JPH04228075A - 全核酸中の特定の核酸断片の抽出法 - Google Patents

全核酸中の特定の核酸断片の抽出法

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JPH04228075A
JPH04228075A JP3113062A JP11306291A JPH04228075A JP H04228075 A JPH04228075 A JP H04228075A JP 3113062 A JP3113062 A JP 3113062A JP 11306291 A JP11306291 A JP 11306291A JP H04228075 A JPH04228075 A JP H04228075A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核酸(DNA)溶液ま
たは核酸混合液から特定の核酸断片を抽出する方法に関
する。
【0002】
【従来技術と発明が解決すべき課題】今日、遺伝子工学
の発達に伴い、医学、農学を始め、様々な分野で特定の
核酸配列を抽出、分離することが必要とされる場合が増
加している。既知の塩基配列を含有する特定の核酸断片
を、核酸溶液から抽出する方法として以下に述べる手法
が知られている(細胞工学、第8巻、No.7,198
9)。即ち、まず目的とする核酸断片の塩基配列から、
20〜30塩基からなるプローブ用配列を2,3ケ所決
定する。この配列に基いてプローブを合成し、共有結合
によりその末端をゲルや膜等の担体に結合させ、固定化
プローブを作成する。一方、所望の核酸断片を含んでい
るDNAを他のDNAと共に細胞から採取し、次いでこ
れを熱変性させる。熱変性したDNAと固定化プローブ
を混合し、ハイブリダイゼーションを行なった後、遠心
分離により、ハイブリダイズした固定化プローブを回収
する。回収した固定化プローブを熱処理し、所望の核酸
断片を含むDNAを電気泳動にかけて目的とするDNA
の分子量を示すDNAを回収することにより精製する。
【0003】上記の方法は、下記の問題点を有する。 1.固定化プローブは、所望の核酸断片の配列の一部を
利用したものであるので、重複する可能性があり、効率
が悪く、簡便性に欠け、かつ、既知配列の核酸に限定さ
れるので汎用性に乏しい。2.固定化プローブと採取D
NAとのハイブリダイゼーションは1回に限定されてい
るので、精度が低い。3.電気泳動による核酸断片の回
収は操作が煩雑な上、時間がかかる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
方法の問題点を解消することを目的として鋭意検討した
結果、所望の核酸配列が特定の制限酵素による切断端を
有する核酸断片として切断されるように選択した制限酵
素で全核酸を消化処理し、これら切断端の各々に異なる
DNAリンカーを連結し、各リンカーに相補的な固定化
プローブを順次用いてリンカーとプローブとのハイブリ
ダイゼーションを2回行うことにより、所望の核酸配列
を含有する核酸断片を効率良く抽出することができるこ
とを見い出し、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は、全核酸中の特定の核酸配
列を包含する核酸断片を抽出する方法であって、該所望
の核酸断片を特定の制限酵素切断端を有する断片として
切断する様に選択された、2種またはそれ以上の制限酵
素で全核酸配列を切断して核酸断片混合物を得ると共に
、所望の核酸断片のそれぞれの断端に結合する相異なる
2種のリンカーを調製し、該リンカーと上記核酸断片混
合物とを反応させ、得られた反応液に、いずれか1方の
リンカーと相補的な固定化プローブを加えてハイブリダ
