JPH04220449A - 柔軟で耐熱性の優れたエラストマ―組成物 - Google Patents

柔軟で耐熱性の優れたエラストマ―組成物

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JPH04220449A
JPH04220449A JP41278690A JP41278690A JPH04220449A JP H04220449 A JPH04220449 A JP H04220449A JP 41278690 A JP41278690 A JP 41278690A JP 41278690 A JP41278690 A JP 41278690A JP H04220449 A JPH04220449 A JP H04220449A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性エラストマ―組
成物に関し、特に柔軟性、耐熱性、強度、透明性及び成
形性に優れ、且つ無毒、無臭のエラストマ―組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品包装材、医療機器の分野にお
いて、柔軟で透明な成形物を得る組成物として数々のも
のが提案され実用化されている。例えばLDPE、エチ
レン−アクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸共重合体またはメタクリ
ル酸共重合体の金属塩等は柔軟で透明な成形品として使
用されるが、耐熱性が不充分であり、100℃以下の温
度で軟化してしまうという問題点がある。従って得られ
た成形品は高温加熱滅菌ができないという欠点を有して
いる。
【0003】又、軟質塩化ビニールを基材とする組成物
を用いた成形品は、柔軟性、透明性に優れ、且つ100
℃以上の高温下でも形状を維持できるため高温殺菌が可
能であり、食品包装材、医療器具等に広く用いられてい
る。しかし、軟質塩化ビニールを基材とする組成物は通
常可塑剤を多量に含有しているため、可塑剤が溶出し衛
生上の問題を生じる恐れがある。また、軟質塩化ビニー
ルを基材とする組成物は、低温特性が充分ではなく、0
℃以下の温度において柔軟性が著しく低下してしまう。 従って冷凍保存等に供された場合、成形品の衝撃による
破損等の問題を生ずる恐れがある。
【0004】一方、スチレン・ブタジエンブロック共重
合体、スチレン・イソプレンブロック共重合体等のスチ
レン系エラストマ―は、柔軟性、透明性、強度に優れ、
また優れた低温特性を有するが、耐熱性は十分ではなく
、100℃以下でも軟化して形状を維持できなくなると
いう問題点を有する。
【0005】そこで、上記スチレン系エラストマ―を改
良した水素添加誘導体(以下水添ブロック行重合体と略
記する)を用いたエラストマ―組成物に関し、いくつか
の提案がなされている。例えば、特開昭50−1474
2号公報、特開昭52−65501号公報には、水添ブ
ロック共重合体にオレフィン系重合体及び炭化水素油を
配合したエラストマ―組成物が開示されている。これら
のエラストマ―組成物は120℃程度の高温下でも形状
を維持し、また、−40℃程度の低温においても良好な
柔軟性を有し、しかも耐熱老化性、耐オゾン性、耐光安
定性に優れるという特徴を有している。
【0006】しかしながらこれらの組成物は炭化水素油
を多量に含有しているため、食品包装材、医療器具等の
分野においては炭化水素油の溶出が問題となることがあ
る。そこで上記問題を解決する目的で、炭化水素油を含
有しない水添ブロック共重合体の組成物が提案されてい
る。例えば特開昭54−88950号公報にはABA型
の水添ブロック共重合体とポリプロピレン系樹脂との組
成物に加工性を助けるための軟化剤またはメルトフロー
助剤としてポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレンープロピレン共重合体から選ばれた軟化剤
を配合してなる組成物が提案されている。
【0007】しかしながら、これらの軟化剤はそれ自体
耐熱性が充分でないため、特定の構造の水添ブロック共
重合体との組み合わせにおいてのみ耐熱性が得られるに
すぎず、また耐熱性が低下してしまうため軟化剤の使用
できる量も制限され、結果として硬い成形物しか得られ
ないという問題点を有する。
【0008】また、特開昭59−74152号公報には
、ABA型の水添ブロック共重合体とポリプロピレン系
樹脂を配合し、さらにエチレンーアクリレート共重合体
よりなる組成物が提案されている。エチレンーアクリレ
ート共重合体は、それ自体耐熱性、柔軟性が良好なため
、柔軟で耐熱性の優れた組成物が得られる。しかしなが
ら、エチレンーアクリレート共重合体を用いた場合、エ
チレンーアクリレート共重合体の臭気のため、食品包装
材料、医療器具等の分野においては使用が制限されるば
かりではなく、熱水による白化や吸湿の問題も生ずる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、上記従来技術
の問題点を解決し、柔軟性、耐熱性、強度、透明性、お
よび成形性に優れ、且つ無毒、無臭のエラストマ―組成
物の開発が望まれているのが実情である。本発明の課題
