JP2770825B2 - プレス成形性および耐パウダリング性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
プレス成形性および耐パウダリング性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の車体、足回
り部品等に用いられる合金化溶融亜鉛めっき鋼板、特に
プレス成形時に要求される耐パウダリング性に優れ、し
かも摩擦特性がコイル内で安定した合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造方法に関する。
り部品等に用いられる合金化溶融亜鉛めっき鋼板、特に
プレス成形時に要求される耐パウダリング性に優れ、し
かも摩擦特性がコイル内で安定した合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は優れた塗装
後耐食性や溶接性を有するため、自動車用防錆鋼板とし
てその需要が近年増加しており、特に最近では、耐食性
を確保するため皮膜が厚目付化する傾向にある。この種
のめっき鋼板には、優れたプレス成形性とプレス成形時
の耐皮膜剥離性、所謂耐パウダリング性が要求される。
特に最近ではこれらについてより厳しい性能が求めら
れ、とりわけ上記のような皮膜の厚目付化に伴い、耐パ
ウダリング性の確保が大きな課題となりつつある。
後耐食性や溶接性を有するため、自動車用防錆鋼板とし
てその需要が近年増加しており、特に最近では、耐食性
を確保するため皮膜が厚目付化する傾向にある。この種
のめっき鋼板には、優れたプレス成形性とプレス成形時
の耐皮膜剥離性、所謂耐パウダリング性が要求される。
特に最近ではこれらについてより厳しい性能が求めら
れ、とりわけ上記のような皮膜の厚目付化に伴い、耐パ
ウダリング性の確保が大きな課題となりつつある。
【0003】このような耐パウダリング性を改善する技
術として、めっき鋼板を急速加熱で1次加熱して皮膜の
一部を合金化させた後、バッチ焼鈍で2次加熱を行うと
いう技術が知られているが、この方法は耐パウダリング
性の改善には有効であるものの、製造コストが高いとい
う欠点がある。一方、インラインにおいて耐パウダリン
グ性を改善する技術として、特開平1−279738号
公報では、Al:0.04〜0.12%の浴でめっきを
施した後、2秒以下で470℃以上の温度へ急速加熱
し、合金化完了後、420℃以下の温度まで2秒以下で
急速冷却すことにより、δ1相主体の合金化溶融亜鉛め
っき鋼板を製造する方法が示されている。
術として、めっき鋼板を急速加熱で1次加熱して皮膜の
一部を合金化させた後、バッチ焼鈍で2次加熱を行うと
いう技術が知られているが、この方法は耐パウダリング
性の改善には有効であるものの、製造コストが高いとい
う欠点がある。一方、インラインにおいて耐パウダリン
グ性を改善する技術として、特開平1−279738号
公報では、Al:0.04〜0.12%の浴でめっきを
施した後、2秒以下で470℃以上の温度へ急速加熱
し、合金化完了後、420℃以下の温度まで2秒以下で
急速冷却すことにより、δ1相主体の合金化溶融亜鉛め
っき鋼板を製造する方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法では
比較的高温で合金化処理がなされるため、合金化の進行
が速く、Γ相が厚く成長して耐パウダリング性が劣化し
易いという問題がある。この点、特開平1−27973
8号公報には過合金化を防止するために合金完了温度域
から420℃以下の温度域までを2秒以下で急速冷却す
るとしているが、目付量やラインスピ−ドの変化により
適正合金化パタ−ンが変化するため、この方法を実施す
るためには、加熱源および冷却源をライン方向で多段に
配置して対処する必要があり、設備コストが増大すると
いう大きな問題がある。
比較的高温で合金化処理がなされるため、合金化の進行
が速く、Γ相が厚く成長して耐パウダリング性が劣化し
易いという問題がある。この点、特開平1−27973
8号公報には過合金化を防止するために合金完了温度域
から420℃以下の温度域までを2秒以下で急速冷却す
るとしているが、目付量やラインスピ−ドの変化により
適正合金化パタ−ンが変化するため、この方法を実施す
るためには、加熱源および冷却源をライン方向で多段に
配置して対処する必要があり、設備コストが増大すると
いう大きな問題がある。
【0005】さらに、通常用いられているガス直火加熱
方式の合金化炉では鋼板幅方向および長さ方向で炉温の
変動が起りやすいため、上述したような皮膜構造の厳密
な制御は困難であり、得られるめっき皮膜は部分的に過
合金或いはζ相が残留したものとなってしまう。したが
って、得られるめっき鋼板は場所によってδ1相の量が
不均一な、すなわち、耐パウダリング性が不均一なもの
