JPH04226139A - 被覆プラスチック成形体およびその製造方法 - Google Patents

被覆プラスチック成形体およびその製造方法

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JPH04226139A
JPH04226139A JP3139572A JP13957291A JPH04226139A JP H04226139 A JPH04226139 A JP H04226139A JP 3139572 A JP3139572 A JP 3139572A JP 13957291 A JP13957291 A JP 13957291A JP H04226139 A JPH04226139 A JP H04226139A
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group
layer
silicon dioxide
plastic molded
coating
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Pending
Application number
JP3139572A
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English (en)
Inventor
Akio Takigawa
章雄 滝川
Naoto Hirayama
直人 平山
Masaki Kitaoka
正樹 北岡
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は被覆したポリカーボネー
トその他のプラスチック成形体、特に耐摩耗性、耐候性
、耐薬品性、透水防止性などの表面状態を改良した被覆
したプラスチック成形体およびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般にポリカーボネートその他のプラス
チックは、その透明性、軽量性、易加工性、耐衝撃性な
どに優れているが、耐摩耗性、耐溶剤性に乏しく表面に
傷がつき易く、又有機溶剤に侵され易く、更に耐侯性が
不十分であって黄変し易いと言う様な欠点がある。 【0003】これらの欠点を改良するために各種の表面
改質方法が提案されている。たとえば 特開昭58−1
96237号公報、特開昭59−78240号公報には
ポリカーボネート表面に熱可塑性あるいは熱硬化性のア
クリル系ポリマーを含有する下塗り塗料を塗布硬化後、
アルキルトリアルコキシシランの部分加水分解縮合物あ
るいはコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサンを
含む組成物を被覆硬化して上塗り層とした耐摩耗性が改
良された被覆ポリカーボネート成形物品が提案されてい
る。 【0004】また、特表昭55−500894号公報、
特表昭55−500980号公報には、多官能性アクリ
ルモノマーの光反応生成物よりなる下塗層が被覆され、
該下塗層上に二酸化珪素含有薄層が蒸着されてなるポリ
カーボネート物品が提案されている。一方、二酸化珪素
被膜の形成方法としては上記の蒸着法あるいはスパッタ
法の他に特開昭62−258480号公報には、二酸化
珪素の過飽和状態にある珪弗化水素酸水溶液に基材を浸
漬して基材表面に二酸化珪素被膜を形成する方法( 以
後 「析出法」と略称する)が提案されている。 【0005】特開昭61−12734号公報にはプラス
チック成形体に析出法によって二酸化珪素被膜を形成す
る方法に関しては、プラスチック成形体に有機珪素化合
物、それらの加水分解物及びコロイダルシリカ等の珪素
化合物を被覆硬化させて第1次被膜とした後、析出法で
第1次被膜上に二酸化珪素被膜を形成させる方法が提案
されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開昭58−196237号公報、特開昭59−782
40号公報で提案されている被覆ポリカーボネート物品
は無機材料と比べるとまだその耐摩耗性、耐溶剤性が十
分でなく、さらに屋外暴露テスト等の耐侯テストにおけ
る劣化の一要因である水の遮断性能すなわち透水防止性
能も十分ではない。また特表昭55−500894号公
報、特表昭55−500980号公報で提案されている
ポリカーボネート物品の蒸着による製造では、その二酸
化珪素被膜形成に真空系の装置が必要であり、大型のプ
ラスチック成形体あるいは凹凸を持つような成形体表面
に均一な被膜を形成することが困難である。 【0007】一方、特開昭61−12734号公報で提
案されている方法にて耐摩耗性、耐溶剤性及び透水防止
性の二酸化珪素被膜で被覆されたプラスチック成形体が
得られる。しかしながら、形成された二酸化珪素被膜の
透明性、付着性等に、十分な再現性が得られ難いといっ
た解決すべき課題がある。すなわち、一般に析出法によ
って直接プラスチック成形体表面に二酸化珪素膜を被覆
する場合、珪弗化水素酸水溶液はプラスチックとの反応
性や濡れ性が悪いため、形成された二酸化珪素被膜は付
着力が弱く、また、ムラのある膜としてしか得られない
。一方、プラスチック成形体に予め有機珪素化合物を被
覆硬化させておくと、表面のシラノ−ル基が珪弗化水素
酸水溶液中の珪素成分との結合の場となるため、析出法
によって得られる二酸化珪素膜の付着力及びムラを改善
することが可能である。しかし、前記のごとき珪素化合
物の部分加水分解物を被覆硬化させて得られる被膜上に
、析出法によって二酸化珪素被膜を形成すると、二酸化
珪素被膜の均一性及び付着性の再現性が十分でなかった
。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述のような
従来の課題を解決して、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性、
透水防止性などの表面状態を改良した被覆したプラスチ
ック成形体を提供することを 目的とするものである。  すなわち本発明は、 a)一般式(1) R1Si(R2)3      (1)( 式中R1は
