JPH04219249A - 液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた記録装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた記録装置

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JPH04219249A
JPH04219249A JP41176990A JP41176990A JPH04219249A JP H04219249 A JPH04219249 A JP H04219249A JP 41176990 A JP41176990 A JP 41176990A JP 41176990 A JP41176990 A JP 41176990A JP H04219249 A JPH04219249 A JP H04219249A
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ink
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liquid jet
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English (en)
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Masashi Miyagawa
昌士 宮川
Norio Okuma
典夫 大熊
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式に用いるインク小滴を発生するための液体噴射記録ヘ
ッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式(液体噴射記録
方式)に適用される液体噴射記録ヘッドは、一般に微細
なインク吐出口(オリフィス)、インク路及び該インク
路の一部に設けられたインクを吐出するために利用され
るエネルギーを発生するエネルギー発生素子とを備えて
おり、記録時においてはエネルギー発生素子の作動によ
り、インクの小滴が吐出口から噴射されて被記録紙に着
滴し、これにより印字、記録が行われるものである。従
来、このような液体噴射記録ヘッドを作製する方法とし
て、例えば、ガラスや金属等の板を用い、該板に切削や
エッチング等の加工手段によって微細な溝を形成した後
、該溝を形成した板を他の適当な板と接合してインク路
の形成を行う方法が知られている。
【0003】しかしながら、斯かる従来法によって作製
される液体噴射記録ヘッドでは、切削加工されるインク
路内壁面の平滑さが不充分であったり、エッチング率の
差からインク路に歪が生じたりして、流路抵抗の一定し
たインク路が得難く、製作後の液体噴射記録ヘッドの記
録特性にバラツキが出易いといった問題があった。また
、切削加工の際に、板の欠けや割れが生じ易く、製造歩
留まりが悪いという欠点もあった。また、エッチング加
工を行う場合には、製造工程が多く製造コストの上昇を
招くという不利もあった。更には、上記従来法に共通す
る欠点として、インク路を形成した溝付き板と、インク
小滴を吐出させるための吐出エネルギーを発生するため
の圧電素子や電気熱変換素子等の駆動素子(エネルギー
発生素子)が設けられた蓋板とを貼り合わせる際に、こ
れら板の位置合わせが困難であり、量産性に欠けるとい
った問題もあった。
【0004】また、液体噴射記録ヘッドは、通常その使
用環境下にあっては、インク(一般には、水を主体とし
、多くの場合中性ではないインク、あるいは有機溶剤を
主体とするインク等)と常時接触している。それゆえ、
液体噴射記録ヘッドを構成するヘッド構造材料は、イン
クからの影響を受けて強度低下を起こすことがなく、ま
た逆にインク中に、インク適性を低下させるような有害
成分を与えることの無いものが望まれる。しかし、上記
従来法においては、加工方法等の制約もあって、必ずし
もこれら目的にかなった材料を選択することができなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の諸点に
鑑みなされたものであって、安価、精密であり、また信
頼性も高い液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び本
ヘッドを備えた記録装置を提供することを目的とする。
【0006】また、インク路が精度良く正確に、かつ歩
留まり良く微細加工された構成を有する液体噴射記録ヘ
ッドを供給することが可能な新規な液体噴射記録ヘッド
、その製造方法、及び本ヘッドを備えた記録装置を提供
することも目的とする。
【0007】また、インクとの相互影響が少なく、機械
的強度や耐薬品性に優れた液体噴射記録ヘッドを供給し
得る新規な液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び本
