JPH0343944Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、ケーシング内で回転する刈刃によつ
て切断した刈草を、ケーシングの刈草排出口から
送出する形式の草刈機に係り、更に詳しくは、前
記刈草排出口部からの石等の跳ね出しを阻止する
装置に関する。

(ロ) 従来の技術 上記草刈機は、回転刈刃を内包するケーシング
を主部材として組成される機体の四隅部に走行車
輪を配して自走式に構成され、走行車輪の位置を
上下調節して前記回転刈刃の対地高さを変えるこ
とによつて任意の刈高さに設定できるように構成
される。

故に、刈取を行う場所に小石等があると、それ
が回転刈刃に触れて飛ばされ、刈草と共にケーシ
ングの刈草排出口から勢いよく跳ね出されること
になつて、オペレータや周囲の器物に衝突する危
険性があり、特に、回転刈刃の対地高さを低く設
定したときにその傾向が著しくなる。

このため、従来から、ストンガードと呼ばれる
防護具を前記ケーシングの刈草排出口部に装備す
ることが行われている（例えば、特開昭57−
177611号公報、実開昭53−165060号公報参照）。

(ハ) 考案が解決しようとする課題 ところで、従来のストンガードは、走行車輪の
上下位置調節部に関連せず、ケーシングなどの機
体組成部材に独立に取り付けられていたので、刈
高さを変える為に走行車輪の上下位置が変えられ
て機体の対地高さが変わつた時には、ストンガー
ドを上下に位置調節して地面とストンガード下端
との隙間が適正になるようにする別の所作が必要
であつた。

そのため、刈高さ調節の際の所作が面倒であ
り、地面とストンガード下端との隙間を適正に保
つための所作が忘れられたり放置されたりし易
く、高刈り状態に変更された場合にストンガード
を降下させる所作がされなければ、地面とストン
ガード下端との隙間が大きくなつて小石等の阻止
作用が不完全になり、また、低刈り状態に変更さ
れた時にストンガードを引き上げる所作がされな
ければストンガードが刈跡を傷付けて仕上がりを
悪くするといつた不具合が起きていた。

本考案は、上記の問題点に着目し、それらの問
題点を解消することを目的として実施したもので
ある。

(ニ) 課題を解決するための手段 すなわち、本考案装置は、回転刈刃５を内包す
るケーシング２を主体として組成された機体に軸
装する前方車輪７，７及び後方車輪８、８を上下
位置調節して刈高さを変更設定するように構成
し、且つ、前記ケーシング２の刈草排出口部にス
トンガードＧを取り付けて構成される草刈機にお
いて、前記ストンガードＧを後方車輪の位置調節
に伴つて上下移動する車軸１４，１４に取付けて
あることを特徴とする。

そして、前方車輪７，７及び後方車輪８，８を
個々に上下位置調節するように設け、且つ、スト
ンガードＧの車軸１４への取付部、又はストンガ
ードＧ自体が、車輪位置調節時の機体の傾きによ
つて付与される偏負荷を吸収緩和する構造で設け
るのが好ましい。

(ヘ) 実施例 以下、本考案の実施例について図面を参照して
説明する。

本考案を適用する草刈機の要部は、第１図に示
されており、同図中の１は原動機で、これはケー
シング２の上面に設置され、ボンネツト３内に収
容されている。

ケーシング２は、その後部が開口され、内部に
は刈草を後部の刈草排出口４に向けて送出案内す
るダクトを設けて形成されており、後面開口部に
近い内方下部には、跳ね出し翼を持つた回転刈刃
５が設けられている。

回転刈刃５は、縦軸回転形になつており、前記
原動機１の出力軸６に、クラツチ及びブレーキを
有する伝動部７を介して連動連結されている。

また、ケーシング２は、その外方前後左右４個
所に配設される車輪７，７及び８，８によつて支
持され、後方の車輪８，８を動力断続自在の伝動
部９により原動機出力軸６に連動連結される車輪
駆動部１０でもつて強制駆動して走行するように
なつている。

なお、走行操縦ならびに前記伝動部７，９の運
転操作は、後方向きに延設される操縦ハンドル部
１１で行えるようになつている。

後方の車輪８，８は、車輪駆動部１０の出力軸
１２を中心に回動できる支持アーム１３に設置さ
れた車軸１４に支持させて、調節レバー１５の回
動調節固定操作によつて前記出力軸１２中心に上
下する車軸位置の移動で上下位置を変更調節でき
るように設けられている。

なお、前方の車輪７，７も、回動視点軸１６か
ら延設される支持アームに車軸１７を支承させ
て、その支持アームを前記同様に調節固定操作が
できる調節レバー（図示されていない）で揺動さ
せることにより、後方車輪と同様に上下に位置を
変更できるように設けられるのであり、このよう
な前後車輪の上下位置調節を任意に行うことで、
回転刈刃５の対地高さ、つまり刈高さを任意に変
更設定できるようになつている。

前記後方車輪８，８の各車軸１４，１４は、ケ
ーシング２におけるダクトの刈草排出口４部の両
外側方に位置し、その車軸１４，１４の一部を支
持部としてストンガードＧが取り付けられるので
あり、次のような構造で取り付けられている。

ストンガードＧは、丸棒等からなるフツク部材
１８，１８と、板体２０とから構成される。そし
て、フツク部材１８，１８は、上端部が輪状に彎
曲され、その輪状部を緩い状態で車軸１４，１４
に外嵌することによつて軸装される（殊に、第３
図参照）。

