JPH0423369Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、ケーシングの前後部左右両側に配設
される接地走行車輪の位置を変更調節して刈り高
さを設定する縦軸回転型草刈機において、石等の
跳ね出しを防止すべく設置される安全カバー装置
に関している。

(ロ) 従来の技術 芝草などを刈取る草刈機としては、車輪走行す
るケーシングの内方で縦軸回転する刈刃によつて
草茎を切断してケーシング内の排草路から収集器
等に刈草を排出するようにし、その刈り高さを前
記車輪の位置移動調節によつて変更設定する形式
のものが最も多く普及しており、また、車輪位置
の調節は、最も構造が簡単で操作容易なことか
ら、レバー操作で車輪軸を円弧状に移動させる構
造で実施できるようにしたものが殆どである。

ところで、このような草刈機にあつては、高速
回転する刈刃に接当して接線方向に跳ね飛ばされ
る石などがケーシングの外方に飛び出してオペレ
ータや作業場所に居る他者或いは周囲の器物に対
して危害を加える心配があるので、石などの飛び
出しが殊に起り易い箇所、つまりケーシングの左
右両側部に、それ等の飛び出しを阻止する防護カ
バーを設置して安全性を向上しなければならない
のであるが、この種の草刈機では上述したよう
に、車輪軸の円弧状移動による車輪の位置変更で
ケーシング側を対地昇降させて刈り高さを調節す
るように構成されていて、刈り高さ調節に際しは
ケーシングと地面との間の空間が変化するから、
石などの飛び出しを阻止する防護カバーは、前記
空間の変化があつても常にその空間部を適正に覆
えるようにするために車輪の軸側に支承して設置
する必要がある。

そして、防護カバーを車輪の軸側に支承して設
ければ、車輪の位置変更に伴つて防護カバーも追
動して、その防護カバー下端と地面との間が一定
に保たれ、同部からの石等の飛び出しは的確に防
止されることになるけれども、車輪軸の円弧移動
で車輪位置が変更されて上下方向のみならず前後
方向にも位置変化するから、車輪の軸に支承され
ている防護カバーは前後方向にも位置変化し調節
位置によつては車輪と防護カバーとの平面視にお
ける隙間が広くなつてしまつて、その隙間部分か
ら石などが飛び出してしまうという問題点が残る
のである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案は上述の点に鑑みて実施するもので、刈
り高さ調節のために車輪位置が変更されても、常
に地面との間ならびに車輪との間の両部からの石
などの飛び出しを的確に防止することができるよ
うに配慮工夫した安全カバー装置の提供を目的と
して実施したものである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 つまり、本考案の草刈機における安全カバー装
置は、ケーシングの前後部左右両側に配設する車
輪を、それらの車軸を円弧移動させることによつ
て位置移動して刈り高さ調節する構成の縦軸回転
型草刈機において、前記ケーシングの左右両側に
は、前車輪と後車輪の車軸に支承され車輪位置調
節に伴つて移動するカバー体を装設し、車輪の位
置移動で変化するカバー体と車輪間の平面視にお
ける隙間部を塞ぐ補助カバーをケーシング側に設
置して構成したことを特徴としている。

(ホ) 作用 本考案による安全カバー装置は、上記特徴の装
置に構成されているから、車輪軸の円弧移動で車
輪の位置を変更して刈り高さを調節設定する、最
も構造簡単で操作容易な調節手段を採つて草刈機
全体を簡潔低廉にする一方で、カバー体は、地面
との間の空間部からの石などの飛び出しを常に的
確に阻止できるように車輪の位置変化に応動する
構造で設置しても、車輪とカバー体との間に生ず
る平面視の隙間部分から石などが飛び出すことが
ないように確実に防護できることになつて、全体
としての安全性が著しく向上されるのである。

(ヘ) 実施例 以下、本考案の実施態様を、実施例の図面にし
たがつて詳細に説明する。

先ず、草刈機全体の概略構成を、第１図と第２
図によつて説明すると、１は鉢を伏せたような外
観形状に形成されるケーシングで、該ケーシング
１の上部にはエンジン２が搭載され、そのエンジ
ンの出力軸ないし同軸に連動連結される刈取駆動
軸３がケーシング１の内方に垂設され、同軸のケ
ーシング内垂下部分に刈刃４が嵌着され、この刈
刃４の回転で草茎を切断し、ケーシング内方に形
成される排草路（図示省略）を経てケーシング後
方に装備の収集器５内に刈草を送出するようにし
て構成されている。

