JPH0422535B2 - - Google Patents

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JPH0422535B2
JPH0422535B2 JP60038838A JP3883885A JPH0422535B2 JP H0422535 B2 JPH0422535 B2 JP H0422535B2 JP 60038838 A JP60038838 A JP 60038838A JP 3883885 A JP3883885 A JP 3883885A JP H0422535 B2 JPH0422535 B2 JP H0422535B2
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JP
Japan
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phosphatidylglycerol
emulsifier
soybean lecithin
emulsion
fatty acid
Prior art date
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Expired - Lifetime
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JP60038838A
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English (en)
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JPS61199749A (ja
Inventor
Satoshi Kudo
Mitsuo Umada
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Yakult Honsha Co Ltd
Original Assignee
Yakult Honsha Co Ltd
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Publication date
Application filed by Yakult Honsha Co Ltd filed Critical Yakult Honsha Co Ltd
Priority to JP60038838A priority Critical patent/JPS61199749A/ja
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  • Grain Derivatives (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Dairy Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、食品製造に使用可能な乳化剤に関す
るものである。 従来の技術 食品用乳化剤としては、大豆レシチン、シヨ糖
脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステルなどが従来一般的であるものの、
これらの乳化剤の乳化能、特に食品においては大
部分を占めるO/W型エマルシヨンの形成能およ
び安定化能は、カルシウムイオン、マグネシウム
イオン等の多価金属イオンが存在する場合や酸性
の食品の場合に著しく低下し、安定なエマルシヨ
ンを形成することが難しい。食品が多価金属イオ
ンを含有していたり酸性であつたりすることは珍
らしくないから、一般性ある食品用乳化剤といえ
るためには、その乳化能が多価金属イオンやPHの
影響をなるべく受けずに安定した性能を示すもの
でなければならない。そこでこれらの乳化剤を改
質して乳化能の安定性を向上させる試みが幾つか
なされた。たとえば大豆レシチンは、もともと乳
化の安定性の点では比較的すぐれており、また分
子構造を種々修飾し易いものであるところから、
アセチル化、ヒドロキシル化、脂肪酸部分の加水
分解などの手段により改質したものが提供されて
おり、中でも部分加水分解により得られたリソ型
リン脂質は、カルシウムイオンやマグネシウムイ
オンによる乳化能低下が少ないとされている(油
化学、第28巻、第10号、119〜126頁)。しかしな
がら、これら改質レシチンも、無処理大豆レシチ
ンよりはすぐれていても、実用上はまだまだ使用
条件が制限されるものである。 発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、上述のような欠点のない乳化
剤、すなわちカルシウムイオンやマグネシウムイ
オンなど多価金属イオンの濃度やPHにより乳化能
が変動し難い乳化剤を提供することにある。 問題点を解決するための手段 上記目的を達成することに成功した本発明の乳
化剤は、ホスフアチジルグリセロールを有効量含
有してなるものである。 ホスフアチジルグリセロールは天然リン脂質の
一種であつて、次のような構造式を有する化合物
である。 (但し式中RおよびR′は脂肪族基である。) この化合物は天然に広く分布し、特に植物体や
細菌中に多く存在する。しかしながら、種々のリ
ン脂質の混合物である大豆レシチンからこの化合
物が見いだされることはほとんどない(表1およ
び表2参照)。 したがつて、従来乳化剤として使われた大豆レ
シチンがその乳化能に関与する程の量のホスフア
チジルグリセロールを含んでいたことは無かつた
といつてもよく、もちろん、その乳化能について
は何も知られていなかつた。
【表】
【表】
【表】 ホスフアチジルグリセロールは前述のように多
くの植物体や細菌中に含まれており、特にタバ
コ、クローバ、カラスムギ、クロレラ、酵母、細
菌類には比較的多量に含まれているから、これら
から経済的に採取し得るときはそれを利用するこ
とができる。しかしながら、ホスフアチジルグリ
セロールの工業的製法として最も有利と思われる
のは、大豆レシチンを原料とする次の二つの製法
である。 (A) ホスホリパーゼDにより大豆レシチンとグリ
セロールとの間にホスフアチジル基転移反応を
起こさせる。この反応は平衡反応であつて、ホ
スフアチジルグリセロールと他のリン脂質との
