JPH04325092A - 核酸分離法 - Google Patents

核酸分離法

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JPH04325092A
JPH04325092A JP12247991A JP12247991A JPH04325092A JP H04325092 A JPH04325092 A JP H04325092A JP 12247991 A JP12247991 A JP 12247991A JP 12247991 A JP12247991 A JP 12247991A JP H04325092 A JPH04325092 A JP H04325092A
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JP
Japan
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dna
nucleic acid
stranded
immobilized
nucleic acids
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Application number
JP12247991A
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English (en)
Inventor
Hironori Tsurui
鶴井 博理
Toshihiko Kishimoto
利彦 岸本
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の核酸を含む混合
液から、数種の核酸を同時に分離できる核酸分離法に関
する。本発明の核酸分離法は、遺伝子工学の分野におい
て、特に、各種一本鎖DNAの調製や一本鎖DNAライ
ブラリーの作成などに有効である。
【0002】
【従来の技術】高速液体クロマトグラフィー(HPLC
)用ビーズに固定化されたDNAプローブで、試料核酸
混合液から1種類の一本鎖DNAを回収し、ついで、こ
の一本鎖DNAの特定領域にプライマーDNAをつけ、
DNAポリメラーゼを用いて二本鎖DNAにすることに
より、目的遺伝子をクローニングする方法が提案されて
いる(鶴井博理ほか、細胞工学、Vol.8,No.7
,1989)。しかしながら、この方法では、一度に1
種類の一本鎖DNAしか回収できないこと、二本鎖DN
Aを作成する際、回収した一本鎖DNAの全領域を二本
鎖DNAにできないこと、プライマーDNAの付着点以
降しか二本鎖DNAにならないこと、などの問題点があ
る。
【0003】また、制限酵素処理等で得られた二本鎖D
NA断片をM13ファージベクターにDNAリガーゼを
用いて導入し、ついで大腸菌に形質転換した後、M13
一本鎖DNA分子の形態でDNAを回収して一本鎖DN
Aライブラリーとする方法が知られている。しかし、こ
の方法では、使用できるベクターが限られること、ベク
ターに組み込めるDNA断片の大きさが限られること、
すべてのDNAが大腸菌に形質転換しているか不明なこ
と、などの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各種
の核酸混合液から数種の特定の一本鎖核酸を一度に分離
・回収できる方法を提供することにある。本発明者らは
、前記従来技術の有する問題点を克服するために鋭意研
究した結果、物理的に分離可能な複数種類の支持体であ
って、各支持体上にそれぞれ塩基配列の異なる一本鎖核
酸を固定化したもの(複数種の固定化核酸)を用い、こ
れを試料核酸混合液と接触させて、各支持体上の一本鎖
核酸(固定化核酸)と試料溶液中のそれと相補的な塩基
配列を持つ一本鎖核酸(DNA、RNA)とをハイブリ
ダイゼーションさせると、試料核酸混合液から一度に複
数の一本鎖核酸が分離できることを見出した。固定化核
酸とハイブリッドを形成した試料核酸混合液の一本鎖核
酸は、各支持体を分離した後、加熱やアルカリ処理によ
