JPH0422752B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動車の車体組立装置に関するもの
である。

（従来技術） 従来より、自動車の車体を組立てるについて、
アンダーボデイとキヤブサイドとを一体に接合す
る場合に、一般に、アンダーボデイはシヤトルに
よつて下方から受けて搬送し、このアンダーボデ
イにキヤブサイドを溶接するようにしている。

しかして、搬送下部にシヤトル用の搬送レール
が敷設されていると、溶接ロボツト等の設置およ
びその作動範囲が規制され、また、側方に設置し
た溶接ロボツトの長いアームによつて作業するよ
うにした場合には、このアームの作動範囲が広く
なり、干渉防止のための広いエリアが必要となる
問題を有する。

そこで、狭いスペースで少ない溶接ロボツトに
よつて、アンダーボデイとキヤブサイドとの一体
化を行うためには、アンダーボデイの搬送をシヤ
トルによる搬送から吊りハンガー方式による搬送
とすることが好ましい。この吊りハンガー方式の
採用により、床部に搬送レールがなくなり溶接ロ
ボツトの設置の自由度が増すとともに、作業ステ
ーシヨン間の距離を自由に設定できることになる
ものである。

また、シヤトルでアンダーボデイを搬送するよ
うにした場合には、他の作業ステーシヨンとの関
係で所定時間毎に次の作業ステーシヨンにタクト
搬送することになり、このアンダーボデイにキヤ
ブサイドを接合するような長い作業時間を要する
作業の時には、複数の作業ステーシヨンに分けて
作業を行わなければならず、作業スペースが大き
く、大規模となるものであるが、前述のように吊
りハンガー方式とすると作業時間が長くとれるこ
とから、アンダーボデイにキヤブサイドを一体に
する作業が１つのステーシヨンででき、作業スペ
ースを小さく小規模にできることになる。

しかして、アンダーボデイとキヤブサイドとの
両者を上方からの支持によつて搬送するようにし
た場合に、両者の搬送手段が干渉することになる
問題を有する。

（発明の目的） 本発明は上記事情に鑑み、１つの作業ステーシ
ヨンでアンダーボデイとキヤブサイドを組み付け
ることができるようにした自動車の車体組立装置
を提供することを目的とするものである。

（発明の構成） 本発明の車体組立装置は、アンダーボデイとキ
ヤブサイドとを接合一体化する作業ステーシヨン
に対し、吊りハンガー方式によりアンダーボデイ
を供給し、上方よりドロツプリフタによりキヤブ
サイドを供給する一方、この作業ステーシヨンに
おける前記吊りハンガー用レールを、スライド機
構によりドロツプリフタと干渉しない位置へスラ
イド可能としたことを特徴とするものである。

（発明の効果） 本発明によれば、アンダーボデイとキヤブサイ
ドとを接合一体化する作業ステーシヨンにおける
アンダーボデイを供給する吊りハンガー用レール
を、スライド機構によりキヤブサイドを供給する
ドロツプリフタと干渉しない位置へスライド可能
としたことにより、吊りハンガー方式によりアン
ダーボデイを供給し、上方よりドロツプリフタに
よりキヤブサイドを供給することができ、狭いス
ペースで少ない溶接ロボツトによつて、アンダー
ボデイとキヤブサイドとの一体化を行うことがで
きる。すなわち、吊りハンガー方式の採用によ
り、床部に搬送レールがなくなり溶接ロボツトの
設置の自由度が増すとともに、作業ステーシヨン
間の距離を自由に設定でき、作業時間が長くとれ
ることから、アンダーボデイにキヤブサイドを一
体にする作業が１つのステーシヨンででき、さら
に作業スペースを小さく小規模にできる。

（実施例） 以下、図面に沿つて本発明の実施例を説明す
る。第１図は車体組立装置におけるアンダーボデ
イとキヤブサイドとを一体化する作業ステーシヨ
ンの概略構成図である。