は、その要望に合致した新規なエラストマ―組成物を提
供することろにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、研究の結
果、前記した水添ブロック共重合体とポリプロピレン系
樹脂を配合し、さらに特定のエチレンとα−オレフィン
との共重合体を組み合わせることにより、柔軟性、耐熱
性、強度、透明性、および成形性に優れ、且つ無毒、無
臭のエラストマ―組成物が得られるという驚くべき事実
を見出し、本発明を完成した。
【0011】即ち本発明は、 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック
共重合体を水素添加してなるブロック共重合体30〜9
0重量%、 (b)プロピレン単独重合体および/またはプロピレン
と炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体5〜40
重量%、及び (c)エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとを
共重合させて得られる、密度が0.860〜0.910
g/cm3 、メルトインデックスが0.01〜100
g/10min 、示差走査熱量測定法(DSC)によ
る最大融解ピーク温度が100℃以上のエチレン−α−
オレフィン共重合体5〜60重量%からなる柔軟で耐熱
性の優れたエラストマ―組成物を提供するものである。
【0012】本発明で(a)成分として用いられる水添
ブロック共重合体は、少なくとも2個のビニル芳香族化
合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個
の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとか
ら成るブロック共重合体を水素添加して得られるブロッ
ク共重合体であり、例えば
【0013】
【化2】A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B
−A、B−A−B−A−B、(A−B)4 −Si、(
B−A−B)4 −Si、(B−A−B)4 −Sn等
の構造を有する。
【0014】柔軟性、加工性に優れ、且つ異方性の少な
い成形物を得るために特に好適な水添ブロック共重合体
の構造は、少なくとも一つの重合末端に共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックBを有するブロック共重
合体を水素添加して得られる構造であり、例えば、
【0
015】
【化3】B−A−B−A、B−A−B−A−B、(B−
A−B)4 Si、(B−A−B)3 −Si−R、(
B−A−B)4 −Sn、(B−A−B)3 −Sn−
R、(B−A−B)2 −Si−R,R′、(A−B)
,(B−A−B)−Si−R,R′、(A−B),(B
−A−B)2 −Si−R等の構造を有する水添ブロッ
ク共重合体である(但し、式中R,R′はC1 〜C8
 のアルキル基でR,R′は同一でも異なっていてもよ
い)。本明細書中で使用される「主体とする」という表
現は、該当モノマー単位が重合体ブロックの少なくとも
50重量%以上、好ましくは70重量%以上を占めるこ
とを意味する。
【0016】また、これらのビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにお
けるビニル芳香族化合物または共役ジエン化合物の分布
がランダムまたはテーパード(分子鎖に沿ってモノマー
成分が増加または減少するもの)または一部ブロック状
またはこれらの任意の組み合わせであってもよく、また
重合体ブロックA、重合体ブロックBがそれぞれ2個以
上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造
であってもよく、異なる構造であってもよい。
【0017】一般に、各重合体ブロックAは4000〜
50000の範囲の同一または異なる数平均分子量を有
し、さらに好ましくは5000〜40000の範囲の、
同一または異なる数平均分子量を有する。また、各重合
体ブロックBは3000〜100000の範囲の、同一
または異なる数平均分子量を有し、さらに好ましくは4
000〜70000の範囲の、同一または異なる数平均
分子量を有する。このブロック共重合体は、ビニル芳香
族化合物を10〜50重量%、好ましくは15〜40重
量%含有する。
【0018】水添ブロック共重合体を構成するビニル芳
香族化合物としては、例えばスチレン、ビニルトルエン
、α−メチルスチレン、p−第三ブチルスチレン等のう
ちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレン
が好ましい。
【0019】また共役ジエン化合物としては、例えばブ
タジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種また
は2種以上が選択でき、中でもブタジエン、イソプレン
およびこれらの組合わせが好ましい。そして、水添され
る前の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB
は、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶこと
ができ、例えばポリブタジエンブロックにおいては、1
,2−ミクロ構造が20〜50重量%、好ましくは25
〜45重量%である。
【0020】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては上記した構造を有するものであればどのような製造
方法で得られるものであってもよい。例えば、特公昭4
0−23798号公報に記載された方法によりリチウム
触媒等を用いて不活性有機溶媒中でビニル芳香族化合物
、共役ジエン化合物のブロック共重合体を重合し、次い
で特開昭60−220147号公報、特開昭61−33
132号公報あるいは特開昭62−207303号公報
等に記載された方法により、不活性有機溶媒中で水素添
加触媒の存在下に水素添加して、本発明に供する水添ブ
ロック共重合体を合成することができる。
【0021】本発明で有用なブロック共重合体を水素添
加するために使用される条件は、共役ジエン化合物の少
なくとも80%、好ましくは90%以上が水素添加され
、一方ビニル芳香族化合物の20%未満、好ましくは1
0%未満が水素添加されるように選択される。
【0022】又、上記した構造を有する本発明に共する
水添ブロック共重合体の数平均分子量は20000〜3
00000、好ましくは25000〜250000、さ
らに好ましくは30000〜200000の範囲であり
、分子量分布〔重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)〕は10以下、好ましく
は5以下、さらに好ましくは2以下である。数平均分子
量が20000未満ではエラストマ―組成物の強度、耐
熱性が十分ではなく、300000を超えるとエラスト
マ―組成物の成形性が悪化するので好ましくない。 又、分子量分布が10を超えるとエラストマ―組成物の
強度、耐熱性が十分でなく好ましくない。
【0023】次に本発明の(b)成分として用いられる
プロピレン単独重合体またはプロピレンと炭素数2〜8
のα−オレフィンとの共重合体(以下プロピレン系樹脂
と略記する)としては、公知技術によりチーグラー・ナ
ッタ型触媒を用いて合成されるポリプロピレン、または
ランダムあるいはブロックのポリプロピレン共重合体が
用いられる。
【0024】共重合体中のα−オレフィンとしては、エ
チレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等が
あげられ、これらのα−オレフィンの割合は、30重量
%以下のものが用いられる。メルトフローレイト(JI
S  K6758,230℃,2.16kg荷重に従っ
て測定した値、以下MFRと略記する)は0.1〜50
g/10min 、好ましくは1〜30g/10min
 のものが用いられる。MFRが0.1g/10min
 未満ではエラストマ―組成物の成形性が悪化するので
好ましくない。またMFRが50g/10min を超
えるとエラストマ―組成物の強度、耐熱性が十分でなく
好ましくない。
【0025】次に本発明の(c)成分として用いられる
エチレンとα−オレフィンとの共重合体とは、エチレン
と炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体である
(以下エチレン−α−オレフィン共重合体と略記する)
。炭素数3〜12のα−オレフィンとしては直鎖のもの
も分岐鎖のものも使用することができる。α−オレフィ
ンの例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−デセン等があげられる。また、これらの混
合物も使用することができる。
【0026】該エチレン−α−オレフィン共重合体中の
エチレンの割合は50〜90重量%、好ましくは55〜
85重量%である。また、該エチレン−α−オレフィン
共重合体の密度は0.860〜0.910g/cm3 
、好ましくは0.870〜0.905g/cm3 であ
る。密度が0.860g/cm3 未満では、エラスト
マ―組成物の強度が低下し、また成形品の表面にベタツ
キが発生し外観を損ねるので好ましくない。また密度が
0.910g/cm3 を超えると柔軟性が低下するの
で好ましくない。
【0027】また、該エチレン−α−オレフィン共重合
体のメルトインデックス(JISK6720,190℃
,2.16kg荷重に従って測定した値、以下MIと略
記する)は0.01〜100g/10min 、好まし
くは0.1〜50g/10min のものが用いられる
。MIが0.01g/10min 未満ではエラストマ
―組成物の成形性が悪化するので好ましくない。またM
Iが100g/10min を超えるとエラストマ―組
成物の強度、耐熱性が十分でなく好ましくない。
【0028】また、該エチレン−α−オレフィン共重合
体の示差走査熱量測定法(DSC)による最大融解ピー
ク温度は100℃以上、好ましくは110℃以上である
。ここで最大融解ピーク温度とは、示差走査熱量計を用
いて、4℃/min の速度で昇温した時に得られるサ
ーモグラムの最高ピーク温度である。
【0029】本発明のエラストマ―組成物の耐熱性を得