り再び一本鎖核酸として回収することができる。この方
法によれば、各支持体に塩基配列の異なる一本鎖核酸を
固定化した固定化核酸を用いるため、試料核酸混合液か
ら数種の一本鎖核酸を一度に回収することができる。
【0005】また、試料核酸混合液中の目的の二本鎖D
NA断片を2つの一本鎖DNAとしてから、2種類の固
定化核酸を用いて、それぞれとハイブリッドを形成させ
て回収し、ついで回収した2つの一本鎖DNAをアニー
リングすれば、目的DNA断片の全領域をカバーした二
本鎖DNAを得ることができる。さらに、種々のベクタ
ーDNAに特異的塩基配列を有するDNAを、ベクター
DNAの二本鎖のそれぞれについて、プローブDNAと
して各支持体に固定化した固定化核酸を用いると、様々
なベクターに対して特異的な塩基配列を有する一本鎖D
NAライブラリーを作成できるので、ベクターに組み込
めるDNA断片の大きさが限定されず、しかも数種のベ
クターについてDNA断片の導入、大腸菌への形質転換
を行なうことで、全てのDNAが形質転換している可能
性を高めることができる。本発明は、これらの知見に基
づいて完成するに至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、分離可能な複数種類の支持体の各々に塩基配列の異
なる一本鎖核酸を固定化して成る固定化核酸を試料核酸
混合液と接触させて、各固定化核酸と該混合液中のそれ
らに相補的な塩基配列を持つ一本鎖核酸とでハイブリッ
ドを形成させることを特徴とする核酸分離法が提供され
る。ハイブリッドを形成させた後、各支持体を分離し、
ついで前記相補的な塩基配列を持つ一本鎖核酸を分離・
回収することができる。以下、本発明について詳述する
【0007】(支持体)本発明においては、分離可能な
複数種類の支持体を用いる。支持体の種類としては、以
下のものが例示できる。■天然または合成の有機化合物
の膜状のもの。具体例としては、ナイロンメンブラン、
ニトロセルロースメンブラン、ポリテトラフルオロエチ
レンメンブラン、ポリエチレンメンブラン、ポリイソプ
レンメンブラン、ポリスチレンメンブラン等、天然また
は合成有機高分子メンブラン(膜状体)を挙げることが
できる。ニトロセルロースルのように、有機高分子(例
;セルロース)を化学的に処理し、改質して得たメンブ
ランを含む。同様に、表面を核酸が結合しやすいように
、また、使用しやすいように加工(化学的、物理的)し
たものを含む。
【0008】■天然または合成有機化合物の粒子状のも
の。具体例としては、ナイロン、ニトロセルロース、セ
ルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン
、ポリイソプレン、ポリスチレン等の有機高分子粒子を
挙げることができる。これらの有機高分子粒子は、例え
ば酸化、還元、加水分解などの化学的処理、あるいは例
えばプラズマ照射などの物理的処理で改質したものを含
む。
【0009】■無機化合物の膜状のもの。具体例として
は、グラファイト、多孔質ガラス、シリカ等の無機高分
子メンブラン;アルミニウム、アパタイト等の金属メン
ブラン;アルミナ、窒化珪素等のセラミックスメンブラ
ン;食塩等の結晶を挙げることができる。さらに、これ
らの表面を化学的、物理的に表面処理することで改質さ
れれたものも使用できる。■無機化合物の粒子状のもの
。具体例としては、グラファイト、多孔質ガラス、シリ
カ等の無機高分子粒子;アルミニウム、アパタイト等の
金属粒子;アルミナ等のセラミック粒子;等を挙げるこ
とができる。これらの無機化合物粒子は、例えばイオン
プレーティングなどの物理的、化学的に表面処理を行な
うことで改質されたものも使用できる。■ポリアクリル
アミド、アガロース等の性状がゲル状のもの。
【0010】これら各種の支持体を分離可能とするには
、次のような方法が挙げられる。 i)比重の異なる支持体を用い、ハイブリダイゼーショ
ン後、中間の比重をもつ溶液を加えて、重い支持体と軽
い支持体に分離する方法。 ii)複数の膜状支持体やそれぞれ粒径の異なる複数種
