JPH04228538A - 加工性に優れた熱延高強度鋼板 - Google Patents
加工性に優れた熱延高強度鋼板Info
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- JPH04228538A JPH04228538A JP10765191A JP10765191A JPH04228538A JP H04228538 A JPH04228538 A JP H04228538A JP 10765191 A JP10765191 A JP 10765191A JP 10765191 A JP10765191 A JP 10765191A JP H04228538 A JPH04228538 A JP H04228538A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動車、産業用機械等
に使用することを目的とした高延性を有する加工性に優
れた熱延高強度鋼板に関するものである。
に使用することを目的とした高延性を有する加工性に優
れた熱延高強度鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用鋼板の軽量化と衝突時の安全確
保を主な背景として鋼板の高強度化の要請は強い。しか
し、高強度鋼板といえどもその加工性に対する要求は高
く、強度と加工性を両立させる鋼板が必要とされている
。従来、良好な延性を必要とする用途に供される熱延鋼
板として、フェライトとマルテンサイトにより構成され
るDual phase鋼(以下DP鋼と称す。)が
ある。このDP鋼は固溶強化型高強度鋼板、析出強化型
高強度鋼板よりすぐれた強度・延性バランスを示すこと
が知られている。しかし、その強度・延性バランスの限
界はTS×T.El≦2000であり、より厳しい要求
には耐えられないのが現状である。
保を主な背景として鋼板の高強度化の要請は強い。しか
し、高強度鋼板といえどもその加工性に対する要求は高
く、強度と加工性を両立させる鋼板が必要とされている
。従来、良好な延性を必要とする用途に供される熱延鋼
板として、フェライトとマルテンサイトにより構成され
るDual phase鋼(以下DP鋼と称す。)が
ある。このDP鋼は固溶強化型高強度鋼板、析出強化型
高強度鋼板よりすぐれた強度・延性バランスを示すこと
が知られている。しかし、その強度・延性バランスの限
界はTS×T.El≦2000であり、より厳しい要求
には耐えられないのが現状である。
【0003】この現状を打破してTS×T.El>20
00が得られるシーズとして残留オーステナイトの利用
がある。その一例としてAr3 〜Ar3 +50℃で
熱間圧延後、鋼板を450〜650℃の温度範囲で4〜
20秒保持し、次いで350℃以下で捲き取り、残留オ
ーステナイトを有する鋼板を製造する方法(特開昭60
−43425)、更に他の例として仕上温度850℃以
上で全圧下率80%以上かつ最終3パスの合計圧下率6
0%以上、最終パス圧下率20%以上の大圧下圧延を行
い、続いて50℃/s以上の冷却速度で300℃以下ま
で冷却し、残留オーステナイトを有する鋼板を製造する
方法(特開昭60−165320)等が示されている。
00が得られるシーズとして残留オーステナイトの利用
がある。その一例としてAr3 〜Ar3 +50℃で
熱間圧延後、鋼板を450〜650℃の温度範囲で4〜
20秒保持し、次いで350℃以下で捲き取り、残留オ
ーステナイトを有する鋼板を製造する方法(特開昭60
−43425)、更に他の例として仕上温度850℃以
上で全圧下率80%以上かつ最終3パスの合計圧下率6
0%以上、最終パス圧下率20%以上の大圧下圧延を行
い、続いて50℃/s以上の冷却速度で300℃以下ま
で冷却し、残留オーステナイトを有する鋼板を製造する