ヘッドを備えた記録装置を提供することも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決することを目的として、リソグラフィーの手法に
よる液体噴射記録ヘッドの製造方法を種々検討してきた
。そして、本出願人は先に液体噴射記録ヘッドにつき出
願している(特開昭61−154947号)。すなわち
、上記出願によれば基板上にインク路及びインク吐出口
(オリフィス)を有する溶出可能なポジ型レジストのパ
ターンを形成した後、該パターンを鋳型としてこれに光
硬化型感光性材料を流し込み、この光硬化型感光性材料
でヘッドの外部構造を形成した後、前記ポジ型レジスト
を溶出せしめて液体噴射記録ヘッドを作製するものであ
る。
【0009】しかしながら上記方法においては、基板と
該ネガ型感光性材料により形成されるインク路及び吐出
口部との接着強度が充分得られていない場合がある。こ
の原因に対して本件出願人らが鋭意検討したところ、以
下に記述する原因が推定された。すなわち、ネガ型特性
の感光性材料は一般的に露光後の現像処理において5〜
20%の膜減りすなわち未架橋分子の溶出が生じる。一
方感光性樹脂を構成する各分子の立体的配置は光露光に
基づく架橋反応によって決定されてしまう。このため基
板との接着面を形成する分子の数の減少及び分子間にス
トレスが発生して接着力を低下させるものと考えられる
。また、未架橋成分の溶出がなくても、光架橋による硬
化反応は硬化に起因する体積収縮よりも速く分子同志の
架橋点が決定してしまうため被膜内部にストレスが蓄積
し易い。一方熱硬化反応においては、材料が熱によって
溶融した後に架橋反応が起こるため材料内部のストレス
が蓄積し難いという特性を有する。すなわち、接着強度
においては、熱硬化反応の方が光硬化反応よりも強固な
接着強度を実現できるわけである。
【0010】このように、接着強度に関しては熱硬化反
応によるインク路及びインク吐出口の形成が有利ではあ
るが、インク供給のための供給口等を精度良く形成する
ためには光照射によるフォトリソグラフィー技術を利用
した方が有利となる。
【0011】本件出願人らがこれらの問題に対して鋭意
検討したところ、ネガ型レジストの代わりに熱硬化型ポ
ジレジストを使用することにより、更に詳述すれば、イ
ンク供給路及び吐出口部を溶出可能なレジストパターン
にて形成した後、該パターン上に熱硬化型ポジレジスト
層を形成し、このポジレジストを加熱によって硬化せし
めることにより接着強度を極めて強固にすることが可能
となり、次いで該ポジレジストに対してインク供給口等
を形成する光露光を施した後、現像処理によってポジレ
ジストのパターニング及びインク路、吐出口部のレジス
トを除去すれば精度の高い液体噴射記録ヘッドの形成が
可能となることを知得して本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明はインク吐出口と、イン
ク供給口と、及び前記インク吐出口とインク供給口とを
連通するインク路と、該インク路に対応して配設されイ
ンクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する
エネルギー発生素子とを有する液体噴射記録ヘッドの製
造方法において、 (A)エネルギー発生素子が配設された基板上に、非架
橋型レジストよりなる第1感光性材料層を設けた後、前
記エネルギー発生素子に沿ってインク吐出口及びインク
路形成用パターン露光を行い、次いで第1感光性材料層
を現像して前記インク吐出口、及びインク路相当部分以
外を溶解除去する工程、 (B)前記インク吐出口、及びインク路相当部分を形成
した基板上に熱架橋型ポジレジストからなる第2感光性
材料層を積層してこれを加熱架橋した後、電離放射線に
よるインク供給口形成用パターン露光を行う工程、(C
)基板上に形成されたインク路及びインク吐出口形成用
の非架橋レジストとインク供給口形成用パターン露光潜
像部とを現像することにより溶解除去する工程、上記(
A),(B),(C)の各工程を順次行うことにより、
液体噴射記録ヘッドを製造するもので、このようにして
製造したヘッド、及び同ヘッドを備えた記録装置にも関
する。
【0013】以下、本発明を図面を参照して詳細に説明
する。
【0014】図1から図8は、本発明に係る液体噴射記
録ヘッドの構成とその製造手順例が示してあるが、図1
中1は基板で、ガラス、セラミックス、プラスチックあ
るいは金属等からなる。
【0015】このような基板1は、インク路構成部材の
一部として機能し、また後述の感光性材料層の支持体と
して機能し得るものであれば、その形状、材質等、特に
限定されることなく使用できる。上記基板1上には、電
気熱変換素子あるいは圧電素子等のインクを吐出するた
めに利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素
子2が所望の個数配置される(図1では2個にて例示)
。なお、多数の吐出口を有する高密度マルチアレイ液体
噴射記録ヘッドを製造する場合には、同様にしてエネル
ギー発生素子2を高密度に多数配置すれば良い。上記エ
