JPH0343943Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、歩行形モーアに装着したストンガー
ドに関するものである。

〔従来の技術とその課題〕

一般にモーアは牧草の刈倒し機械を称している
が、これは放牧地や堤防の雑草処理などにも使用
され、更には、芝生の刈取にも使用されている。

そして、モーアにはロータリモーアがあつて、
その一つに、歩行形トラクタに刈刃を前装した小
形の草刈機があるが、かかるモーアの刈刃は、切
れ味をよくし、かつ、刈草放擲力の増強を図つて
いるので、この刈刃は先端速度で60ｍ／ｓ以上、
90ｍ／ｓに達するものがあり、かかる刈刃が異物
に当たれば、例えば小石などが作業者を直撃する
という、不具合があつた。

そのため、従来の歩行形モーアには、ストンガ
ードといわれる帯状板体を横設してモーア走行用
後輪軸近傍に吊設している。例えば特公昭55−
50642号公報の第１図においてこれが図示されて
いる。しかしながら、従来のストンガードは、回
転する後輪軸に吊設しているため、この吊設部に
軸受メタルや、後輪軸を被覆するカラー等を介在
させなければならず、しかも、地面に凹凸があれ
ばストンガードにより、機体がつき上げられると
いう不都合があつた。

また、前記公報図示や実開昭53−165060号公報
に記載されているごとく、ストンガードをゴム板
等で構成し、しかも、その下端が常時地面に接触
させておれば、その損傷がはげしい、という問題
があつた。

しかも、前記後者の公報のものでは、帯状板体
の基部全体に亘りリング部を形成し、このリング
部を後輪軸とは別に設けた横軸に嵌合して吊設し
ているので、横軸が別に必要であることは勿論、
この横軸とゴム製のリング部との接触面が大き
く、しかも密着し易いことから、その横軸を回動
させようとすれば、重くて回動しにくい、という
問題もあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本考案は、これらの不具合を一掃しよう
として案出されたもので、その要旨とするところ
は、前輪と後輪の４輪からなり、かつ、該後輪を
軸支する後輪軸を、機枠から突設した揺動アーム
端に固着して回動しないように支持した歩行形モ
ーアにおいて、横設した鈑金製の帯状板体と、該
板体の両端を吊設した一対のアームと、これらの
アームの先端に形成された縦長孔状のリング部
と、からなるストンガードのリング部を、前記後
輪軸に回動自在に嵌合し吊設したことを特徴とす
る歩行形モーア用ストンガードにある。

〔実施例〕

これを実施例により詳細に説明すれば、第１図
は本考案の実施例の概観斜視図を示し、このロー
ンモーアは、前輪１，１と後輪２，２とを装備し
たケーシング３にボンネツト３ａを被覆し、この
ボンネツト３ａ内に、図示しないがエンジンが内
蔵され、このエンジンから垂直の駆動軸を延設
し、この駆動軸の下端に設けた水平刈刃を回転さ
せている。この刈刃はその端部を上側に折り曲げ
送風作用もするようにしている。

また、前記ボンネツト３ａはその外形を椀形状
にし、ケーシング３は、渦巻形の筒状部分を形成
しており、前記刈刃による刈草を筒状部分で案内
しながら後部外方に放擲する。そして、この筒状
部分の開口部は刈草収納袋４に接続し、放擲され
た刈草を収納するようにしている。以上の構造は
通常のローンモーアに備えられたものであるの
で、特に詳細には図示していない。

なお、ケーシング３の後部からハンドル６を延
出させ、このハンドル６にはエンジンから刈刃へ
伝えられる動力を断続する操作レバーや、ローン
モーア自体の走行や停止をさせる走行レバー７を
装備している。

ここにおいて、本実施例には、第２図から第５
図に示すストンガード８を装備している。すなわ
ち、第２図は、第１図のＡ〜Ａ断面の要部図で、
第３図は第２図Ｂ部近傍の水平断面図を示すが、
これらの図において、後輪２，２は短尺の後輪軸
９，９にボールベアリング２０を介して回動自在
に軸支されている。そしてこれらの後輪軸９，９
は、ケーシング３を延長した機枠１０の後端にお
いて、後輪駆動軸２３を中心とする円筒部２８に
遊嵌した揺動アーム２７に固着されており、した
がつて回動しないようになつている。また、後輪
２のいずれか一方の輪内にインターナルギヤ２１
を内蔵し、このインターナルギヤ２１をピニオン
２２と噛合させ、後輪２を回動するようにしてい
る。このピニオン２２は長尺の後輪駆動軸２３に
固着され、この後輪駆動軸２３にウオーム用ピニ
オン２４を遊嵌し、このウオーム用ピニオン２４
にクラツチ２５を添設している。