方法(特開昭60−165320)等が示されている。
【0004】しかしながら、省エネルギー、生産性向上
の点からすると、冷却途中、450〜650℃での4〜
20秒の保持、および350℃以下の低温捲取あるいは
大圧下圧延等を必要とする従来方法は操業上好ましくな
い。それにもかかわらず、これらの方法によって得られ
た鋼板の加工性はTS×T.El<2400であり、か
ならずしも使用者側の要求レベルをすべて満たしている
とは言い難い。より高いTS×T.El値(望ましくは
2400以上)を持つ鋼板が求められていた。
の点からすると、冷却途中、450〜650℃での4〜
20秒の保持、および350℃以下の低温捲取あるいは
大圧下圧延等を必要とする従来方法は操業上好ましくな
い。それにもかかわらず、これらの方法によって得られ
た鋼板の加工性はTS×T.El<2400であり、か
ならずしも使用者側の要求レベルをすべて満たしている
とは言い難い。より高いTS×T.El値(望ましくは
2400以上)を持つ鋼板が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の限界を超え
てTS×T.El≧2000を得るには、本願発明者達
の各種の実験結果によると、後述する実施例のA鋼を対
象とし図1に示す如く少なくとも5%以上の残留オース
テナイトを含有することが必要であり、これによって前
記したDP鋼レベルのTS×T.Elがほぼ2000を
確実に凌駕できる。また、TS×T.Elの向上代は一
様伸びの向上に大きく基づいており、20%以上の一様
伸びを有している。本発明はこの知見をもとに経済的に
5%以上の残留オーステナイトを含有する加工性に優れ
た熱延高強度鋼板を提供するものである。
てTS×T.El≧2000を得るには、本願発明者達
の各種の実験結果によると、後述する実施例のA鋼を対
象とし図1に示す如く少なくとも5%以上の残留オース
テナイトを含有することが必要であり、これによって前
記したDP鋼レベルのTS×T.Elがほぼ2000を
確実に凌駕できる。また、TS×T.Elの向上代は一
様伸びの向上に大きく基づいており、20%以上の一様
伸びを有している。本発明はこの知見をもとに経済的に
5%以上の残留オーステナイトを含有する加工性に優れ
た熱延高強度鋼板を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記、問題点を解決する
ために本発明は次の構成を手段とするものである。1.
重量%で、C:0.15超〜0.3%未満、Si:
0.5〜2.0%、Mn:0.5〜2.0%、残部が鉄
および不可避的不純物からなり、ポリゴナルフェライト
占積率VPF(%)とポリゴナルフェライト平均粒径d
PF(μm )の比VPF/dPFが7以上でかつ残留
オーステナイトを体積比で5%以上含むフェライト、ベ
イナイトおよび残留オーステナイトの組織から構成され
、強度−延性バランスTS×T.Elで2000kgf
/mm2 ・%以上であることを特徴とする加工性に優
れた熱延高強度鋼板。2. 重量%で、C:0.15
超〜0.3%未満、Si:0.5〜2.0%、Mn:0
.5〜2.0%に加えて、Ca:0.0005〜0.0
100%、REM:0.005〜0.050%のどちら
か1種を含有し、かつ、S:0.010%以下に制限し
、残部が鉄および不可避的不純物からなり、ポリゴナル
フェライト占積率VPF(%)とポリゴナルフェライト
平均粒径dPF(μm )の比VPF/dPFが7以上
でかつ残留オーステナイトを体積比で5%以上含むフェ
ライト、ベイナイトおよび残留オーステナイトの組織か
ら構成され、強度−延性バランスTS×T.Elで20
00kgf/mm2 ・%以上であることを特徴とする
加工性に優れた熱延高強度鋼板。
ために本発明は次の構成を手段とするものである。1.