ネルギー発生素子2はインク小滴を吐出させるための吐
出エネルギーをインクに与えて、これによりインクを吐
出させて印字記録を行わしめるもので、例えば、上記エ
ネルギー発生素子2として電気熱変換素子を用いるとき
には、この素子が近傍のインクを加熱することにより、
吐出エネルギーを発生する。また、例えば、圧電素子を
用いられるときは、この素子の機械的振動によって、吐
出エネルギーを発生する。なお、これらの素子2には、
これら素子を動作させるための制御信号入力用電極(図
示せず)を接続してある。また、一般にはこれら吐出エ
ネルギー発生素子の耐用性の向上を目的として、保護層
等の各種機能層を設けるが、もちろん本発明においても
このような機能層を設けることは一向に差し支えない。
【0016】次いで図2に示すように、上記エネルギー
発生素子2を含む基板1上に、非架橋型レジストからな
る第1感光性材料層3を形成する。ここで、非架橋型と
は架橋によるゲル化を起こすことがなく、したがって適
当に溶剤を選択すれば溶出させることのできることをい
う。溶出可能な、非架橋型レジストとしては、例えばア
ルカリ溶解樹脂と溶解禁止剤(ナフトキノンジアジド等
)の混合系等のように、樹脂のゲル化ではなく、現像液
に対する溶解性の変化によってパターン形成を行うレジ
ストがあるが、これ以外にも従来使用されているポジ型
フォトレジスト、ポジ型Deep−UV(電子線、X線
)レジストあるいは溶解特性を変えることによってパタ
ーン形成されるネガ型レジストが使用できる。原理的に
は光照射によってゲル化反応を起こさせてパターン形成
するレジスト以外はいずれも使用できるが、実用性に関
しては下記に記載する2項目の特性を有すると、更に液
体噴射記録ヘッドの特性が高まる、あるいは製造の生産
性が高まる等の効果が得られる。すなわち、1)溶出可
能な、非架橋型レジストの耐熱性が高いこと。
【0017】すなわち、一般的に使用されるポジ型フォ
トレジストはクレゾールノボラック樹脂とナフトキノン
ジアジドとの混合系より形成されるが、このレジストの
軟化温度は100〜130℃である。また100℃以上
の温度に長時間さらすと、ノボラック樹脂の熱硬化が起
こり始め溶出し難くなってくる。前記したように、熱硬
化型ポジレジストの硬化温度は100℃以上が望ましく
、溶出可能なレジストは100℃にてゲル化すなわち溶
解特性が変化しないことが望ましい。具体的材料として
は、ポリビニルフェノール樹脂、メタアクリル酸を共重
合したアルカリ可溶性樹脂をベースレジンとすることが
望ましい。ビニルフェノール、メタアクリル酸の共重合
比は、共重合した樹脂がアルカリに溶解すれば良く、一
般的には30%〜100%の共重合比である。30%以
下ではアルカリ性水溶液には溶解しなくなり、ポジ型特
性を得られなくなる。
【0018】アルカリ溶解性樹脂とナフトキノンジアジ
ドとの混合系ではなく、分子鎖の切断による低分子化に
よってポジ型特性を示すレジストにおいては、加熱によ
ってゲル化しなければ使用可能である。これらの材料と
しては通常の電離放射線対応のポジ型レジストが使用で
きる。後記する熱架橋ポジ型レジスト材料において熱架
橋成分が共重合されていないものが使用可能となる。
【0019】2)溶出可能な、非架橋型レジストが電離
放射線に対して低いゲル化特性を示すかあるいは崩壊特
性を示すこと。
【0020】すなわち、アルカリ溶解性樹脂とナフトキ
ノンジアジドやポリオレフィンスルフォン等の溶解抑制
剤との混合系からなるポジ型レジストの場合、アルカリ
溶解性樹脂が後述する後の工程において照射するDee
p−UV等の電離放射線に対してゲル化特性を示す場合
がある。このような樹脂においては、熱硬化型ポジレジ
ストを露光しインク供給路等のパターニングをするとき
に、溶出可能なレジストパターンがゲル化してしまう等
の問題を生じる。ゲル化特性を示す材料においても、使
用する露光波長に対するレジストの透過性や膜厚等の条
件で使用できる場合があるが、α位に水素原子以外の置
換基を有するビニル系モノマー(前記した)を共重合す
ることによってゲル化感度を低減できるものである。
【0021】第1感光性材料層3の形成の方法としては
、該感光性材料を溶解した溶液を、ソルベントコート法
によって塗布しても良いし、また該感光性材料を塗布し
たドライフィルムを作製し、ラミネートによって基板上
に形成しても良い。
【0022】前記手段により形成された第1感光性材料
層3に対して、図3に示すようにインク路のパターン露
光を行い、これよりインク路及びインク吐出口のパター
ン潜像部4を形成する。本露光手段としては、フォトマ
スクを介しての一括露光であっても良いし、また電子線
あるいはイオンビーム等による直接描画でも良い。露光
光源はDeep−UV光、エキシマーレーザー、電子線
、X−線等感光性材料をパターニングできるものであれ
ば構わない。
【0023】このようにして、インク路及びインク吐出
口形成用のパターニング露光をした後、現像を行って前
記形成したパターン潜像部4以外の部分を溶解除去する
(図4)。
【0024】次いで、上記現像した基板1上に、すなわ