類の粒状支持体、あるいは膜状支持体と粒状支持体との
組み合わせなど、形状的に容易に分離可能なものを用い
て行なう方法。 iii)鉄等の磁石(または磁力)により回収できる支
持体と、磁石で回収できない支持体を用いて、磁石で分
離する方法。 iv)上記各種方法を適宜組み合わせた方法。 なお、本発明において、複数種類の支持体とは、材質が
同じ複数の膜状支持体や材質が同じで粒径の異なる粒状
支持体なども包含する。
【0011】(支持体上への核酸の固定化法)支持体に
一本鎖核酸(以下、「一本鎖DNA」と略記)を固定化
する方法としては、例えば、支持体とDNAの親和力を
利用した非特異的吸着による方法、紫外線で活性化した
支持体にDNAのアミノ基を共有結合させる方法など各
種の方法がある。本発明においては、各支持体上に一本
鎖DNAをその末端で固定化したものを使用することが
好ましい。一本鎖DNAとしては、その末端に1若しく
はそれ以上の余分のヌクレチオド分子を含んでいるか、
あるいは一本鎖DNAの末端にあるヌクレオチド分子が
化学的修飾を受けているものを用いれば、該余分のヌク
レオチドまたは化学的修飾を受けたヌクレオチドを介し
て支持体上への結合を行なうことができる。以下、支持
体上への一本鎖DNAの固定化法の具体例について、順
を追って詳細に説明する。
【0012】一本鎖DNAの末端を化学的に修飾する場
合 1)まず、末端に固定化に適した官能基(例えば−NH
2、−COOH)を導入した一本鎖DNAを調製する。 DNAを合成する場合、その合成自体は、市販のDNA
合成装置〔例えばApplied  Biosyste
ms  Inc.(以下、ABI社と略記)製391型
PCR−MATEなど〕を使用し、常法によって行なう
ことができる。官能基の導入は、例えば次のような方法
で行うことができる。
【0013】■  アミノリンク2(ABI社製)の導
入以下の反応式にしたがい、DNA合成装置を使って、
ヘキシルアミノ基をDNA末端に導入することができる
(ABI社のUser  Bulletin,No.4
9,August  1988、参照)。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】 で示されるリンカーを、DNA合成装置(ABI社製、
A−391EP  PCR−MATEなど)を用いてD
NA末端に導入し、これを処理することにより、このリ
ンカー末端を反応性のあるアルデヒド基またはカルボキ
シ基に導き、さらにアルデヒド基の場合は、ビオチンの
ヒドラシド化合物と反応させることにより、アビジンと
特異的に結合して複合体を形成し得るビオチンを導入す
ることができる(Jonathan  N.Krems
ky  et  al.,  NucleicAcid
  Research  1987,Vol.15,p
.2891〜参照)。
【0016】■  DNA合成装置を用い、アミノ基を
もつ塩基のヌクレオチド1〜数10個を相補部分のDN
A末端に付加する。■  ターミナルトランスフェラー
ゼにより、支持体との結合に適した塩基、またはその反
応性誘導体をDNA末端に導入する(Deug  G.
and  WuR.,  Methods  in  
Enzymology,  Vol.100,p.96
−116,1983、参照)。
【0017】2)次に、1)で得た一本鎖DNAの相補
鎖を1)と同様の合成装置を用いて調製し、両者をアニ
ーリングさせて、二本鎖DNAとする。 3)上で得た二本鎖DNAを含む溶液に固定化用支持体
を加え、両者を結合させる。DNAと支持体との結合法
は、DNAおよび支持体の両者の化学的修飾の種類によ
って異なり、例えば、次のような各種の方法を用いるこ
とができる。
【0018】■  DNAまたは支持体上の水酸基(主
としてジオール基)をトリフロオロエタンスルフォニル
クロライド(以下、トレシルクロライドと略記)(K.
Nillson  and  K.Mosbach, 
 Biochem.Biophys.Res.Comm
un.,102,449,1981)、CNBr(R.