重量%で、C:0.15超〜0.3%未満、Si:
0.5〜2.0%、Mn:0.5〜2.0%、残部が鉄
および不可避的不純物からなり、ポリゴナルフェライト
占積率VPF(%)とポリゴナルフェライト平均粒径d
PF(μm )の比VPF/dPFが7以上でかつ残留
オーステナイトを体積比で5%以上含むフェライト、ベ
イナイトおよび残留オーステナイトの組織から構成され
、強度−延性バランスTS×T.Elで2000kgf
/mm2 ・%以上であることを特徴とする加工性に優
れた熱延高強度鋼板。2. 重量%で、C:0.15
超〜0.3%未満、Si:0.5〜2.0%、Mn:0
.5〜2.0%に加えて、Ca:0.0005〜0.0
100%、REM:0.005〜0.050%のどちら
か1種を含有し、かつ、S:0.010%以下に制限し
、残部が鉄および不可避的不純物からなり、ポリゴナル
フェライト占積率VPF(%)とポリゴナルフェライト
平均粒径dPF(μm )の比VPF/dPFが7以上
でかつ残留オーステナイトを体積比で5%以上含むフェ
ライト、ベイナイトおよび残留オーステナイトの組織か
ら構成され、強度−延性バランスTS×T.Elで20
00kgf/mm2 ・%以上であることを特徴とする
加工性に優れた熱延高強度鋼板。
【0007】
【作用】以下、本発明の構成要件について説明を行う。
まず、本発明に用いる鋼の化学的成分の限定理由を説明
する。Cは鋼の強化に不可欠な元素であり、0.15%
(wt%以下同じ)以下では本発明鋼の延性を向上させ
ている残留オーステナイトが充分に得られない。また、
0.3%以上では溶接性を劣化させ、鋼を脆化させる。 そこで0.15超〜0.3%未満とした。
する。Cは鋼の強化に不可欠な元素であり、0.15%
(wt%以下同じ)以下では本発明鋼の延性を向上させ
ている残留オーステナイトが充分に得られない。また、
0.3%以上では溶接性を劣化させ、鋼を脆化させる。 そこで0.15超〜0.3%未満とした。
【0008】Siはその含有量の増加により、延性向上
に寄与するフェライトの生成、純化に有利であり、また
、Cを未変態オーステナイト中へ濃化させて、残留オー
ステナイトを得るのに有利となる。この効果は0.5%
未満では充分に発揮されず、また、2%をこえるとその
効果は飽和し、かえってスケール性状、溶接性を劣化さ
せる。そこで0.5〜2.0%とした。
に寄与するフェライトの生成、純化に有利であり、また
、Cを未変態オーステナイト中へ濃化させて、残留オー
ステナイトを得るのに有利となる。この効果は0.5%
未満では充分に発揮されず、また、2%をこえるとその
効果は飽和し、かえってスケール性状、溶接性を劣化さ
せる。そこで0.5〜2.0%とした。
【0009】Mnはよく知られている通りオーステナイ
トの安定化元素としてオーステナイトの残留に寄与する
。その効果は0.5%未満では充分に発揮されず、また
2%をこえるとその効果は飽和し、かえって溶接性を劣
化等の悪い影響を発生する。そこで0.5〜2.0%と
した。Sは穴拡げ性に有害な元素であり、0.010%
をこえると穴拡げ性を劣化させる。そこで0.010%
以下とした。なお、好ましくは0.001%以下とする
ことが望ましい。
トの安定化元素としてオーステナイトの残留に寄与する
。その効果は0.5%未満では充分に発揮されず、また
2%をこえるとその効果は飽和し、かえって溶接性を劣
化等の悪い影響を発生する。そこで0.5〜2.0%と
した。Sは穴拡げ性に有害な元素であり、0.010%
をこえると穴拡げ性を劣化させる。そこで0.010%
以下とした。なお、好ましくは0.001%以下とする
ことが望ましい。
【0010】また、穴拡げ性向上のためにはSを減らし
硫化物系介在物を減らすとともに、その球状化が有効で
ある。球状化にはCaもしくはREMを添加することが
有効である。それぞれ0.0005%、0.0050%
未満では球状化の効果は少なく、それぞれ、0.010
0%、0.050%超では球状化の効果が飽和し、むし
ろ介在物を増加させて逆効果となるため、それぞれ0.
0005〜0.0100%、0.005〜0.050%
とした。
硫化物系介在物を減らすとともに、その球状化が有効で
ある。球状化にはCaもしくはREMを添加することが
有効である。それぞれ0.0005%、0.0050%
未満では球状化の効果は少なく、それぞれ、0.010
0%、0.050%超では球状化の効果が飽和し、むし
ろ介在物を増加させて逆効果となるため、それぞれ0.