イゼーションを行い、ハイブリダイズした核酸断片を分
離した後、該核酸断片に、もう1方のリンカーと相補的
な固定化プローブを加えて再びハイブリダイゼーション
を行い、ハイブリダイズした核酸断片を分離することか
らなる方法を提供するものである。
【0006】以下、本発明をより詳細に説明する。本明
細書中、全核酸とは、単一のDNAのみならず、細胞か
ら採取したDNA混合物をも指す。なお、本明細書中、
核酸とDNAとを同一の意義を有する語句としても用い
る。所望の核酸配列とは、1個のDNA中の1部、また
は全体の両者を指す。所望の核酸配列を包含する核酸断
片とは、該所望の核酸配列のみで構成される断片、およ
びリンカー等が付加しているが、目的とする核酸配列の
活性等は何等影響を受けていない核酸断片を指す。
【0007】本発明の新規な核酸断片抽出法は、以下の
各工程からなる。 i)  抽出したい核酸断片を決定する。 ii)  採取した1種またはそれ以上のDNAを、目
的とする核酸断片を得るために選択した制限酵素で処理
する。この場合、核酸断片の5’および3’末端の組み
合わせが独特(ユニーク)なものとなるように、制限酵
素を選択することが好ましい。 iii)  処理溶液に、所望の核酸断片の両端の制限
酵素切断端に特異的に結合する2種のリンカーを加える
。これらリンカーは相互に異なるものである。 iv)  核酸連結酵素を加えてそれぞれの断端に各リ
ンカーを連結する。 v)  加えた2種のリンカーに相補的なプローブを支
持体に固定化してなる固定化プローブを調製する。 vi)  iv)で得た溶液の核酸を変性させる。 vii)  vi)の溶液に、v)で調製した一方のリ
ンカーに相補的な固定化プローブを加えて放置し、ハイ
ブリダイゼーションを行なう。 viii)  固定化プローブ相を回収し、変性処理を
行ない、ハイブリダイズした核酸を回収する。
【0008】ix)  viii)で得た核酸に対して
、v)で調製したもう一方のリンカーに相補的な固定化
プローブを用い、上記工程vi)、vii)およびvi
ii)を行なう。本発明方法で用いるリンカーとは、1
本鎖または2本鎖の核酸リンカーであって、特定の制限
酵素により生じた切断部位とアニーリングし得る特異的
な塩基配列をその末端に有するものである。リンカーと
して用い得る核酸には、次のものが含まれる。 (1)  天然の一本鎖または二本鎖DNA、あるいは
RNA(切断または変性等の処理されたものを含む)。 (2)  DNA合成装置等で化学的に合成したDNA
またはRNA。又、そのようなリンカーは当業者既知の
方法で合成することができる。例えば、Applied
 Biosystems社製のDNA合成装置を用い、
添付の指示書に従って合成すればよい。全核酸配列中の
所望の核酸断片を得るために選択した特定の制限酵素が
EcoRIおよびPstIであれば、用いるリンカーD
NAは以下の塩基配列を有するものとすることもできる
【0009】本発明方法に用いる固定化プローブ用のプ
ローブは、予め定められた塩基配列を有するリンカーに
相補的な核酸が主である。それら核酸には、以下のもの
が含まれる。 (1)  天然の一本鎖または二本鎖DNA、あるいは
RNA(切断または変性等の処理されたものを含む)。 (2)  DNA合成装置等で化学的に合成したDNA
またはRNA。 (3)  天然または合成の一本鎖または二本鎖DNA
またはRNAであって、支持体との結合用に官能基を導
入したもの。従って、プローブを得るには、DNAリン
カーの一部または全部と相補的なDNAを合成すること
もできる。その場合、プローブに用いるDNAは1本鎖
でも2本鎖でもよい。2本鎖の場合には、固定化後、変
性させてもよい。また、プローブの5’末端又は3’末
端には、一般に用いる担体との結合に好都合な配列を連