となってしまう。また、ζ相の量は摩擦特性と密接に関
係しているため、ζ相が残留するとその部分の摩擦係数
が局部的に増大するためプレス成形性も不安定となる。
方式の合金化炉では鋼板幅方向および長さ方向で炉温の
変動が起りやすいため、上述したような皮膜構造の厳密
な制御は困難であり、得られるめっき皮膜は部分的に過
合金或いはζ相が残留したものとなってしまう。したが
って、得られるめっき鋼板は場所によってδ1相の量が
不均一な、すなわち、耐パウダリング性が不均一なもの
となってしまう。また、ζ相の量は摩擦特性と密接に関
係しているため、ζ相が残留するとその部分の摩擦係数
が局部的に増大するためプレス成形性も不安定となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上のような従来の問題
に対し、本発明者らは、まず、溶融亜鉛めっき鋼板の合
金化反応に関して検討を行い、その結果、ζ相は49
5℃以下の反応により発生し、それ以上では発生しない
こと、したがって、495℃を超える温度で主要な反
応(溶融亜鉛相がなくなるまでの反応)を起し、その後
冷却すれば、δ1相主体の皮膜を形成することができる
こと、が明らかとなった。図1、図2は溶融亜鉛めっき
鋼板の450℃、500℃での恒温合金化反応による相
変化の一例を示すもので、450℃での合金化ではζ相
が発生するのに対し、500℃での合金化ではζ相はほ
とんど発生せず、δ1相主体の皮膜となっている。
に対し、本発明者らは、まず、溶融亜鉛めっき鋼板の合
金化反応に関して検討を行い、その結果、ζ相は49
5℃以下の反応により発生し、それ以上では発生しない
こと、したがって、495℃を超える温度で主要な反
応(溶融亜鉛相がなくなるまでの反応)を起し、その後
冷却すれば、δ1相主体の皮膜を形成することができる
こと、が明らかとなった。図1、図2は溶融亜鉛めっき
鋼板の450℃、500℃での恒温合金化反応による相
変化の一例を示すもので、450℃での合金化ではζ相
が発生するのに対し、500℃での合金化ではζ相はほ
とんど発生せず、δ1相主体の皮膜となっている。
【0007】しかし、上述したようにこのような比較的
高温で合金化する方法ではめっき皮膜が過合金化し易
く、耐パウダリング性が劣化し易い。さらに、通常の直
火加熱方式の合金化炉を用いて上記条件で合金化する
と、経時的、場所的に均一に燃焼させることが難しく、
焼きムラが発生し易い。そして、このような焼きムラに
より不均一な合金層が形成されてしまい、鋼板の位置に
よって耐パウダリング性や摩擦特性等が異なる不均質な
製品しか得られない。
高温で合金化する方法ではめっき皮膜が過合金化し易
く、耐パウダリング性が劣化し易い。さらに、通常の直
火加熱方式の合金化炉を用いて上記条件で合金化する
と、経時的、場所的に均一に燃焼させることが難しく、
焼きムラが発生し易い。そして、このような焼きムラに
より不均一な合金層が形成されてしまい、鋼板の位置に
よって耐パウダリング性や摩擦特性等が異なる不均質な
製品しか得られない。
【0008】このようなことから、耐パウダリング性と
プレス成形性の両者を安定的に得る方法について検討を
重ねた結果、以下のような知見を得た。 めっき浴中で合金化反応(ζ相の生成及びアウトバ
ースト反応)を抑制し、しかもその後の合金化処理を高
周波誘導加熱方式の加熱炉を用いて行なうことにより、
ストリップの幅方向、長手方向で均一にδ1相を主体と
する合金化相が形成された皮膜が得られること また、このようにして得られる合金化めっき皮膜
は、上述したようなマクロ的な均一性のみならず、ミク
ロ的にも合金化反応が均一に起きるため、この面からも
優れた耐パウダリング性とプレス成形性が得られること
プレス成形性の両者を安定的に得る方法について検討を
重ねた結果、以下のような知見を得た。 めっき浴中で合金化反応(ζ相の生成及びアウトバ
ースト反応)を抑制し、しかもその後の合金化処理を高
周波誘導加熱方式の加熱炉を用いて行なうことにより、
ストリップの幅方向、長手方向で均一にδ1相を主体と
する合金化相が形成された皮膜が得られること また、このようにして得られる合金化めっき皮膜
は、上述したようなマクロ的な均一性のみならず、ミク
ロ的にも合金化反応が均一に起きるため、この面からも
優れた耐パウダリング性とプレス成形性が得られること
【0009】 浴条件と高周波誘導加熱方式の加熱炉
出側板温条件を規定することにより、厳密な皮膜の制御
が可能であること 具体的には、浴中で合金化抑制相であるFe2Al5を十
分に生成させ得る限度で低目の浴中Al量とし、且つ浴
中Al量との関係で規定される低目の侵入板温でめっき
を施すことにより、浴中での合金化反応(ζ相の発生及
びアウトバースト反応)を適切に抑えることが可能であ
り、さらに、このようなめっき鋼板に対する高周波誘導