炭素数1〜6の炭化水素基、エポキシ素を有する有機基
、またはフッ素原子を有する有機基であり、R2 はア
ルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アセトキシ基及
び塩素原子からなる群より選ばれる。但し3個のR2は
同一であっても異なっていてもよい)で表わされる珪素
化合物の部分加水分解物を含む塗料を被覆硬化してなる
第1の層、 【0009】b)一般式(2) (R3)nSi(R4)4−n   (2)(式中R3
 はそれぞれアクリロキシ基、メタクリロキシ基、アミ
ノ基、または塩素原子を有する有機基であり、R4はア
ルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、およびアセトキ
シ基よりなる群から選ばれる基であり、nは0または1
である。)で表わされる珪素化合物の部分加水分解物を
被覆硬化してなる第2の層、および【0010】c)二
酸化珪素が過飽和状態にある珪弗化水素酸水溶液から形
成させた二酸化珪素被膜からなる第3の層をa)、b)
およびc)の順にプラスチック成形体の表面上に積層し
てなる被覆プラスチック成形体である。 【0011】本発明の被覆プラスチック成形体の第1の
層(a)は上記式(1)で表わされる珪素化合物の部分
加水分解物を含む塗料の被覆硬化物からなる。上記式(
1)において、R1は炭素数1〜6の炭化水素基、エポ
キシ素を有する有機基、またはフッ素原子を有する有機
基である。基R1の炭素数1〜6の炭化水素基としては
、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロ
ピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、ビニ
ル、プロペニルを、エポキシ基を有する有機基としては
、エポキシアルキル基、グリシドキシアルキル基、例え
ばγ−グリシドキシプロピル基を、そしてフッ素原子を
有する有機基としては、フロロアルキル基、例えばトリ
フルオロプロピル基等を例示しることができる。 【0012】また上記式(1)において、R2 はアル
コキシ基、アルコキシアルコキシ基、アセトキシ基及び
塩素原子からなる群より選ばれる。アルコキシ基および
アルコキシアルコキシ基の各アルコキシ分の炭素数は好
ましくは1〜4である。アルコキシ基としては、例えば
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等を挙げる
ことができる。またアルコキシアルコキシ基としては、
例えばメトキシエトキシ、エキシエトキシ、メトキシプ
ロポキシ等を挙げることができる。上記式(1)中の3
個のR2は同一であっても異なっていてもよい。 【0013】一般式(1)で表わされる珪素化合物とし
ては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメト
キシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−トリフルオロプロピルトリメトキシ
シラン等を挙げることができる。これらの珪素化合物の
部分加水分解物の硬化物からなる第1の層(a)はこの
を含む硬化物と一緒に、例えば珪素、チタン、錫、アン
チモン、または亜鉛等の金属の酸化物特にこれらのゾル
を含有することができる。これら金属酸化物の含有量は
、R1SiO1.5として計算される一般式(1)で表
わされる珪素化合物100重量部に対し1〜200重量
部、より好ましくは3〜100重量部である。この珪素
化合物の部分加水分解物および酸化物を含む塗料として
例えば、、メチルトリメトキシシランとコロイダルシリ
カの共加水分解物あるいはγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランおよび
五酸化アンチモンゾルの3元共加水分解物を含む塗料を
挙げることができる。 【0014】第1の層(a)は1〜10μm、より好ま
しくは2〜5μmの膜厚を有する。この層は,後述の第
2の層,及び第3の層と一緒になって、本発明の被覆プ
ラスチック成形体の耐摩耗性、耐候性などの表面特性を
向上させる。第1の層(a)はプラスチック成形体の表
面に直接設けられてもよく、また接着剤層(d)を介し
て設けられてもよい。接着剤層(d)はプラスチック成
形体と第1の層(a)との接着を強固にする。 【0015】接着剤層(d)はアクリルポリマ−および
/またはメタクリルポリマ−を含む層であるのが好まし
い。これらの(メタ)アクリルポリマ−は熱可塑性及び
熱硬化性あるいは活性放射線で硬化したもののいずれで
あってもよい。これらは例えばポリアルキル(メタ)ア
クリレート等の官能基を有さない(メタ)アクリルポリ
マー;水酸基、エポキシ基、アルコキシシリル基、アミ
ノ基、カルボキシル基、メルカプト基等の官能基を有す
る(メタ)アクリルポリマー;あるいは多官能性(メタ
)アクリルモノマーを活性放射線にて硬化した(メタ)
アクリルポリマー等が挙げられる。接着剤層(d)は必
要に応じ架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤あるいは熱
安定剤等を含んでいてもよい。接着剤層(d)は0.1
〜20μm、より好ましくは1〜5μmの厚みを有する
。接着剤層(d)の存在は基材がポリカ−ボネ−ト成形
体のときに特に有利である。 【0016】本発明の被覆プラスチック成形体の第2の
層(b)は上記式(2)で表わされる珪素化合物の部分
加水分解物を含む物の硬化物からなる。上記式(2)に
おいて、R3 はアクリロキシ基を有する有機基、メタ
クリロキシ基を有する有機基、アミノ基を有する有機基
、または塩素原子を有する有機基であり、例えばアクリ
ロキシプロピル基、メタクリロキシプロピル基、アミノ
プロピル基、またはクロロプロピル基が好ましい。 【0017】上記式(2)において、R4はアルコキシ
基、アルコキシアルコキシ基、及びアセトキシ基よりな
る群から選ばれる。これらのアルコキシ基およびアルコ
キシアルコキシ基については上記式(1)についての記
述がそのまま適用される。nは0または1である。nが