結する[例えば、本実施例記載のアミノリンクII(A
pplied Biosystems Inc.社供給
)]。固定化プローブ用の支持担体は、粒子や膜から選
択する。
【0010】具体例として、例えば、ナイロンメンブラ
ン、ニトロセルロースメンブラン、ポリテトラフルオロ
エチレンメンブラン、ポリエチレンメンブラン等、天然
または合成有機高分子メンブラン(膜状体)を挙げるこ
とができる。ニトロセルロースのように有機高分子(例
; セルロース)を化学的に処理し、改質して得たメン
ブランも含む。
【0011】また、不溶性担体としては、グラファイト
、多孔質ガラス、シリカ等の無機高分子メンブラン(膜
状体)、アルミニウム、アパタイト等の金属メンブラン
、アルミナ、窒化珪素等のセラミックスメンブラン、食
塩等の結晶を挙げることができる。さらに、これらの表
面を化学的、物理的に表面処理することで改質されたも
のも含む。
【0012】さらに、不溶性担体としては、ナイロン、
ニトロセルロース、セルロース、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリエチレン等の有機高分子粒子、またはグラ
ファイト、多孔質ガラス、シリカ等の無機高分子粒子、
アルミニウム、アパタイト等の金属粒子、アルミナ等の
セラミックス粒子などを面状にしきつめたものを挙げる
ことができ、また、これら有機高分子は、例えば酸化、
還元、加水分解などの化学的処理、例えばプラズマ照射
などの物理的処理で改質したもの、無機高分子粒子、金
属粒子、セラミックス粒子は、例えばイオンプレーティ
ングなどの物理的、化学的に表面処理を行うことで改質
されたものも含む。
【0013】また、不溶性担体としては、アガロースゲ
ル、ポリアクリルアミドゲルや各種膜状体に溶液を含ま
せたもの等、その性状がゲル状のものを挙げることがで
きる。また、ゲル状のもの以外に、乾燥状態のもの、高
粘度のものも用いることができる。粒子の不溶性担体の
場合、試料溶液中での拡散のさせやすさ、遠心分離によ
る回収のしやすさから0.1μm〜500μm、さらに
好ましくは1μm〜100μmの粒径のものがよい。し
かし、拡散等による試料と固定化プローブとの反応性お
よび遠心分離等の固定化プローブの回収が可能であれば
、これ以外の粒径の粒子でも良い。プローブを担体に結
合させる方法も既知であり、通常の条件を用いて行うこ
とができる。
【0014】プローブを担体に固定化する方法は、プロ
ーブおよび担体の両者の化学的修飾の種類によって異な
り、例えば、次のような各種の方法を用いることができ
る。(1)  核酸または支持体上の水酸基(主として
ジオール基)をトリフルオロエタンスルフォニルクロラ
イド(以下、トレシルクロライドと略記)(K.Nil
lsonand  K.Mosbach, Bioch
em, Biophys.Res.Commun., 
102, 449,1981)、CNBr(R.Axe
n  et  al., Nature, 214, 
1302, 1967)、トリクロロトリアジン(T.
H.Finlay  et  al., Anal.B
iochem., 87, 77, 1978)、エピ
クロロヒドリン(I.Matsumoto  et  
al., J.Biochem., 85, 1091
, 1979)、ビスオキシラン(L.Sundber
g  and  J.Porath, J.Chrom
atogr., 90, 87, 1974)、ジビニ
ルスルホン酸(J.Porath, Meth.Enz
ymol., 34, 27, 1974)、ベンゾキ
ノン(J.Brandt et  al., Bioc
hem.Biophys.Acta., 386, 1
96, 1975)、カルボニルジイミダゾール(G.
