JPH0423018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、プリンタなどの枠に固定的に取り付
けられる、据え置き型のリボンカセツトに関する
ものである。

［従来の技術］ 従来から、この据え置き型のリボンカセツトの
ケースの一側には凹部が形成してあり、この凹部
の開口側には無端状のインクリボンが位置し、こ
の凹部内を印字ヘツドが搭載してあるキヤリツジ
が、印字時には左右に走行するようになつてい
る。さらに、ケースには取り付け孔が設けてあ
り、この取り付け孔はこの凹部の方に向けて開口
し、この開口からインクカートリツジが取り外し
可能に装着されて交換可能となつている。また、
インクを含浸してあるインクローラから、インク
リボンにインクが供給される補給手段が設けてあ
る（例えば実開昭57−113969号公報）。

また、この補給手段の構成は、インクローラか
ら転写ローラの転写部にインクを供給し、さらに
この転写ローラにインクリボンを圧接して、この
リボンにインクを供給するものであるが、先にカ
ートリツジの側部から補給棒体を突出させ、この
補給棒体を介して転写ローラにインクを補給する
ことを特徴とする補給手段が提案されている。

［解決しようとする課題］ ところで、前記の実開昭57−113969号公報の例
によると、インクカートリツジの取り付け孔が凹
部に向けて開口しているため、このインクカート
リツジを交換するためには、凹部内に位置してい
るキヤリツジの存在が障害になり、予めリボンカ
セツト自体をプリンタ枠から取り外す必要があ
る。

また、後者の従来例では、インクカートリツジ
をその取り付け穴内に、誤つて上面と下面とを逆
にして入れた場合には、補給棒体が転写ローラの
転写部の所定位置に当接しないことになり、補給
機能が損なわれる問題があつた。その理由は、一
般にインクカートリツジ内のインク量を多くする
ために、インクカートリツジの容量を大きくし、
カセツトケースの厚みは薄くしたいという要請か
ら、その厚さ（高さ）はカセツトケースの厚さ
（高さ）よりも厚く（高く）なつており、そのた
めに補給棒体の中心線のレベルが、インクカート
リツジの中心線のレベルよりも下方に位置してい
るからである。また、インクカートリツジを取り
付け孔内に装着したり、取り出したりするのが面
倒であつた。

そこで本考案の目的は、リボンカセツトをプリ
ンタに取り付けたままインクカートリツジの交換
ができ、さらにインクカートリツジを取り付け穴
内に容易に着脱でき、またこのインクカートリツ
ジを誤つて上下逆にして入れることを防止するこ
とのできるリボンカセツトを提供することにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案の特徴は、ケースには、インクカートリ
ツジを収納するための取り付け孔が形成してあ
り、この取り付け孔は、上記ケースの上面側に開
口してあり、上記インクカートリツジの上面に
は、上記ケースよりも上方に突出する突条部と上
記取り付け孔の開口の後端よりも後方向に突出し
た突出部とが形成してあり、この突出部は、上記
インクカートリツジが上記取り付け穴内に収納さ
れた状態で、上記ケースの上面との間に間隙があ
るところにある。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を、図面に基づいて説
明する。

リボンカセツトはプリンタのフレームに固定的
に装置されるものであつて、このケース１の上部
（第１図）には、凹部１ｃが形成され、この凹部
内は印字ヘツドを搭載したキヤリツジ（図示せ
ず）が印字時に左右に移動可能な空間である。ま
た、ケース１の左端部側には、上面の蓋部１ａか
ら底部に向け、かつこの上面側が開口している取
り付け孔１ｂが設けてあり、この取り付け孔内に
は、第２図示のようにインクカートリツジ２を上
方から下方に向けて収納したり、上方に引き上げ
て取り外し可能に収納支持してある。

インクカートリツジ２には、第１，３，４図に
示すように、その上面中央部には、長手方向（第
１図左右方向）に全長にわたつて突条部３が形成
してある。突条部３の高さと幅とは、インクカー
トリツジ２の上面を補強するに十分な高さと長さ
に設定してある。突条部３は、第２，３図に示す
ように、インクカートリツジ２を挿着したり取り
外したりすることが容易なように、ケース１の上
面よりも上方に突出し、指先で把持可能なもので
ある。さらにその右端部は、取り付け孔１ｂの開
口端を越えて右側方へ突出した突出部４となつて
いる。突出部４はテーパ状に形成し、ケース１の
上面つまり取り付け孔１ｂの開口端の縁部との間
に指（爪）先が差し入れ可能の間隙５があけてあ
る。