加熱方式の加熱炉を用いた合金化処理を、加熱炉出側で
の板温を495℃超〜520℃に管理して行うことによ
り、上記、で述べたような皮膜が得られること
出側板温条件を規定することにより、厳密な皮膜の制御
が可能であること 具体的には、浴中で合金化抑制相であるFe2Al5を十
分に生成させ得る限度で低目の浴中Al量とし、且つ浴
中Al量との関係で規定される低目の侵入板温でめっき
を施すことにより、浴中での合金化反応(ζ相の発生及
びアウトバースト反応)を適切に抑えることが可能であ
り、さらに、このようなめっき鋼板に対する高周波誘導
加熱方式の加熱炉を用いた合金化処理を、加熱炉出側で
の板温を495℃超〜520℃に管理して行うことによ
り、上記、で述べたような皮膜が得られること
【0010】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その構成は、Alを含有し、残部Znおよび不
可避的不純物からなる亜鉛めっき浴でめっきを施した
後、目付量調整を行い、加熱炉で皮膜中のFe含有量が
8〜12%となるように合金化処理を行う合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法において、浴中Al量:0.0
5%以上、0.13%未満、浴温度:460℃以下で、
且つ、浴中Al量と鋼板のめっき浴中への侵入板温と
が、 437.5×〔Al%〕+428>T≧437.5×
〔Al%〕+408 但し、〔Al%〕:浴中Al量(%) T :侵入板温(℃) を満足する条件でめっきを行うことにより、浴中でFe
−Zn合金化反応を抑制し、めっき後、高周波誘導加熱
炉で加熱炉出側の板温が495℃超〜520℃となるよ
うに加熱し、所定時間保持後冷却することを特徴とする
プレス成形性および耐パウダリング性の優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
もので、その構成は、Alを含有し、残部Znおよび不
可避的不純物からなる亜鉛めっき浴でめっきを施した
後、目付量調整を行い、加熱炉で皮膜中のFe含有量が
8〜12%となるように合金化処理を行う合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法において、浴中Al量:0.0
5%以上、0.13%未満、浴温度:460℃以下で、
且つ、浴中Al量と鋼板のめっき浴中への侵入板温と
が、 437.5×〔Al%〕+428>T≧437.5×
〔Al%〕+408 但し、〔Al%〕:浴中Al量(%) T :侵入板温(℃) を満足する条件でめっきを行うことにより、浴中でFe
−Zn合金化反応を抑制し、めっき後、高周波誘導加熱
炉で加熱炉出側の板温が495℃超〜520℃となるよ
うに加熱し、所定時間保持後冷却することを特徴とする
プレス成形性および耐パウダリング性の優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
【0011】従来、めっき鋼板の合金化処理を高周波誘
導加熱により行うという技術は、例えば、特公昭60−
8289号公報、特開平2−37425号公報等におい
て知られている。しかし、これらに開示された技術は、
高周波誘導加熱を単に急速加熱の一手段として用いてい
るに過ぎない。
導加熱により行うという技術は、例えば、特公昭60−
8289号公報、特開平2−37425号公報等におい
て知られている。しかし、これらに開示された技術は、
高周波誘導加熱を単に急速加熱の一手段として用いてい
るに過ぎない。
【0012】これに対して本発明は、浴中での合金化反
応を極力抑制し、且つこのように合金化が抑制されため
っき皮膜に対し、高周波誘導加熱による合金化処理を特
定の条件で実施することにより、Γ相が少なく、且つ鋼
板各部においてδ1相を主体とする合金化相が均一に形
成され、しかも皮膜構造のミクロ的な均一性によって全
体として優れた耐パウダリング性を有し、さらにプレス
成形性にも優れためっき鋼板が得られることを見出した
ものである。
応を極力抑制し、且つこのように合金化が抑制されため
っき皮膜に対し、高周波誘導加熱による合金化処理を特
定の条件で実施することにより、Γ相が少なく、且つ鋼
板各部においてδ1相を主体とする合金化相が均一に形
成され、しかも皮膜構造のミクロ的な均一性によって全
体として優れた耐パウダリング性を有し、さらにプレス
成形性にも優れためっき鋼板が得られることを見出した
ものである。
【0013】本発明の製造法において、上述のような優
れた特性のめっき鋼板が得られるのは次のような理由に
よるものと推定される。まず、第1に、めっき浴中で合
金化抑制相であるFe2Al5を厚く生成させることで合
金化反応を極力抑制して得られためっき皮膜を合金化処
理する際に、高周波誘導加熱方式を用いることにより、
