
スポリマー溶液(B)を得た。このベースポリマー溶液
Bを実施例1と同様に処理し、沃化ヘキシルにより4級
化した。さらに実施例1と同様にして、ベースポリマー
B、4級化フイルムBおよびヘパリン化フイルムBを得
た。これらの塩基性窒素含量は、それぞれ1.08mm
l/gおよび0.410mmol/gであった。この結
果より4級化率は約62%であることが分かる。次いで
、実施例1と同様にして、酸素透過係数、相対凝固時間
、補体活性および吸水率を測定した。結果を表1に示す
【0037】〈実施例3〉3−n−ヘキシル−ブチル−
3−アザ−1,5−ペンタンジオール8738部および
亜燐酸10.3部をオートクレーブに仕込攪拌しながら
、窒素気流化、定圧で200〜230℃にて26時間加
熱し、生成水を留去しながら反応を行なった。次いで、
230℃で760mmHgから0.3mmHgまで2時
間かけて減圧し、さらに、230℃、0.3mmHgで
3時間反応を継続させた。このようにして、OH価58
.7、塩基性窒素6.30mmol/gのアミノポリエ
ーテルポリオール(c)を得た。数平均分子量2040
の化3で表わされるポリジメチルシロキサン3240部
、MDI  1195部、上記ポリアミノエーテルポリ
オ827.3部、ジブチルチンジラウレート0.3部お
よび1,4−ブタンジオール191.1部をTHF38
02部とDMF  7604部との混合溶媒に溶解し、
窒素気流下、20℃で1時間、40℃に昇温して20時
間反応させて、固形分32%、粘度1830ポイズ(3
0℃)ベースポリマー溶液(C)を得た。このベースポ
リマー溶液Cを実施例1と同様に処理し、沃化ブチルに
より4級化した。さらに実施例1と同様にして、ベース
ポリマーC、4級化フイルムCおよびヘパリン化フイル
ムCを得た。これらの塩基性窒素含量は、それぞれ1.
08mml/gおよび0.410mmol/gであった
。この結果より4級化率は約62%であることが分かる
。次いで、実施例1と同様にして、酸素透過係数、相対
凝固時間、補体活性および吸水率を測定した。結果を表
1に示す。
【0038】〈比較例1〉実施例2でえたベースポリマ
ー溶液Bを用いて、実施例1と同様にして、ベースポリ
マーBを得た。さらに、実施例1と同様にして、沃化エ
チルで4級化し、4級化フイルムDおよびヘパリン化フ
イルムDを得た。これらの塩基性窒素含量は、それぞれ
1.08mml/gおよび0.210mmol/gであ
った。この結果より4級化率は約82%であることが分
かる。次いで、実施例1と同様にして、酸素透過係数、
相対凝固時間、補体活性および吸水率を測定した。結果
を表1に示す。
【0039】〈比較例2〉アクリルニトリル(24部)
と、アクリルアミド(89部)をジメチルスルホキシド
(126部)とよく混合した後、連鎖移動剤としてドデ
シルメルカプタン(0.2部)重合開始剤としてプロモ
ホルムを加えて、100W高圧水銀灯より10cmの距
離にて、7時間光照射することにより、光重合させた重
合原液を大量のメタノール中に流し込んで沈澱凝固させ
て幹ポリマー(24.4部)を得た。このようにして得
られた幹ポリマー10gをジメチルスルホキシド(12
0部)に溶解せしめ、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ートを加えて、100Wの水銀灯より10cmの距離に
て19時間光照射することにより、光グラフトさせて、
原液をメタノール中に流し込んで沈澱凝固させ、グラフ
トポリマー(12.8部)を得た。かくして得られたグ
ラフト重合体をジメチルホルムアミドに溶解し臭化エチ
ルを加え4級化した後、フイルムに成形した(E)。次
いで、実施例1と同様にして、酸素透過係数、相対凝固
時間、補体活性および吸水率を測定した。結果を表1に
示す。
【0040】表1の結果から明らかなように、ポリジメ
チルシロキサン単位を含まない比較例2(E)のポリマ
ーは気体透過性に乏しく、補体を活性化する、これにた
いして、実施例のポリマーは補体活性も抑制され、良好
な気体透過性を有する。比較例1のポリマー(D)はこ
の段階では実施例のポリマーと遜色ない性能を有してい
る。
【0041】〈実施例5〉実施例1〜3および比較例1
、2でえられたヘパリン化フルイムA〜Eを200ml
の生理食塩液に浸漬し、毎日生理食塩液を交換しながら
2週間溶出を行ない、この溶出フイルムについて相対凝
固時間を測定した結果を下記表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果から、吸水率が4%以下である
実施例のポリマーは、生理食塩液中で2週間溶出で行な
っても良好な血液適合性を有しているが、吸水率が大き
い比較例のポリマーはヘパリンの溶出が速いため、浸漬
時間が3日間を越えると全くヘパリンの効果がなくなり
、凝固する。以上の理由から本発明のポリマーは良好な
気体透過性および長期間の血液適合性を有することが明
らかである。
【0044】
【発明の効果】本発明の特定のポリウレタンまたはポリ
ウレタンウレアは、補体活性を抑制し良好な気体透過性
を有しており、かつ長期間の血液適合性を有するもので
あり、人工心肺装置、人工肺、ECMOなどの素材とし
て、すぐれた適性を有している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ジイソシアネート(DI)、イソシア
    ネート基と反応しうる水酸基またはアミノ基を分子末端
    に有するポリシロキサン(NOPS)、第3級アミノ基
    を有するポリエーテルポリオール(NPO)、および必
    要に応じて他のポリアミンまたはポリオールを反応させ
    て得られる、ポリウレタンまたはポリウレタンウレアを
    、該ポリウレタンまたはポリウレタンウレアに含まれる
    一部または全部の第3級アミノ基を、ハロゲン化アルキ
    ルまたは活性エステルで4級塩化した、ポリウレタンま
    たはポリウレタンウレアであって、吸水率が4重量%以
    下であることを特徴とする血液適合性に優れた気体透過
    性材料。
  2. 【請求項2】  請求項1におけるNPOが、下記の化
    1で示されるアミンジオールを50モル%以上含んでい
    ることを特徴とする血液適合性に優れた気体透過性材料
  3. 【請求項3】  請求項1および請求項2の材料をさら
    にヘパリン類で処理することによって得られることを特
    徴とする、血液適合性に優れた気体透過性材料。 【化1】 (化1におけるR1 とR3 は水素または炭素数が1
    から3のアルキル基を示し、R2 は炭素数が1から1
    0のアルキル基を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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