JPH04232240A - 耐パウダリング性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

耐パウダリング性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JPH04232240A
JPH04232240A JP41557990A JP41557990A JPH04232240A JP H04232240 A JPH04232240 A JP H04232240A JP 41557990 A JP41557990 A JP 41557990A JP 41557990 A JP41557990 A JP 41557990A JP H04232240 A JPH04232240 A JP H04232240A
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勝 鷺山
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Junichi Inagaki
淳一 稲垣
Akira Hiratani
平谷 晃
Masaya Morita
森田 正哉
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の車体、足回
り部品等に用いられる合金化溶融亜鉛めっき鋼板、より
詳細には所謂IF鋼をめっき原板とし、プレス成形時に
要求される耐パウダリング性に優れ、しかも摩擦特性が
コイル内で安定した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は優れた塗装
後耐食性や溶接性を有するため、自動車用防錆鋼板とし
てその需要が近年増加しており、特に最近では、耐食性
を確保するため皮膜が厚目付化する傾向にある。また、
このような合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき原板とし
て所謂IF鋼(Interstitial Free 
Steel)が用いられている。
【0003】この種のめっき鋼板には、優れたプレス成
形性とプレス成形時の耐皮膜剥離性、所謂耐パウダリン
グ性が要求される。特に最近ではこれらについてより厳
しい性能が求められ、とりわけ上記のような皮膜の厚目
付化に伴い、耐パウダリング性の確保がより大きな課題
となりつつある。
【0004】このような耐パウダリング性を改善する方
法として、例えば、特公昭59−14541号公報等に
示されるように、めっき鋼板を急速加熱で1次加熱して
皮膜の一部を合金化させた後、バッチ焼鈍で2次加熱を
行うという技術が知られているが、この方法は耐パウダ
リング性の改善には有効であるものの、製造コストが高
いという欠点がある。
【0005】一方、インラインにおいて耐パウダリング
性を改善する技術として、特開昭64−17843号公
報において、Al:0.003〜0.13%めっき浴で
めっき後、低温(520〜470℃の範囲で且つAl%
が低いほど低温側)で合金化処理を施すことにより、め
っき表層に耐パウダリング性に有効なζ相を残留させる
という技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法は低
温で合金化処理するため、処理時間が長くなり、ライン
速度を遅くするか、設備を大型化することが必要となり
、いずれにしても生産性の低下や設備コストの増大が避
けられない。
【0007】さらに、通常用いられているガス直火加熱
方式の合金炉では、ストリップ幅方向及び長さ方向での
板温の変動が起りやすいため、上述したような皮膜構造
の厳密な制御は困難であり、得られるめっき皮膜は部分
的に過合金或いはη相(純亜鉛相)が残留したものとな
ってしまう。したがって、得られるめっき鋼板は場所に
よってζ相の量が不均一な、すなわち、鋼板の各部で耐
パウダリング性が不均一なものとなってしまう。また、
ζ相の量は摩擦特性と密接に関係しているため、ζ相の
量が不均一な状態ではプレス成形性も不安定なものとな
ってしまう。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上のような従来の問題
に対し、本発明者らは、まず、溶融亜鉛めっき鋼板の合