鋼板自体を直接加熱することができ、しかも、めっき皮
膜に接する界面が最も加熱されるため、雰囲気加熱方式
に較べ界面におけるFe−Zn反応が短時間でしかも鋼
板上の位置に無関係に均一に起き、このため、鋼板上で
の部分的な過合金やζ相の残留がなく、均一な耐パウダ
リング性とプレス成形性が得られるものと推定される。
れた特性のめっき鋼板が得られるのは次のような理由に
よるものと推定される。まず、第1に、めっき浴中で合
金化抑制相であるFe2Al5を厚く生成させることで合
金化反応を極力抑制して得られためっき皮膜を合金化処
理する際に、高周波誘導加熱方式を用いることにより、
鋼板自体を直接加熱することができ、しかも、めっき皮
膜に接する界面が最も加熱されるため、雰囲気加熱方式
に較べ界面におけるFe−Zn反応が短時間でしかも鋼
板上の位置に無関係に均一に起き、このため、鋼板上で
の部分的な過合金やζ相の残留がなく、均一な耐パウダ
リング性とプレス成形性が得られるものと推定される。
【0014】第2に、高周波誘導加熱は上記のように鋼
板側からの加熱であるため、微視的にも均一な合金化反
応が生じることによるものと推定される。すなわち、従
来一般に行われているガス加熱による合金化処理では、
皮膜の外側から熱が加えられるため加熱が不均一となり
易く、このため合金化反応が微視的に不均一に生じ易
い。特に結晶粒界は反応性に富むため、所謂アウトバ−
スト反応が生じ易く、このようにアウトバ−スト組織が
発生すると、この部分からΓ相が成長し始め、このΓ相
の形成により耐パウダリング性が劣化する。これに対
し、高周波誘導加熱は鋼板側からの加熱であるため、上
記のような合金化の局部的なバラツキが少なく、また、
鋼板面の酸化物や浴中で生じた合金化抑制物質(Fe2
Al5)も容易に拡散するため、ミクロ的にも均一な合
金化皮膜が得られるものと思われる。
板側からの加熱であるため、微視的にも均一な合金化反
応が生じることによるものと推定される。すなわち、従
来一般に行われているガス加熱による合金化処理では、
皮膜の外側から熱が加えられるため加熱が不均一となり
易く、このため合金化反応が微視的に不均一に生じ易
い。特に結晶粒界は反応性に富むため、所謂アウトバ−
スト反応が生じ易く、このようにアウトバ−スト組織が
発生すると、この部分からΓ相が成長し始め、このΓ相
の形成により耐パウダリング性が劣化する。これに対
し、高周波誘導加熱は鋼板側からの加熱であるため、上
記のような合金化の局部的なバラツキが少なく、また、
鋼板面の酸化物や浴中で生じた合金化抑制物質(Fe2
Al5)も容易に拡散するため、ミクロ的にも均一な合
金化皮膜が得られるものと思われる。
【0015】第3に、本願発明において浴中でFe−Z
n反応が効果的に抑制されることには、浴侵入直後の鋼
板面に合金化抑制相であるFe2Al5が形成されること
も大きく寄与しており、本願発明ではこのようにFe2
Al5が形成され且つFe−Zn反応が抑制された状態
から、続く加熱処理においてδ1相を形成させることを
特徴としているが、上記のように高周波誘導加熱は鋼板
側からの加熱であるため、合金化時にFe2Al5が容易
に拡散しδ1相を形成する。つまり、Fe−Zn反応を
適切に抑制するために浴中でFe2Al5をある程度の厚
さに形成させても、合金化時にこれを確実且つ均一に拡
散することができる。この結果、合金化がミクロ的にも
均一化し、Fe2Al5の形成により浴中でのΓ相の発生
が抑制されることと相俟って、優れた耐パウダリング性
が得られるものと考えられる。
n反応が効果的に抑制されることには、浴侵入直後の鋼
板面に合金化抑制相であるFe2Al5が形成されること
も大きく寄与しており、本願発明ではこのようにFe2
Al5が形成され且つFe−Zn反応が抑制された状態
から、続く加熱処理においてδ1相を形成させることを
特徴としているが、上記のように高周波誘導加熱は鋼板
側からの加熱であるため、合金化時にFe2Al5が容易
に拡散しδ1相を形成する。つまり、Fe−Zn反応を
適切に抑制するために浴中でFe2Al5をある程度の厚
さに形成させても、合金化時にこれを確実且つ均一に拡
散することができる。この結果、合金化がミクロ的にも
均一化し、Fe2Al5の形成により浴中でのΓ相の発生
が抑制されることと相俟って、優れた耐パウダリング性
が得られるものと考えられる。
【0016】第4に、高周波誘導加熱はめっきを短時間
で合金化できることからΓ相の成長時間が短いことが挙
げられる。そして、本発明では浴中でのΓ相の発生も抑
えられるため、最終的なΓ相の形成量が少なく、このこ
とも耐パウダリング性の向上に大きく寄与しているもの
と考えられる。第5に、プレス成形性に関しても、上記
したように合金化がマクロ的、ミクロ的に均一になされ
る結果、均一且つ優れたプレス成形性が得られるものと