0である場合の4個のR4およびnが1である場合の3
個のR4は同一であってもよく異なっていてもよい。 【0018】上記式(2)で表わされる珪素化合物とし
ては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
およびγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げ
られる。これら珪素化合物の加水分解物は、一般式(2
)で示される珪素化合物中のアルコキシ基、アルコキシ
アルコキシ基、アセトキシ基の一部または全部が水酸基
で置換されたもの、更に、置換された水酸基同志が一部
自然に縮合されたものを含んでいる。これらの加水分解
物は、例えば、水及びアルコ−ルのような混合溶媒中で
酸の存在下加水分解することによって容易に得ることが
できる。これらの加水分解物は、1種を単独で用いても
 2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用する場
合には、一般式(2)で示される珪素化合物を2種以上
混合して共加水分解したものの使用が好ましい。 【0019】第2の層(b)はその上に形成される第3
の層(c)の成膜性を向上させる。すなわち、第2の層
(b)を形成せずに、第3の層(c)のみを形成したプ
ラスチック成形体とがらす基板とに同時に析出法で二酸
化珪素被覆を行なうと、プラスチック成形体上に得られ
る二酸化珪素被膜はガラス基板上に得られるそれよりも
膜厚が薄くなるか、あるいは不均一な膜質になる傾向が
ある。第2の層形成は析出法による二酸化珪素被覆前の
プラスチック成形体の表面をガラス表面に近似させて、
この様な欠点を解決するものであり、上記一般式(2)
で示される珪素化合物を加水分解して使用しない限り効
果はない。 【0020】第2の層(b)は1〜100nm、より好
ましくは3〜10nmの膜厚を有する。膜厚みがあまり
大きすぎるとクラックが発生し易くなり好ましくない。 本発明の被覆プラスチック成形体の第3の層(c)は、
二酸化珪素が過飽和状態にある珪弗化水素酸水溶液から
形成させた二酸化珪素からなる。第3の層(c)は、後
に詳述する通り、該珪弗化水素酸水溶液を第2の層(b
)に適用することにより、容易に形成される。第3の層
(c)は、好ましくは30〜3000nm、より好まし
くは50〜500nmの膜厚を有している。 【0021】本発明の被覆プラスチック成形体の基体の
プラスチック成形体としては、例えば、 ポリカーボネ
ート、 ジエチレンビスアリルカーボネートの重合体、
アクリル樹脂及びポリエステル樹脂を挙げることができ
る。本発明によれば、本発明の被覆プラスチック成形体
は、 (1)表面に接着剤層を有していてもよいプラスチック
成形体を準備し、 (2)その表面上に一般式(1) R1Si(R2)3      (1)( 式中R1は
炭素数1〜6の炭化水素基、エポキシ素を有する有機基
、またはフッ素を有する有機基であり、R2 はアルコ
キシ基、アルコキシアルコキシ基、アセトキシ基及び塩
素原子からなる群より選ばれる。但し3個のR2は同一
であっても異なっていてもよい)で表わされる珪素化合
物の部分加水分解物を含む第1の塗料を被覆硬化させて
第1の層を形成し、 (3)第1の層の表面上に、一般式(2) (R3)n
Si(R4)4−n   (2)(式中R3 はそれぞ
れアクリロキシ基、メタクリロキシ基、アミノ基、また
は塩素原子を有する有機基であり、R4はアルコキシ基
、アルコキシアルコキシ基及びアセトキシ基よりなる群
から選ばれる基であり、nは0または1である。)で表
わされる珪素化合物の部分加水分解物を含む第2の塗料
を被覆硬化させて第2の層を形成し、 (4)前記第2の層の上に、二酸化珪素が過飽和状態に
ある珪弗化水素酸水溶液を接触させて、前記第2の層の
上に二酸化珪素からなる第3の層を形成することを特徴
とする被覆プラスチック成形体の製造方法によって有利
に製造できる。 【0022】本発明における上記工程(1)において、
プラスチック成形体を準備する。プラスチック成形体は
、その表面に接着剤層(d)を有していてもよい。接着
剤層(d)を有するプラスチック成形体は、基材のプラ
スチック成形体に、アクリルポリマー、メタクリルポリ
マー、アクリルモノマー、メタクリルモノマー、アクリ
ルオリゴマー、メタクリルオリゴマーのような接着剤を
浸漬法、噴霧法、ローラコート法、フローコート法、ス
ピンコート法等の方法でプラスチック成形物品に塗布後
、加熱あるいは活性エネルギー線を照射することにて得
られる。この様にして得られた接着剤層は,一般式(1
)で示される珪素化合物の部分加水分解物を含む塗料を
硬化することによって形成される第1の層(a)のプラ
スチック成形物に対する接着促進層である。なお接着剤
層の厚みは、上述の通り、好ましくは0.1〜20μm
で、より好ましくは1〜5μmである。 【0023】次いで、工程(2)において、工程(1)
において準備したプラスチック成形体の表面上に、上記
式(1)で表わされる珪素化合物の部分加水分解物を含
む第1の塗料を適用しそして硬化させて第1の層(a)
を形成する。この第1の塗料には、上記以外の珪素化合
物あるいは各種の金属酸化物、たとえば珪素、チタン、
スズ、アンチモン、亜鉛等の酸化物ゾルを添加すること
もできる。たとえば、メチルトリメトキシシランとコロ
イダルシリカの共加水分解物あるいはγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ランおよび五酸化アンチモンゾルの3元共加水分解物を
含む塗料を挙げることができる。一般式(1)で示され
る珪素化合物の部分加水分解物の1種または2種以上、
更に必要に応じ硬化触媒を含む第1の塗料を、前記と同
様の方法にて、例えば接着剤層が形成されたプラスチッ
ク成形物品上に塗布後たとえば120℃で加熱硬化させ
ることによって第1の層(a)を形成することができる
。その膜厚は上記の通り、1〜10μmより好ましくは
2〜5μmである。この第1の層(a)は,さらに後述
の第2の層(b)および第3の層(c)で被覆されたプ
ラスチック成形物品の耐摩耗性、耐候性を向上させるた