金化反応に関して検討を行い、その結果、(1)ζ相は
495℃以下の反応により発生し、それ以上では発生し
ないこと、 (2)したがって、495℃以下で主要な反応(溶融亜
鉛相がなくなるまでの反応)を起し、その後冷却すれば
、ζ相が残留した皮膜を形成することができること、が
明らかとなった。図1および図2は溶融亜鉛めっき鋼板
の450℃、500℃での恒温合金化反応による相変化
の一例を示すもので、450℃での合金化ではζ相が発
生するのに対し、500℃での合金化ではζ相はほとん
ど発生しない。
【0009】しかし上述したように、このように低温で
合金化する方法では合金化完了までに長時間を要するた
め、ラインスピ−ドの低下、設備の大型化を余儀なくさ
れる。さらに、通常の直火加熱方式の合金化炉を用いて
上記条件で合金化すると、焼きムラが発生し易く、不均
一な合金層が形成されてしまう。このような焼きムラを
防止しようとすると炉温を上げて合金化する必要がある
が、高温での合金化処理ではζ相が残留せず、耐パウダ
リング性の劣ったものとなる。一方、IF鋼はAlキル
ド鋼に較べ粒界での反応性に富むため、ζ相を適切に形
成させるためには、合金化に関しAlキルド鋼とは異な
る配慮が必要となるものと考えられる。
【0010】このようなことから、IF鋼を素材とする
合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関し、耐パウダリング性と
プレス成形性の両者を安定的に得る方法について検討を
重ねた結果、以下のような知見を得た。
【0011】■  ζ相は浴中でも495℃以下で形成
され、Alキルド鋼の場合には、低Al浴で且つ高めの
侵入板温という条件でめっきを施すことにより、めっき
浴中で積極的にζ相を形成させることができる。しかし
、原板がIF鋼の場合には、低Al浴で且つ高めの侵入
板温によりめっき浴中で積極的にζ相形成反応を起こさ
せると、これとほぼ同時に局部的且つ急激な合金化反応
(アウトバ−スト反応)が発生する。浴中でこのような
反応が起こると、めっきがシンクロ−ルとの接触により
掻き落されてドロス発生の原因となる他、アウトバ−ス
ト反応発生直後にΓ相が成長し始めるため、最終的に得
られる皮膜はΓ相の厚く発達したものとなり、耐パウダ
リグ性が非常に劣ったものとなる。したがって、めっき
原板がIF鋼の場合には浴中での合金化反応(アウトバ
−スト反応)を極力抑える必要がある。■  めっき原
板がIF鋼の場合には、浴中で合金化抑制相であるFe
2Al5を厚く生成させることにより合金化反応を抑え
、その後の合金化処理を高周波誘導加熱方式の加熱炉を
用いて行うことにより、ストリップの幅方向、長手方向
で均一な量のζ相が残留した皮膜を短時間の合金化処理
で得ることができる。■  また、このようにして得ら
れる合金化めっき皮膜は、上述したようなマクロ的な均
一性のみならず、ミクロ的にも合金化反応が均一に起き
るため、この面からも優れた耐パウダリング性が得られ
る。 ■  浴条件と高周波誘導加熱方式の加熱炉の出側板温
条件を規定することにより、厳密な皮膜の制御が可能で
ある。具体的には、浴中での合金化反応を抑えるには、
浴中のAl量を高め、しかも侵入板温を浴中Al量との
関係で規定される高めの温度とすることが有効である。 すなわち、このような条件でめっきを行うことにより、
浴中に侵入直後の鋼板表面に合金化抑制相であるFe2
Al5が厚く生成し、これが合金化を抑制する。さらに
、このように合金化反応を抑えられた鋼板は合金化炉で
合金化処理されるが、この際、加熱手段として高周波誘
導加熱方式の加熱炉を用い、しかも、加熱炉出側での板
温を495℃以下に管理して行うことにより、上記■、
■で述べたような均一且つ優れた耐パウダリグ性を有す
る皮膜を得ることができる。
【0012】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴とするところは、IF鋼、すなわちT
i、Nb、Zr、V等の炭化物形成元素を含み、これら
元素の添加量Xと炭素含有量〔C〕の原子%比がΣX/
〔C〕≧1を満足する鋼からなる鋼板をめっき原板とし
、該鋼板に、Alを含有し、残部Znおよび不可避的不
純物からなる亜鉛めっき浴でめっきを施した後、目付量
調整を行い、加熱炉で皮膜中のFe含有量が8〜12%