考えられる。第6に、高周波誘導加熱の利点として、鋼
板幅方向、長さ方向で均一な加熱が可能であるため、加
熱炉出側での厳密な板温管理が可能であり、また、ガス
炉等の雰囲気加熱方式とは異なり、加熱された雰囲気ガ
スの上昇(ドラフト効果)がないため、特殊な冷却をし
なくても過合金が起り難いことによるものと考えられ
る。
で合金化できることからΓ相の成長時間が短いことが挙
げられる。そして、本発明では浴中でのΓ相の発生も抑
えられるため、最終的なΓ相の形成量が少なく、このこ
とも耐パウダリング性の向上に大きく寄与しているもの
と考えられる。第5に、プレス成形性に関しても、上記
したように合金化がマクロ的、ミクロ的に均一になされ
る結果、均一且つ優れたプレス成形性が得られるものと
考えられる。第6に、高周波誘導加熱の利点として、鋼
板幅方向、長さ方向で均一な加熱が可能であるため、加
熱炉出側での厳密な板温管理が可能であり、また、ガス
炉等の雰囲気加熱方式とは異なり、加熱された雰囲気ガ
スの上昇(ドラフト効果)がないため、特殊な冷却をし
なくても過合金が起り難いことによるものと考えられ
る。
【0017】以下、本発明の構成とその限定理由につい
て説明する。本発明では、めっき浴中での合金化反応を
極力抑制するため、めっき浴中のAl量、めっき浴に侵
入する際の鋼板の板温及び浴温度が規定される。特に、
本発明では浴中で合金化抑制相であるFe2Al5を十分
に生成させ得る限度で低目の浴中Al量とし、且つ浴中
Al量との関係で規定される低目の侵入板温とすること
により、めっき浴中での合金化反応を抑制することが特
徴の1つである。
て説明する。本発明では、めっき浴中での合金化反応を
極力抑制するため、めっき浴中のAl量、めっき浴に侵
入する際の鋼板の板温及び浴温度が規定される。特に、
本発明では浴中で合金化抑制相であるFe2Al5を十分
に生成させ得る限度で低目の浴中Al量とし、且つ浴中
Al量との関係で規定される低目の侵入板温とすること
により、めっき浴中での合金化反応を抑制することが特
徴の1つである。
【0018】めっき浴中での合金化反応(ζ相の生成)
を抑えるには、低Al浴中において低い侵入板温でめっ
きすることが必要であるが、Al量が0.05%未満で
は、Fe2Al5による合金化抑制効果がないため、浴中
でアウトバ−スト反応が生じ、耐パウダリング性が劣化
する。このため浴中のAl量は0.05%以上とする。
一方、Al量が0.13%以上では、浴中でFe−Zn
合金化反応が過度に抑制されるため、後の合金化処理に
おいて急激な合金化反応を生じさせる必要があり、この
ような急激な合金反応は耐パウダリング性を劣化させ
る。このため浴中のAl量は0.13%未満とする。
を抑えるには、低Al浴中において低い侵入板温でめっ
きすることが必要であるが、Al量が0.05%未満で
は、Fe2Al5による合金化抑制効果がないため、浴中
でアウトバ−スト反応が生じ、耐パウダリング性が劣化
する。このため浴中のAl量は0.05%以上とする。
一方、Al量が0.13%以上では、浴中でFe−Zn
合金化反応が過度に抑制されるため、後の合金化処理に
おいて急激な合金化反応を生じさせる必要があり、この
ような急激な合金反応は耐パウダリング性を劣化させ
る。このため浴中のAl量は0.13%未満とする。
【0019】侵入板温は浴中Al量との関係で下記関係
式の条件を満足する必要がある。 437.5×〔Al%〕+428>T≧437.5×
〔Al%〕+408 但し、〔Al%〕:浴中Al量(%) T :侵入板温(℃) 侵入板温が浴中Al量との関係で上記上限を超えると、
浴中での合金化反応が生じてζ相が形成され、最終的に
本発明の目的とするδ1相を主体とした合金化相が得ら
れない。一方、侵入板温が上記下限を下回るとFe2A
l5が不均一に生成されるようになり、局部的な合金化
反応を生じるため耐パウダリング性が劣化してしまう。
めっき浴温度が高いと浴中における合金化反応が促進さ
れるため、本発明では浴温度を460℃以下とする。ま
た、浴温度が高過ぎると浴中に浸漬された構造物が侵食
され、ドロスが発生するなどの問題を生じる。
式の条件を満足する必要がある。 437.5×〔Al%〕+428>T≧437.5×
〔Al%〕+408 但し、〔Al%〕:浴中Al量(%) T :侵入板温(℃) 侵入板温が浴中Al量との関係で上記上限を超えると、
浴中での合金化反応が生じてζ相が形成され、最終的に
本発明の目的とするδ1相を主体とした合金化相が得ら
れない。一方、侵入板温が上記下限を下回るとFe2A
l5が不均一に生成されるようになり、局部的な合金化
反応を生じるため耐パウダリング性が劣化してしまう。
めっき浴温度が高いと浴中における合金化反応が促進さ
れるため、本発明では浴温度を460℃以下とする。ま
た、浴温度が高過ぎると浴中に浸漬された構造物が侵食