ちインク吐出口及びインク路相当部分を形成した基板1
に図5に示すように熱架橋型ポジレジストからなる第2
感光性材料層5を設けるものである。ここで、熱架橋型
ポジレジストとは、光崩壊型高分子化合物の分子鎖に、
熱硬化可能な反応基を有するモノマーを共重合したもの
で、加熱処理による熱硬化反応にて被膜が溶剤に溶解し
ない状態になり、露光によって所望の箇所の架橋した分
子を切断してパターンを形成するレジストである。本レ
ジストを用いれば、熱硬化によって未露光部は溶剤に全
く溶解しなくなっているため、膜減りが殆ど起こらない
。また本発明においては、小さな吐出口やインク路から
現像液が供給されるために現像時間が長くなる場合もあ
るが、熱架橋型ポジレジストは前記したように膜減りが
殆どなく、現像時間によってヘッドの寸法が変化する等
の問題を生じない。一方現像時間を短くするために現像
液の強度を強くしても、膜減りは起こらずまたインク路
及び吐出口の剥離が起こらず製造の生産性を高めること
が可能である。
【0025】更には、熱架橋型ポジレジストの未露光部
は熱硬化反応によって架橋しているため、高い耐熱性と
機械的強度を有しており液体噴射記録ヘッド等のような
苛酷な条件に使用されるものにおいても耐久性を実現で
きるものである。
【0026】熱架橋型ポジレジストは、前記したように
光崩壊型高分子化合物に熱硬化可能な官能基を共重合す
ることによって多くの種類を得ることができる。光崩壊
型高分子化合物としては、分子構造中にケトンを有する
もの、ポリスルフォン等SO2 分子を主鎖に含有する
もの、ビニール系の高分子化合物であってα位に水素原
子以外の原子が結合しているもの等が挙げられる。
【0027】分子構造中にケトンを有するものとしては
、メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、
エチルビニルケトン、tert−プロペニルケトン、ビ
ニルフェニルケトン等のビニル基を有するケトンを重合
した高分子化合物がある。
【0028】SO2 を有する高分子化合物としては、
ビスフェノールAとジクロロジフェニルスルフォンとの
反応によって合成されるポリスルフォン(UCC社:U
DELPOLYSULFONE)、ジクロロジフェニル
スルフォンより合成されるポリエーテルスルフォン(I
CI社:VICTREX),更には不飽和二重結合を有
するオレフィンとSO2 より合成されるポリオレフィ
ンスルフォン(MEAD社:ポリブテン−1−スルフォ
ンPBS)等が挙げられる。もちろんポリオレフィンス
ルフォンとしては他のオレフィンとしてスチレン、α−
メチルスチレン、プロピレン等いずれのオレフィンを使
用しても構わない。
【0029】ビニル系高分子化合物であって、α位に水
素原子以外の置換基が付加した高分子化合物としては、
メチルアクリレートの範疇が挙げられる。例えばメチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、プロピル(n
,iso)メタクリレート、ブチル(n,iso,te
rt−)メタクリレート等非常に多くの種類が挙げられ
る。またメタクリルアミド、メタクリルニトリル等も使
用可能である。これら不飽和二重結合を有するモノマー
を重合することにより、光崩壊型のポジレジストが作製
できる。またα位の置換基としては、前記したメチル基
以外にも、シアノ基、塩素、フッソ等のハロゲン等が付
加したモノマーも一般に入手可能であり、α−シアノ(
クロロ、フルオロ)アクリレート、α−シアノ(クロロ
、フルオロ)エチルアクリレート等も使用できる。 更にはα−メチル(クロロ、シアノ、フルオロ)スチレ
ン、α−メチル(クロロ、シアノ、フルオロ)スチレン
のヒドロキシ、メチル、エチル、プロピル、クロロ、フ
ルオロ等の誘導体等が使用できる。  前記したモノマ
ーを単独にてあるいは複数種混合して重合することによ
り光崩壊型高分子化合物を得ることができる。この光崩
壊型高分子化合物を合成する際に熱硬化可能な官能基を
有するモノマーを共重合することによって、本発明にお
ける架橋型ポジレジストを合成できる。
【0030】熱硬化可能な官能基を有するモノマーとし
ては、ヒドロキシ基、クロル、イソシアナート、エポキ
シ等の官能基を有するモノマーであり、例えばヒドロキ
シ(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(例えば
メチル、エチル、プロピル等)アクリレート、ヒドロキ
シアルキルメタアクリレート、アクリル酸クロリド、メ
タクリル酸クロリド、メタクリル酸グリシジル等が挙げ
られる。これら熱架橋する官能基を含有するモノマーを
前記光崩壊型高分子化合物中に0.1〜70mol%の
割合にて共重合すれば本発明による熱架橋型ポジレジス
トが合成できる。
【0031】熱架橋可能な官能基を有するモノマーの共
重合比が0.1mol%以下では、下層レジスト被膜が
完全に硬化しておらず、現像時に膜減りやクラックの発
生が起こる。一方70mol%以上を導入すると感度の
低下や熱硬化によるクラックの発生を招く。