また、ケーシング１外方の前後左右両側部に
は、それぞれ左右の前輪６，６と左右の後輪７，
７とが配設されて四輪走行型に構成され、その運
行操作はケーシングから後上方に延設される操縦
ハンドル８部で行なうようにして構成されるが、
前記の各車輪６，６，７，７は、操作レバー９…
…を回動して任意の掛止位置で固定することによ
り各車輪の軸１０……を回動支点１１……中心で
円弧移動させて位置変更調節できるように設けら
れている。

そして、前記の全体構成になる草刈機におい
て、ケーシング１の左右両側には、石などの飛び
出しを阻止するカバー体１２，１２が装設される
が、それらのカバー体１２は、左側の要部を拡大
して図示する第３図と第４図にみられるような構
造で設置されている。

つまり、各カバー体１２は側面視で前後方向に
長く形成され、その前部の孔を前車輪６の軸１０
に嵌入して枢支するとともに、後部の長孔１３を
後車輪７の軸１０に嵌装して取付けられ、前後車
輪６，７の位置が変更されればカバー体１２も共
に移動するようにして設置される。そして、各カ
バー体１２の上下方向壁部１２ａが、前後車輪
６，７間に垂下して同部分の空間外方を覆い、ま
た、上下方向壁部１２ａに連設される水平方向壁
部１２ｂが前後車輪６，７間の平面視における空
間内に入り込んで位置して、その空間を覆うよう
に形成されるのである。

尚、カバー体１２における水平方向壁部１２ｂ
前後端部は、車輪６，７の移動によつてそれらと
干渉することがないように、車輪との間に相当の
間隔を持つようにして形成されるのであり、この
ために生ずる壁部１２ｂ端部と車輪との間の隙間
Ａ部を塞ぐ補助カバー１４を、前記ケーシング１
下端に取付けて前記隙間Ａ部に張出し位置させる
ように構成しているのである。

したがつて実施例の装置では、刈り高さの調節
のために車輪の位置が変更されても、カバー体が
それと共に移動して上下方向壁部１２ａ下端と地
面との間は常に一定に保たれ、しかも、水平方向
壁部１２ｂ端と車輪との間の部分に生ずる平面視
での隙間は、補助カバー１４によつて塞がれるの
で、どの刈り高さ調節設定位置で作業されても常
に確実に石等の外方飛び出しを防止することがで
きるのである。

(ト) 考案の効果 以上の説明してきたように本考案は、ケーシン
グ１の前後部左右両側に配設する車輪６，７……
を、それらの車軸１０……を円弧移動させること
によつて位置移動して刈り高さを調節する構成の
縦軸回転型草刈機において、前記ケーシング１の
左右両側に、前車輪６と後車輪７の車軸１０，１
０に支承され車輪の位置調節に伴つて移動するカ
バー体１２，１２を装設し、車輪の位置移動で変
化するカバー体と車輪との間の平面視における隙
間Ａを塞ぐ補助カバー１４をケーシング１側に設
置した安全カバー装置に構成しているから、構造
簡単で操作容易な刈り高さ調節構造にして草刈機
全体を簡潔低廉にできながら、どの刈り高さ調節
位置で作業するときにも車輪の位置移動に追動す
るカバー体と補助カバーとの協同で石などの外方
飛び出しを確実に防止して、常に安全に作業でき
る利点がある。

また、補助カバーの端部が車輪に接近して位置
するので、車輪に対してのスクレーパとしての役
目も果たすことになり、さらに、補助カバーが実
施例の如くケーシング下面に取付けられるときに
は、ケーシングを防護する役目をも果たすことに
なるといつた２次的な効果も期待できるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考
案装置による草刈機の全体平面図、第２図は同じ
く全体側面図、第３図は草刈機の左半要部の拡大
平面図、第４図は第３図の側面視図である。 １……ケーシング、６……前車輪、７……後車
輪、１０……車軸、１２……カバー体、１４……
補助カバー体、Ａ……隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーシング１の前後部左右両側に配設する車輪
   ６，７……を、それらの車軸１０，１０……を円
   弧移動させることによつて位置移動して刈り高さ
   調節する構成の縦軸回転型草刈機において、前記
   ケーシング１の左右両側に、前車輪６と後車輪７
   の車軸１０，１０に支承され車輪の位置調節に伴
   つて移動するカバー体１２，１２を装設し、車輪
   の位置移動で変化するカバー体と車輪との間の平
   面視における隙間Ａを塞ぐ補助カバー体１４，１
   ４をケーシング１側に設置して構成したことを特
   徴とする縦軸回転型草刈機における安全カバー装
   置。