となるように合金化処理を行う合金化溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法において、浴中Al量:0.13%以上、
浴温度:470℃以下で、且つ、浴中Al量と鋼板のめ
っき浴中への侵入板温とが、     571×〔Al%〕+410≧T≧571×〔
Al%〕+390            但し、〔A
l%〕:浴中Al量(%)             
     T      :侵入板温(℃)を満足する
条件でめっきを行うことにより、浴中で合金化反応を抑
制し、めっき後、高周波誘導加熱炉で加熱炉出側の板温
が495℃以下となるように加熱し、所定時間保持後冷
却するようにしたことにある。
【0013】
【作用】従来、めっき鋼板の合金化処理を高周波誘導加
熱により行うという技術は、例えば、特公昭60−82
89号公報、特開平2−37425号公報等において知
られている。しかし、これらに開示された技術は、高周
波誘導加熱を単に急速加熱の一手段として用いているに
過ぎない。
【0014】これに対して本発明は、浴中で合金化抑制
相であるFe2Al5を厚く生成させることにより合金
化反応を極力抑制し、且つこのように合金化が抑制され
ためっき皮膜に対し、高周波誘導加熱による合金化処理
を特定の条件で実施することにより、Γ相が少なく鋼板
各部においてζ相が非常に均一に形成された、すなわち
均一且つ優れた耐パウダリング性を有するめっき鋼板が
得られることを見出したものである。
【0015】本発明の製造法において、上述のような優
れた特性のめっき鋼板が得られるのは次のような理由に
よるものと推定される。
【0016】まず、第1に、合金化処理において高周波
誘導加熱方式を用いることにより、鋼板自体を直接加熱
することができ、しかも、めっき皮膜に接する界面が最
も加熱されるため、雰囲気加熱方式に較べ界面における
Fe−Zn反応が短時間でしかもストリップ上の位置に
無関係に均一に起き、このため、鋼板各部で均一な量の
ζ相が残留し、均一な耐パウダリング性が得られるもの
と推定される。
【0017】第2に、高周波誘導加熱は上記のように鋼
板側からの加熱であるため、微視的にも均一な合金化反
応が生じることによるものと推定される。すなわち、従
来一般に行われているガス加熱による合金化処理では、
皮膜の外側から熱が加えられるため加熱が不均一となり
易く、このため合金化反応が微視的に不均一に生じ易い
。特にIF鋼は結晶粒界での反応性に富むため、所謂ア
ウトバ−スト反応が生じ易く、このようにアウトバ−ス
ト組織が発生すると、この部分からΓ相が成長し始め、
このΓ相の形成により耐パウダリング性が劣化する。こ
れに対し、高周波誘導加熱は鋼板側からの加熱であるた
め、上記のような合金化の局部的なバラツキが少なく、
ミクロ的にも均一な合金化皮膜が得られるものと思われ
る。
【0018】第3に、本発明は合金化抑制相であるFe
2Al5を浴中で形成させることによりFe−Zn反応
を抑制し、続く加熱処理においてζ相を形成させること
を特徴としているが、上記のように高周波誘導加熱は鋼
板側からの加熱であるため、合金化時にFe2Al5が
容易に拡散しζ相を形成する。つまり、Fe−Zn反応
を適切に抑制するためにFe2Al5を厚く形成させて
も、合金化時にこれを確実且つ均一に拡散することがで
きる。 この結果、合金化がミクロ的にも均一化し、厚いFe2
Al5の形成により浴中でのΓ相の発生が抑制されるこ
とと相俟って、優れた耐パウダリング性が得られるもの
と考えられる。
【0019】第4に、高周波誘導加熱はめっき皮膜を短
時間で合金化できることからΓ相の成長時間が短いこと
が挙げられる。そして、本発明では浴中でのΓ相の発生
も抑えられるため、最終的なΓ相の形成量が少なく、こ
のことも耐パウダリング性の向上に大きく寄与している
ものと考えられる。
【0020】また、プレス成形性に関しても、上記した
ように合金化がマクロ、ミクロに均一になされる結果、
安定的且つ均一なプレス成形性が得られるものと考えら
れる。
【0021】以下、本発明の構成とその限定理由につい
て説明する。本発明におけるめっき原板は所謂IF鋼で
ある。IF鋼はTi、Nb、Zr、V等の炭化物形成元
素を含み、これら元素の添加量Xと炭素含有量〔C〕の
原子%比がΣX/〔C〕≧1を満足する鋼として定義す