【0032】これら熱架橋型ポジレストの基板上への塗
布は、該レジストあるいはレジストが固体の場合は溶剤
に溶解した溶液をスピンコータやバーコーター等を使用
してソルベントコートすることにより可能である。この
ときに、パターン形成した第1感光性材料層3に影響を
及ぼさないための手段が必要となる。例えば、ソルベン
トコート法を使用する場合、上層材料である第2感光性
材料層5を溶解する溶剤がパターン形成した溶出可能な
非架橋型レジストよりなる第1感光性材料層3を溶解し
ないことが望まれる。一般的ポジ型フォトレジストはア
ルカリ性水溶液やアルコール等の極性溶剤に溶解するた
め、これらを溶出可能なパターンとして使用する場合に
は、第2感光性材料層5は非極性であることが望まれる
。溶液として塗布する場合にはベンゼンやトルエン等の
非極性溶剤が適している。
【0033】また、パターン化した下層の第1感光性材
料層の表面にシランカップリング剤等を薄くコーティン
グする、下層の感光性材料層3に対して適当な加熱処理
を施す、あるいはシリコン化合物を含有する雰囲気下に
て下層の感光性材料層3の加熱処理を行う、等の手段を
用いれば、上層及び下層の感光性材料が同一、あるいは
同様の特性を有していても2層の構成を形成することが
可能である。
【0034】また上層の熱架橋型ポジレジスト層である
第2感光性材料層5の形成において該溶出可能なレジス
トパターンが悪影響を及ぼす場合にはこれを防止する手
段を適用することが望ましい場合がある。例えばアルカ
リ溶解性樹脂と溶解禁止剤からなる溶出可能パターンの
場合、前記した手段によりアルカリ溶解性樹脂の熱硬化
とゲル化特性は防止できる。また溶解禁止剤に対しては
、非極性溶剤にも溶解し易い及び熱架橋時や光照射時に
分解してガスが発生する場合がある等の弊害が生じる場
合がある。非極性溶剤に溶解しない溶解禁止剤を選択す
るか、溶出可能なパターンを形成した後、光照射を施し
て予め溶解禁止剤を分解しておくこと等の手段が有効な
場合がある。
【0035】次に、上記のように積層した熱架橋型ポジ
レジストよりなる第2感光性材料層5を加熱して熱架橋
をさせる。
【0036】熱架橋の温度、時間等は夫々の樹脂によっ
て最適化を図る必要がある。一般的には100℃から3
00℃の範囲が適している。温度が低いと充分な架橋密
度を得られないか、架橋に時間を要するし、また温度が
300℃を越えるとレジストの熱分解、熱酸化を招いた
り室温に戻したときに基板との熱膨張率の差によってレ
ジスト膜にクラックが入ったりする場合がある。加熱時
間に関してもレジストの特性に最適な条件を選ぶ必要が
あるが、一般的には5〜120分間程度である。低い温
度での加熱では空気中にても構わないが、熱酸化等を防
止するために窒素等の不活性ガスの雰囲気下や真空中に
て加熱しても構わない。
【0037】もちろん架橋基を2液硬化タイプとして常
温にて硬化させても構わない。例えば分子中にエポキシ
基を架橋成分として含有した成分Aとアミノ基を含有す
る成分Bとを混合した後、基板上に塗布すれば常温にて
の硬化も可能となる。なお2液系とするのは常温での保
存安定性を高めるためである。しかし硬化時間の短縮等
の生産性を高めるには温度を加えることが望ましいと考
えられる。結局、加熱温度は前記のように材料によって
最適化すれば良い。
【0038】本発明においては、次いで図6に示すよう
にマスク6を第2感光性材料層5上方に配置して電離放
射線によるパターン露光を行う。これにより、インク供
給口のパターン潜像部7が第2感光性材料層5に形成さ
れる(図7)露光は遠紫外線、電子線、X線、エキシマ
レーザー等を用いて行うことができる。遠紫外線は一般
的に使用されるDeep−UV光源であるXe−Hgラ
ンプを用いて290,250mmのコールドミラーで得
ることができる。またマスクを介した一括露光、ステッ
プ&リピート、電子線のビームスキャン方式のいずれで
も構わない。ただし、Deep−UV光やエキシマレー
ザー等の短波長の光はレジスト膜の吸収によって厚膜の
場合、光が透過せずに均一露光できない場合がある。例
えば、レジストの分子構造中に芳香環が存在すると、特
にレジスト膜の光吸収が大きくなり光を透過しなくなる
。芳香環を含まないレジストとするか、あるいは電子線
やX−線等の透過性の高い露光源を使用する等の回避が
必要となる場合がある。現在の露光装置の形態から考え
るとDeep−UV露光が、一括露光でありまた広い露
光面積を得られること等から最も生産性が良いと考えら
れるが、X−線露光はその高い透過性から材料選択の範
囲が広くなり本発明は最も適している。光源の高強度化
、マスク、露光装置の低価格化が進めば適用が可能であ
る。
【0039】本発明においては、次いでこのようにして
得られたブロック体12を現像処理して図8に示すよう
にインク供給口のパターン潜像部7及びインク路とイン
ク吐出口形成用パターン潜像部4により形成したインク
路及びインク吐出口相当部分の非架橋レジストとの両部
分を溶解除去する。これにより図8に示すように、イン
ク吐出口8、インク路9、及びインク供給口10を形成
