JPH04224665A - 耐食性に優れたチタン合金の製造方法 - Google Patents

耐食性に優れたチタン合金の製造方法

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JPH04224665A
JPH04224665A JP41397990A JP41397990A JPH04224665A JP H04224665 A JPH04224665 A JP H04224665A JP 41397990 A JP41397990 A JP 41397990A JP 41397990 A JP41397990 A JP 41397990A JP H04224665 A JPH04224665 A JP H04224665A
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JP
Japan
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corrosion resistance
alloy
titanium alloy
heated
cooling rate
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JP41397990A
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English (en)
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Sukehiro Mitsuyoshi
裕広 光吉
Chihiro Taki
千博 滝
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mining Co Ltd
Nikko Kyodo Co Ltd
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  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化剤を含む高温高濃
度の非酸化性酸中において優れた耐食性を示すMo−C
r系及びMo−Cr−Ru系チタン合金の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、化学工業はめざましい発展を示し
、新しいプロセスの開発や既存のプロセスの省力化及び
効率化が次々と進んでいる。それにともない、装置材料
にも塩酸や硫酸等を代表とする非酸化性酸のような過酷
な腐食環境における耐食性が要求されるようになってき
た。特に、最近では高温高濃度の非酸化性酸の使用が増
え、装置材料の腐食環境はますます厳しくなってきてい
る。また、環境問題に関わる廃液、廃ガス及び廃棄物処
理においても、そのプロセスにおいて、高温高濃度の塩
酸や硫酸が関与することが多く、それに耐えうる装置材
料が要求されている。以上の背景に加えて、最近では、
経済的な観点から、装置材料におけるイニシャルコスト
よりも、保守保全を容易にすることを考慮したトータル
コストの面が重視されるようになり、上記環境で高価な
高級耐食性材料を使用する例が増加している。
【0003】このような耐食性材料は、金属材料と非金
属材料とに大別され、その特性に応じて各分野で利用さ
れている。特に金属材料は、伝熱性を要求される熱交換
器の分野や靭性を要求される設備基幹部分の分野で用い
られていることから、信頼性及び経済性を兼ね備えたも
のが強く要望されている。
【0004】現在、このような高温高濃度の非酸化性酸
中で用いられる金属材料としては、Nb、Ta、Zr、
ハステロイ、耐食性チタン合金等が知られている。しか
しながら、Nb及びTaは、耐食性は優れているものの
、極めて高価であるため工業的な利用が制限され、また
、Zr及びハロステロイは、Cl−の存在により耐食性
が劣化するという問題を抱えている。
【0005】一方、耐食性チタン合金については、Ti
−Pd合金等が知られているが、これらチタン合金は、
塩酸や硫酸のような非酸化性酸に対しては耐食性が不十
分である。唯一、Moを数十%添加したTi−Mo合金
(例えば、TRANSACTIONS  OF  TH
E  ASM、286頁、VOL54、1961年−S
TERN等著−参照)並びに安価な貴金属であるRuを
更に微量添加して一段と耐食性を向上させたTi−Mo
−Ru合金(特開平01−337389参照)が塩酸や
硫酸に対し優れた耐食性を示す。これらのTi−Mo−
(Ru)合金は、組織が均一なβ相であるため加工性に
優れており、装置用材料として種々の形状に加工するこ
とができる。さらに、これら合金は、Nb、Taよりは
安価なMoを使用するため、他の高級耐食材料に比較し
て経済性にも優れている。
【0006】しかしながら、Ti−Mo合金は、確かに
、不純物の存在しない塩酸や硫酸のような非酸化性酸中
では優れた耐食性を示すが、非酸化性酸中に不純物とし
てわずか数ppmの酸化剤が混入すると、Moの過不働
態化によって耐食性が著しく劣化するという問題点を呈
する。一般に、実環境ではFe3+やCu2+の微量の
不純物イオンや溶液中の溶存酸素等の酸化剤が混入する
のが普通であるため、これらの酸化剤によって耐食性が
劣化するというのは致命的な欠点であり、そのためにT