S.Bethell  et  al.,J.Biol
.Chem.,254, 2572, 1979)など
で活性化し、支持体上、または核酸の主としてアミノ基
と結合させる。
【0015】(2)  プローブまたは担体上の主とし
てカルボキシル基(−COOH基)を水溶性カルボジイ
ミド等のカルボジイミド(A.Tengblad, B
iochem.J., 199,297, 1981;
 M.Funabashi  et  al., An
al.Biochem., 126, 414, 19
82)または2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−
1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)(G.Sacc
omani  et  al., J.Biochem
., 256, 12405, 1981; B.Be
lleuau  and  G.Malek, J.A
m.Chem.Soc., 90, 1651, 19
68)で活性化し、支持上またはDNAの主としてアミ
ノ基(−NH2)と縮合結合させる。
【0016】(3)  従来の非特異的または末端とは
限らない状態で支持体に結合した核酸に、所望のDNA
をDNAリガーゼ(連結酵素)を用いて結合させる。 (4)  担体上およびプローブのヒドラジド基とアル
デヒド基、またはヒドラジド基とカルボキシル基を用い
て結合させる。ヒドラジド基とアルデヒド基の場合は、
混合するとヒドラゾン結合を形成する。これを還元操作
を行うと共有結合化する(Jonathan  N.K
remsky  etal., 上掲文献参照)。ヒド
ラジドとカルボキシル基の場合は、(2)のようにカル
ボジイミド等を用いる。
【0017】(5)  プローブおよび担体上に互いに
親和力のある物質を導入し(例えば、ビオチンとアビジ
ン)、その親和力に基づいて固定化を行う(Jonat
han  N.Kremsky  et  al., 
上掲文献参照)。 (6)  プローブと担体上のチオール基どうしを活性
化、固定化する(K.Brocklehurst  e
t  al., Biochem.J., 133, 
573, 1973)。 (7)  プローブと担体上のアミノ基どうしをブロモ
アセタミド法にて結合させる(P.Cuatrecas
as, J.Biol.Chem., 245, 30
59, 1970)。 (8)  プローブと担体を非特異的吸着、静電吸着等
により結合させる。以下に、プローブと担体を結合させ
る手順を以下により詳細に例示する。
【0018】一本鎖DNAの末端を化学的に修飾する場
合 一本鎖DNAとしては、その末端に1もしくはそれ以上
の余分のヌクレオチド分子を含んでいるか、あるいは一
本鎖DNAの末端にあるヌクレオチド分子が化学的修飾
を受けているものを用いれば、該余分のヌクレオチドま
たは化学的修飾を受けたヌクレオチドを介して支持体上
への結合を行うことができる。1) まず、末端に固定
化に適した官能基(例えば、−NH2、−COOH)を
導入した一本鎖DNAを調製する。DNAを合成する場
合、その合成自体は、市販のDNA合成装置[例えば、
ABI社製391型PCR−MATE]を使用し、常法
によって行うことができる。官能基の導入は、例えば、
次のような方法で行うことができる。
【0019】(1)  アミノリンク2(ABI社製)
の導入以下の反応式にしたがい、DNA合成装置を使っ
て、ヘキシルアミノ基をDNA末端に導入することがで
きる(ABI社のUser  Bulletin, N
o.49, August  1988、参照)。
【化1】
【0020】(2)
【化2】 で示されるリンカーを、DNA合成装置(例えば、AB
I社製A−391EPPCR−MATE)を用いてDN
A末端に導入し、これを処理することにより、このリン
カー末端を反応性のあるアルデヒド基またはカルボキシ
基に導き、さらにアルデヒド基の場合は、ビチオンのヒ
ドラジド化合物と反応させることにより、アビジンと特
異的に結合して複合体を形成し得るビチオンを導入する
ことができる(Jonathan  N.Kremsk
y  et  al., Nucleic  Acid
  Research  1987, Vol.15,