めに必要な層である。 【0024】工程(3)において、第1の層(a)の表
面上に上記式(2)で表わされる珪素化合物の部分加水
分解物を含む第2の塗料を適用しそして硬化させて第2
の層(b)を形成する。この第2の層(b)の存在によ
り、付着力が強固でかつ均一な二酸化珪素被膜、すなわ
ち第3の層(c)が得られる。上記第2の塗料は、好ま
しくはRnSi(4−n)/2に換算して、珪素化合物
の部分加水分解物を少なくとも10−3モル/リットル
の濃度で含有する。一般式(2)で示される珪素化合物
の部分加水分解物がRnSi(4−n)/2換算にして
10−3モル・リットル未満になると、第2の層に所望
の効果を基体するのが困難となりやすい。 【0025】第1の層(a)の上に第2の塗料を、前記
接着剤層(d)と同様に、コ−ティングした後、40℃
以上基材の変形温度以下で乾燥し硬化させることにより
耐久性、付着力に優れた第2の層(b)が得られる。こ
のようにして得られる第2の層(b)の最小膜厚は、ガ
ラス基板に同様な条件で第2の層(b)を複数回積層し
て1層あたりの厚みを求める測定方法によると、約5n
mである。また第2の層(b)層の最大膜厚は約100
nmであり、これよりも膜厚が大となるとクラックが発
生し易くなるので好ましくない。 【0026】最後に、工程(4)において、第2の層(
b)の表面上に、二酸化珪素が過飽和状態にある珪弗化
水素酸水溶液を適用して酸化珪素からなる第3の層(c
)を形成する。二酸化珪素が過飽和状態にある珪弗化水
素酸水溶液(以下、「処理液」と略称する。)としては
、珪弗化水素酸水溶液に二酸化珪素(シリカゲル、アエ
ロジル、シリカガラス、その他二酸化珪素含有物など 
)を溶解させた後、 水または試薬(ホウ酸、塩化アル
ミニウム、金属アルミニウム、その他)を添加するか、
あるいは処理液温度を上昇させる等の手段で、二酸化珪
素を過飽和状態としたものが使用される。  【002
7】処理液としては溶質の濃度が、好ましくは1〜4モ
ル/リットルのものが用いられる。特に、溶質の濃度が
4mol/lより濃い珪弗化水素酸水溶液に二酸化珪素
を飽和させた後、水で希釈して1〜4mol/lの濃度
としたものが被膜形成速度が速く、効率よく被膜形成が
行えるので望ましい。形成される膜厚は50〜500n
mであることが好ましい。また、該処理液は(イ)  
該成形体との接触時においても、■連続的にホウ酸や塩
化アルミニウム等の添加剤水溶液が添加、混合されてい
る、■アルミニウム等の金属が溶解混合されている、■
温度を一時冷却して二酸化珪素を飽和させ、その後再び
温度を上昇させる等の手段によって常時過飽和度が維持
されている処理液であり、また(ロ)  1分間あたり
処理液全量の3%以上の処理液がフィルタ−でろ過され
戻される処理液である、ことが好ましい。 【0028】ここで、接触時において、■連続的にホウ
酸等の水溶液を添加混合したり、■アルミニウム等の金
属を溶解混合するのは、被膜の形成速度を向上させるた
めに好ましい。ホウ酸の場合、その添加量は、処理液中
の珪弗化水素酸1mol に対して5×10−4mol
/Hr〜1×10−3mol/Hrの範囲が好ましく、
また、金属アルミニウムを溶解させる場合その溶解量は
、処理液中の珪弗化水素酸1molに対して1×10−
3 mol/Hr〜4×10−3 mol/Hrの範囲
が好ましい。また、3%以上の処理液を循環させること
は均質な被膜を連続的に得るために効果的であり、フィ
ルタ−で処理液をろ過することは凹凸形状のない被膜を
得るために好ましい。 【0029】処理液を浸漬槽に入れて該成形体と接触さ
せる場合には、浸漬中の該成形体表面において該処理液
が層流となって流れるようにすることがムラのない均質
な被膜を得るために効果的である。本発明の方法を実施
するために使用した二酸化珪素被膜製造装置の系統図を
第1図に示す。 【0030】第1図において、浸漬槽は外槽1と内槽2
からなり内槽 2と外槽 1の間には水3が満たしてあ
る。この水は一定温度になるようにヒ−タ−4で加熱さ
れかつ温度分布均一化のため攪拌機5で攪拌されている
。内槽2は前部6、中部7、後部8からなり、各部には
、工業用シリカゲル粉末を二酸化珪素の供給源として二
酸化珪素を溶解飽和させた所定濃度の珪弗化水素酸水溶
液6.5リットルが満たしてある。ここで、三方コック
13a、13a’、13b、13b’を調節し、循環ポ
ンプ12aを作動させ内槽後部8の反応液を一定量づつ
くみ出してフィルタ−11aでろ過し内槽6へ戻す処理
液循環を開始する。 【0031】ここで、フィルタ−11aのメッシュは1
.5μmであり、反応液循環流量を520ml/分(反
応液全量が6.5lであるので循環流量は約8%/分で
ある)と設定する。その後、縦50mm、横50mm、
厚さ3mmのAl(アルミニウム)板15を3枚、内槽
後部8に浸漬し攪拌機16を作動させAl板の溶解を促
進させた。この状態で16〜30時間保持することによ
って反応液は適度な二酸化珪素飽和度を有する(二酸化
珪素成膜可能な)処理液となる。 【0032】反応液が二酸化珪素成膜能力を有するよう
になると、反応液中でも二酸化珪素が粒子となって発生
し、成長し、やがてフィルタ−11aでろ過され、フィ
ルタ−の目詰まりの原因となる。Al添加後30〜50
時間経過した時点でこの傾向が見られ循環量の低下を招
くようになる。そこで、配管及びフィルタ−11a内の
反応液を内槽2に戻した後、反応液の循環を内槽後部8
→フィルタ−11b→循環ポンプ12a→内槽前部6と
なるように三方コック13a、13a’、13b、13
b’を設定し、反応液の循環を再び開始すると、反応液
の循環量は再び520ml/分に回復する。ここで、フ
ィルタ−11bのメッシュはフィルタ−11aと同じく
1.5μmである。 【0033】この状態で循環ポンプ12bを作動させ、
5%弗化水素酸水溶液10が洗浄液槽9→フィルタ−1
1a→循環ポンプ12b→洗浄液槽9の順で循環するこ
とによって目詰まりしたフィルタ−11aを洗浄再生す
る。以上の手順に従って、フィルタ−に目詰まり傾向が
認められた都度 三方コック 13a、13a’、13