ることができる。鋼中に微量の固溶Cが存在する場合、
結晶粒界に偏析して存在する。アウトバ−スト反応は結
晶粒界で優先的に形成されるため、IF鋼のように粒界
が清浄化さた鋼ではこの部分での反応性が高まり、アウ
トバ−スト反応が起きやすくなる。
【0022】本発明では、めっき浴中での合金化反応を
極力抑制するため、めっき浴中のAl量、めっき浴に侵
入する際の鋼板の板温及び浴温度が規定される。特に、
本発明では高Al浴で且つ浴中Al量との関係で規定さ
れる高目の侵入板温とすることにより、めっき浴中での
合金化反応を抑制することが特徴の1つである。
【0023】めっき浴中のAlは浴侵入直後の鋼板表面
にFe2Al5を形成し、Fe−Zn合金の発生を抑制
する。Al量が0.13%未満ではこのような抑制効果
が小さく、粒界での反応性に富むIF鋼の場合には浴中
でアウトバ−スト反応が発生してしまう。このため浴中
のAl量は0.13%以上とする。
【0024】Al量を0.13%以上含む浴では侵入板
温を上昇させると鋼板侵入直後の反応温度が高くなり、
Fe2Al5が厚く形成されるようになる。この結果、
浴中でのFe−Zn合金反応が抑制される。但し、侵入
板温は浴中Al量との関係で下記関係式の条件を満足す
る必要がある。     571×〔Al%〕+410≧T≧571×〔
Al%〕+390            但し、〔A
l%〕:浴中Al量(%)             
       T      :侵入板温(℃)
【00
25】上述したように本発明は高Al浴、高侵入板温を
基本とするものであるが、侵入板温が浴中Al量との関
係で上記上限を超えると、Feの拡散速度が増すため、
Fe2Al5による抑制効果が不十分となり、浴中で部
分的にアウトバ−スト組織が生成するため、耐パウダリ
ング性が劣化してしまう。一方、侵入温度が上記下限を
下回るとFe2Al5の形成量が十分でなく、浴中での
Fe−Zn合金反応の抑制作用が適切に得られない。
【0026】なお、侵入板温が520℃を超えると、F
e2Al5が局部的に過剰に生成され易くなるため焼き
ムラが発生し、耐パウダリング性が劣化してしまう。ま
た、ポットへの入熱量増加により浴温冷却手段等の付加
的設備が必要になり、さらに、浴中でのドロス発生量が
増加し、表面欠陥が多発する等の問題を生じる。このた
め侵入板温は、浴中Al量に関係なく520℃以下とす
ることが好ましい。
【0027】めっき浴温度が高いと浴中における合金化
反応が促進されるため、本発明では浴温度を470℃以
下とする。また、浴温度が高過ぎると浴中に浸漬された
構造物が侵食され、ドロスが発生するなどの問題を生じ
る。
【0028】めっきされた鋼板は、高周波誘導加熱炉に
おいて合金化のために加熱処理される。本発明では、上
記のような浴条件の規定に加え、この高周波誘導加熱炉
による加熱処理が大きな特徴であり、上述したように通
常行なわれているガス加熱では、本発明の目的とする合
金化めっき皮膜は全く得られない。この合金化処理では
、炉出側の板温が495℃以下となるように加熱し、所
定時間保持後冷却する。上述したようにζ相を形成させ
るためには495℃以下での加熱が必要であり、本発明
においては浴中での合金化が抑制されためっきをここで
合金化し、ζ相を形成させる。本発明において高周波誘
導加熱炉出側の板温を管理する理由は、その部分が合金
化熱サイクルでの最高板温となるためである。また、合
金相の成長速度はこの付近で最大となるため、出側板温
を管理することにより、その温度での合金化反応を起す
ことが可能になる。
【0029】本発明は皮膜中のFe含有量が8〜12%
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造を目的としている。 皮膜中のFe含有量が12%を超えると、皮膜が硬質に
なり、耐パウダリング性が劣化する。高周波誘導加熱炉
出側以降合金化を進めると固体内拡散反応により皮膜中
のFe含有量が上昇してしまう。したがって、所定のF
e含有量に達した後は、速やかに冷却する必要がある。 一方、Fe含有量が8%未満では、η相(純亜鉛相)が
表面に残留するため、プレス成形時に焼付け(フレ−キ
ング)と呼ばれる現象が起り好ましくない。
【0030】従来では、皮膜中のFe含有量により皮膜