ここにおいて、本実施例のストンガード８は次
のように構成している。すなわち、前記後輪２，
２の内側で、かつ、ケーシング３より延設した機
枠１０の外側で後輪軸９，９の端部２９にストン
ガード８が吊設されているが、このストンガード
８の詳細は、第４図の正面図および第５図の側面
図に示すように、ストンガード８は鈑金製の帯状
板体で、後輪軸９，９に吊設したとき、垂直方向
となる板体１２と、この板体１２の両端でゆるや
かに屈曲したアーム１３と、これらのアーム１３
の先端を縦長孔状に巻回して形成したリング部１
４と、から構成されている。なお、この板体１２
は補強のためリブ部１６を形成している。

次に、本実施例の作用を述べると、ストンガー
ド８の縦長孔状に形成したリング部１４が、後輪
２と機枠１０との間で、後輪軸９，９の端部２９
に回動自在に嵌合して吊設されているが、このロ
ーンモーアを作動させると、刈刃によりはね飛ば
された小石等は、このストンガード８に当接し、
作業者へ直撃することはない。そして、ローンモ
ーアを庭園における段差のある、きわ刈をする際
には、その段差によりストンガード８は縦長孔状
のリング部１４でもつて上方に持ち上げられる。
また、地面に大きい凹凸がある場合、前・後輪
１，２のいずれかが、凹部に入つた際、ストンガ
ード８は地面と当接・接触するが、ストンガード
８に縦長孔状のリング部１４が形成されているの
で、上方に持ち上げられ、したがつて、リング部
１４にローンモーア本体の重量がかからない。

また、刈高を調節するため、後輪２，２の後輪
軸９を、後輪駆動軸２３を中心にして、揺動アー
ム２７を適宜手動によりスイングさせて、地面か
らの高さを大きくしても、ストンガード８は後輪
軸９に吊設されているので、高さ調節には無関係
であるので、ストンガード８と地面との間に間隙
は変化しない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、 ストンガードの帯状板体を鈑金製としたの
で、仮に、これが地面に接しても摩損や損傷が
少ないのは勿論、 ストンガードを支持するアームの先端に、縦
長孔状のリング部を形成し、このリング部を回
動しない後輪軸に回動自在に嵌合したので、後
輪の一部が地面の凹部にきて鈑金製ストンガー
ドによつて本機を突き上げる力が働いても、ス
トンガードは縦長孔によつて逃げることがで
き、アームやリング部に荷重がかからず、これ
を損傷しない。しかも、車輪にスリツプがあれ
ば、モーアの草刈り状態に乱れが生じるが、ス
トンガードによる本機のつき上げによる車輪の
スリツプもないので、刈状態が良好となる。

鈑金製のストンガードであるため、一対のア
ームで吊設でき、しかも、これらのアームの先
端に頑丈なリング部が形成できる一方、このリ
ング部を嵌合させる後輪軸は回動しないので、
単なるリング部でありながら、たがいに摺動せ
ず、したがつて摩損することなく吊設ができ、
しかも、ストンガードの揺動や上下動が敏感に
作動する。

揺動アームの先端に固着されて後輪軸は回動
しないので、縦長孔状リング部はベアリングを
介さずして嵌合することができ、簡素なストン
ガードにすることができると共に、揺動アーム
を揺動して刈高調節をすることができながらス
トンガードを取替える必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の概観斜視図、第２図
は第１図の後輪近傍のＡ〜Ａ断面要部図、第３図
は第２図のＢ部水平断面図、第４図はストンガー
ドの正面図、第５図は第４図の側面図である。 １，１……前輪、２，２……後輪、８……スト
ンガード、９，９……後輪軸、１０……機枠、１
４……リング部、２７……揺動アーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前輪と後輪の４輪からなり、かつ、該後輪を軸
   支する後輪軸を、機枠から突設した揺動アーム端
   に固着して回動しないように支持した歩行形モー
   アにおいて、 横設した鈑金製の帯状板体と、該板体の両端を
   吊設した一対のアームと、これらのアームの先端
   に形成された縦長孔状のリング部と、からなるス
   トンガードのリング部を、前記後輪軸に回動自在
   に嵌合し吊設したことを特徴とする歩行形モーア
   用ストンガード。