Axen  et  al.,  Nature,21
4,1302,1967)、トリクロロトリアジン(T
.H.Finlay  et  al.,  Anal
.Biochem.,87,77,1978)、エピク
ロロヒドリン(I.Matsumoto  et  a
l.,  J.Biochem.,85,1091,1
979)、ビスオキシラン(L.Sundberg  
and  J.Porath,J.Chromatog
r.,90,87,1974)、ジビニルスルホン酸(
J.Porath,  Meth.Enzymol.,
34,27,1974)、ベンゾキノン(J.Bran
dt  et  al.,  Biochem.Bio
phys.Acta.,386,196,1975)、
カルボニルジイミダゾール(G.S.Bethell 
 et  al.,  J.Biol.Chem.,2
54,2572,1979)などで活性化し、支持体上
、またはDNAの主としてアミノ基と結合させる。
【0019】■  DNAまたは支持体上の主としてカ
ルボキシル基(−COOH基)を水溶性カルボジイミド
等のカルボジイミド(A.Tengblad,  Bi
ohem.J.,199,297,1981;M.Fu
nabashi  etal.,Anal.  Bio
chem.,126,414,1982)または2−エ
トキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキ
ノリン(EEDQ)(G.Saccomani  et
  al.,  J.Biochem.,256,12
405,1981;B.Belleuau  and 
 G.  Malek,  J.Am.Chem.So
c.,90,1651,1968)で活性化し、支持上
またはDNAの主としてアミノ基(−NH2  )と縮
合結合させる。■  従来の非特異的または末端とは限
らない状態で支持体に結合したDNAに、所望のDNA
をDNAリガーゼ(連結酵素)を用いて結合させる。
【0020】■  支持上およびDNAのヒドラジド基
とアルデヒド基、またはヒドラジド基とカルボキシル基
を用いて結合させる。ヒドラジド基とアルデヒド基の場
合は、混合するとヒドラゾン結合を形成する。これを還
元操作を行うと共有結合化する(Jonathan  
N.Kremsky  et  al.,上掲文献参照
)。ヒドラジドとカルボキシル基の場合は、■のように
カルボジイミド等を用いる。■  DNAおよび支持体
上に互いに親和力のある物質を導入し(例えば、ビオチ
ンとアビジン)、その親和力に基づいて固定化を行う(
Jonathan  N.Kremsky  et  
al.,上掲文献参照)。■  DNAと支持体上のチ
オール基どうしを活性化、固定化する(K.Brock
lehurst  et  al.,  Biochm
.J.,133,573,1973)。■  DNAと
支持体上のアミノ基どうしをブリモアセタミド法にて結
合させる(P.Cuatrecasas,  J.Bi
ol.Chem.,245,3059,1970)
【0021】4)上で得た固定化二本鎖DNAを2.4
Mテトラエチルアンモニウムクロライド水溶液、適宜希
釈した10×SSC(1.5M  NaClおよび0.
15Mクエン酸ナトリウム;pH7.0)、0.1〜2
M  NACl水溶液等の塩溶液中、熱(約40℃以上
)またはアルカリを加えることにより変性させ、遠心し
て固相と液相を分離することにより、固定化一本鎖DN
Aを得る。
【0022】二本鎖DNAをそのまま、あるいは末端を
化学的に修飾して用いる場合 二本鎖DNAの一方の鎖に1若しくはそれ以上のヌクレ
チオド分子が付加した形の二本鎖DNAは、そのままあ
るいは化学的な修飾を施した後支持体に末端で結合させ
ることができるので、上記の工程3)以降の操作を施せ
ば、上と同様の目的を達成することができる。このよう
な二本鎖DNAは、次のようにして調製することができ
る。
【0023】■  ターミナルトランスフェラーゼを使
用して、片方のDNA鎖の末端にのみ支持体との結合に
適した塩基またはその反応性誘導体を導入する。■末端
に一本鎖部分ができるように制限酵素で切断する。■ 
 官能基を持つDNA分子と、二本鎖DNAをDNAリ
ガーゼにより結合させる。例えば、二本鎖DNAの両端
の切断端が異なる配列を持つように2種の制限酵素で処
理する。そこで、一方の切断端に特異的に結合できる配
列を有する官能基を有するDNAを加え、そこにDNA
リガーゼを作用させることにより目的DNA断片の末端