混合物が得られるが、本発明の乳化剤には、得
られた反応混合物(通常ホスフアチジルグリセ
ロールを約20〜60%含有する)をそのまま利用
しても差支えない。 (B) 大豆レシチンにホスホリパーゼDを作用させ
てホスフアチジン酸を生成させ、次いでこのホ
スフアチジン酸をホスホリパーゼDの作用によ
りホスフアチジルグリセロールに変換する。 上記Aの製法の詳細は、生化学実験講座3・脂
質の化学、294〜295頁および592頁(東京化学同
人)に記載されている。 天然リン脂質の一種であるホスフアチジルグリ
セロールを有効成分とする本発明の乳化剤は、リ
ン脂質混合物である大豆レシチンからなる従来の
乳化剤とほぼ同様の使用法により、多くの油脂類
の乳化に用いることができ、特殊な乳化方法を採
用する必要はない。すなわち、通常は乳化しよう
とする油脂中に乳化剤を溶かしておき、水または
他の材料の水溶液と混合し乳化させる。その際、
水層にも水溶性乳化剤(好ましくはHLBが5以
上のもの;たとえばシヨ糖脂肪酸エステル)を添
加しておくと、乳化が容易になる。混合にはホモ
ゲナイザー、超音波等を利用することができ、処
理中、約50℃またはそれ以上の温度に加熱するこ
ともできる。 実施例 以下実施例を示して本発明を説明する。 実施例 1 食用米油6gにホスフアチジルグリセロール
120mgを溶解したものにシヨ糖脂肪酸エステル系
乳化剤・DKエステルF70(HLB=8、第一工業
製薬)の1%水溶液14gを添加し、80℃で2分
間、超音波処理すると均一に乳化した。 得られた乳化剤について、カルシウムイオンの
存在下における安定性を調べるため、5〜50mM
の塩化カルシウムを含む50mMイミダゾール塩酸
緩衝液(PH6.5)5mlで乳化液1mlを希釈し、室
温で放置して乳化状態を肉眼で観察する試験を行
なつた。 別に、比較例としてホスフアチジルグリセロー
ルのかわりに大豆レシチン(市販品をアセトン沈
殿法により精製したもの)120mgを用いたほかは
上記と同様にして乳化液を調製し、得られた乳化
液について同様の安定性試験を行なつた。 その結果を表3に示す。なお安定性は次の基準
により判定した。 ◎:24時間後も安定 ○:24時間後に僅かに分離の徴候が認められる。 △:24時間後にやや分離する。 △〜×:数時間で分離し始めるが、24時間後も乳
化部分がある。 ×:24時間後には完全に分離する。 ××:緩衝液で希釈した直後に分離する。
【表】 比較例乳化液 ◎ △〜 × ×× ×× ××
×
また同じ乳化液について、酸性領域における安
定性を調べるため、緩衝液をPH5.0の酢酸緩衝液
に変更して上記と同様の試験を行なつた。その結
果を表4に示す(判定基準は表3の場合と同じで
ある)。
【表】 × × ×
比較例乳化液 ◎ × × ×× ×× ××
実施例 2 米油3gに30〜120mgのホスフアチジルグリセ
ロールを加えて加熱溶解したのち、水7mlを加
え、超音波処理を施して乳化液を得る。得られた
乳化液1mlを水5mlで希釈して室温で放置する。 上記試験の結果を表5に示す(判定基準は表3
の場合と同じである)。 表 5 安定性試験ホスフアチジルグリセロール添加量(mg) 判定 30 ○ 60 ○ 120 ◎ 実施例 3 ホスホリパーゼDにより大豆レシチンとグリセ
ロールとの間にホスフアチジル転移反応を起こさ
せて得られたホスフアチジルグリセロールを含む
反応混合物(ホスフアチジルグリセロール含有量
約50%)5gを食用精製ヤシ油200gを加え、70
℃に加熱して溶解した。一方、水720gに脱脂粉
乳80g、カゼインナトリウム10gおよびシヨ糖脂
肪酸エステル・DKエステルF70(第一工業製薬)
5gを加え、70℃に加熱して溶解した。次いで得
られた溶液を攪拌しながら上記ホスフアチジルグ
リセロールを添加したヤシ油を加え、50Kg/cm2
予備乳化し、更に150Kg/cm2で均質化したのち5
℃に冷却して、安定なコーヒーホワイトナー1Kg
を得た。 発明の効果 本発明によれば、従来多価金属イオンや酸の影
響を最も受け難いとされていた大豆レシチン系の
乳化剤よりもはるかにすぐれた乳化剤が提供さ
れ、それにより、油脂乳化物からなるまたは油脂
乳化物を含有する化粧品等各種食品の安定性の向
上と利用範囲の拡大が可能となる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 有効量のホスフアチジルグリセロールを含有
    することを特徴とする乳化剤。 2 ホスホリパーゼDにより大豆レシチンとグリ
    セロールとの間にホスフアチジル基転移反応を起
    こさせて得られたホスフアチジルグリセロールを
    含む反応混合物からなる特許請求の範囲第1項記
    載の乳化剤。
JP60038838A 1985-03-01 1985-03-01 乳化剤 Granted JPS61199749A (ja)

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JP60038838A JPS61199749A (ja) 1985-03-01 1985-03-01 乳化剤

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JP60038838A JPS61199749A (ja) 1985-03-01 1985-03-01 乳化剤

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JPS61199749A JPS61199749A (ja) 1986-09-04
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2601950B2 (ja) * 1991-01-09 1997-04-23 名古屋製酪株式会社 クリーム状組成物
EP1900292A1 (en) * 2006-09-15 2008-03-19 Nestec S.A. Beverage creamer

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JPS61199749A (ja) 1986-09-04

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