一方、フツク部材１８，１８の遊端がわは、互
いに相手方に近づく方向に折曲されて取付部１
９，１９に形成され、板体２０の左右両側上隅部
に設けられた挿し込み筒部２１，２１を、取付部
１９，１９にそれぞれ回動自在に嵌装して取り付
けられて、ストンガードＧが前記車軸への取付
部、およびフツク部材と板体の連結部の２個所で
動き得る融通のある構造で取付けられている。

また、第４図と第５図に示す別実施例は、前記
第１実施例に対して、フツク部材１８，１８部分
が、ゴム、合成樹脂等の可撓部材２２，２２で形
成されている点が異なり、他は第１実施例とほぼ
同様の構成になつている。

そして、可撓部材２２，２２の上端は車軸１
４，１４に外嵌装着され、また、剛体部材２４か
らなる板体を、ボルト等の固定具２３で可撓部材
２２，２２の下垂端部に取り付けている。

さらに、第６図に示す第３実施例では、車軸１
４への嵌挿部合部を鉄板等の剛体材で形成し、そ
の剛体材の下垂脚部２５，２５の間に可撓材で形
成する板体の上端部を挟み込んで固定具２６で止
めたストンガードＧとしている。

以上のような構成になるストンガードＧが装備
された草刈機にあつては、回転刈刃５の対地高さ
を変更するために、前方車輪７，７の上下位置変
更調節に合わせて、後方車輪８，８の上下位置変
更が行われると、その調節所作に伴つて上下移動
する車軸１４、１４と共にストンガードＧが自動
的に上下移動し、どのような調節位置になつても
ストンガード下端と地面との隙間は適正に保たれ
る。

なお、前方車輪７，７と後方車輪８，８の上下
移動は、全てが同時に行われるのではなく、４車
輪が個々に上下に動かされるのである。

したがつて、回転刈刃５を上げたり下げたりす
る場合に、前方車輪７，７の下降が先に行われる
と機体が後低に傾斜するし、前方車輪７，７の
個々に上下させる過程では左右にも傾く、また、
後方の左右車輪８，８の個々が上下されるときに
も左右に傾く、故に、車軸に装備されているスト
ンガードＧも傾いて、そのストンガードの低い方
の下端が強く地面に押しつけられるようなことに
なつて車軸１４部に強い捩じり負荷が掛かる状態
になるのであるが、本考案にあつては、第１実施
例〜第３実施例にいずれにおいても、ストンガー
ドＧが傾いて接地することよつてもたらされる偏
負荷を吸収緩和する構造になつているので、車軸
１４部に強い捩じり負荷を与えることがない。

(ト) 考案の効果 本考案装置が適用された草刈機においては、回
転刈刃５の対地高さを変更設定するために、後方
車輪８，８の上下位置変更が行われると、その調
節所作に伴つて上下移動する車軸１４、１４と共
にストンガードＧが自動的に上下移動して、どの
ような調節位置になつてもストンガード下端と地
面との隙間が常に適正に保たれるので、高刈り時
にストンガード下端との隙間が大きくなつた侭で
放置されたり、また、低刈り時にストンガードが
刈跡を傷付けて仕上がりを悪くするといつたこと
がなくなる。

また、前方車輪７，７及び後方車輪８，８を
個々に上下位置調節するものにおいて、ストンガ
ードＧの車軸１４への取付部又はストンガードＧ
自体が、車輪位置調節時の機体の傾きによつて付
与される偏負荷を吸収緩和する構造で設ける場合
には、車輪を個々に上下させる過程で機体が左右
に傾くことによりストンガードに低い方の下端が
地面に押しつけられても、これによつてもたらさ
れる偏負荷を吸収緩和して車軸１４部に強い捩じ
り負荷を及ぼすことがないので、車軸部等が変形
したり故障したりする事故が起きない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が実施された草刈機の要部構造
を示す一部破断側面図、第２図はその要部拡大
図、第３図は第２図のＡ−Ａ線で切断した左半部
の断面図、第４図は第２実施例の要部構造を示す
一部破断背面図、第５図は第４図のＢ−Ｂ断面
図、第６図は第３実施例を示す第５図と同様の断
面図である。 ２……ケーシング、５……回転刈刃、７……前
方車輪、８……後方車輪、Ｇ……ストンガード、
１４……車軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 回転刈刃５を内包するケーシング２を主体と
   して組成された機体に軸装する前方車輪７，７
   及び後方車輪８，８を上下位置調節して刈高さ
   を変更設定するよう構成され、且つ、前記ケー
   シング２の刈草排出口部にストンガードＧを取
   り付けて構成される草刈機において、前記スト
   ンガードＧを後方車輪の位置調節に伴つて上下
   移動する車軸１４，１４に取付けてあることを
   特徴とする草刈機における石等の跳ね出し阻止
   装置。 (2) 前方車輪７，７及び後方車輪８，８を個々に
   上下位置調節するように構成され、且つ、スト
   ンガードＧの車軸１４への取付部、又はストン
   ガードＧ自体が、車輪位置調節時の機体の傾き
   によつて付与される偏負荷を吸収緩和する構造
   で設けられている実用新案登録請求の範囲(1)項
   記載の草刈機における石等の跳ね出し阻止装
   置。