0005〜0.0100%、0.005〜0.050%
とした。
【0011】次に本発明の組織上の制限とその理由を説
明する。後述する実施例におけるA鋼をベースにして前
記の課題を解決するための手段としての各種製造方法お
よびその製造条件の付近で製造された鋼板を整理、検討
した結果、次のことを確認した。
明する。後述する実施例におけるA鋼をベースにして前
記の課題を解決するための手段としての各種製造方法お
よびその製造条件の付近で製造された鋼板を整理、検討
した結果、次のことを確認した。
【0012】本発明において鋼板の延性を向上させるた
めには5%以上の残留オーステナイトを生じせしめるこ
とが必須で、そのためにはオーステナイトがC等の元素
の濃化により安定化されることが望まれる。このために
は■フェライトを生成させることによりオーステナイト
中へのC等の元素の濃化を促進させ、オーステナイトの
残留に寄与せしめること、■ベイナイト変態の進行に伴
い、オーステナイト中へのC等の元素の濃化を促進させ
、オーステナイトの残留に寄与せしめることが必要であ
る。
めには5%以上の残留オーステナイトを生じせしめるこ
とが必須で、そのためにはオーステナイトがC等の元素
の濃化により安定化されることが望まれる。このために
は■フェライトを生成させることによりオーステナイト
中へのC等の元素の濃化を促進させ、オーステナイトの
残留に寄与せしめること、■ベイナイト変態の進行に伴
い、オーステナイト中へのC等の元素の濃化を促進させ
、オーステナイトの残留に寄与せしめることが必要であ
る。
【0013】フェライトの生成によりオーステナイト中
へのC等の元素の濃化を促進させ、オーステナイトの残
留に寄与せしめようとする場合、フェライト占積率を増
加させ、フェライト粒を微細化することが必要である。 なぜならばC濃度が最も高く、オーステナイトとして残
留しやすい箇所はフェライトと未変態オーステナイトの
界面であり、その界面はフェライト占積率の増加とフェ
ライト粒の微細化により増加するからである。
へのC等の元素の濃化を促進させ、オーステナイトの残
留に寄与せしめようとする場合、フェライト占積率を増
加させ、フェライト粒を微細化することが必要である。 なぜならばC濃度が最も高く、オーステナイトとして残
留しやすい箇所はフェライトと未変態オーステナイトの
界面であり、その界面はフェライト占積率の増加とフェ
ライト粒の微細化により増加するからである。
【0014】図1と同じ条件の実験結果を整理した図2
に示すように少なくともTS×T.El>2000を確
実に得るにはポリゴナルフェライト占積率(VPF)%
とポリゴナルフェライト粒径(dPF)μm の比:V
PF/dPFを7以上とすればよいことを見い出した。 (ポリゴナル・フェライトの占積率および平均粒径は光
学顕微鏡写真にて測定を行う。なおポリゴナル・フェラ
イトとはフェライトの内で軸比(長軸/短軸)=1〜3
のものと定義する。)フェライト、残留オーステナイト
以外の残部組織はオーステナイト中へのC等の濃化に寄
与するベイナイトと(ベイナイト変態の進行により未変
態オーステナイトへCが濃化し、オーステナイトを安定
化し、オーステナイトの残留に好ましい効果を発揮する
。)残留オーステナイト量を減少させるパーライト、マ
ルテンサイトを生成させないことが必要である。
に示すように少なくともTS×T.El>2000を確
実に得るにはポリゴナルフェライト占積率(VPF)%
とポリゴナルフェライト粒径(dPF)μm の比:V
PF/dPFを7以上とすればよいことを見い出した。 (ポリゴナル・フェライトの占積率および平均粒径は光
学顕微鏡写真にて測定を行う。なおポリゴナル・フェラ
イトとはフェライトの内で軸比(長軸/短軸)=1〜3
のものと定義する。)フェライト、残留オーステナイト
以外の残部組織はオーステナイト中へのC等の濃化に寄
与するベイナイトと(ベイナイト変態の進行により未変
態オーステナイトへCが濃化し、オーステナイトを安定
化し、オーステナイトの残留に好ましい効果を発揮する
。)残留オーステナイト量を減少させるパーライト、マ
ルテンサイトを生成させないことが必要である。
【0015】次に本発明の製造工程上の制限とその理由
について説明する。フェライト占積率を増加させる(即
ちVPFを大きくする)製造技術としては低温圧延、高
圧下圧延、仕上圧延後の冷却テーブル上におけるフェラ
イト変態のノーズ温度付近(Ar1 超〜Ar3 )で
