JPH0423376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は引起し装置の後方に、複数個の掻込み
回転体を並設してあるコンバインの刈取前処理部
構造に関する。

〔従来の技術〕

この種の刈取前処理部構造において、前記複数
個の掻込み回転体のうち中間の掻込み回転体支持
枠０１７を支持するに、従来は、第６図に示すよ
うに、分草具支持杆０２から立上げた前部支持杆
０１８と、刈取装置０４近傍に設けられた横向き
伝動ケース０１５から立上げた後部支持杆０１９
とで支持していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前記中間掻込み回転体の近傍は両側方
が刈取穀稈の搬送径路で、かつ、その後方が搬送
合流点になつているので、前記後部支持杆がその
合流点部分に位置することになり、この後部支持
杆にワラ屑や雑草等が絡み付き、搬送詰りを引起
す要因になつていた。

本考案の目的は前記中間掻込み回転体支持杆に
対する支持構造の簡単な変更によつて、前記搬送
詰りを抑えることができるものを提供する点にあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による特徴構成は、引起し装置の後方
に、複数個の掻込み回転体を並設するとともに、
これらの掻込み回転体のうち中間に位置する掻込
み回転体の支持枠を、分草具支持杆から立ち上げ
た前部支持杆と、引起し装置背部上方に固定部か
ら下方に向けて延出した後部支持杆とで支持固定
し、前記前部支持杆を、前記掻込み回転体の前端
部よりも前方であつて、かつ、刈取装置よりも前
方側箇所において前記分草具支持杆から立ち上げ
延出してある点にあり、その作用効果は次の通り
である。

〔作用〕

つまり、前記後部支持杆を引起し装置背部上方
の固定部から下方に向けて延出した支持杆で構成
することによつて、前記合流点を大きく開放する
ことができ、多少の詰りが生じても、前記支持杆
がないだけに大きな塊りにならず、搬送穀稈によ
つて早期に取去ることができ、刈取穀稈の搬送が
スムースに行なえる。しかも、前部支持杆を刈取
装置よりも機体前方箇所で、かつ、掻込み回転体
の前端部よりも前方箇所から立ち上げ延出してあ
るので、刈取前の植立穀稈に対して振り分け分離
作用して、穀稈を有効に掻込み経路に案内するこ
とができ、刈取後の穀稈に対して作用する場合に
比較して稈の乱れが少ないものになる。

〔考案の効果〕

その結果、中間に位置する掻込み回転体の支持
構造を合理的に改良することで、掻込み回転体の
支持枠を前後支持杆により強固に支持すること
で、雑草やワラ屑等の夾雑物の詰まりに起因する
支持枠の損傷を有効に防止できるものでありなが
ら、穀稈の乱れや夾雑物の堆積を有効に阻止し
て、円滑な穀稈搬送を行なえるものを提供できる
に至つた。

〔実施例〕

第４図に示すように、分草具１を先端に備えた
分草具支持杆２を前方に延出するとともに、分草
穀稈を引起す引記し装置３、この引起し装置３よ
る引起し穀稈を刈取装置４側に係止搬送する突起
付搬送ベルト５及び刈取後の穀稈を集束する掻込
み回転体６を設け、更に、この刈取装置４による
刈取穀稈を穂先係止搬送装置と株元挟持搬送装置
とからなる縦搬送装置７によつて後部脱穀装置８
に搬送するようにコンバインの刈取前処理部構造
を構成してある。

前記引起し装置３を詳述すると、前記分草具１
後方近傍の分草具支持杆２から立上げた支持フレ
ーム９に対して緩後傾斜姿勢で引起しケース１０
を固着するとともに、複数個の引起しケース１０
に対応して設けられた各支持フレーム９の上端を
横姿勢の板状フレーム１１で連結し、この板状フ
レーム１１の一側端を機体フレームから延出の支
持フレーム１２に他端を後記する伝動ケース兼用
のフレーム１６に夫々取付け、引起し装置３の支
持構造を構成してある。前記板状フレーム１１に
沿つた姿勢で引起し装置３への伝動ケース１３を
架設し、この伝動ケース１３から各引起し装置３
の駆動輪体３Ａ側に向けて連結ケース１４を突設
してある。そして、この伝動ケース１３を刈取装
置４に駆動力を供給する横向きの駆動ケース１５
の一端から立上げた支持フレーム兼用の伝動フレ
ーム１６と連結して、引起し装置３の駆動構造を
構成してある。

前記掻込み回転体６について詳述すると、左右
両側に位置する駆動掻込み回転体６Ａに対して、
中央に位置する中間掻込み回転体６Ｂを左右何れ
かの駆動掻込み回転体６Ａと噛合せて駆動するよ
うに構成してある。

前記中間掻込み回転体６Ｂの支持構造について
詳述すると、前記中間掻込み回転体６Ｂを回転自
在に支持枠１７に枢支するとともに、前記支持枠
１７を前記分草具支持杆２から立上げた２本の前
部支持杆１８と、前記支持フレーム９の背部上方
から下方に向けて延出した後部支持杆１９とで支
持固定してある。

従つて、後部支持杆１９を上方から延出してあ
るので、中間掻込み回転体６Ｂの後方で搬送穀稈
合流部分を開放することができるので、穀稈詰り
を防止できる。又、前部支持杆１８は、前記掻込
み回転体６Ｂの前端部よりも前方であつて、か
つ、刈取装置４よりも前方側箇所において前記分
草具支持杆２から立ち上げ延出してある。

前記中間掻込み回転体６Ｂの上方に左右引起し
装置３，３によつて引起される穀稈の相手側への
倒れを防止する分草板２０を、前記後部支持杆１
９に抱合せ支持固定するとともに、引起し装置３
背面に他端を取付固定してある。

従つて、前記支持杆１９をこの分草板２０を支
持するフレームに兼用構成でき、別に専用のもの
を設ける必要がない。

〔別実施例〕

前記後部支持杆１９を前記引起し装置３への伝
動ケース１３から前記掻込み回転体支持枠１７に
向けて延出したもので構成し、前記伝動ケース１
３を引起し装置３背部上方の固定部に兼用構成し
てもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの刈取前処理部
構造の実施の態様を例示し、第１図は中間掻込み
回転体の取付構造を示す側面図、第２図は第１図
の−線断面図、第３図は引起し装置への駆動
構造を示す背面斜視図、第４図は全体側面図、第
５図は全体平面図、第６図は中間掻込み回転体の
従来の取付構造を示す側面図である。 ２……分草具支持杆、３……引起し装置、６…
…掻込み回転体、６Ｂ……中間掻込み回転体、１
７……支持枠、１８……前部支持杆、１９……後
部支持杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引起し装置３の後方に、複数個の掻込み回転体
   ６を並設するとともに、これらの掻込み回転体６
   のうち中間に位置する掻込み回転体６Ｂの支持枠
   １７を、分草具支持杆２から立ち上げた前部支持
   杆１８と、引起し装置３背部上方に固定部から下
   方に向けて延出した後部支持杆１９とで支持固定
   し、前記前部支持杆１８を、前記掻込み回転体６
   Ｂの前端部よりも前方であつて、かつ、刈取装置
   ４よりも前方側箇所において前記分草具支持杆２
   から立ち上げ延出してあるコンバインの刈取前処
   理部構造。