 p.2891〜参照)。
【0021】(3)  DNA合成装置を用い、アミノ
基をもつ塩基のヌクレオチド1〜数10個を相補部分の
DNA末端に付加する。 (4)  ターミナルトランスフェラーゼにより、支持
体との結合に適した塩基、またはその反応性誘導体をD
NA末端に導入する(Deug  G.and  Wu
  R.,Methods  in  Enzymol
ogy, Vol.100, p.96〜116, 1
983、参照)。
【0022】2) 次に、1)で得た一本鎖DNAの相
補鎖を1)と同様の合成装置を用いて調製し、両者をア
ニーリングさせて、二本鎖DNAとする。 3) 上で得た二本鎖DNAを含む溶液に固定化用支持
体を加え、両者を結合させる。 4) 上で得た固定化二本鎖DNAを2.4Mテトラエ
チルアンモニウムクロライド水溶液、適宜希釈した10
×SSC(1.5M  NaClおよび0.15Mクエ
ン酸ナトリウム; pH7.0)、0.1〜2MNaC
l水溶液等の塩溶液中、熱(約40℃以上)またはアル
カリを加えることにより変性させ、遠心して固相と液相
を分離することにより、固定化一本鎖DNAを得る。な
お、2)以下の操作を経ずして官能基を導入した一本鎖
DNAを直接支持体と混合し固定化する事により固定化
一本鎖DNAを得る事もできる。
【0023】二本鎖DNAをそのまま、あるいは末端を
化学的に修飾して用いる場合 二本鎖DNAの一方の鎖に1もしくはそれ以上のヌクレ
オチド分子が付加した形の二本鎖DNAは、そのままあ
るいは化学的な修飾を施した後、支持体に末端で結合さ
せることができるので、上記の工程3)以降の操作を施
せば、上と同様の目的を達成することができる。このよ
うな二本鎖DNAは、次のようにして調製することがで
きる。
【0024】(1)  ターミナルトランスフェラーゼ
を使用して、片方のDNA鎖の末端にのみ支持体との結
合に適した塩基またはその反応性誘導体を導入する。 (2)  末端に一本鎖部分ができるように制限酵素で
切断する。 (3)  官能基を持つDNA分子と、二本鎖DNAを
DNAリガーゼにより結合させる。例えば、二本鎖DN
Aの両端の切断端が異なる配列を持つように2種の制限
酵素で処理する。そこで、一方の切断端に特異的に結合
できる配列を有する官能基を有するDNAを加え、そこ
にDNAリガーゼを作用させることにより目的DNA断
片の末端に官能基を導入できる。この場合、除去したい
方の鎖の5’末端を脱リン酸化しておいてもよい。即ち
、目的とする二本鎖DNAの一端だけが出た長い二本鎖
DNAを調製し、この状態で脱リン酸化酵素により5’
末端を脱リン酸化し、その後二本鎖DNAを切断して目
的断片をつくると一方の5’末端は脱リン酸化されたも
のができる。
【0025】(4)  二本鎖DNAの3’末端−OH
基にトリクロロトリアジン基を導入することでOH基を
活性化する。5’末端−OH基には、(3)で述べた脱
リン酸化を行い−OH基を露出させトリクロロトリアジ
ンを反応させて活性化する。3’末端の−OH基と5’
末端の−OH基では、反応性が5’末端の方が良いため
、5’末端−OH基を特異的に活性化できる。
【0026】DNAリンカーと結合した所望の核酸断片
と固定化プローブとのハイブリダイゼーションの後、ハ
イブリダイズした固定化プローブは、1)遠心分離、2
)濾過、3)沈降分離、4)上澄液の除去などにより回
収することができる。ハイブリダイズした固定化プロー
ブから、所望の核酸断片を回収するために行なう変性処
理としては、1)加熱変性処理(通常、温度60〜95
℃)、2)アルカリ変性処理(通常、NaOHを終濃度
約1規定(1N)まで加える)、3)ホルムアミド、尿
素などを添加することからなる変性処理などが挙げられ
、これらを適宜組合せることもできる。
【0027】上記のごとく、本発明方法と従来法の相違
点は、所望の核酸配列を含む核酸断片がその両末端に特
定の制限酵素による断端を有するものであり、これら両
末端に導入された相異なるリンカーの各々と相補的な2
種のプローブを順次用い、該所望の核酸断片を2回ハイ
ブリダイゼーションすることにある。従って、本発明方
法によれば、予め選択した特定のリンカーと相補性を有
するプローブを用いるので、特異性が高く、しかも相異