した液体噴射記録ヘッド11を得るものである。
【0040】なお、溶出可能なインク路及び吐出口のレ
ジスト材料は、該現像処理にて一括して溶出しても構わ
ないし、また現像後に最適な溶剤にて溶出しても構わな
い。
【0041】このようにして製造したヘッドはインク供
給口にインク供給のための結合部材を取り付けてインク
の供給を行うことができる。
【0042】本発明は、特に液体噴射記録(インクジェ
ット記録)方式の中でも、バブルジェット方式の記録ヘ
ッド、記録装置において、優れた効果をもたらすもので
ある。
【0043】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている。この方式は所謂オン
デマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能
であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(イ
ンク)が保持されているシートや液路に対応して配置さ
れた電気熱変換体素子に、記録情報に対応した少なくと
も一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換
体に核沸騰を越える急速な温度上昇を与える熱エネルギ
ーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を起こ
させ、結果的にこの駆動信号に一対一に対応した気泡を
液体(インク)内に形成できるので有効である。この気
泡の成長、収縮により吐出口を介して液体(インク)を
吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動
信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮
が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の
吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動
信号としては、米国特許第4463359号明細書、同
第4345262号明細書に記載されているようなもの
が適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関す
る発明として米国特許第4313124号明細書に記載
されている条件を採用すると、更に優れた記録を行なう
ことができる。
【0044】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、流路、電気熱変換体
素子の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。加えて、複数の電気熱変換体素子に対
して、共通するスリットを電気熱変換体素子の吐出部と
する構成を開示する特開昭59年第123670号公報
や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出口に対応
させる構成を開示する特開昭59年第138461号公
報に基づいた構成にしても本発明は有効である。
【0045】更に、記録紙の全幅にわたり同時に記録が
できるフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述し
た明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み
合わせによって、その長さを満たす構成や、一体的に形
成された一個の記録ヘッドとしての構成のいずれでも良
いが、本発明は、上述した効果を一層有効に発揮するこ
とができる。
【0046】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドにおいても本発明は有効である。
【0047】また、記録装置に記録ヘッドに対する回復
手段や予備的な補助手段等を付加することは、本発明に
より得られる記録ヘッドの効果を一層安定にできるので
、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体素子あるい
はこれとは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせ
による予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出
モードを行う手段等を付加することも安定した記録を行
うために有効である。
【0048】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成した、又は複数個を組み合わせて構
成したいずれでもよいが、異なる色の複色カラー又は、
混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置の
記録ヘッドにも本発明は極めて有効である。
【0049】また、本発明により得られる記録ヘッドは
、インクが液体でなくとも、室温やそれ以下で固化する