b、13b’を調節してフィルタ−を切り替える操作を
行ないながら、ガラスまたは各種珪素化合物で被覆した
プラスチック成形体を内槽中部7に所定時間、例えば0
.5〜24時間浸漬することによって二酸化珪素被膜を
連続して得ることができる。 【0034】 【発明の効果】本発明の被覆プラスチック成形体は、■
 蒸着、スパッタ法でプラスチック成形体表面に形成さ
せた二酸化珪素被膜に比較して、はるかに耐久性に優れ
た被膜を有する。■第2の層の形成により析出法による
二酸化珪素の成膜性が向上し、均一性に優れた二酸化珪
素被膜を与え、かつ3層膜全体の透明度も高い。■得ら
れる最上層の二酸化珪素被膜を含む被膜構成にてプラス
チックの持つ諸欠点、例えば、摩耗性、傷付性、耐候性
、耐薬品性、透水防止性等が改良されている。等の優れ
た性質を備えている。 【0035】 【実施例】  以下実施例により本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。なお実施例中の部、%はそれぞれ重量部
、重量部%を示す。また塗膜の性能評価は次の方法にて
行なった。すなわち耐摩耗性:ASTM  D−104
4に沿ってテーバー摩耗試験を実施した。用いたホイー
ルはCS−10F、荷重、 回転数は各々500g,5
00回転である。 付着性:いわゆるクロスカットテープテストで被膜表面
にナイフで#形にクロスカットし、その上にセロフアン
粘着テープ を付着させた後、テープを剥離して被膜の
剥離状況を持って判定した。 吸水率測定:ASTM  D−570に沿って測定した
。 すなわち試料を50℃で24時間乾燥後、蒸留水に浸漬
して24時間保持した。蒸留水に浸漬前後の重量変化率
より吸水率を求めた。 【0036】実施例1 (1)  ジアセトンアルコールとエチルセロソルブの
1/1(重量比)混合溶媒にポリメチルメタクリレート
(以下PMMAと記す。アルドリッチ社製、重量平均分
子量が約10万)を、その固形分が約10%となるよう
に溶解した。次にシアノアクリレート系のユビナールN
−539(GAF社製)を、PMMAに対し約20%と
なるように添加し、塗料d−1を調製した。 (2)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン6
0部、メチルトリメトキシシラン173部、コロイダル
シリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックス−C、
固形分20%)71部および0.1規定酢酸水溶液19
0部を混合し、80〜85℃で2時間還流して加水分解
を行なった。得られた溶液の固形分組成(計算値)は、
γ−グリシドキシプロピル基をQとして、Q−Si−O
1.5として計算されたγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン加水分解物8.6%、CH3SiO1.
5 として計算されたメチルトリメトキシシラン加水分
解物17.3%及びSiO2として計算されたコロイダ
ルシリカ2.9%を含んでいる。 【0037】このようにして得られた3元共加水分解物
溶液450部にエチルセロソルブ42部、酢酸ナトリウ
ム1.0部、フローコントロール剤少々を添加し塗料a
−1とした。 (3)  テトラエトキシシラン100部と蒸留水10
0部を混合しながら、0.1規定塩酸0.5mlを添加
しその後30分間攪拌して均一溶液を得た。この加水分
解溶液2部を250mlのイソプロピルアルコ−ルで希
釈し(SiO2 換算固形分濃度 約1.9×10−2
mol/l)塗料b−1とした。 (4)  あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材に
塗料d−1を塗布し、熱風乾燥炉で120℃、30分間
加熱乾燥した。この塗膜厚みは、約2μmであった。次
にこの様にして得られた接着剤層で被覆されたポリカー
ボネートに塗料a−1を塗布し、熱風乾燥炉で120℃
、1時間加熱乾燥し、硬化させた。この第1の層の塗膜
厚みは、約3μmであった。次にこの様にして得られた
2層被覆ポリカーボネート板を塗料b−1に浸漬し15
cm/minの速度で引き上げた後50℃の温風乾燥炉
で30分乾燥して第1の層上に第2の層を形成した。上
記操作と全く同様の条件でガラス基板に第2の層を10
層積層したところその膜厚はおよそ50nmであった。 従って前記第1の層上に形成された第2の層の厚みは約
5nmと推定された。 【0038】(5)接着剤層、第1の層、および第2の
層をこの順に積層した上記ポリカ−ボネ−ト板を、ガラ
ス基板とともに、第1図に示す二酸化珪素被膜製造装置
の内槽中部7に浸漬後80分間保持することによって二
酸化珪素被膜を形成した。なお、二酸化珪素被膜製造装
置内を循環する珪弗化水素酸水溶液の濃度は2.5モル
/リットルであり、ヒ−タ−4を調節して 成膜時の温
度が 35℃となるようにした。上記の通りポリカ−ボ
ネ−ト板及びガラス基板上に得られた二酸化珪素被膜の
膜厚を調べたところ、両者とも100nmであった。こ
の成膜部をX線光電子分光法(ESCA;Electr
on  Spectroscopy  for  Ch
emical  Analysis)を用いて分析した
結果、ほとんどがSiO2 からなることが確認された
。 【0039】ポリカ−ボネ−ト板上に得られた被膜は、
前記付着性テストでは全く剥がれない強固な付着力を有
するものであった。また、上記二酸化珪素被膜付きポリ
カ−ボネ−ト板のテ−バ−摩耗テスト後のヘ−ズ値の増
加は約6%で、吸水率は約0.04%と極めて少なかっ
た。 【0040】実施例2 (1)  メチルメタクリレート250部、2ーヒドロ
キシエチルメタクリレート110部、エチルセロソルブ
 1450部 及び開始剤を少々添加し、窒素雰囲気下
、攪拌しながら80℃で約20時間、その後90℃で約
4時間重合した。室温に冷却後エチルセロソルブ100
0部を添加し、固形分約13%の2元共重合体を得た。 この共重合体の重量平均分子量は、約30万であった。 このようにして得られた共重合体溶液80部にジアセト
ンアルコール97部、エチルセロソルブ70部を添加し