また、インクカートリツジ２には、取り付け孔
１ｂの内壁６と対向する側壁７に、第２，３図に
示すように内方に湾曲した支持凹部７ａが設けて
ある。支持凹部７ａの内面には、内壁６に傾斜状
態に取り付けてある支持ばね８の下端部が弾接
し、そのばね力で取り付け孔１ｂ内に収納された
インクカートリツジ２を位置保持している。

さらに、インクカートリツジ２内には、第１，
２，３図に示すように、インクを含浸した繊維で
構成したインク補給部９が収納してある。インク
補給部９には、左側壁より突出しているフエルト
で構成した補給棒体１０の後端部が連接し、この
補給棒体の先端部は、転写ローラ１１の転写リン
グ部１１ａの右側部に圧接している。転写リング
部１１ａの左側部には、ばね１２によりインクリ
ボン１３が圧接している。

このインクリボン１３は、第１図に示すよう
に、カセツトケース１の凹部１ｃの前方に、掛回
し部１４ａ，１４ｂ間に掛け回し露出した状態で
張設し、この露出部分が印字時の印字に使用され
る。さらに、インクリボン１３は、左方の掛回し
部１４ｂから掛回し部１４ｃおよび転写ローラ１
１を経て、貯蔵室１ｄ内を蛇行し、さらにカセツ
トケースの右端側の掛回し部１４ｄを掛け回し、
さらに左方に迂回してピン１５に掛け回して折り
返し、カセツトケースの右側の掛回し部１４ｅを
経て掛け回し部１４ａに至る無端状のものであ
る。

本考案では、インクカートリツジ２を収納した
り交換する場合には、このカートリツジの突条部
３を把持して行い、特に取り外す時には、突出部
４に爪先を掛止させて、そのまま上方に引き上げ
ればよく、リボンカセツトをプリンタ枠から外す
必要はない。

インクカートリツジ２を取り付け孔１ｂに取り
付ける際、前記したように突条部３を把持して行
うが、仮に誤つて下面（底面）を上側にして入れ
ようとすると、突出部４が取り付け孔の開口端の
縁部に突き当つて、カートリツジが入るのを防
げ、また誤つて側面（横面）を上側に入れようと
する場合も、突出部４が開口端の縁部突き当つ
て、誤挿入を防止する。つまり、突出部４は、イ
ンクカートリツジ２を正しい方向（突条部３、突
出部４がある面を上にする姿勢）で入れるための
識別手段となる。

突出部４の構成は、前記実施例のように突起に
限定するものでなく、カートリツジの幅いつぱい
につば状に形成したものであつてもよい。突条部
３をテーパ状に形成し、その下部に間隙を設ける
ことにより、取り外し操作が容易となるが、この
間隙を設けることなく開口端縁部に当接するよう
にしてもよい。また、突条部を設ける場合、その
一端部を突出部とすれば製造が容易となる。

［効果］ 以上説明したように、本考案によれば、インク
カートリツジを着脱する場合には、このカートリ
ツジの突条部を把持し、または突出部に爪先を掛
止させてそのまま上方に引き上げればよい。ま
た、従来のようにインクカートリツジを交換する
場合、リボンカセツトをプリンタ枠から外す必要
はない。また、突出部を設けてあるので、インク
カートリツジをリボンカセツトの取り付け孔内に
間違つた向きで入れることを防止でき、したがつ
て逆挿入から生ずるインクの補給機能の低下を防
ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は使用状態を示す平面図、第２図は使用
状態を示す一部切欠正面図、第３図は一部切欠正
面図、第４図は第３図左側面図である。 １……リボンカセツトケース、１ａ……蓋部、
１ｂ……取り付け孔、１ｃ……凹部、２……イン
クカートリツジ、３……突条部、４……突出部、
５……間隙、９……インク補給部、１０……補給
体、１１……転写ローラ、１３……インクリボ
ン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 プリンタ枠に固定的に装置可能で、かつ印字ヘ
   ツドを搭載したキヤリツジが印字時に移動可能な
   凹部が形成してあるケースと、このケースに着脱
   可能に収納されるインクカートリツジと、このイ
   ンクカートリツジの補給体を介してインクの補給
   を受ける転写ローラと、上記ケース内に貯蔵され
   一部が露出している無端状のインクリボンとより
   なり、 上記ケースには、上記インクカートリツジを収
   納するための取り付け孔が形成してあり、 上記取り付け孔は、上記ケースの上面側に開口
   してあり、 上記インクカートリツジの上面には、上記ケー
   スよりも上方に突出する突条部と上記取り付け孔
   の開口の後端よりも後方向に突出する突出部とが
   形成してあり、 上記突出部は、上記インクカートリツジが上記
   取り付け穴内に収納された状態で、上記ケースの
   上面との間に間隙がある ことを特徴とするリボンカセツト。