され、ドロスが発生するなどの問題を生じる。
【0020】めっきされた鋼板は、高周波誘導加熱炉に
おいて合金化のために加熱処理される。本発明では、上
記のような浴条件の規定に加え、この高周波誘導加熱炉
による加熱処理が大きな特徴であり、上述したように通
常行なわれているガス加熱では、本発明の目的とする合
金化めっき皮膜は全く得られない。この合金化処理で
は、炉出側の板温が495℃超〜520℃となるように
加熱し、所定時間保持後冷却する。上述したようにδ1
相を形成させるためには495℃を超える温度での加熱
が必要であり、浴中での合金化が抑制されためっきをこ
こで合金化し、δ1相を主体とした合金相を形成させ
る。しかし、520℃を超える加熱温度ではΓ相が形成
され、耐パウダリング性が劣化するため、加熱温度の上
限は520℃とする。本発明において高周波誘導加熱炉
出側の板温を管理する理由は、その部分が合金化熱サイ
クルでの最高板温となるためである。また、合金相の成
長速度はこの付近で最大となるため、出側板温を管理す
ることにより、その温度での合金化反応を起すことが可
能になる。
おいて合金化のために加熱処理される。本発明では、上
記のような浴条件の規定に加え、この高周波誘導加熱炉
による加熱処理が大きな特徴であり、上述したように通
常行なわれているガス加熱では、本発明の目的とする合
金化めっき皮膜は全く得られない。この合金化処理で
は、炉出側の板温が495℃超〜520℃となるように
加熱し、所定時間保持後冷却する。上述したようにδ1
相を形成させるためには495℃を超える温度での加熱
が必要であり、浴中での合金化が抑制されためっきをこ
こで合金化し、δ1相を主体とした合金相を形成させ
る。しかし、520℃を超える加熱温度ではΓ相が形成
され、耐パウダリング性が劣化するため、加熱温度の上
限は520℃とする。本発明において高周波誘導加熱炉
出側の板温を管理する理由は、その部分が合金化熱サイ
クルでの最高板温となるためである。また、合金相の成
長速度はこの付近で最大となるため、出側板温を管理す
ることにより、その温度での合金化反応を起すことが可
能になる。
【0021】本発明は皮膜中のFe含有量が8〜12%
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造を目的としている。
皮膜中のFe含有量が12%を超えると、皮膜が硬質に
なり、耐パウダリング性が劣化する。高周波誘導加熱炉
出側以降合金化を進めると固体内拡散反応により皮膜中
のFe含有量が上昇してしまう。一方、Fe含有量が8
%未満では、η相(純亜鉛相)が表面に残留するため、
プレス成形時に焼付け(フレ−キング)と呼ばれる現象
が起り好ましくない。従来では、皮膜中のFe含有量に
より皮膜構造が一義的に決まると考えられていたが、本
発明のように浴条件を適当に選択し、しかも合金化処理
を高周波誘導加熱で行うことにより、皮膜中のFe含有
量にかかわらず、本発明が目的とするような特定の皮膜
構造が得られる。このようにして得られる合金化めっき
皮膜は、表層側から均一なδ1相および極く薄いΓ相が
存在する構造となる。
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造を目的としている。
皮膜中のFe含有量が12%を超えると、皮膜が硬質に
なり、耐パウダリング性が劣化する。高周波誘導加熱炉
出側以降合金化を進めると固体内拡散反応により皮膜中
のFe含有量が上昇してしまう。一方、Fe含有量が8
%未満では、η相(純亜鉛相)が表面に残留するため、
プレス成形時に焼付け(フレ−キング)と呼ばれる現象
が起り好ましくない。従来では、皮膜中のFe含有量に
より皮膜構造が一義的に決まると考えられていたが、本
発明のように浴条件を適当に選択し、しかも合金化処理
を高周波誘導加熱で行うことにより、皮膜中のFe含有
量にかかわらず、本発明が目的とするような特定の皮膜
構造が得られる。このようにして得られる合金化めっき
皮膜は、表層側から均一なδ1相および極く薄いΓ相が
存在する構造となる。
【0022】〔実施例〕本発明の実施例を表1ないし表
4に示す。この実施例では、Alキルド鋼(0.03%
C−0.02%Sol.Al)、Ti添加IF鋼(0.
0025%C−0.04%Sol.Al−0.07%T
i)から製造された冷延鋼板を素材とし、表1および表
2に示される条件で溶融亜鉛めっき及び加熱処理を行っ
た。また、上記加熱処理はガス加熱方式および高周波誘
導加熱方式を用いた。得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼
板の耐パウダリング性及びプレス成形性を表3および表
4に示す。
4に示す。この実施例では、Alキルド鋼(0.03%
C−0.02%Sol.Al)、Ti添加IF鋼(0.