なる2種のリンカーの各々に相補的なプローブにより、
ハイブリザイゼーションを2回行うために精度が高く、
得られる核酸断片の純度も高い。その結果、簡便な操作
で効率良く行うことができる。しかも、リンカーとプロ
ーブとのハイブリダイゼーションに基づくので目的のD
NA断片の塩基配列に左右されず、反応条件の設定も容
易である。このことは、本発明方法を用いて塩基配列が
不明なDNA断片を抽出することができることを示唆し
ている。さらにまた、本発明方法によれば、電気泳動等
の繁雑で時間のかかる手段を用いずに、核酸断片を回収
することができる。以下に実施例を挙げて本発明をより
具体的に説明する。
【0028】
【実施例】実施例1  pBR322からEcoRI−
PstI断片(塩基対)の抽出 本実施例では所望の核酸断片(以下、Aと表す)が、大
腸菌由来のプラスミドpBR322の一部である場合の
、本発明方法によるAの抽出例を示す。1)Aを含有す
る核酸断片の両端の制限酵素切断部位の決定と切断pB
R322の制限酵素地図は公知であり、これを添付の第
1図に示す。図中、斜線部は、所望の核酸部分Aを表す
。 また、使用酵素による切断部位は□で囲んで示されてい
る。この制限酵素地図から、Aの両端を制限酵素Pst
IおよびEcoRIで切断できること、およびAにはS
alI、BalIおよびPvuII部位が存在しないこ
とから、これら5種の制限酵素でpBR322を処理す
れば、両端にPstIとEcoRI切断端を持った断片
は、Aの他に生成しないことがわかる。そこで、以下に
述べる様に、pBR322をEcoRI、SalI、P
stI、PvuIIおよびBalIで処理し、Aを含む
核酸断片の混合物を得た。
【0029】使用した制限酵素は全て宝酒造社供給のも
のである。まず以下の組成の反応液1を37℃で1時間
反応させた後、60℃で5分間処理して反応を停止する
。フェノール抽出し、エタノール沈殿に付した後、乾燥
させる。
【0030】次いで、上記乾燥DNAを水16μlに溶
かし、下記の組成の反応液2中で37℃において1時間
反応させた後、60℃で5分間処理して反応を停止する
。フェノール抽出し、エタノール沈殿に付した後、乾燥
させる。
【0031】上で得た乾燥DNAを水35μlに溶かし
、下記の組成の反応液3中で37℃において1時間反応
させた後、60℃で5分間処理して反応を停止する。 フェノール抽出し、エタノール沈殿に付した後、乾燥さ
せる。
【0032】2)DNAリンカーの調製2a)EcoR
Iリンカーの調製 以下の配列を有するEcoRIリンカーを合成する。 EcoRIリンカー 5’ GCAACCATGCCTAAGTTTG   
  3’3’ CGTTGGTACGGATTCAAA
CTTAA 5’これら2種の相補的な1本鎖DNAは
、Applied Biosystems社のDNA合
成装置(391 PCR−MATE EP型)を用い、
添付の使用手引書の記載に従って合成した。次いで、合
成したDNAを該使用手引書に記載の切り出し、精製法
で精製した。
【0033】精製した1本鎖DNA(いずれも水中、1
μg/μl)を5μlずつ混合し、30℃で1時間放置
してアニーリングさせ、2本鎖DNAとする。次いで、
得られた2本鎖DNAの5’末端をりん酸化する。りん
酸化は以下の反応液4中で、37℃で1時間反応させた
後、65℃で5分間処理して反応を停止することで行っ
【0034】2b)PstIリンカーの調製以下の配
列を有するPstIIリンカーを合成する。 PstIリンカー 5’ TTCCGTATGGCATGCCTCCCTG
CA 3’3’ AAGGCATACCGTACGGA
GGG     5’1本鎖DNAの合成、精製、アニ
ーリング、りん酸化等は上記2a)と同様である。
【0035】3)Aを含むDNA断片とリンカーの結合
1)で調製したpBR322消化物(DNA断片混合物
)中の所望のDNA断片に2)で調製したリンカーを連
結する。タカラDNAライゲーションキット(宝酒造製
)を用いる。DNA断片混合物をTE緩衝液(10mM
 Tris−HCl、pH8.0および1mMEDTA
)20μlに溶かし下記の反応液5中、16℃で一夜反
応させた後、エタノール沈殿に付し、乾固させる。   注)A液およびB液はタカラDNAライゲーション
キットに付属の反応液である。