i−Mo−(Ru)合金の工業的な利用は著しく制限さ
れていた。本発明者は、この問題点を解決するため、こ
れらの合金にさらにCr を添加することを提案した。 このTi−Mo−Cr合金及びTi−Mo−Cr−Ru
合金は、酸化剤の存在する非酸化性酸の非常にきびしい
腐食環境でも優れた耐食性を示し、かつ加工性及び経済
性にも優れた耐食性材料であり、化学装置用材料として
工業的に著しい効果を発揮するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、β安定化元素
であるMoやCrを含むこれらの合金は熱的に不安定な
準安定β型合金であるため、処理の方法によっては、金
属組織が変化しそして耐食性が劣化する場合があること
が認識された。実際、加工後の焼鈍において、冷却速度
の遅いバッチ式真空焼鈍炉を用いると著しく耐食性が劣
化するという問題を生じることがあった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、酸化剤を含む高温高濃度の非酸化性酸中で優れ
た耐食性を示し、かつ熱的に安定した金属組織を有する
チタン合金を製造する信頼性のある方法を提供すること
を課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため、上記合金の耐食性と金属組織との関係
について詳細な検討を加え、β領域で加熱保持後の冷却
速度が重要な因子であることを知見し、本発明を完成さ
せた。
【0010】即ち、本発明は、(1)Mo:10〜40
wt%及びCr:1〜15wt%を含みそして残部がT
i と不可避的不純物とからなる組成を有するチタン合
金をβ領域で加熱保持し、しかる後該加熱保持された合
金を30℃/分以上の冷却速度で冷却することを特徴と
する耐食性に優れたチタン合金の製造方法並びに(2)
Mo:10〜40wt%、Cr  1〜15wt%及び
Ru:0.01〜2.0wt%を含みそして残部がチタ
ン及び不可避的物とからなる組成を有するチタン合金を
β領域で加熱保持し、しかる後該加熱保持された合金を
30℃/分以上の冷却速度で冷却することを特徴とする
耐食性に優れたチタン合金の製造方法を提供するもので
ある。
【0011】
【作用】本発明方法の対象とするチタン合金において、
Moを添加するのは、Moを添加することで材料表面に
Moの濃縮した保護皮膜が形成され、塩酸や硫酸等の非
酸化性酸中での耐食性が著しく改善されるためである。 しかし、これだけでは環境中に数ppm程度の酸化剤が
共存した場合、Moの溶出によって耐食性が著しく劣化
する。そのため、更にCrを添加する必要がある。Cr
を添加することでMoの溶出が抑制され環境中の酸化剤
による耐食性の劣化を防止することができる。
【0012】これはTi−Mo合金よりもさらに耐食性
の優れるTi−Mo−Ru合金についても同様であり、
Crを添加することで酸化剤存在下での耐食性は著しく
改善される。
【0013】本発明合金は、以上の作用によって、酸化
剤の存在する高温・高濃度の非酸化性酸中でも優れた耐
食性を示す。
【0014】ここでMoの含有量の下限を10wt%と
したのは、これより少ない量では表面保護皮膜の形成が
不十分であり、耐食性の向上が期待できないためであり
、またMoの含有量の上限を40wt%としたのは、こ
れより多くMoを添加しても耐食性の向上は僅かであり
、しかも高融点でかつ偏析しやすいMoを大量に含有す
ることから均質なインゴットを得ることが難しく、更に
熱間及び冷間加工性も悪化するためである。
【0015】次に、Crの含有量の下限を1wt%とし
たのは、これより少ない量では前述のCrの作用効果が
不十分であり、従って酸化剤存在下での耐食性の改善に
効果が不十分なためであり、他方その上限を15wt%
としたのは、これを超えて添加すると加工性が劣化し、
板や条の製造が困難となるためである。更に、Ruの下
限を0.01wt%としたのは、これより少ない量では
十分な耐食性の改善が確保できないためであり、他方上
限を2.0wt%としたのは特性上の効果が飽和するこ
とから、経済的な不利を避けるためである。
【0016】以上の本発明の対象とする合金、すなわち
従来提唱されたTi−Mo合金或いはTi−Mo−Ru
合金にCrを添加した合金は、酸化剤の存在する高温高
濃度の非酸化性環境中での耐食性が著しく優れており、
工業的に十分な耐食性を発揮する。
【0017】本発明に関わるチタン合金はMoの添加に
より、非酸化性酸中でMoの濃縮した保護皮膜が形成さ
れ、これにより耐食性の向上がもたらされ、さらに、環
境中に酸化剤が存在した場合、Moの溶出によって生じ
る耐食性の劣化をCrの添加で防止するものである。こ
の効果は金属組織が単一β相を示しているときに最も効
力を発揮する。
【0018】しかし、上記合金は熱的に不安定な準安定
β型合金であるため、熱処理温度や冷却速度によって、
β相が分解し、平衡相であるα相や種々の非平衡相が析
出することがある。その結果、β相と析出物との間で局
部電池を形成し耐食性を劣化させる。そのため、上記合
金の優れた耐食性を有効に且つ安定して発揮させるため
には、金属組織を析出相の無い単一β相にすることが必
要である。
【0019】本発明者らは、そのための熱処理方法とし
て、β域で加熱保持後30℃/分以上の冷却速度で冷却