0025%C−0.04%Sol.Al−0.07%T
i)から製造された冷延鋼板を素材とし、表1および表
2に示される条件で溶融亜鉛めっき及び加熱処理を行っ
た。また、上記加熱処理はガス加熱方式および高周波誘
導加熱方式を用いた。得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼
板の耐パウダリング性及びプレス成形性を表3および表
4に示す。
【0023】本実施例において、鋼板のめっき浴中への
侵入温度は放射型温度計で測定した浸漬直前の鋼板の表
面温度である。また、加熱炉出側の板温は放射型温度計
で測定した鋼板の表面温度である。また、めっき浴中A
l量は下式に定義される有効Al濃度である。 〔有効Al濃度〕=〔浴中全Al濃度〕−〔浴中鉄濃
度〕+0.03 皮膜中Fe%は浴条件、加熱条件および冷却条件に依存
する。冷却条件は本発明の特徴の一つである皮膜構造の
マクロ或いはミクロな均一性にほとんど影響を及ぼさな
いが、合金化度(皮膜中Fe%)を変化させることによ
り特性に影響を及ぼす。したがって、本実施例では冷却
用のブロアの風量、ミストの量を調整し、皮膜中のFe
%を制御した。
侵入温度は放射型温度計で測定した浸漬直前の鋼板の表
面温度である。また、加熱炉出側の板温は放射型温度計
で測定した鋼板の表面温度である。また、めっき浴中A
l量は下式に定義される有効Al濃度である。 〔有効Al濃度〕=〔浴中全Al濃度〕−〔浴中鉄濃
度〕+0.03 皮膜中Fe%は浴条件、加熱条件および冷却条件に依存
する。冷却条件は本発明の特徴の一つである皮膜構造の
マクロ或いはミクロな均一性にほとんど影響を及ぼさな
いが、合金化度(皮膜中Fe%)を変化させることによ
り特性に影響を及ぼす。したがって、本実施例では冷却
用のブロアの風量、ミストの量を調整し、皮膜中のFe
%を制御した。
【0024】また、各特性に関する試験、評価方法は以
下の通りである。 ○製品皮膜中ζ相の量:得られた皮膜をX線回折し、ζ
相についてはd=1.900のピ−ク強度Iζ(421)
を、またδ1相についてはd=1.990のピ−ク強度
Iδ1(249)をそれぞれ取り、下式で示すピ−ク強度比
をもって皮膜中のζ相の量を表した。なお、Ibgはバ
ックグランドであり、Z/Dが20以下ならば実質的に
ζ相は存在しない。 Z/D=(Iζ(421)−Ibg)/(Iδ1(249)−
Ibg)×100
下の通りである。 ○製品皮膜中ζ相の量:得られた皮膜をX線回折し、ζ
相についてはd=1.900のピ−ク強度Iζ(421)
を、またδ1相についてはd=1.990のピ−ク強度
Iδ1(249)をそれぞれ取り、下式で示すピ−ク強度比
をもって皮膜中のζ相の量を表した。なお、Ibgはバ
ックグランドであり、Z/Dが20以下ならば実質的に
ζ相は存在しない。 Z/D=(Iζ(421)−Ibg)/(Iδ1(249)−
Ibg)×100
【0025】○耐パウダリング性:試験片に防錆油(パ
−カ−興産(株)製ノックスラスト530F)を1g/
m2塗布した後、ビ−ド半径R:0.5mm、押し付け
荷重P:500kg、押し込み深さh:4mmでビ−ド
引き抜き試験を行い、テ−プ剥離後、成形前後の重量変
化から剥離量を算出した。なお、表中の数値は複数の測
定値(5×5=25個)の平均値である。 ○耐パウダリング性の板幅方向最大偏差:操業条件が安
定した箇所で、コイル長さ方向5点、コイル幅方向5点
(両エッジ、1/4の位置およびセンタ−部)で上記耐
パウダリング性をそれぞれ測定し、最大値と最小値の差
をとった。
−カ−興産(株)製ノックスラスト530F)を1g/
m2塗布した後、ビ−ド半径R:0.5mm、押し付け
荷重P:500kg、押し込み深さh:4mmでビ−ド
引き抜き試験を行い、テ−プ剥離後、成形前後の重量変
化から剥離量を算出した。なお、表中の数値は複数の測
定値(5×5=25個)の平均値である。 ○耐パウダリング性の板幅方向最大偏差:操業条件が安
定した箇所で、コイル長さ方向5点、コイル幅方向5点
(両エッジ、1/4の位置およびセンタ−部)で上記耐
パウダリング性をそれぞれ測定し、最大値と最小値の差
をとった。
【0026】○摩擦係数:試験片に防錆油(パ−カ−興
産(株)製ノックスラスト530F)を1g/m2塗布
した後、工具鋼SKD11製の圧子を荷重400kgで
押し付け、1m/minの引き抜き速度で引き抜きを行
い、引き抜き荷重と押し付け荷重との比を摩擦係数とし
た。なお、表中の数値は複数の測定値(5×5=25
個)の平均値である。 ○摩擦係数の板幅方向最大偏差:耐パウダリング性と同
一箇所で摩擦係数をそれぞれ測定し、最大値と最小値の
差をとった。
産(株)製ノックスラスト530F)を1g/m2塗布
した後、工具鋼SKD11製の圧子を荷重400kgで
押し付け、1m/minの引き抜き速度で引き抜きを行
い、引き抜き荷重と押し付け荷重との比を摩擦係数とし
た。なお、表中の数値は複数の測定値(5×5=25
個)の平均値である。 ○摩擦係数の板幅方向最大偏差:耐パウダリング性と同
一箇所で摩擦係数をそれぞれ測定し、最大値と最小値の
差をとった。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】表において、比較例1および比較例2は侵
入板温高過ぎるため浴中でζ相が生じ、摩擦特性が悪
い。また、比較例3は侵入板温が低いため、浴中でFe
2Al5が不均一に形成され、合金化がミクロ的に不均一
化し、耐パウダリング性が悪い。比較例4は高周波誘導
加熱での加熱温度が低過ぎるため製品皮膜中にζ相が形
成され、摩擦特性が悪い。比較例5および比較例10は