インクであって、室温で軟化もしくは液体となるもの、
あるいは、インクジェットにおいて一般的に行われてい
る温度調整範囲である30℃以上70℃以下で軟化もし
くは液体となるものにも適用できる。すなわち、記録信
号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。 加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温を、インクの
固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとして吸
収せしめることで防止するか、又は、インクの蒸発防止
を目的として放置状態で固化するインクを用いるかして
、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与
によってインクが液化してインク液状として吐出するも
のや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるも
の等のような、熱エネルギーによって初めて液化する性
質のインク使用も本発明に係る記録ヘッドには適用可能
である。このような場合インクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シート凹部又は貫通孔に液状又
は固形物として保持された状態で、電気熱変換体素子に
対して対向するような形態としても良い。本発明におい
ては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上
述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0050】図9は本発明により得られた記録ヘッドを
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装
着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示
す外観斜視図である。
【0051】図において、20はプラテン24上に送紙
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行う
ノズル群を備えたインクジェットヘッドカートリッジ(
IJC)である。16はIJC20を保持するキャリッ
ジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆動
ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された2
本のガイドシャフト19A及び19Bと摺動可能とする
ことにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往復移
動が可能となる。
【0052】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行う。このヘッド回復装置2
6のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピン
グに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜の
吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイン
ク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送を
行い、インクを吐出口より強制的に排出させることによ
りノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理を
行う、また、記録終了時等にキャッピングを施すことに
よりIJC20が保護される。
【0053】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22及び伝動機構23によって動作し、
IJC20の吐出面との係合が可能となる。これにより
、IJC20の記録動作における適切なタイミングで、
あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理後に
、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出させ、
IJC20の移動動作に伴ってIJC20の吐出面にお
ける結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるものである。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0055】実施例1 図1から図8に示す操作手順に準じて、図8の構成の液
体噴射記録ヘッドを作製した。
【0056】まず、エネルギー発生素子としての電気熱
変換素子(材質HfB2からなるヒーター)を形成した
シリコン基板上に、インク路及びインク吐出口を形成す
る溶出可能な非架橋型レジストパターンを形成した。