塗料d−2とした。 (2)  メチルトリメトキシシラン110部と氷酢酸
2.0部の混合液にコロイダルシリカ(日産化学工業(
株)製、スノーテックス−C、固形分20%)180部
を添加後、4時間攪拌し加水分解を行なった。得られた
溶液の固形分組成(計算値)は、CH3SiO1.5 
として計算されたメチルトリメトキシシラン加水分解物
18.5%及びSiO2として計算されたコロイダルシ
リカ12.3%を含んでいる。 【0041】このようにして得られた2元共加水分解物
溶液300部にイソプロピルアルコール150部添加し
室温で約4日熟成した後、酢酸ナトリウム0.5部を加
えて塗料a−2とした。 (3)  テトラエトキシシランを1成分とする加水分
解物溶液(固形分濃度8%、CSGL−0803(チッ
ソ株式会社製、))2部をイソプロピルアルコ−ル40
0ml及び1−ブチルアルコ−ル100ml に溶解し
( SiO2 換算固形分濃度約2.7×10−3mo
l/l)塗料b−2とした。 【0042】(4)  あらかじめ洗浄したポリカーボ
ネート基材にd−2,a−2およびb−2の各塗料を用
い、また析出法による二酸化珪素成膜に使用した珪弗化
水素酸水溶液の濃度を3mol/lとした以外は実施例
1の(4)、(5)と同様に実施して、ガラス基板に1
00nmの二酸化珪素被膜が得られる条件でポリカ−ボ
ネ−ト板に二酸化珪素被膜を作成した。ポリカ−ボネ−
ト板上に得られた二酸化珪素被膜は膜厚が100nmで
あり、透明均一なものであった。また、付着性は良好で
吸水率は約0.03%であった。さらに上記二酸化珪素
被膜付きポリカ−ボネ−ト板を 沸騰水中に 1時間浸
漬したが、付着力に変化はなかった。 【0043】実施例3 (1)  エチルセロソルブ900部を窒素雰囲気下で
85℃に保ちつつメチルメタクリレート480部、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 120部
、 ベンゾイルパーオキサイド3.0部の混合物を3時
間かかって加えその後105℃に昇温し4時間保ち重量
平均分子量が約11万の共重合体を得た。このようにし
て得られた共重合体溶液80部にジアセトンアルコール
160部、エチルセロソルブ150部を添加し、塗料d
−3とした。 (2)  あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材に
d−2塗料に代えてd−3塗料を用いた以外は実施例2
と同様に実施した。得られた被覆ポリカーボネ−ト物品
は実施例2と同様で良好であった。 【0044】実施例4 (1)  エチレングリコ−ルジアクリレ−ト50部、
ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト50部、α、α
−ジエトキシアセトフェノン2部、レゾルシノールモノ
ベンゾエート5部およびシリコーン系のフローコントロ
ーリ剤を少し添加し塗料d−4とした。 (2)  あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材に
d−4塗料をバ−コ−タ−を用いてウエット膜厚で約1
0μm塗布後、 窒素雰囲気下、80w/cmの紫外線
ランプで約1分間紫外線を照射することにて硬化させた
以外は、実施例1と同様に実施した。得られた被覆ポリ
カーボネ−ト物品は実施例1と同様で良好であった。 【0045】実施例5 析出法による二酸化珪素被膜を形成する時、第1図に示
す二酸化珪素被膜製造装置の内槽中部7に浸漬後240
分間保持した以外は実施例2と同様に実施した。得られ
た二酸化珪素被膜の厚みは約300nmであった。得ら
れた被覆ポリカ−ボネ−ト物品の外観は良好でテ−バ−
摩耗テスト後のへ−ズ値の増加は、約5%であった。ま
た吸水率は約0.02%と極めて低く、更に300時間
浸水テスト後の吸水率も約0.08%であった。また、
上記二酸化珪素被膜付きポリカ−ボネ−ト板を沸騰水中
に1時間浸漬したが、外観、付着力に変化は認められな
かった。 【0046】実施例6 あらかじめ洗浄したアクリル樹脂のキャスト板に塗料d
−2を塗布し、熱風乾燥炉で100℃、60分間加熱乾
燥した。この塗膜厚みは、約2μmであった。次にこの
様にして得られた接着剤層で被覆されたアクリル板に塗
料a−2を塗布し、熱風乾燥炉で100℃、 2時間加
熱乾燥し、 硬化させた。この塗膜厚みは、約3μmで
あった。次にこの様にして得られた2層被覆アクリル板
を塗料b−2に浸漬し15cm/minの速度で引き上
げた後50℃の温風乾燥炉で30分乾燥して第1の層上
に第2の層を形成した。上記操作と全く同様の条件でガ
ラス基板に第2の層を10層積層したところその膜厚は
およそ 50nmであった。 従って前記第1の層上に
第2の層の厚みは 約5nmと推定される。得られた接
着剤層、第1の層および第2の層をこの順に積層したア
クリル板をガラス基板とともに、第1図に示す二酸化珪
素被膜製造装置の内槽中部7に浸漬後80分間保持する
ことによって二酸化珪素被膜を形成した。なお、二酸化
珪素被膜製造装置内を 循環する 珪弗化水素酸水溶液
の濃度は2.5モル/リットル であり、ヒ−タ−4を
調節して成膜時の温度が35℃となるようにした。 【0047】上記の通りアクリル板及びガラス基板上に
得られた二酸化珪素被膜の膜厚を調べたところ、両者と
も100nmであった。アクリル板上に得られた被膜は
、前記付着性テストでは全く剥がれない強固な付着力を
有するものであった。また、上記二酸化珪素被膜付きア
クリル板のテ−バ−摩耗テスト後のヘ−ズ値の増加は約
5%であった。 【0048】実施例7 あらかじめ洗浄したアクリルの押し出し板に接着剤層を
形成しないで直接、塗料a−1を塗布し、熱風乾燥炉で
90℃、3時間加熱乾燥した。この塗膜厚みは、約3μ
mであった。次にこの様にして得られた1層被覆アクリ
ル板を実施例6と同様に処理して第2の層および第3の
層を形成した。上記の如くアクリルの押し出し板上に得
られた被膜の性能は、実施例6と同様であった。 【0049】比較例1 d−1およびa−1塗料を用いた被膜を形成しなかった
以外は実施例1と同様に実施した。この様にして得られ
