JPH0423231Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、撮影の光軸の向きを簡単に調節でき
るようにしたカメラのチルト装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来、セルフタイマーによる撮影等のように、
急遽カメラを手持ちから据付けての撮影へ切り換
える場合に、三脚等の支持具を携行していない時
には、例えば自動車のボンネツトや岩などの適当
な場所を選んで、その上にカメラを置いて撮影を
行なうようにしている。その際、カメラが設置さ
れる場所の形状や傾き等によつては、所望のカメ
ラ姿勢にセツトすることができない時がある。そ
のような時には、従来、手近にある石やハンカチ
等をカメラボデイとの間に挟んで急場を凌んでい
るのが実情である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述のような場合に、手近に適
当な挟みものがあればよいが、ない場合が少なく
ないのが現状である。したがつて、これまでは、
意図した撮影光軸の設定で撮影しにくいという問
題があつた。

本考案は、このような不便を解決するためにな
されたもので、不意にカメラを適当な場所に設置
して撮影するような場合でも、カメラの姿勢を変
えてやることで、手軽にフレーミング調節ができ
るようにしたカメラのチルト装置を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、カメラボ
デイの底面に、この底面内で回動できるテーブル
を設け、さらに、このテーブルに底面に対して垂
直方向に出入り自在な姿勢制御部材を組み込んで
ある。

〔作用〕

本考案は上記構成によれば、姿勢制御部材の出
入り調節によつて、カメラボデイの傾き量が変え
られ、さらに、テーブルの回動によつて、カメラ
ボデイの傾き方向も変えられる。したがつて、撮
影者は、このチルト装置を使用することで、カメ
ラボデイの姿勢を変更し、簡単に意図したフレー
ミング調節ができるようになる。

以下、図面を参照して、本考案の実施例につい
て、詳細に説明する。

〔実施例〕

第１図において、カメラボデイ１には、その前
面のほぼ中央にレンズ２が取りつけられており、
このレンズ２の光軸３はカメラボデイ１の底板４
と平行になつている。この底板４の中央部分には
カメラの姿勢を調節するためのチルト装置５が取
り付けられている。このチルト装置５は軽量であ
り、しかも、通常のカメラボデイ１の底板４に平
らになるよう収納されている。

第２図及び第３図は、チルト装置５の構造を示
すものである。テーブル６は、カメラボデイ１の
底板４と抜け止め防止リング７の間に挟まれてい
るので、底板４と同一平面上を回転できるように
なつている。このテーブル６には２列のスロツト
９が形成された円弧状の凸部が一体に形成されて
いる。テーブル６に形成された円弧状の凹部に収
納されている姿勢制御部材１０は、テーブル６を
介在して、板バネでできている押え板１１とビス
留めしてあり、欠落しないようになつている。こ
の姿勢制御部材１０は、ビス１２がスロツト９の
中を動ける範囲で、円弧状の凹部表面１５に沿つ
て移動する。

第３図で示すように、テーブル６に形成された
円弧状の凸部表面８には、多数の突起１４が、ま
た、押え板１１の底面にも突起１１ａが形成して
ある。押え板１１は、板バネの作用で常時下方に
押されているから、押え板１１の突起１１ａと、
円弧状の凸部表面８の突起１４とが密着して、大
きな摩擦力が得られるようになつている。そのた
め、テーブル６より引き出された姿勢制御部材１
０は、例えば第４図のようにカメラを設置して
も、カメラボデイ１の自重だけでは、円弧状の凹
部表面１５に沿つて可動せず、第３図の二点鎖線
で示す位置に留まる。

このように構成されたチルト装置５は、以下の
ようにして用いることができる。

姿勢制御部材１０をテーブル６に形成された円
弧状の凹部表面１５に沿つて移動させ、カメラボ
デイ１の底面より、この姿勢制御部材１０の一部
を突出させる。これにより、第４図のように、設
置面１６に対してカメラボデイ１の底面をある傾
きθ₁に保つようにすることができる。カメラボデ
イ１の底面とカメラの光軸３の含む平面は平行で
あるから、カメラの光軸３もカメラボデイ１の設
置面に対して傾きθ₁になる。この傾きθ₁は姿勢制
御部材１０の出入り量を変えることで任意に調節
できる。これにより、カメラボデイ１の姿勢は自
在に変更できることになる。

テーブル６を90度回転させることによつて、第
５図に示すようにカメラボデイ１の傾きの方向を
変えることもできる。したがつて、設置面１６が
傾いている場合や、設置面１６に凹凸がある場合
でも、カメラボデイ１を水平に保つことができ
る。

本考案のカメラは、姿勢制御部材１０が、テー
ブル６の中心より、テーブル６に形成された円弧
状の凹部表面１５に沿つて両側に移動できる場合
には、テーブル６が90度回転するだけで、全方向
のカメラボデイの姿勢調節が可能である。また、
姿勢制御部材１０が、テーブル６の中心より、テ
ーブル６に形成された円弧状の凹部表面１５に沿
つて片側にしか移動しない場合には、テーブル６
が180度だけ回転することで、上記同様の効果が
得られる。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案のチルト装置が
設けられたカメラを使用すれば、チルトの必要な
時、姿勢制御部材を動かすことによつてカメラの
姿勢を任意に修正し、手軽に据付撮影を行なうこ
とができるようになる。また、このチルト装置
は、使用時以外にはカメラボデイの底板から突出
しないよう収納されているので、カメラ本体の携
行や保管に邪魔にならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案を実施したカメラの斜視図で
ある。第２図は、本考案の要部の分解図である。
第３図は、本考案の要部の断面図である。第４図
は、本考案を実施したカメラの側面図である。第
５図は、本考案を実施したカメラの正面図であ
る。 １……カメラボデイ、４……底板、５……チル
ト装置、６……テーブル、１０……姿勢制御部
材、１５……円弧状凹部表面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カメラボデイの底面に取付けた回動自在なテー
   ブルと、テーブルに形成された円弧状の凹部と、
   この凹部に沿つて自由に移動することによつて、
   その一部がカメラボデイの底面から突出し、カメ
   ラボデイの姿勢を調節させる姿勢制御部材とから
   なることを特徴とするカメラのチルト装置。