この作業ステーシヨンＳに対して、車体の底部
を構成するアンダーボデイ１Ａは、オーバーヘツ
ドコンベア２によつて吊りハンガ方式で搬送供給
される。一方、車体の両側部を構成する左右のキ
ヤブサイド１Ｂは、ドロツプリフタ３によつて上
方（２階）から搬送供給される。また、この作業
ステーシヨンＳには、床部中央にアンダーボデイ
１Ａを受けるアンダーボデイ支持機構４が、その
両側にキヤブサイド１Ｂを受けるキヤブサイド支
持機構５がそれぞれ設置されている。

前記オーバーヘツドコンベア２は、アンダーボ
デイ１Ａを支持するアーチ状の吊りハンガー６を
備え、この吊りハンガー６の上端ローラ部分６ａ
を吊り下げ支持する吊りハンガー用レール７が、
搬送ラインの上部に沿つて設置されている。上記
吊りハンガー６は、下端両側の治具８を介してア
ンダーボデイ１Ａの両側下部を支持する。

一方、前記アンダーボデイ支持機構４は、上部
にアンダーボデイ１Ａの所定部分を支持する治具
９が設けられた昇降フレーム１０を備え、該昇降
フレーム１０は昇降機構１１によつて昇降移動さ
れる。昇降フレーム１０は、アンダーボデイ１Ａ
の搬出入時には下降作動してオーバーヘツドコン
ベア２によるアンダーボデイ１Ａの移動を許容
し、搬入されたアンダーボデイ１Ａを受ける時に
上昇作動し、吊りハンガー６からアンダーボデイ
１Ａを持ち上げて移載するものである。

また、前記ドロツプリフタ３は、両側に左右の
キヤブサイド１Ｂを支持するキヤリア１３を備
え、該キヤリア１３は上部ローラ１４がレール１
５を走行可能に吊り下げられている。前記作業ス
テーシヨンＳに該当する部分の昇降レール１５ａ
はブラケツト１６を介して昇降部材１７に支持さ
れ、この昇降部材１７は上下方向に延びるガイド
部材１８に沿つて図示しない昇降機構によつて昇
降移動可能に設けられている。

上記ドロツプリフタ３は、キヤブサイド１Ｂを
保持したキヤリア１３が作業ステーシヨンＳ上の
昇降レール１５ａに到達すると、昇降部材１７を
ガイド部材１８に沿つて下降作動し、左右のキヤ
ブサイド１Ｂをキヤブサイド支持機構５の両側の
スライドフレーム２０に受け渡すものである。こ
のスライドフレーム２０は、第３図にも示すよう
に、前記アンダーボデイ支持機構４の両側の基台
２１に設置されたガイドバー２２上に載置され、
伸縮シリンダ２３の作動によつて上記アンダーボ
デイ支持機構４に対して接離可能に移動する。さ
らに、上記スライドフレーム２０は、ドロツプリ
フタ３によつて下降されたキヤブサイド１Ｂの所
定部分を受ける治具２４を備えるとともに、この
キヤブサイド１Ｂを若干持上げるリフトアーム２
５と該リフトアーム２５を回動作動するリフトシ
リンダ２６とを備えている。

そして、オーバーヘツドコンベア２の吊りハン
ガー用レール７は、上記作業ステーシヨンＳの上
方において昇降移動するキヤブサイド１Ｂおよび
ドロツプリフタ３と干渉する範囲のレール部分７
ａがスライドブラケツト２８に連接支持され、該
スライドブラケツト２８はスライドベース２９に
横方向にスライド可能に保持され、スライドベー
ス２９に内装されたスライド機構（図示せず）に
よつて移動される。この移動部分の吊りハンガー
用レール７ａは、昇降移動するキヤブサイド１Ｂ
およびドロツプリフタ３と干渉しない退避位置に
までスライド移動するように設けられている。