の徐冷(フェライト変態のノーズ温度とは恒温フェライ
ト変態が最小時間で開始、終了する温度)が有効である
。フェライトを細粒化する(即ち、dPFを小さくする
)製造技術としては低温圧延、高圧下圧延、Ar3 変
態点近傍での急冷、フェライト変態後の急冷(粒成長を
避けるために)が有効である。従って、上記の前者の各
手段および後者のそれを組み合わせた製造方法が考えら
れる。
について説明する。フェライト占積率を増加させる(即
ちVPFを大きくする)製造技術としては低温圧延、高
圧下圧延、仕上圧延後の冷却テーブル上におけるフェラ
イト変態のノーズ温度付近(Ar1 超〜Ar3 )で
の徐冷(フェライト変態のノーズ温度とは恒温フェライ
ト変態が最小時間で開始、終了する温度)が有効である
。フェライトを細粒化する(即ち、dPFを小さくする
)製造技術としては低温圧延、高圧下圧延、Ar3 変
態点近傍での急冷、フェライト変態後の急冷(粒成長を
避けるために)が有効である。従って、上記の前者の各
手段および後者のそれを組み合わせた製造方法が考えら
れる。
【0016】圧延温度:フェライト占積率を増し、フェ
ライトを細粒化するためには低温圧延が有効である。た
だし、Ar3 −50℃より低い温度では加工フェライ
トが増加し、延性を害する。また、Ar3 +50℃よ
り高い温度ではフェライトが充分生成しない。従ってA
r3 ±50℃が仕上圧延終了温度としては有効である
。さらに仕上圧延開始温度をAr3+100℃以下とす
ることにより、フェライトの生成および微細化が促進さ
れる。
ライトを細粒化するためには低温圧延が有効である。た
だし、Ar3 −50℃より低い温度では加工フェライ
トが増加し、延性を害する。また、Ar3 +50℃よ
り高い温度ではフェライトが充分生成しない。従ってA
r3 ±50℃が仕上圧延終了温度としては有効である
。さらに仕上圧延開始温度をAr3+100℃以下とす
ることにより、フェライトの生成および微細化が促進さ
れる。
【0017】ただし、低温圧延は、薄物圧延(板厚≦2
mm)時、特に変形抵抗の高い高カーボン当量材もしく
は高合金材の圧延時には、圧延荷重の増大、形状確保の
困難等の操業上好ましからざる点がある。従って後述す
る熱間仕上圧延後の冷却テーブル上での冷却をコントロ
ールすることによってフェライトの生成および微細化を
はかることも有効である。またその場合、Ar3 +5
0℃以上の熱間仕上圧延終了温度とすることは前記効果
を高めはしないが、操業上、採用せざるを得ないことが
多い。
mm)時、特に変形抵抗の高い高カーボン当量材もしく
は高合金材の圧延時には、圧延荷重の増大、形状確保の
困難等の操業上好ましからざる点がある。従って後述す
る熱間仕上圧延後の冷却テーブル上での冷却をコントロ
ールすることによってフェライトの生成および微細化を
はかることも有効である。またその場合、Ar3 +5
0℃以上の熱間仕上圧延終了温度とすることは前記効果
を高めはしないが、操業上、採用せざるを得ないことが
多い。
【0018】圧下率:熱間仕上圧延における合計圧下率
を80%以上とするとフェライトの生成、微細化が促進
され、良好な材質が得られるため、下限を80%以上と
した。
を80%以上とするとフェライトの生成、微細化が促進
され、良好な材質が得られるため、下限を80%以上と
した。
【0019】冷却:熱間圧延後、Ar3 〜Ar1 を
40℃/s以上の冷却速度で冷却してはオーステナイト
の残留に必要なフェライトの生成とC濃化が十分に進行
しないため、図6に示すような温度パターンに沿って圧
延後、T(Ar1 <T≦Ar3 )まで冷却速度40
℃/s未満で冷却することが必要である。あるいは、さ
らに望ましい冷却方法として図7に示すパターンがあり
、圧延後T1 (Ar1 <T1 ≦Ar3 かつAr
1 <T1 <圧延終了温度)まで冷却速度40℃/s
以上で冷却してフェライト変態により生成したフェライ
トの微細化と圧延中に生成したフェライトも含めて粒成
長の抑制をはかり、さらに続いてT2 (Ar1 <T
2 <T1 )まで冷却速度40℃/s未満で冷却する
ことによりフェライト変態ノーズ付近でフェライト占積
率を増加させ、より良好な材質が得られる。
40℃/s以上の冷却速度で冷却してはオーステナイト
の残留に必要なフェライトの生成とC濃化が十分に進行
しないため、図6に示すような温度パターンに沿って圧
延後、T(Ar1 <T≦Ar3 )まで冷却速度40
℃/s未満で冷却することが必要である。あるいは、さ