た2層被覆ポリカーボネート成形物品(接着剤層と第1
の層を欠如する)は透明で外観に異常は認められなかっ
たが、テ−バ−テスト中に膜剥がれが生じテ−バ−摩耗
硬度は極めて不良であった。 【0050】比較例2 第2の層および二酸化珪素の第3の層を施さなかった以
外は実施例2と同様に実施した。この様にして得られた
2層被覆ポリカ−ボネ−ト物品は透明で外観は良好であ
ったが吸水率は約0.32%で未処理の ポリカ−ボネ
−ト板 とほぼ同様であった。なおテ−バ−摩耗テスト
後のヘ−ズ値の増加は約9%であった。 【0051】比較例3 b−2塗料を用いた被膜を形成しなかった以外は実施例
5と同様に実施した。得られた被覆ポリカ−ボネ−ト物
品の最上層である二酸化珪素被膜層の一部にムラ状の不
均一が認められ、また付着性も不十分であった。 【0052】実施例8 (1)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン100g
と蒸留水100gとを混合しながら、0.1規定の塩酸
0.5mlを添加し、その後30分間攪拌して均一溶液
を得た。この加水分解溶液2gを250mlのイソプロ
ピルアルコールで希釈し塗料b−3とした。 (2)塗料b−3の調製で用いたγ−アミノプロピルト
リメトキシシランをγ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランに変更した以外はb−3と同様に調製し塗
料b−4とした。 【0053】(3)γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン100gと蒸留水100gとを混合しながら、0.
1規定の塩酸0.5mlを添加し、その後30分間攪拌
して均一溶液を得た。この加水分解溶液2gを300m
lのイソプロピルアルコールで希釈し塗料b−5とした
。 (4)  テトラエトキシシラン80g、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン20gおよび蒸留水
100gを混合しながら、0.1規定の塩酸0.5ml
を添加し、その後30分間攪拌して均一溶液を得た。こ
の加水分解溶液2gを250mlのイソプロピルアルコ
ールで希釈し塗料b−6とした。 【0054】(5)  あらかじめ洗浄した厚み125
μmのポリエステルフィルムに塗料d−3を塗布し、熱
風乾燥炉で145℃、5分間加熱乾燥し、硬化させた。 この塗膜厚みは、約2μmであった。次にこの様にして
得られた接着剤層で被覆されたポリエステルフィルムに
塗料a−1を塗布し、熱風乾燥炉で145℃15分間加
熱乾燥し硬化させた。この塗膜厚みは、約3μmであっ
た。次ぎにこのようにして得られた2層被覆ポリエステ
ルフィルムを塗料b−3に浸漬し15cm/minの速
度で引き上げた後、50℃の温風乾燥炉で30分乾燥し
て第1の層上に第2の層を形成した。得られた接着剤層
、第1層、および第2層をこの順に積層したポリエステ
ルフィルムを実施例2と同様に行なって第4の層の二酸
化珪素被膜を形成した。 【0055】ポリエステルフィルム上に得られた被膜は
、前記付着性テストでは全く剥がれない強固な付着力を
有するものであった。また、上記二酸化珪素被膜付きポ
リエステルフィルムのテ−バ−摩耗テスト後のヘ−ズ値
の増加は約7%であった。 【0056】実施例9   あらかじめ洗浄したジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネートの重合体の板に塗料d−3の層を形成しない
で直接に塗料a−1を塗布し、熱風乾燥炉で125℃、
45分間加熱乾燥し硬化させた。この塗膜厚みは、約3
μmであった。次にこの様にして得られた被覆板を塗料
b−4に浸漬し、15cm/minの速度で引き上げた
後50℃の温風乾燥炉で30分乾燥して第1の層上に第
2の層を形成した。得られた第1層および第2層をこの
順に積層したジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ートの重合体の板を実施例1と同様に行なって第3の層
の二酸化珪素被膜を形成した。得られた被膜板の外観は
良好で、前記付着性テストでは全く剥がれない強固な付
着力を有するものであった。 【0057】実施例10   あらかじめ洗浄したアクリルの押し出し板に塗料d−3
の層を形成しないで直接、塗料a−2を塗布し、熱風乾
燥炉で90℃、3時間加熱乾燥し硬化させた。この塗膜
厚みは、約3μmであった。次にこの様にして得られた
被覆板を塗料b−5に浸漬し、15cm/minの速度
で引き上げた後50℃の温風乾燥炉で30分乾燥して第
1の層上に第2の層を形成した。得られた第1層および
第2層をこの順に積層したアクリル板を実施例2と同様
に行なって第3の層の二酸化珪素被膜を形成した。得ら
れた被膜板の外観は良好で、前記付着性テストでは全く
剥がれない強固な付着力を有するものであった。また、
テ−バ−摩耗テスト後のヘ−ズ値の増加は約10%であ
った。 【0058】実施例11 あらかじめ洗浄したポリカーボネート板に実施例1と同
様に塗料d−1の層を形成した。次にこの様にして得ら
れた第1層で被覆されたポリカーボネート板に塗料a−
2を塗布し、熱風乾燥炉で120℃、 1時間加熱乾燥
し、 硬化させた。この塗膜厚みは、約3μmであった
。次にこの様にして得られた2層被覆ポリカーボネート
板を塗料b−6に浸漬し、15cm/minの速度で引
き上げた後50℃の温風乾燥炉で30分乾燥して第1の
層上に第2の層を形成した。得られた接着剤層、第1の
層および第2の層をこの順に積層したポリカーボネート
板上に実施例2と同様に二酸化珪素被膜を形成した。 このようにして得られた被覆板の外観は良好で、前記付
着性テストでは全く剥がれない強固な付着力を有するも
のであった。また、テ−バ−摩耗テスト後のヘ−ズ値の
増加は約6%であり、吸水率は約0.04%と極めて少
なかった。 【0059】実施例12 (1)  シリコーンハードコート用液の調製γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン39部、3,3,