次に、上記構成の作用を説明すれば、まず、第
１図に示すように、作業ステーシヨンＳに対し
て、オーバーヘツドコンベア２の吊りハンガー６
によつてアンダーボデイ１Ａを搬入する。その際
には、吊りハンガー用レール７の移動部分７ａ
は、他の部分と連続するように前進位置に移動し
ている。搬入されたアンダーボデイ１Ａを、上昇
作動したアンダーボデイ支持機構４の昇降フレー
ム１０で受け、吊りハンガー６はアンダーボデイ
１Ａから離れた位置に移動する。その後、スライ
ドブラケツト２８を後退移動し、吊りハンガー用
レール７の移動部分７ａをドロツプリフタ３と干
渉しない退避位置に移動する（第２図参照）。

続いて、ドロツプリフタ３の昇降部材１７をキ
ヤブサイド１Ｂを保持したキヤリア１３とともに
下降移動し、キヤブサイド支持機構５に対し、ス
ライドフレーム２０の治具２４上にキヤブサイド
１Ｂを載置する。そして、このスライドフレーム
２０を後退移動してキヤリア１３をキヤブサイド
１Ｂから離し、その後上記キヤリア１３を上昇移
動させる。

次に、スライドフレーム２０を前進移動させて
キヤブサイド１Ｂを、アンダーボデイ支持機構４
上に載置されているアンダーボデイ１Ａに対して
接近させるとともに、上昇回動したリフトアーム
２５でキヤブサイド１Ｂを持ち上げ、そして、ア
ンダーボデイ１Ａとキヤブサイド１Ｂとを所定位
置関係において、両者の各部を溶接によつて一体
に接合するものである。

上記キヤブサイド１Ｂを搬入し上昇移動された
ドロツプリフタ３のキヤリア１３は、レール１５
が連続状態となると移送され、次のキヤブサイド
１Ｂを保持したキヤリア１３が所定位置に移動さ
れる。また、このドロツプリフタ３が上昇する
と、オーバーヘツドコンベア２の吊りハンガー用
レール７の移動部分７ａは、スライドブラケツト
２８の前進移動によつてレール７が連続するよう
にしておく。

前記のようにしてアンダーボデイ１Ａとキヤブ
サイド１Ｂとの一体化を行い、所定の作業が終了
したアンダーボデイ１Ａに対し、その下方に再び
オーバーヘツドコンベア２の吊りハンガー６を移
動した後、アンダーボデイ支持機構４の昇降フレ
ーム１０を下降作動して、キヤブサイド１Ｂと一
体となつたアンダーボデイ１Ａを吊りハンガー６
に移載し、次の作業ステーシヨンに搬送するもの
である。

なお、前記オーバーヘツドコンベア２、ドロツ
プリフタ３、アンダーボデイ支持機構４およびキ
ヤブサイド支持機構５における移動部分の作動機
構、具体的構造等は、公知の機構、構造が適宜採
用され、アンダーボデイ１Ａおよびキヤブサイド
１Ｂの形状等に応じて設計変更されるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における作業ステー
シヨンに対してアンダーボデイを供給した状態の
車体組立装置の概略正面図、第２図はアンダーボ
デイに対してキヤブサイドを供給した状態の同概
略正面図、第３図は要部側面図である。 Ｓ……作業ステーシヨン、１Ａ……アンダーボ
デイ、１Ｂ……キヤブサイド、２……オーバーヘ
ツドコンベア、３……ドロツプリフタ、４……ア
ンダーボデイ支持機構、５……キヤブサイド支持
機構、６……吊りハンガー、７……吊りハンガー
用レール、７ａ……移動部分、１３……キヤリ
ア、１５……レール、１７……昇降部材、１８…
…ガイド部材、２０……スライドフレーム、２８
……スライドブラケツト、２９……スライドベー
ス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 吊りハンガー方式によりアンダーボデイを供
   給し、上方よりドロツプリフタによりキヤブサイ
   ドを供給し一体とする自動車の車体組立装置であ
   つて、前記吊りハンガー用レールを、ドロツプリ
   フタと干渉しない位置へスライド可能としたこと
   を特徴とする自動車の車体組立装置。