高周波誘導加熱での加熱温度が高過ぎるためΓ相が形成
され、耐パウダリング性が悪い。
入板温高過ぎるため浴中でζ相が生じ、摩擦特性が悪
い。また、比較例3は侵入板温が低いため、浴中でFe
2Al5が不均一に形成され、合金化がミクロ的に不均一
化し、耐パウダリング性が悪い。比較例4は高周波誘導
加熱での加熱温度が低過ぎるため製品皮膜中にζ相が形
成され、摩擦特性が悪い。比較例5および比較例10は
高周波誘導加熱での加熱温度が高過ぎるためΓ相が形成
され、耐パウダリング性が悪い。
【0032】比較例6〜比較例8は加熱をガス加熱で行
なった例であり、このうち加熱温度が高めの比較例6で
は、焼きムラにより部分的にΓ相が形成され、耐パウダ
リング性が悪く、また、摩擦特性も板幅方向でバラツキ
がある。また、これより加熱温度が低めの比較例7、比
較例8では、焼きムラにより部分的にζ相が残留し、耐
パウダリング性、摩擦特性ともに劣っており、また、板
幅方向でも大きなバラツキを生じている。
なった例であり、このうち加熱温度が高めの比較例6で
は、焼きムラにより部分的にΓ相が形成され、耐パウダ
リング性が悪く、また、摩擦特性も板幅方向でバラツキ
がある。また、これより加熱温度が低めの比較例7、比
較例8では、焼きムラにより部分的にζ相が残留し、耐
パウダリング性、摩擦特性ともに劣っており、また、板
幅方向でも大きなバラツキを生じている。
【図1】溶融亜鉛めっき鋼板の450℃での恒温合金化
反応による相変化の一例を示すものである。
反応による相変化の一例を示すものである。
【図2】溶融亜鉛めっき鋼板の500℃での恒温合金化
反応による相変化の一例を示すものである。
反応による相変化の一例を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平谷 晃 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 森田 正哉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−173250(JP,A) 特開 昭62−205262(JP,A) 特開 平2−66148(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 2/00 - 2/40
Claims (1)
- 【請求項1】 Alを含有し、残部Znおよび不可避的
不純物からなる亜鉛めっき浴でめっきを施した後、目付
量調整を行い、加熱炉で皮膜中のFe含有量が8〜12
%となるように合金化処理を行う合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の製造方法において、浴中Al量:0.05%以
上、0.13%未満、浴温度:460℃以下で、且つ、
浴中Al量と鋼板のめっき浴中への侵入板温とが、 437.5×〔Al%〕+428>T≧437.5×
〔Al%〕+408 但し、〔Al%〕:浴中Al量(%) T :侵入板温(℃) を満足する条件でめっきを行うことにより、浴中でFe
−Zn合金化反応を抑制し、めっき後、高周波誘導加熱
炉で加熱炉出側の板温が495℃超〜520℃となるよ
うに加熱し、所定時間保持後冷却することを特徴とする
プレス成形性および耐パウダリング性の優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25245696A JP2770825B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | プレス成形性および耐パウダリング性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25245696A JP2770825B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | プレス成形性および耐パウダリング性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2415800A Division JP2658580B2 (ja) | 1990-12-29 | 1990-12-29 | プレス成形性および耐パウダリング性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09165663A JPH09165663A (ja) | 1997-06-24 |
JP2770825B2 true JP2770825B2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=17237641
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25245696A Expired - Fee Related JP2770825B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | プレス成形性および耐パウダリング性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2770825B2 (ja) |
-
1996
- 1996-09-03 JP JP25245696A patent/JP2770825B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09165663A (ja) | 1997-06-24 |
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