に官能基を導入できる。この場合、除去したい方の鎖の
5′末端を脱リン酸化しておいてもよい。即ち、目的と
する二本鎖DNAの一端だけが出た長い二本鎖DNAを
調製し、この状態で脱リン酸化酵素により5′末端を脱
リン酸化し、その後二本鎖DNAを切断して目的断片を
つくると一方の5′末端は脱リン酸化されたものができ
る。 ■  二本鎖DNAの3′末端−OH基にトリクロロト
リアジン基を導入することでOH基を活性化する。5′
末端−OH基には、■で述べた脱リン酸化を行い−OH
基を露出させトリクロロトリアジンを反応させて活性化
する。3′末端の−OH基と5′末端の−OH基では、
反応性が5′末端の方が良いため、5′末端−OH基を
特異的に活性化できる。
【0024】(試料核酸混合液)試料核酸混合液は、次
のような各種の核酸を含有する溶液である。■  細胞
から抽出された(天然の)2本鎖DNA、およびこのD
NAを制限酵素や物理的剪断力等で切断したもの、■ 
 天然の1本鎖DNA(上記■のDNAを熱またはアル
カリ等で変性させたものも含む)、■  ポリメラーゼ
チェーンリアクション(PCR法)等でin  vit
roで増幅された1本鎖または2本鎖DNA、および該
2本鎖DNAを熱またはアルカリ等で変性させたもの、
■  合成DNA、■  天然のRNA、■  合成R
NA、■  ■〜■の任意の核酸の混合物。
【0025】(核酸分離法)本発明の核酸分離法におい
ては、先ず、分離可能な複数種類の支持体の各々に塩基
配列の異なる一本鎖核酸を固定化したもの(固定化核酸
)を作成する。次いで、この固定化核酸を試料核酸混合
液と接触させて、各固定化核酸と該混合液中のそれらに
相補的な塩基配列を持つ一本鎖核酸とでそれぞれハイブ
リッドを形成させる。
【0026】ハイブリダイゼーションは、公知の各種の
方法および反応条件を採用することができる。この場合
、固定化核酸として、その末端で支持体上に固定化され
ているものを用いると、固定化によるDNA塩基の破壊
がなく、液相中でのDNAとほぼ同じ挙動が期待され、
相補的な塩基配列を有する核酸(DNA、RNA)と効
率よく、かつ、完全にハイブリッドを形成させることが
可能である。したがって、試料核酸混合液から各固定化
一本鎖核酸に相補的な塩基配列を有する特定の一本鎖核
酸をそれぞれ分離することができる。固定化核酸とハイ
ブリッドを形成した試料核酸混合液からの一本鎖核酸は
、各支持体を分離した後、常法にしたがって加熱やアル
カリ処理することにより再び一本鎖核酸として回収する
ことができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明についてさらに
具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例にのみ
限定されるものではない。
【0028】[実施例1] 1.固定化一本鎖DNAの調製 (1)以下の塩基配列を有する4種のDNAをDNA合
成装置〔ABI社の391  EP  PCR−MAT
E)にて合成し、HPLCにて精製することで調製した
【0029】配列はpUC18ベクターのポリクローニ
ングサイトから25塩基を選んで用いた。
【0030】上記の各塩基配列は、5′末端から3′末
端方向に一本鎖で左から右へ記載した。なお、Xは、A
BI社製のアミノリンク2であり、最終段階で5′末端
に導入した。1μMスケールで合成し、各DNAは、精
製後1.3〜1.8mgの範囲で回収された。
【0031】(2)次に、以下の操作により、各支持体
上に一本鎖DNA■および■をその末端で固定化した固
定化核酸を作成した。
【0032】<固定化DNA(a)>■および■のDN
Aをそれぞれ100μg分とって減圧下で乾固した。次
に、■のDNA100μgを1M  NaCl(100
μl)に溶かし、■のDNA100μgと混合した。こ
の溶液を95℃の水浴上で2分間あたためた後、1時間
かけて35℃にまで冷却した。ついで、0.4M  N
aHCO3  (pH7.5)を100μl加えた。
【0033】これに、後に説明する方法で調製したトレ
シル活性化シリカゲル20mgを加え、室温で24時間
反応させた。反応終了後、シリカゲルを1MNaClで
3回洗浄し、最後に、1M  NaCl  1mlに懸
濁した。これを95℃で5分間加温し、直ちに1200
0rpmで遠心し、上清を除去し、これを3回繰返して
、一本鎖DNA■をシリカゲルに固定化した固定化DN
A(a)を得た。
【0034】<固定化DNA(b)>■および■のDN