るためには、該エチレン−α−オレフィン共重合体の示
差走査熱量測定法(DSC)による最大融解ピーク温度
は100℃以上、好ましくは110℃以上であることが
必要である。
【0030】本発明のエラストマ―組成物における該エ
チレン−α−オレフィン共重合体成分は、エラストマ―
組成物の柔軟性を損なうことなく、耐熱性および成形性
を向上させる効果を有していると考えられる。
【0031】該エチレン−α−オレフィン共重合体の曲
げ剛性率(ASTM  D747に従って測定した値)
は1200kg/cm2 以下、好ましくは1000k
g/cm2 以下である。曲げ剛性率が1200kg/
cm2 を超えるとエラストマ―組成物の柔軟性が低下
するので好ましくない。
【0032】該エチレン−α−オレフィン共重合体は、
エチレンおよびα−オレフィンを、例えばチーグラー型
触媒系の存在下で共重合することによって合成すること
ができるが、チーグラー型触媒系は、一つは有機金属活
性化成分(周期律表のI〜III族金属の水酸化物また
はアルキル化合物)および他方はハロゲン化された遷移
金属化合物より成り、場合によってはマグネシウムまた
はマンガン等の無機化合物を含有してもよい。好適な組
合わせとしては、アルミニウムの水酸化物および/また
はアルキル化合物とチタンのハロゲン化物があげられる
【0033】本発明は水添ブロック共重合体とポリプロ
ピレン系樹脂との系に、第三成分として上記の柔軟で耐
熱性のある特定のエチレン−α−オレフィン共重合体を
配合することにより、従来知られていたポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−アクリレート共重合体等との組成
物に比べて柔軟性、耐熱性が大巾に改良されるものであ
る。
【0034】なお、本発明に用いるエチレン−α−オレ
フィン共重合体は、エクセレンVL100、エクセレン
VL200、エクセレンVL700、エクセレンVL8
00(いづれも住友化学工業製)日石ソフトレックスC
9005、日石ソフトレックスC9510、日石ソフト
レックスD9010、日石ソフトレックスD9510、
日石ソフトレックスD9550(いづれも日本石油化学
製)等の名称で容易に入手することができる。これらの
エチレン−α−オレフィン共重合体は、一種のものに限
らず二種以上の組合わせで用いてもよい。
【0035】本発明において、成分(a)の水添ブロッ
ク共重合体の配合量は30〜90重量%、好ましくは4
0〜80重量%、さらに好ましくは45〜70重量%で
ある。また、成分(b)のプロピレン系樹脂の配合量は
5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%である。 また、成分(c)のエチレン−α−オレフィン共重合体
の配合量は5〜60重量%、好ましくは10〜50重量
%である。
【0036】ここで、成分(a)の水添ブロック共重合
体の配合量が30重量%未満では、エラストマ―組成物
の柔軟性、強度が低下してしまい、90重量%を超える
とエラストマ―組成物の耐熱性、成形性が不充分となり
好ましくない。また、成分(b)のプロピレン系樹脂の
配合量が5重量%未満では、エラストマ―組成物の耐熱
性および成形性が不充分となり40重量%を超えるとエ
ラストマ―組成物の柔軟性、透明性、ガス透過性が低下
するので好ましくない。また、成分(c)のエチレン−
α−オレフィン共重合体の配合量が5重量%未満では、
エラストマ―組成物の柔軟性および成形性が不充分とな
り、60重量%を超えるとエラストマ―組成物の強度、
透明性が低下するので好ましくない。
【0037】一般に、本発明のエラストマ―組成物を製
造する方法としては、重合体成分をブレンドするために
従来技術で知られているいかなる方法を使用しても良い
。最も均質なブレンド物を得るためには、通常使われて
いるミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサー
および押出機のような各種の混練機を使用して溶融混練
する方法が好ましい。
【0038】溶融混練する前に、これらの配合物をヘン
シルミキサー、タンブラーのような混合機を用いてあら
かじめドライブレンドし、該混合物を溶融混練すること
により均質なエラストマ―組成物が得られる。なお、本
発明の組成物は上記必須主要成分のほかに、用途に応じ
て、柔軟性、耐熱性、強度、成形性および安全性を阻害
しない程度の量の各種の可塑剤、シリコンオイル、ブロ
ッキング防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色
剤、無機充填剤等を含有することも可能である。
【0039】本発明の組成物は通常の樹脂と同様の方法
で成形することができる。即ち、押出機によりシート、
異形押出品、チューブ、ネット等を成形することができ
る。また、射出成形やブロー成形に供することができ、
各種成形品、瓶等を成形することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明の組成物は前述のごとく、特に柔
軟性と耐熱性のバランスに優れ、また他にも各種の特徴
を兼備しているため、一般産業資材、家庭用品等の分野
に使用可能であるが、特にその高い耐熱性、衛生性を利