らに望ましい冷却方法として図7に示すパターンがあり
、圧延後T1 (Ar1 <T1 ≦Ar3 かつAr
1 <T1 <圧延終了温度)まで冷却速度40℃/s
以上で冷却してフェライト変態により生成したフェライ
トの微細化と圧延中に生成したフェライトも含めて粒成
長の抑制をはかり、さらに続いてT2 (Ar1 <T
2 <T1 )まで冷却速度40℃/s未満で冷却する
ことによりフェライト変態ノーズ付近でフェライト占積
率を増加させ、より良好な材質が得られる。
【0020】Ar3 を超える温度では冷却速度40℃
/s未満で冷却してもフェライトは生成せず、Ar1
以下の温度まで冷却速度40℃/s未満で冷却するとパ
ーライトを生成するため、Ar1 <T≦Ar3 、A
r1 <T2 <T1 ≦Ar3 とする。その後の捲
き取り温度までの冷却速度はパーライトの生成を避け、
組織の微細化を助けるという観点から40℃/s以上と
する。
/s未満で冷却してもフェライトは生成せず、Ar1
以下の温度まで冷却速度40℃/s未満で冷却するとパ
ーライトを生成するため、Ar1 <T≦Ar3 、A
r1 <T2 <T1 ≦Ar3 とする。その後の捲
き取り温度までの冷却速度はパーライトの生成を避け、
組織の微細化を助けるという観点から40℃/s以上と
する。
【0021】図1と同じ条件で圧延し、冷却した後、捲
き取り温度を変えて実験した結果を図3、図4に示す。 捲取温度は500℃をこえると捲取後ベイナイト変態が
過度に進行し、あるいはパーライトが生成し、図3に示
す如く体積比で5%以上の残留オーステナイトが得られ
なくなるため上限を500℃以下とする。また、350
℃未満では図4に示す如く、マルテンサイトが生成し穴
拡げ性が劣化するため、下限を350℃以上とする。
き取り温度を変えて実験した結果を図3、図4に示す。 捲取温度は500℃をこえると捲取後ベイナイト変態が
過度に進行し、あるいはパーライトが生成し、図3に示
す如く体積比で5%以上の残留オーステナイトが得られ
なくなるため上限を500℃以下とする。また、350
℃未満では図4に示す如く、マルテンサイトが生成し穴
拡げ性が劣化するため、下限を350℃以上とする。
【0022】また、過度のベイナイト変態を避けより多
量のオーステナイトを残留させるため図3に示す如く、
捲取後、水中浸漬、ミスト噴霧等により30℃/hr以
上の冷却速度で200℃以下まで冷却することがより有
効である。
量のオーステナイトを残留させるため図3に示す如く、
捲取後、水中浸漬、ミスト噴霧等により30℃/hr以
上の冷却速度で200℃以下まで冷却することがより有
効である。
【0023】以上の各製造技術の組み合わせた技術とし
て図6および図7に集約される。そして、仕上圧延終了
温度が低温範囲(Ar3 ±50℃)のものと高温範囲
(Ar3 +50℃以上)のものの2種類がある。さら
に上記4種類の製造方法に、熱間仕上圧延開始温度の上
限をAr3 +100℃以下と規制したもの、または捲
取後の冷却方法を規制したものの片方あるいは両方を組
み合わせた製造方法がある。その組み合わせを重ねる程
、効果も大きくなることは当然である。
て図6および図7に集約される。そして、仕上圧延終了
温度が低温範囲(Ar3 ±50℃)のものと高温範囲
(Ar3 +50℃以上)のものの2種類がある。さら
に上記4種類の製造方法に、熱間仕上圧延開始温度の上
限をAr3 +100℃以下と規制したもの、または捲
取後の冷却方法を規制したものの片方あるいは両方を組
み合わせた製造方法がある。その組み合わせを重ねる程
、効果も大きくなることは当然である。
【0024】
【実施例】本発明による実施例を以下に示す。表1に示
す化学成分を有するA〜Kの鋼を図6または図7に従っ
て表2に示す条件で鋼板を製造した。ここで鋼CはC量
が下限量を割ったものであり、鋼EおよびHはそれぞれ
Si量およびMn量が下限量を割ったものである。表2
における記号を説明すると、下記のようになる。
す化学成分を有するA〜Kの鋼を図6または図7に従っ
て表2に示す条件で鋼板を製造した。ここで鋼CはC量
が下限量を割ったものであり、鋼EおよびHはそれぞれ
Si量およびMn量が下限量を割ったものである。表2
における記号を説明すると、下記のようになる。
【0025】FT0 は仕上圧延開始温度FT7 は仕
上圧延終了温度 CTは捲取温度 TSは引張強さ T.Elは全伸び γR は残留オーステナイト体積比(%)VPFはポリ