Aをそれぞれ100μg分とって減圧下で乾固した。次
に、■のDNA100μgを1M  NaCl  10
0μlに溶かし、乾固した■のDNA100μgと混合
した。これを95℃の水浴上で2分間あたため、1時間
かけて35℃に冷却した。これに蒸留水100μlを加
えた。また、TOSOH社製CM−5PW30mgを4
0mg  WSC(水溶性カルボジイミド:DOJIN
社製)を溶かした500μl  HCl水(pH4.0
)に加え、4℃で、2時間活性化した。
【0035】その後、蒸留水で3回洗浄し、得たゲルを
前記核酸液と混合し、4℃で、5時間撹拌反応させた。 次いで、95℃の水温で5分間加熱し、直ちに1200
0rpmで遠心した後、上清を除去し、再び0.5M 
 NaClに懸濁し、加熱(95℃、5分間)、遠心(
12000rpm)を3回繰り返して、一本鎖DNA■
をCM−5PWに固定化した固定化DNA(b)を得た
【0036】2.トレシル活性化シリカゲルの調製以下
の操作は、ドライボックスもしくは乾燥窒素を満たした
無菌パックなどを適宜利用し、水分の混入を防ぎながら
行なった。なお、シリカゲルを単にゲルと略称すること
がある。 1)アセトン、ピリジンを予めモレキュラーシーブで脱
水しておく。 2)1mlの脱水アセトン、100μlのピリジン、お
よび小さなスターラーチップを10mlのメスフラスコ
に入れておく。
【0037】3)1gのゲルをガラスフィルター(#5
メッシュ)上でアスピレーターで吸収しながら、アセト
ン、脱水アセトンで素早く洗浄し、直ちに2)で用意し
たメスフラスコに入れる。 4)乾燥窒素で外気が混入しないようにしながら、スタ
ーラーでゲルを激しく撹拌しつつ、100〜200μl
のトレシルクロライド(Fluka社製)を1分ほどか
けて滴下する。この際、氷を詰めたビニール袋などでメ
スフラスコを0℃付近に保っておく。 5)メスフラスコに蓋をし、ゲルを破砕させないように
スターラーの速度を落し20分間反応させる。メスフラ
スコは0℃付近に保っておく。
【0038】6)反応後、ガラスフィルター上に移し、
アセトン、アセトン+5mM  HCl(1:1)およ
び5mM  HClで洗浄する。 7)さらにアセトンで洗浄し、フィルター上で十分アセ
トンを揮散させる。 8)ナスフラスコに移し、減圧下にアセトンを揮散させ
る。トレシルは高温では不安定なので、5)で用いた氷
入りビニールなどで低温に保ちつつ乾燥させると、トレ
シル化シリカゲルが得られる。
【0039】3.サンプルの調製 市販のpUC18DNA(Tkara酒造社製)100
μgを用い、以下の操作により試料核酸混合液を調製し
、固定化DNA(a)および(b)と接触させて、ハイ
ブリダイゼーション処理を行なった。(1)以下の組成
の液でDNAを切断する。     pUC18(Takara酒造製)(500μ
g/ml)    200μl    Eco  RI
(Takara酒造製)(20単位/ml)     
 20μl    Eco  RI緩衝液(Takar
a酒造製)(×10倍濃度)  50μl    滅菌
蒸留水                      
                        2
30μl                     
                         
          合計  500μl37℃で1時
間反応させた後、0.5M  エチレンジアミン四酢酸
(EDTA;pH8.0)を10μl加え反応を停止す
る。
【0040】(2)(1)の反応液に5M酢酸ナトリウ
ム50μlを加え、さらにエタノールを1ml加え、−
80℃で20分間放置する。 (3)4℃、12000rpmで10分間遠心分離する
。 (4)上清を除去し、−20℃で冷却した70%エタノ
ールで沈殿を洗浄し、4℃、12000rpmで30秒
間遠心した後、上清を除去する。 (5)デシケーター中で減圧乾燥する。
【0041】(6)2.4Mテトラエチルアンモニウム
クロライド(TEACl)(和光純薬社製)200μl
を加え、よく溶かし、75℃、5分間放置する。 (7)先に調製した2種の固定化DNA(a)および(
b)を全量加え、よく撹拌し、20℃で15分間放置す
る。 (8)12000rpmで遠心し、上清を別のエッペン
ドルフチューブに移す。 (9)2.4M  TEAClを200μl加え、よく
撹拌し、12000rpmで、数秒間遠心してゲルを沈
殿させ、上清を除去する。
【0042】(10)2.4M  TEAClを200
μl加え、そこに比重を1.5に合わせたテトラブロム