することで単一β相を達成し、優れた耐食性を安定して
得ることに成功した。
【0020】ここで、合金をβ域で加熱保持するのは、
α+β域で加熱した場合には、α相が析出し、いくら冷
却速度を大きくしてもα相が残留し、耐食性が劣化する
からである。また、冷却速度を30℃/分以上としたの
はこれより低い冷却速度では冷却の過程でα相や種々の
非平衡相が析出し、耐食性を劣化させるからである。3
0℃/分以上の冷却速度で金属組織は単一β相となり、
上記合金の本来持つ耐食性を有効に発揮できる。この冷
却速度は、少なくとも加熱保持温度から200℃までの
間は必要である。
【0021】また、Mo、Crに加えて、さらに非酸化
性酸中での耐食性を向上させるためにRuを添加した合
金の場合には、添加量が微量(0.01〜2.0wt%
)のため、金属組織に及ぼすRuの影響はほとんどなく
、前述と同様な熱処理方法で優れた耐食性を発揮できる
【0022】なお、以上の本発明製造方法では、得られ
た合金が、酸化剤の存在する高温高濃度の非酸化性酸中
での耐食性が優れているばかりでなく、上記本発明の範
囲内で金属組織が析出相がなく、加工性のよい単一β相
となるため、曲げ加工、プレス加工の成形加工が容易で
あり装置材料として必要な種々の形状にたやすく加工で
きるという特徴も併せ持っている。
【0023】
【実施例及び比較例】次に本発明を具体的な実施例及び
比較例に基づいて説明する。
【0024】試験材料としては、TiにMo、Cr及び
Ruを所定量添加したボタンインゴットを溶製し、これ
らの合金を熱間圧延及び冷間圧延後、それぞれのβ変態
点+100℃(β域)及びβ変態点−100℃(α+β
域)の温度で加熱保持し、しかる後5、20、30、1
00(℃/分)の冷却速度で冷却した。これらを20m
m×20mmの板に切断し、表面を600番研磨紙で仕
上げ、表面を清浄化しそしてFe3+を50ppm 含
む90℃の10%HCl 中で全面腐食試験に供した。 その結果を表1に示した。
【0025】表1において、供試材No.1〜6は、冷
間圧延後、β変態点−100℃の温度に加熱保持し、そ
の後呈示される冷却速度で冷却したものであるが、α+
β域で加熱したため、冷却速度にかかわらず、耐食性は
よくない。
【0026】一方、供試材No.7〜12は、供試材N
o.1〜6と同組成の合金であり、β変態点+100℃
の温度(β域)に加熱保持後、各冷却速度で冷却したも
のであるが、Crを含むものは30℃/分以上の冷却速
度の場合に著しく耐食性が改善されており、本発明の有
効性が理解される。
【0027】さらに、供試材No.13〜17は、Ru
を0.1wt%添加したもので、加熱保持温度をβ変態
点−100℃としたもの、そして供試材No.18〜2
4は加熱保持温度をβ変態点+100℃としたものであ
るが、Ruの微量添加は加熱保持温度及び冷却速度に影
響を与えず、供試材No.1〜12と同様にβ域での加
熱保持と30℃/分以上の冷却速度で冷却することによ
り著しく耐食性が改善されることがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上、本発明の方法は、Mo−Cr系及
びMo−Cr−Ru系チタン合金をβ域で加熱保持し、
しかる後30℃/分以上の冷却速度で冷却することによ
り、酸化剤を含む高温高濃度の非酸化性酸中でのこれら
合金の耐食性安定性及び信頼性を改善し、工業的に著し
い効果を発揮するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  Mo:10〜40wt%及びCr:1
    〜15wt%を含みそして残部がTi と不可避的不純
    物とからなる組成を有するチタン合金をβ領域で加熱保
    持し、しかる後該加熱保持された合金を30℃/分以上
    の冷却速度で冷却することを特徴とする耐食性に優れた
    チタン合金の製造方法。
  2. 【請求項2】  Mo:10〜40wt%、Cr  1
    〜15wt%及びRu:0.01〜2.0wt%を含み
    そして残部がチタン及び不可避的物とからなる組成を有
    するチタン合金をβ領域で加熱保持し、しかる後該加熱
    保持された合金を30℃/分以上の冷却速度で冷却する
    ことを特徴とする耐食性に優れたチタン合金の製造方法
JP41397990A 1990-12-26 1990-12-26 耐食性に優れたチタン合金の製造方法 Withdrawn JPH04224665A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012115187A1 (ja) * 2011-02-23 2012-08-30 独立行政法人物質・材料研究機構 Ti-Mo合金とその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012115187A1 (ja) * 2011-02-23 2012-08-30 独立行政法人物質・材料研究機構 Ti-Mo合金とその製造方法
JP5885169B2 (ja) * 2011-02-23 2016-03-15 国立研究開発法人物質・材料研究機構 Ti−Mo合金とその製造方法

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