構造が一義的に決まると考えられていたが、本発明のよ
うに浴条件を適当に選択し、しかも合金化処理を高周波
誘導加熱で行うことにより、皮膜中のFe含有量にかか
わらず、本発明が目的とするような特定の皮膜構造が得
られる。
【0031】このようにして得られる合金化めっき皮膜
は、表層側から均一なζ相、δ1相、および極く薄いΓ
相が存在する構造となる。
【0032】
【実施例】本発明の実施例を表1ないし表4に示す。こ
の実施例では、IF鋼および通常のAlキルド鋼から製
造された冷延鋼板を素材とし、表1および表2に示され
る条件で溶融亜鉛めっきおよび加熱処理を行った。上記
加熱処理はガス加熱方式および高周波誘導加熱方式を用
いた。得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の耐パウダリ
ング性およびプレス成形性を表3および表4に示す。
【0033】表中の各鋼種の成分は以下の通りである。     鋼種A1:0.0025%C−0.04%So
l.Al−0.07%Ti             
 ;Ti/C≧1    鋼種A2:0.0027%C
−0.05%Sol.Al−0.05%Ti     
         −0.01%Nb        
      ;12Ti/48C+12Nb/93C≧
1    鋼種B:0.03%C−0.02%Sol.
Al  (Alキルド鋼)
【0034】本実施例におい
て、鋼板のめっき浴中への侵入温度は放射型温度計で測
定した浸漬直前の鋼板の表面温度である。また、加熱炉
出側の板温は放射型温度計で測定した鋼板の表面温度で
ある。また、めっき浴中Al量は下式に定義される有効
Al濃度である。       〔有効Al濃度〕=〔浴中全Al濃度〕−
〔浴中鉄濃度〕+0.03
【0035】皮膜中Fe%は
浴条件、加熱条件および冷却条件に依存する。冷却条件
は本発明の特徴の一つである皮膜構造のマクロ或いはミ
クロな均一性にほとんど影響を及ぼさないが、合金化度
(皮膜中Fe%)を変化させることにより特性に影響を
及ぼす。したがって、本実施例では冷却用のブロアの風
量、ミストの量を調整し、皮膜中のFe%を制御した。
【0036】また、製品のζ相の測定方法および各特性
に関する試験、評価方法は以下の通りである。
【0037】○製品皮膜中ζ相の量:得られた皮膜をX
線回折し、ζ相についてはd=1.900のピ−ク強度
Iζ〔421〕を、またδ1相についてはd=1.99
0のピ−ク強度Iδ1〔429〕をそれぞれ取り、下式
で示すピ−ク強度比をもって皮膜中のζ相の量を表した
。なお、Ibgはバックグランドであり、Z/Dが20
以下ならば実質的にζ相は存在しない。       Z/D=(Iζ〔421〕−Ibg)/(
Iδ1〔249〕−Ibg)×100
【0038】○耐
パウダリング性:試験片に防錆油(パ−カ−興産(株)
製  ノックスラスト530F)を1g/m2塗布した
後、ビ−ド半径R:0.5mm、押し付け荷重P:50
0kg、押し込み深さh:4mmでビ−ド引き抜き試験
を行い、テ−プ剥離後、成形前後の重量変化から剥離量
を算出した。なお、表中の数値は複数の測定値(5×5
=25個)の平均値である。
【0039】○耐パウダリング性の板幅方向最大偏差:
操業条件が安定した箇所で、コイル長さ方向5点、コイ
ル幅方向5点(両エッジ、1/4の位置およびセンタ−
部)で上記耐パウダリング性をそれぞれ測定し、最大値
と最小値の差をとった。
【0040】○摩擦係数:試験片に防錆油(パ−カ−興
産(株)製  ノックスラスト530F)を1g/m2
塗布した後、工具鋼SKD11製の圧子を荷重400k
gで押し付け、1m/minの引き抜き速度で引き抜き
を行い、引き抜き荷重と押し付け荷重との比を摩擦係数
とした。なお、表中の数値は複数の測定値(5×5=2
5個)の平均値である。
【0041】○摩擦係数の板幅方向最大偏差:耐パウダ
リング性と同一箇所で摩擦係数をそれぞれ測定し、最大
値と最小値の差をとった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】表1ないし表4において、比較例1は侵入
板温高過ぎるため、また、比較例2は浴中Al量が低過
ぎるため、それぞれ浴中でアウトバ−スト組織が発生し
、このため耐パウダリング性が劣っており、またそのバ
ラツキも大きい。
