JPH0423454Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、マイコン制御炊飯器の機能部分を兼
用して米飯自動炊飯ならびに各種パン、主に食パ
ンを時間指定自動焼成することを可能とした電気
式パン自動焼成および自動炊飯器に関する。

（従来の技術） 自動炊飯器は古くから各種あるが、最近は電子
制御技術の発達によりマイコン制御時間指定自動
炊飯、２度炊き、むらし、電子保温等の多様な機
能を保有するようになつて来ている。

また電気炊飯器の発想をパンに応用し焼きたて
のパンを所望の時刻に焼上げる家庭用自動製パン
器も既に市販されている。これは電気炊飯器が洗
米した米と水の炊飯材料から出発するのと同様、
イースト、小麦粉、水のパン材料から出発して容
器内で底部の攪拌羽根等でこね合わせ、一定の低
い温度と時間をかけて発酵させ、続いて一定の高
い温度と時間をかけて加熱焼成するものであつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） 従来技術の前記の家庭用自動電気製パン器は、
パン材料のねり合わせの機構が概して複雑とな
り、発酵とう生物過程が入り、これにイースト菌
の活性、水温、小麦粉の種類、混練状態、添加
物、通気条件等が影響して発酵時間、発酵程度が
異なつて来る。これらの焼成前の工程は焼き上げ
たパンの品質の良否を左右することになるし、こ
れ等の条件に対応する制御も複雑化するので器械
の価格が概して高い。

本考案は従来技術のこれらの問題点に解決を与
え、格段に安価であつて、自動炊飯器とパン自動
焼成器の両機能を具え、特に安定した良品質の焼
きたてパンを得ることのできる技術乃至装置を提
供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 前記目的達成のため、本考案においては、パン
自動焼成の機能部分は業者から調整して提供され
る冷凍パン生地から出発することとし、適切なパ
ン生地の使用によりねり工程の手数の省略を可能
とするとともに、後の発酵および焼成を安定した
条件で行い得るようにし、さらに炊飯器としては
従来からあるマイコン制御自動炊飯器の機能部分
を使用し、その炊飯用内鍋に代えてパン専用のパ
ン焼成用内鍋およびパン型を用いてパン自動焼成
を行うようにする。自動炊飯とパン自動焼成との
電子制御は異なるようにしスイツチの切換えによ
り選択する。

すなわち、本考案の電気式パン自動焼成および
自動炊飯器は、その構成としては、加熱容量およ
び時間の制御可能な電気抵抗加熱ヒータを内蔵し
炊飯用内鍋を収容する外釜、内鍋に密接する加圧
用内蓋、外釜を閉鎖する外蓋からなる電子制御自
動炊飯器に加えて、炊飯用内鍋と交換収容でき底
部中央に開口部を有するパン焼成用内鍋、内鍋内
に非接触でその開口部上に支持されるパン生地を
容れるパン型ケースを付属させ、炊飯用加熱制御
系統と切換えられるパン焼成用温度および時間の
制御系統を電子式制御器に組込んだことを特徴と
するものである。

（作用） 本考案によると、炊飯時はセレクトスイツチを
炊飯接点に切換え炊飯用内鍋に米と水を入れ自動
炊飯サーモスタツトスイツチを入れることにより
従来どおり指定時間に炊き上げることができる。

パン焼成時は、パン焼成用内鍋を収容し、パン
型ケース内に小麦粉、イースト、水、付加材料を
調合混練して冷凍して置いたパン生地を入れて収
容し、マイコン制御をセレクトスイツチによりパ
ン焼成系統に切換え、所望時間に合わせてタイマ
ー制御で自動スタートさせることにより、パン生
地はパン焼成用内鍋内に位置するパン型ケース内
に仕込みパン焼成用内鍋内に収容する。パン焼成
時は切換スイツチをパン焼に切換え、内鍋内に少
量の水を入れる。水量は食パンで約２c.c.、パンの
大小により水量を増減する。次に焼上げ時間を指
定してパン焼用スイツチを入れる。製パン用マイ
コンスイツチの作動により温度は30〜40℃の発酵
と230〜250℃の焼成に自動的に切換えられる。時
間は時間指定用タイマーを併用してコントロール
する。