ゴナルフェライト占積率(%)dPFはポリゴナルフェ
ライト粒径(μm )表1、表2の鋼のAr1 温度は
A〜CおよびF〜H、Jが650℃、Dが635℃、E
が610℃、IとKが640℃であり、またAr3 温
度はそれぞれ順に800,810,815,790,7
80,810,810,820,790,805,79
5℃であった。
上圧延終了温度 CTは捲取温度 TSは引張強さ T.Elは全伸び γR は残留オーステナイト体積比(%)VPFはポリ
ゴナルフェライト占積率(%)dPFはポリゴナルフェ
ライト粒径(μm )表1、表2の鋼のAr1 温度は
A〜CおよびF〜H、Jが650℃、Dが635℃、E
が610℃、IとKが640℃であり、またAr3 温
度はそれぞれ順に800,810,815,790,7
80,810,810,820,790,805,79
5℃であった。
【0026】本発明法に沿うものはNo.1,2,4,
6,7,9,22〜39,41,44〜46,48,4
9,51,52,54〜61であり、当初TS×T.E
l≧2000をめざしたが、複合効果により、図5に示
されるようにTS×T.El>2400という非常に良
好な強度・延性バランスを示す。
6,7,9,22〜39,41,44〜46,48,4
9,51,52,54〜61であり、当初TS×T.E
l≧2000をめざしたが、複合効果により、図5に示
されるようにTS×T.El>2400という非常に良
好な強度・延性バランスを示す。
【0027】比較例は各々以下の理由により、良好な延
性が得られていない。 No.3,53はCが低すぎる。 No.5,47はSiが低すぎる。 No.8,50はMnが低すぎる。 No.10は仕上全圧下率が低すぎる。 No.11は仕上圧延終了温度が低すぎる。 No.12は空冷終了温度Tが高すぎる。 No.13,14,15は空冷終了温度T,T2 が低
すぎる。 No.16,40は冷却速度■が高すぎる。 No.17,42は冷却速度■が低すぎる。 No.18は冷却速度■′が高すぎる。 No.19は冷却速度■′が低すぎる。 No.20,43は捲取温度が高すぎる。 No.21は捲取温度が低すぎる。 また、No.25,28,32,36および39は圧延
開始温度規制および捲取後の冷却方法規制を行なった例
である。
性が得られていない。 No.3,53はCが低すぎる。 No.5,47はSiが低すぎる。 No.8,50はMnが低すぎる。 No.10は仕上全圧下率が低すぎる。 No.11は仕上圧延終了温度が低すぎる。 No.12は空冷終了温度Tが高すぎる。 No.13,14,15は空冷終了温度T,T2 が低
すぎる。 No.16,40は冷却速度■が高すぎる。 No.17,42は冷却速度■が低すぎる。 No.18は冷却速度■′が高すぎる。 No.19は冷却速度■′が低すぎる。 No.20,43は捲取温度が高すぎる。 No.21は捲取温度が低すぎる。 また、No.25,28,32,36および39は圧延
開始温度規制および捲取後の冷却方法規制を行なった例
である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば以上の説明から明らかな
ごとく延性の特に優れた熱延高強度鋼板(TS×T.E
l≧2400)を特別な合金元素などを必要とせずにか
つ高生産条件で製造できるため、産業上の効果は極めて
大きい。
ごとく延性の特に優れた熱延高強度鋼板(TS×T.E
l≧2400)を特別な合金元素などを必要とせずにか
つ高生産条件で製造できるため、産業上の効果は極めて
大きい。
【図1】残留オーステナイト体積比とTS×T.Elの
関係を示した図。
関係を示した図。
【図2】VPF/dPFとTS×T.Elの関係を示し
た図。
た図。
【図3】捲取温度と残留オーステナイト体積比の関係を
示した図。
示した図。
【図4】捲取温度と穴拡げ比の関係を示した図。
【図5】TSとT.Elの関係を示した図。
【図6】仕上圧延終了温度、冷却速度■、T、冷却速度
■の関係を示した温度パターン図。
■の関係を示した温度パターン図。
【図7】仕上圧延終了温度、冷却速度■′、T1 、冷
却速度■′、T2 、冷却速度■′の関係を示した温度
パターン図。
却速度■′、T2 、冷却速度■′の関係を示した温度
パターン図。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.15超〜0.3%
未満、Si:0.5〜2.0%、Mn:0.5〜2.0
%、残部が鉄および不可避的不純物からなり、ポリゴナ