【0047】比較例3および比較例4は侵入板温が低い
ためにFe2Al5の形成量が十分でなく、浴中でのF
e−Zn合金反応の抑制作用が適切に得られていない。 このため耐パウダリング性が悪い。
【0048】比較例5は浴中でのFe−Zn合金反応の
抑制作用は得られているものの、高周波誘導加熱での加
熱温度が高過ぎるため製品皮膜中にはζ相は存在してい
ない。このため耐パウダリング性が劣っている。
【0049】比較例6〜比較例8は加熱をガス加熱で行
なった例である。このうち比較例6は加熱温度が高過ぎ
るため製品皮膜中にはζ相は存在しておらず、また、焼
きムラのため局部的に厚いΓ相が形成されているため、
耐パウダリング性が極めて悪く、また、そのバラツキも
大きい。比較例7および比較例8は、加熱温度が低いた
め製品皮膜中にはζ相は存在しているものの、焼きムラ
により局部的にΓ相が厚く形成されるため耐パウダリン
グ性、プレス成形性とも板幅方向で大きなバラツキを生
じており、したがって、これら特性値自体も悪い。また
、合金化相のミクロ的な均一性にも劣っており、この面
からも耐パウダリング性に劣っている。
【0050】比較例9〜11は、通常のAlキルド鋼の
場合であり、このうち比較例9、10は加熱を高周波誘
導加熱で行なっているが、素材がAlキルド鋼であるた
めに浴中で合金化が過度に抑制され、このため加熱が急
速加熱となってアウトバ−アウト組織が発生し、耐パウ
ダリング性が悪い。また、比較例11は加熱をガス加熱
で行なっているため、耐パウダリング性、プレス成形性
とも板幅方向で大きなバラツキを生じており、したがっ
て、これら特性値自体も悪い。
【0051】従来例1〜従来例4では、浴中でのFe−
Zn合金反応の抑制作用が得られておらず、このため従
来例3のように加熱を高周波誘導加熱で行なっても耐パ
ウダリング性が劣り、またそのバラツキも大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融亜鉛めっき鋼板の450℃での恒温合金化
反応による相変化の一例を示すものである。
【図2】溶融亜鉛めっき鋼板の500℃での恒温合金化
反応による相変化の一例を示すものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  Ti、Nb、Zr、V等の炭化物形成
    元素を含み、これら元素の添加量xと炭素含有量〔C〕
    の原子%比がΣX/〔C〕≧1を満足する鋼からなる鋼
    板をめっき原板とし、該鋼板に、Alを含有し、残部Z
    nおよび不可避的不純物からなる亜鉛めっき浴でめっき
    を施した後、目付量調整を行い、加熱炉で皮膜中のFe
    含有量が8〜12%となるように合金化処理を行う合金
    化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、浴中Al量
    :0.13%以上、浴温度:470℃以下で、且つ、浴
    中Al量と鋼板のめっき浴中への侵入板温とが、   
     571×〔Al%〕+410≧T≧571×〔Al%
    〕+390            但し、〔Al%〕
    :浴中Al量(%)                
        T      :侵入板温(℃)を満足する条
    件でめっきを行うことにより、浴中で合金化反応を抑制
    し、めっき後、高周波誘導加熱炉で加熱炉出側の板温が
    495℃以下となるように加熱し、所定時間保持後冷却
    することを特徴とする耐パウダリング性の優れた合金化
    溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62205262A (ja) * 1986-03-05 1987-09-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 合金化処理鋼板の製造方法
JPH0211745A (ja) * 1988-06-29 1990-01-16 Kawasaki Steel Corp スポット溶接性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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