（実施例） 以下、本考案を第１〜３図を参照し実施例によ
り具体的に説明す。第１図は本考案の実施例の炊
飯時の縦断側面図、第２図はパン焼時に使用する
パン焼用内鍋とパン型ケースの縦断側面図、第３
図は回路図である。

第１図において、外釜１は耐熱性、断熱性を良
好とし、その内部の底部には熱源として約600W
のシーズヒータからなる電気抵抗加熱ヒータ２が
組込まれ、また炊飯用サーモスタツト３および炊
飯用スイツチ４が外釜外部のマイコン制御部５に
接続される。６はセレクトスイツチ、７は製パン
用マイコンスイツチ、８はパイロツトランプ、９
は温度ヒユーズである。

炊飯時に使用する炊飯内鍋１０は上部開放の容
器状で外釜１内に収容したとき、その上部外縁の
フランジ部１０ａは外釜の内周肩段１ａに載る。
蝶番開閉式の上蓋１１が外釜１上部に取付けられ
ており、上蓋１１の下面には圧力用内蓋１２が取
付けられていて、上蓋１１を閉鎖ロツクしたとき
に内鍋１０のフランジ部１０ａに密接して、密封
性、保温性を良好とする。

パン焼成時に炊飯用内鍋１０に置換えて使用す
るパン焼成用内鍋１３はその底部中央に開口部１
３ａが形成され、周辺部１３ｂは立上り縁１３ｃ
により水受けに形成されている以外は炊飯用内鍋
とほぼ同形で、その上部フランジ部１３ｄに上蓋
密閉時に内蓋１２が密接して良好な密閉性と保熱
性を保つ。パン焼成用内鍋１２はその周辺部１３
ｂがシーズヒータ２の上位に位置して効率良く受
熱するようになつている。パン焼時には、パン生
地を収容した上部開放のパン形ケース１４が収容
され、その座部１４ａで開口部１３ａを通して外
釜の受部１ｂに載せ支持され、一次的に受熱する
パン焼成用内鍋１３に接触しない。こうしてパン
型ケースはパン焼成用内鍋１３から伝熱により局
部加熱を受けることはなく全面均等温度に加熱さ
れ、パンの焼上り結果を良好とする。

（考案の効果） 以上のように、本考案はマイコン制御自動炊飯
器の機能部分を兼用し、比較的簡単な装備を追加
し、マイコン制御を切換えて作用させて従来に較
べて非常に安価な電気式パン自動焼成および自動
炊飯器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の電気式パン自動焼
成および自動炊飯器の炊飯状態の構成を示す縦断
側面図、第２図はパン焼成用内鍋とパン型ケース
との位置関係を示す縦断側面図、第３図は回路図
である。 １……外釜、１ａ……肩段、１ｂ……受部、２
……電気抵抗加熱ヒータ、３……炊飯用サーモス
タツト、４……炊飯用スイツチ、５……マイコン
制御部、６……セレクトスイツチ、７……製パン
用マイコンスイツチ、８……パイロツトランプ、
９……温度ヒユーズ、１０……炊飯用内鍋、１０
ａ……フランジ部、１１……上蓋、１２……内
蓋、１３……パン焼成用内鍋、１３ａ……開口
部、１３ｂ……周辺部、１３ｃ……立上り縁、１
３ｄ……フランジ部、１４……パン型ケース、１
４ａ……座部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 加熱容量および時間の制御可能な電気抵抗加
   熱ヒータを内蔵し炊飯用内鍋を収容する外釜、
   内鍋に密接する加圧用内蓋、外釜を閉鎖する外
   蓋からなる電子制御自動炊飯器に加えて、炊飯
   用内鍋と交換収容でき底部中央に開口部を有す
   るパン焼成用内鍋、内鍋内に非接触でその開口
   部上に支持されるパン生地を容れるパン型ケー
   スを付属させ、炊飯用加熱制御系統と切換えら
   れるパン焼成用温度および時間の制御系統を電
   子式制御器に組込んだことを特徴とする電気式
   パン自動焼成および自動炊飯器。 (2) パン焼成用内鍋の底部周辺に水受けを形成し
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載の電気式
   パン自動焼成および自動炊飯器。