3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン29部、
メチルトリメトキシシラン110部、コロイダルシリカ
(日産化学工業(株)製、スノーテックス−C、固形分
20%)75部および0.1規定塩酸水溶液100部を
混合し、80〜85℃で2時間還流して加水分解を行な
った。得られた4次元加水分解物溶液310部にエチル
セロソルブ49部、過塩素酸アンモニウム0.9部、フ
ローコントロール剤を少々を添加し、上塗り塗料a−3
とした。 (2)塗料a−2の代わりに塗料a−3を用いた以外は
実施例11と同様に実施した。得られた被覆板は実施例
11と同様であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために使用した二酸化珪素被
膜製造装置の系統説明図である。
【符号の説明】
1..外槽、            2..内槽、3
..水                4..ヒ−タ
−5..攪拌機            6..内槽前
部7..内槽中部          8..内槽後部
9..洗浄液槽          10..5%HF
水溶液11..フィルタ−      12..循環ポ
ンプ13..三方コック       14..ポリカ−ボネ−ト成形体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  a)一般式(1) R1Si(R2)3      (1)( 式中R1は
    炭素数1〜6の炭化水素基、エポキシ素を有する有機基
    、またはフッ素原子を有する有機基であり、そしてR2
     はアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アセトキ
    シ基及び塩素原子からなる群より選ばれる。但し3個の
    R2は同一であっても異なっていてもよい)で表わされ
    る珪素化合物の部分加水分解物を含む塗料を被覆硬化し
    てなる第1の層、 b)一般式(2) (R3)nSi(R4)4−n   (2)(式中R3
     はそれぞれアクリロキシ基、メタクリロキシ基、アミ
    ノ基、または塩素原子を有する有機基であり、R4はア
    ルコキシ基、アルコキシアルコキシ基及びアセトキシ基
    よりなる群から選ばれる基であり、そしてnは0または
    1である。)で表わされる珪素化合物の部分加水分解物
    を被覆硬化してなる第2の層、およびc)二酸化珪素が
    過飽和状態にある珪弗化水素酸水溶液から形成させた二
    酸化珪素被膜からなる第3の層をa)、b)およびc)
    の順にプラスチック成形体の表面上に積層してなる被覆
    プラスチック成形体。
  2. 【請求項2】  前記第1の層(a)とプラスチック成
    形体の表面との間に(d)接着剤層が存在する請求項1
    記載の被覆プラスチック成形体。
  3. 【請求項3】  前記接着剤層(d)がアクリルポリマ
    −および/またはメタクリルポリマ−を含む層である請
    求項2記載の被覆プラスチック成形体。
  4. 【請求項4】  前記プラスチック成形体がポリカ−ボ
    ネ−ト、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
    の重合体、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂から選
    ばれる素材の成形体である請求項1記載の被覆プラスチ
    ック成形体。
  5. 【請求項5】  (1)表面に接着剤層(d)を有して
    いてもよいプラスチック成形体を準備し、(2)その表
    面上に一般式(1) R1Si(R2)3      (1)( 式中R1は
    炭素数1〜6の炭化水素基、エポキシ素を有する有機基
    、またはフッ素原子を有する有機基であり、R2 はア
    ルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アセトキシ基及
    び塩素原子からなる群より選ばれる。但し3個のR2は
    同一であっても異なっていてもよい)で表わされる珪素
    化合物の部分加水分解物を含む第1の塗料を被覆硬化さ
    せて第1の層を形成し、 (3)第1の層の表面上に、一般式(2) (R3)n
    Si(R4)4−n   (2)(式中R3 はそれぞ
    れアクリロキシ基、メタクリロキシ基、アミノ基、また
    は塩素原子を有する有機基であり、R4はアルコキシ基
    、アルコキシアルコキシ基及びアセトキシ基よりなる群
    から選ばれる基であり、nは0または1である。)で表
    わされる珪素化合物の部分加水分解物を含む第2の塗料
    を被覆硬化させて第2の層を形成し、 (4)前記第2の層の上に、二酸化珪素が過飽和状態に
    ある珪弗化水素酸水溶液を接触させて、前記第2の層の
    上に二酸化珪素からなる第3の層を形成することを特徴
    とする被覆プラスチック成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】  上記第2の塗料が、RnSi(4−n
    )/2に換算して、珪素化合物の部分加水分解物を少な
    くとも10−3モル/リットルの濃度で含有する請求項
    5に記載の被覆プラスチック成形体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006501342A (ja) * 2002-10-01 2006-01-12 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 層状系及びその製造方法
WO2007040256A1 (ja) * 2005-10-05 2007-04-12 Nippon Sheet Glass Company, Limited 樹脂物品およびその製造方法

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