【0036】4)固定化プローブの調製以下の塩基配列
で示される4種のプローブDNAを、Applied 
Biosystems社のDNA合成装置(391 P
CR−MATE EP型)を用い、添付の使用手引書の
記載に従って合成した。各プローブの5’末端には、担
体に連結するためのアミノリンクII(DNAリンカー
)を組み込んだ。プローブ1:H2N〜(アミノリンク
II)〜GCAACCATGCCTAAGTTTGプロ
ーブ2:CGTTGGTACGGATTCAAACTT
AA(アミノリンクII)−NH2プローブ3:H2N
〜(アミノリンクII)〜TTCCGTATGGCAT
GCCTCCCTGCAプローブ4:AAGGCATA
CCGTACGGAGGG(アミノリンクII)−NH
2プローブ1および2はEcoRIリンカーと相補的で
あり、プローブ3および4はPstIリンカーと相補的
である。これらプローブ1〜プローブ4を別個にゲルに
固定化する。固定化は以下の要領でおこなう。
【0037】(1)  ゲルの活性化 トレシルクロライド(トリフルオロエタンスルフォニル
クロライド、以下トレシルという)(K&K社製または
Fluka社製)はpH3以上では水により分解される
ので、以下の操作はドライボックスまたは乾燥窒素を満
たした無菌パック等を用い、水の混入を避けて行う。ア
セトン、ピリジンをあらかじめモレキュラーシーブで3
日間以上脱水しておく。10mlの蓋付き丸底フラスコ
に脱水アセトン1.5ml、ピリジン100μlおよび
スターラーチップを入れる。
【0038】他方、ゲル[Shimpack diol
 300(Shimazu)]1gを、#5ガラスフィ
ルター上で吸引しながら脱水アセトン50mlにより素
早く洗浄し、直ぐに上記丸底フラスコに入れる。次いで
、フラスコを氷浴で冷却し(約0℃)、乾燥窒素を送り
込みながら、激しい撹拌下にトレシル(ゲル1gあたり
トレシル200μl)をほぼ1分間で滴下する。滴下終
了後、丸底フラスコに蓋をし、スターラーの速度を落と
してゲルの破砕をさけつつ、約0℃で20分間反応を継
続する。反応後、ゲルをガラスフィルター上に移し、ア
セトン、アセトン+5mM HCl(1:1)、5mM
 HClで順次、洗浄する。さらに乾燥アセトン30m
lで洗浄した後、乾燥窒素を満たしたビニール袋をフィ
ルターの口にあて、ほぼ1時間吸引してゲルを完全に乾
燥させる。
【0039】(2)  ゲルへのプローブの固定化プロ
ーブDNAを濃アンモニア水で切り出し、55℃で10
時間保持した後、脱保護する。減圧下に濃縮乾固し、1
0mM TEAA(酢酸トリエチルアミン)バッファー
200μlに溶かす。エーテル抽出により保護基を除去
した後、再度濃縮乾固する。これをカプリングバッファ
ー(0.2M NaHCO3、0.5M NaCl、p
H7.5)180μlに溶かす。(1)で調製した活性
化ゲル100mgを1.5mlエッペンドルフチューブ
にとり、上記プローブDNAと混合する。穏やかに撹拌
しながら、25℃で24時間保持すると、プローブDN
Aはゲルに固定化される。反応終了後、2000rpm
で5分間遠心してゲルを上清から分離し、固定化プロー
ブを得る。
【0040】5)所望の核酸断片と固定化プローブのハ
イブリダイゼーション a)上記3)で得た、リンカーと結合した所望のDNA
を含有するDNA断片混合物を2.4Mテトラエチルア
ンモニウムクロライド100μlに溶かす。 b)70℃で1分間変性処理を行う。 c)固定化プローブ1(5mg)を加え、20℃で10
分間放置する。 d)遠心分離により(2000rpm、15秒)ハイブ
リダイズした固定化プローブ1を沈澱させ、上清を別の
エッペンドルフチューブに取る。 e)固定化プローブ相を2.4Mテトラエチルアンモニ
ウムクロライド50μlで洗浄し、再度2000rpm
、15秒間の遠心によりプローブ相を回収する。上清は
上記d)のエッペンドルフチューブに加える。 f)e)で分離した固定化プローブ相に2.4Mテトラ
エチルアンモニウムクロライド(100μl)を加えて
懸濁し、70℃で10分間加熱して変性処理し、200
0rpm、15秒間の遠心により固定化プローブとDN
Aを分離する。上清を回収する。
【0041】g)f)で回収した上清に固定化プローブ