用して高温殺菌の必要な食品包装材、医療器具等の用途
に好適に使用することができる。具体的な用途としては
電子レンジ用コンテナの蓋、食品包装用のシートまたは
フィルム、血液バック、輸液バック、人口透析バック、
医療用チューブ、カテーテル等がある。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、これら実施例および比較例において、
各種の評価に用いられた試験法は以下の通りである。
【0042】(1)硬度[−]ASTM  D2240
、Dタイプ。試料は3mm厚のインジェクションシート
を用いた。
【0043】(2)引張強度[kg/cm2 ]、伸び
[%]JIS  K6301、試料はシート押出機を用
い、下記条件により厚み0.5mmのシートを作成して
これを3号ダンベルで打ち抜いて用いた。 押出機・・・40mmΦ スクリュー・・・L/D25、圧縮比3.5ダイス・・
・巾400mm シリンダー温度(C1)・・・180℃シリンダー温度
(C2)・・・190℃シリンダー温度(C3)・・・
195℃シリンダー温度(C4)・・・200℃ダイス
温度・・・200℃ (3)曲げ剛性率[Kg/cm2 ]ASTM  D7
47、試料は3mm厚のインジェクション試験片を用い
た。
【0044】(4)熱変形温度[℃]2mm厚の圧縮成
形シートから試料を切り出し、熱機械的分析装置(TM
A)にセットした。1mmφの針入プローブに荷重50
0g/cm2 を加え試料に乗せた。4℃/minで昇
温していき、針入プローブが100μmした時の温度を
熱変形温度とした。
【0045】(5)全光線透過率[%]ASTM  D
1003、試料は2mm厚のインジェクションシートを
用いた。また、配合した各成分は以下のとおりである成
分(a−1) B−A−B−Aの構造を有し、結合スチレン量31重量
%、数平均分子量52000、分子量分布1.08、水
添前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が37
%、水添率99%の水添ブロック共重合体を特開昭61
−33132号公報に記載された方法により合成し(a
−1)成分とした。
【0046】成分(a−2) B−A−B−Aの構造を有し、結合スチレン量20重量
%、数平均分子量102000、分子量分布1.09、
水添前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が3
4%、水添率99%の水添ブロック共重合体を特開昭6
1−33132号公報に記載された方法により合成し(
a−2)成分とした。
【0047】成分(a−3) B−A−B−A−Bの構造を有し、結合スチレン量28
重量%、数平均分子量131000、分子量分布1.1
2、水添前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量
が41%、水添率98%の水添ブロック共重合体を特開
昭61−33132号公報に記載された方法により合成
し(a−3)成分とした。
【0048】成分(a−4) (B−A−B)4 −Siの構造を有し、結合スチレン
量25重量%、数平均分子量196000、分子量分布
1.32、水添前のポリブタジエン部の1,2−ビニル
結合量が33%、水添率99%の水添ブロック共重合体
を特開昭61−33132号公報に記載された方法によ
り合成し(a−4)成分とした。
【0049】成分(a−5) A−B−Aの構造を有し、結合スチレン量29重量%、
数平均分子量51000、分子量分布1.06、水添前
のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が35%、
水添率99%の水添ブロック共重合体を特開昭61−3
3132号公報に記載された方法により合成し(a−5
)成分とした。
【0050】成分(b−1) 旭化成工業ポリプロピレン;旭ポリプロM1600、M
FR14g/10min 。
【0051】成分(b−2) 旭化成工業ポリプロピレン;旭ポリプロM3500、M
FR8g/10min。
【0052】成分(c−1) 住友化学工業製;エクセレンVL200MI  2g/
10min 、密度0.900g/cm3 、DSCに
よる最大融解ピーク温度115℃、曲げ剛性率650K
g/cm2 。
【0053】成分(c−2) 日本石油化学製;日石ソフトレックスC9005MI 
 0.8g/10min、密度0.900g/cm3 
、DSCによる最大融解ピーク温度119℃、曲げ剛性
率850Kg/cm2 。
【0054】実施例1〜9水添ブロック共重合体として
(a−1)〜(a−5)を用い、プロピレン系樹脂とし
て(b−1)を用い、またエチレン−α−オレフィン共
重合体として(c−1)を用い、表1〜表3に示した各
割合にてヘンシェルミキサーでブレンドした後、50m
m径の二軸押出機にて、220℃の条件で溶融混練しエ
ラストマ―組成物のペレットを得た。これを上記試験法
にて評価し、結果を表1〜表3に示した。
【0055】表中、引張強度および伸びの項目において
、MDはシートの押出し方向に対して平行に試験片を打
ち抜いたときの値であり、TDはシートの押出し方向に
対して直角に試験片を打ち抜いたときの値である。この