ルフェライト占積率VPF(%)とポリゴナルフェライ
ト平均粒径dPF(μm )の比VPF/dPFが7以
上でかつ残留オーステナイトを体積比で5%以上含むフ
ェライト、ベイナイトおよび残留オーステナイトの組織
から構成され、強度−延性バランスTS×T.Elで2
000kgf/mm2 ・%以上であることを特徴とす
る加工性に優れた熱延高強度鋼板。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.15超〜0.3%
未満、Si:0.5〜2.0%、Mn:0.5〜2.0
%に加えて、Ca:0.0005〜0.0100%、R
EM:0.005〜0.050%のどちらか1種を含有
し、かつ、S:0.010%以下に制限し、残部が鉄お
よび不可避的不純物からなり、ポリゴナルフェライト占
積率VPF(%)とポリゴナルフェライト平均粒径dP
F(μm )の比VPF/dPFが7以上でかつ残留オ
ーステナイトを体積比で5%以上含むフェライト、ベイ
ナイトおよび残留オーステナイトの組織から構成され、
強度−延性バランスTS×T.Elで2000kgf/
mm2 ・%以上であることを特徴とする加工性に優れ
た熱延高強度鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10765191A JPH04228538A (ja) | 1991-05-13 | 1991-05-13 | 加工性に優れた熱延高強度鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10765191A JPH04228538A (ja) | 1991-05-13 | 1991-05-13 | 加工性に優れた熱延高強度鋼板 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63044527A Division JPS6479345A (en) | 1987-06-03 | 1988-02-29 | High-strength hot rolled steel plate excellent in workability and its production |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04228538A true JPH04228538A (ja) | 1992-08-18 |
JPH0565580B2 JPH0565580B2 (ja) | 1993-09-20 |
Family
ID=14464593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10765191A Granted JPH04228538A (ja) | 1991-05-13 | 1991-05-13 | 加工性に優れた熱延高強度鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04228538A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8815025B2 (en) | 2005-11-25 | 2014-08-26 | Jfe Steel Corporation | High strength steel excellent in uniform elongation properties and method of manufacturing the same |
-
1991
- 1991-05-13 JP JP10765191A patent/JPH04228538A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8815025B2 (en) | 2005-11-25 | 2014-08-26 | Jfe Steel Corporation | High strength steel excellent in uniform elongation properties and method of manufacturing the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0565580B2 (ja) | 1993-09-20 |
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