4(5mg)を加えて20℃で10分間放置する。 h)2000rpmで15秒遠心し、上清を除去する。 i)h)で分離した固定化プローブ相に2.4Mテトラ
エチルアンモニウムクロライド(100μl)を加えて
懸濁したのち2000rpmで15秒間遠心し、固定化
プローブを回収する。 j)i)で回収した固定化プローブに、2.4Mテトラ
エチルアンモニウムクロライド(100μl)を加えて
懸濁した後、70℃で10分間加熱して変性処理し、2
000rpm、15秒間の遠心により固定化プローブか
ら上清を分離する。上清を回収し、サンプル1とする。 k)上記e)の上清を70℃で1分間変性処理した後、
固定化プローブ2(5mg)を加え、20℃で10分間
放置する。 l)2000rpmで15秒間遠心し、上清を除去する
【0042】m)回収した固定化プローブ相を2.4M
テトラエチルアンモニウムクロライド100μlで洗浄
し、再度2000rpm、15秒間の遠心によりプロー
ブ相を回収する。上清は除去する。 n)回収した固定化プローブ相に2.4Mテトラエチル
アンモニウムクロライド(100μl)を加えて懸濁し
、70℃で10分間加熱して変性処理し、2000rp
m、15秒間の遠心により上清を回収する。 o)上記n)で回収した上清に固定化プローブ3(5m
g)を加えて20℃で10分間放置する。 p)2000rpmで15秒遠心し、固定化プローブを
回収して2.4Mテトラエチルアンモニウムクロライド
100μlにより洗浄し、再度2000rpmで15秒
間遠心し、固定化プローブを回収する。これを、2.4
Mテトラエチルアンモニウムクロライド100μlに懸
濁した後、70℃で10分間加熱して変性処理し、20
00rpm、15秒間の遠心により上清を回収する。こ
れをサンプル2とする。
【0043】6)DNA断片の同定および純度の測定5
)で得たサンプル1および2を混合し、70℃で10分
間処理した後、20℃で30分間放置し、試料とする。 試料2μlを2%アガロースゲル電気泳動にかけると、
約790〜800bpの位置に単一のバンドが認められ
た。他方、試料を回収したDNAの量で確認した。すな
わち、エチジウムブロマイド染色により、回収されたD
NA量は145ngであることが確認された。
【0044】一方、使用したpBR322(1μg)に
含まれているEcoRI−PstI DNA断片の理論
量は173ngであるので、DNA断片の回収率は以下
の式から80%と計算された。
【化3】 *:752はEcoRI−PstI断片に含まれるヌク
レオチド数であり、795はリンカーを付けた該断片の
ヌクレオチド数である。これらの結果は目的の核酸断片
Aが回収されたことを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】  pBR322の完全な制限酵素地図を示す

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  全核酸中の特定の核酸配列を包含する
    核酸断片を抽出する方法であって、該所望の核酸断片を
    特定の制限酵素切断端を有する断片として切断する様に
    選択された、2種またはそれ以上の制限酵素で全核酸配
    列を切断して核酸断片混合物を得ると共に、所望の核酸
    断片のそれぞれの断端に結合する相異なる2種のリンカ
    ーを調製し、該リンカーと上記核酸断片混合物とを反応
    させ、得られた反応液に、いずれか1方のリンカーと相
    補的な固定化プローブを加えてハイブリダイゼーション
    を行い、ハイブリダイズした核酸断片を分離した後、該
    核酸断片に、もう1方のリンカーと相補的な固定化プロ
    ーブを加えて再びハイブリダイゼーションを行い、ハイ
    ブリダイズした核酸断片を分離することからなる方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000022108A1 (fr) * 1998-10-15 2000-04-20 Toyo Kohan Co., Ltd. Supports utilises pour immobiliser de l'adn ou autre

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