結果から、本発明のエラストマ―組成物は強度、柔軟性
、耐熱性、透明性に優れていることが明らかである。
【0056】比較例1〜4 水添ブロック共重合体として(a−1)を用い、プロピ
レン系樹脂として(b−1)を用い、またエチレン−α
−オレフィン共重合体として(c−1)を用い、表4お
よび表5に示した各割合にて実施例1〜9と同様の方法
で混練し、さらに成形して評価した。結果を表4,表5
に示した。この結果から、本発明の範囲外の組成物は何
等かの点で不満な物性値を示した。
【0057】比較例5〜6 水添ブロック共重合体として(a−1)を用い、プロピ
レン系樹脂として(b−1)を用い、成分(c)のエチ
レン−α−オレフィン共重合体の代わりに三井石油化学
工業製エチレンエチレン−α−オレフィン共重合体、タ
フマ−A−4090(MI  3.6g/10min 
、密度0.89g/cm3 、DSCによる最大融解ピ
ーク温度81℃、曲げ剛性率450Kg/cm2 、ま
たは住友化学工業製LDPE、スミカセンF221−1
(MI2g/10min 、密度0.923g/cm3
 、DSCによる最大融解ピーク温度112℃、曲げ剛
性率2400Kg/cm2 )を用い、表4および表5
に示した各割合にて実施例1〜9と同様の方法で混練し
、さらに成形して評価した。結果を表4,表5に示した
。この結果から、本発明に記載したエチレン−α−オレ
フィン共重合体以外の軟質樹脂を用いても、柔軟性と耐
熱性のバランスの優れた組成物は得られないことが明ら
かになった。
【0058】実施例10〜15、比較例7〜9水添ブロ
ック共重合体として(a−1)、(a−2)を用い、プ
ロピレン系樹脂として(b−1)、(b−2)を用い、
またエチレン−α−オレフィン共重合体として(c−1
)、(c−2)を用い、表6〜表8に示した各割合にて
実施例1〜9と同様の方法で混練し、さらに成形して評
価した。結果を表6〜表8に示した。
【0059】
【表1】
【0060】
【0061】
【0062】
【表4】
【0063】
【0064】
【表6】
【0065】
【0066】
【表8】    (表6,7の続き)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)少なくとも2個のビニル芳香族化合
    物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の
    共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとから
    なるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重
    合体30〜90重量%、 (b)プロピレン単独重合体および/またはプロピレン
    と炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体5〜40
    重量%、及び (c)エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとを
    共重合させて得られる、密度が0.860〜0.910
    g/cm3 、メルトインデックスが0.01〜100
    g/10min 、示差走査熱量測定法(DSC)によ
    る最大融解ピーク温度が100℃以上のエチレン−α−
    オレフィン共重合体5〜60重量%からなる柔軟で耐熱
    性の優れたエラストマ―組成物。
  2. 【請求項2】  ブロック共重合体が一般式【化1】(
    B−A)n 、B(A−B)n 、〔(A−B)m 〕
    p −〔B(A−B)m’〕q −Z(ただし、Aはビ
    ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック、Bは共
    役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック、nは2以
    上6以下の整数、m,m′は1以上6以下の整数でm,
    m′は同一でも異なっていてもよく、pは0以上5以下
    の整数、qは1以上6以下の整数、p+qは2以上6以
    下、Zは2個以上の官能基を有するカップリング剤の残
    基を表す。)で示されるブロック共重合体を水素添加し
    てなるブロック共重合体である「請求項1」に記載のエ
    ラストマ―組成物。
  3. 【請求項3】  ビニル芳香族化合物がスチレンであり
    、共役ジエン化合物がブタジエンまたはイソプレンであ
    る「請求項1」に記載のエラストマ―組成物。
  4. 【請求項4】  ビニル芳香族化合物を主体とする重合
    体ブロックAが4000〜50000の数平均分子量を
    有し、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB
    が3000〜100000の数平均分子量を有し、重合
    体ブロックAが共重合体の10〜50重量%を構成する
    「請求項1」に記載のエラストマ―組成物。
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