エタン/クロロホルムを300μl加え、6000rp
mで数秒間遠心する。 (11)分離したゲル(各支持体)をそれぞれ回収する
。 (12)ゲルを2.4M  TEACl  100μl
に各々懸濁する。 (13)70℃で10分間保持し、ハイブリッドしたD
NAを液相に溶出させ、液相(サンプルDNA液)を回
収する。
【0043】4.回収DNAの検定 以下の操作により、前項で試料核酸混合液から回収した
一本鎖DNAの検定を行なった。 (1)20×SSPE溶液10mlで濾紙(5.5×5
.5cm)を湿らせる。   <20×SSPE溶液>       NaCl               
                       17
4g      NaH2PO4・2H2O     
                   31.2g 
     EDTA・2Na・2H2O       
               7.4gを800ml
の水に溶かし、NaOHでpH7.4とした後、1リッ
トルにし、オートクレーブ滅菌したもの。
【0044】(2)(1)の濾紙を96穴のミニホール
ド装置(Bio−Rad社製)に配置する。 (3)5×5cmのBIODYNEメンブラン(PAL
L社製)を滅菌水で湿らせた後、20×SSPEに付け
る。その後、ミニホールド装置に装着する。 (4)一度、20×SSPEでミニホールドの各ウェル
を洗浄する。 (5)サンプルDNA液を各々2ウェルづつ各5μlづ
つミニホールドのウェルに加える。
【0045】(6)吸引してDNAをメンブランに吸着
させる。 (7)メンブランを外し、2回20×SSPEで洗浄す
る。 (8)80℃で真空乾燥し、その後、2つに切る(2ス
ポット)。以下、2枚になったメンブランについて、各
々以下の処理を行なう。 (9)メンブランを2×SSPEに浸す。
【0046】(10)メンブランを0.5mlハイブリ
ダイゼーション液に浸し、65℃で2時間保持する。     <ハイブリダイゼーション液>      2
0×SSPE                   
               15ml      
50×Denhardt’s液           
           2ml      10%SD
S(ドデシル硫酸ナトリウム)        2.5
ml      10μg/ml  サケ精子DNA 
               0.5ml     
 滅菌水                     
                     30ml
                         
               合計        
  50ml
【0047】(11)液を捨て、新しく1
2.5mlのハイブリダイゼーション液を加え、そこに
後で述べる一方には(A)、もう一方には(B)の32
PラベルされたDNAプローブを各50μl加えて、6
5℃で一晩反応させる。 (12)65℃に保温した0.2×SSPE、0.1%
SDS緩衝液で、15分間、4回洗浄する。 (13)メンブランをポリ塩化ビニリデンフィルムの上
に載せる。 (14)X線フィルムを挟み、−80℃で一晩感光する
【0048】(15)フィルムを現像し、陽性または陰
性を検出する。2つの分画DNAの分析結果は、それぞ
れの固定化DNAに相補的な塩基配列を有するDNAが
回収できていることを示している。
【0049】5.DNAプローブの作製下記の操作によ
り、DNAプローブ(A)および(B)を作成した。 (1)下記■と■のDNAをABI社製DNA合成装置
391  EP  PCR−MATEを用いて合成し、
ABI社の方法で精製した。 ■  TGC  AGG  CAT  GCA  AG
C  TTG  GCA  CTG  G■  CCA
  GTG  CCA  AGC  TTG  CAT
  GCC  TGC  Aなお、上記の各塩基配列は
、5′末端から3′末端方向に一本鎖で左から右へ記載
した。 (2)精製した■と■のDNAをそれぞれ滅菌水に溶か
し、分光光度計で260nmの吸光で濃度を測定し、滅
菌水で希釈して10pmole/μlにする。
【0050】(3)以下の組成の溶液で■と■の各DN
Aの5′末端をラベル化(γ−32Pで標識)する。     DNA(10pmole/μl)      
                    1.0μl
    10×バクテリオファージT4ポリヌクレオチ
ド      キナーゼ緩衝液           
                         
    2.0μl    [γ−32P]ATP(s
p.act.5000Ci/      mmole;
10mCi/ml水溶液)(10pmole)5.0μ
l    水                   
                         
        11.0μl    <10×バクテ
リオファージT4ポリヌクレオチドキナーゼ緩衝液> 
     Tris−HCl(pH7.6)0.5M 
     MgCl2               
                   0.1M  
    ジチオトレイトール(DTT)       
       50mM      スペルミジンHC
l                        
  1mM      EDTA(pH8.0)   
                   1mM
【00
51】(4)8単位のバクテリオファージT4ポリヌク
レオチドキナーゼを加え、37℃で45分間放置する。 (5)68℃、10分間で反応を停止する。 (6)40μlの滅菌水を加え、よく混合する。 (7)240μlの5M酢酸ナトリウムを加え、よく混
合する。 (8)750μlの−20℃エタノールを加え、0℃に
30分間放置する。 (9)0℃、12000rpmで20分間遠心する。 (10)500μl  80%エタノールを加え、撹拌
し、0℃、12000rpmで1分間遠心し、上清を除
去する。
【0052】(11)100μlのTE(pH7.6)
緩衝液を加え、よく溶かす。 <TE> Tris−HCl(pH7.5)      10mM
EDTA                     
         1mM液体シンチレーションカウン
ターで比放射活性を測定すると、2540Ci/mmo
leであった。このようにして、DNA■を標識したD
NAプローブ(A)およびDNA■を標識したDNAプ
ローブ(B)を作成した。
【0053】
【発明の効果】本発明の方法により、一度に様々な種類
の一本鎖DNAを簡単に調製でき、一本鎖DNAを用い
るサンガー法のDNAシークエンスサンプルの調製に有
用である。従来のM13ファージ系でしか作れなかった
一本鎖DNAライブラリーをどのようなサイズでもすぐ
に作れる。しかも、二本鎖DNAのライブラリーから作
ることができる。
【0054】従来の固定化プローブによるクローニング
法と異なり、DNA(核酸)断片全領域をカバーする断
片クローニングができる。つまり、目的断片の2本鎖D
NAを各々2種の分離可能な固定化プローブで回収した
後、アニーリングすることで目的断片全領域を高効率で
クローニングできる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  分離可能な複数種類の支持体の各々に
    塩基配列の異なる一本鎖核酸を固定化して成る固定化核
    酸を試料核酸混合液と接触させて、各固定化核酸と該混
    合液中のそれらに相補的な塩基配列を持つ一本鎖核酸と
    でハイブリッドを形成させることを特徴とする核酸分離
    法。
  2. 【請求項2】  ハイブリッドを形成させた後、各支持
    体を分離し、ついで前記相補的な塩基配列を持つ一本鎖
    核酸を分離・回収する請求項1記載の核酸分離法。
JP12247991A 1991-04-15 1991-04-24 核酸分離法 Pending JPH04325092A (ja)

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JP12247991A JPH04325092A (ja) 1991-04-24 1991-04-24 核酸分離法
EP19920908243 EP0533952A4 (en) 1991-04-15 1992-04-15 Process for separating or extracting nucleic acid from specimen containing the same
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6777181B2 (en) 2000-01-26 2004-08-17 Nisshinbo Industries, Inc. Method for separating and collecting nucleic acids

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