【0057】レジストは富士フィルム社製FMR−10
0(ポリメタクリルアミド)を使用し、バーコーターに
て膜厚25μmにて塗布、プリベークを90℃にて10
分間行った。露光はキャノン製マスクアライナーPLA
−501FAをDeep−UVに変えたものを使用し、
250nmのコールドミラーにて反射される光を光源と
して使用した。露光量は1000mJ/cm2 、現像
はMIF−312現像液(ヘキスト社製)を脱イオン水
にて1.5倍に希釈したものにて行った。
【0058】該レジストパターン上に熱架橋型ポジレジ
ストをバーコータにて膜厚50μmにて塗布した。熱架
橋ポジレジスト層は下記の方法にて作成した。
【0059】メチルメタクリレートとメタクリル酸の8
0:20共重合体(ポリサイエンス社製)をシクロヘキ
サノンと1,4−ジオキサンの1:1混合液に20%で
溶解した溶液を70番のワイヤーバーを使用して塗布し
た。80℃にて1時間加熱して溶剤を除去した後、20
0℃にて1時間加熱して熱硬化させた。本被膜の膜厚は
60μmであり、また該被膜はいずれの溶剤にも溶解し
ないものとなっていた。
【0060】この基板をウシオ電機製のXe−Hgラン
プ(2kW)を使用した照射装置にて、インク路パター
ンを含むマスクを介してコンタクト露光法によりDee
p−UV光の照射を行った。露光時間は10分間、照射
量は120J/cm2 である。
【0061】ダイシングソーにて基板を切断した後、前
記基板を現像液(1,4−ジオキサン)に浸漬し、攪拌
しながら約3分間現像することにより、インク吐出口、
インク供給口及びインク路を現像した。
【0062】次いでMIF−312現像液に30分間浸
漬することにより、FMR−100からなるパターンを
溶解して液体噴射記録ヘッドを作製した。
【0063】最後に、インク供給口にインク供給部材を
接着して液体噴射記録ヘッドを作製した。
【0064】このようにして、作製した液体噴射記録ヘ
ッドを記録装置に装着し、純水/グリセリン/ダイレク
トブラック154(水溶性黒色染料)=65/30/5
からなるインクを用いて記録を行ったところ、安定な印
字が可能であった。
【0065】また、ノズルを形成する熱硬化性樹脂は全
面にわたり良好に基板と密着していた。
【0066】実施例2 実施例1と同様にして、電気熱変換素子を形成した基板
上にインク路の溶解可能な非架橋性レジストパターンを
形成した。なおレジストパターンの溶剤に対する耐性と
耐熱性を高めるためにイメージリバース法にてパターン
形成した。
【0067】レジストとしては、ヘキスト社AZ−49
03を使用し、スピンコーターにて膜厚25μmにて塗
布した。プリベークを90℃にて10分間行った後、キ
ャノン製ミラープロジェクションアライナーMPA−6
00FAbにてパターン露光を行った。なお露光量は2
00カウントである。次いで、該基板を90℃にて30
分間ベーキングした後、キャノン製マスクアライナーP
LA−520FAを使用して300秒間全面に光照射を
行った。この後MIF−312現像液を使用してパター
ンを形成した。
【0068】該パターン上にメチルメタクリレートとグ
リシジルメタクリレートとの共重合体被膜を形成した。
【0069】該共重合体溶液は下記方法にて合成した。
【0070】ベンゼン300ml中に蒸留したメチルメ
タクリレート(キシダ化学試薬)200ml,グリシジ
ルメタクリレート(キシダ化学試薬)30mlを溶解し
て、開始剤としてN,N’−アゾビスイソブチロニトリ
ル(キシダ化学試薬)1gを投入、60℃にて4時間攪
拌して共重合体を合成した。反応液を500mlのシク
ロヘキサンに投入して樹脂を回収、乾燥した後、トルエ
ンに20wt%の濃度にて溶解して共重合体溶液を作製
した。なお、本樹脂はエポキシ基にて熱架橋するため、
塗布直前にアミンとしてテトラエチレンテトラミン(キ
シダ化学試薬)を0.5%の濃度になるように溶解して
使用した。
【0071】該溶液をバーコーターにて基板上に塗布し
、100℃にて20分間ベーキングして樹脂を硬化させ
た。なお本膜の膜厚は60μmであった。
【0072】実施例1と同様にしてウシオ電機製Dee
p−UV照射装置にて共通液室部及びインク供給口をパ
ターン露光、切断及び現像を行った。照射量及び現像条
件は実施例1と同じである。
【0073】次いで、イソプロピルアルコールに浸漬し
てポジ型フォトレジストを溶解してインク路を形成した
【0074】実施例1と同様にしてインク供給部材を具
備した後、インクの吐出を行ったところ、良好な印字が
可能であり、またノズルを形成する熱硬化性樹脂は基板
と良好に密着していた。
【0075】
【発明の効果】以上説明した本発明によってもたらされ
る効果としては、下記に列挙する項目が挙げられる。
【0076】1)ヘッド製作のための主要工程が、フォ
トレジストや感光性ドライフィルム等を用いたリソグラ
フィー技術によるため、ヘッドの細密部を、所望のパタ
ーンで、しかも極めて容易に形成することができるばか
りか、同構成の多数のヘッドを同時に加工することも容
易にできる。
【0077】2)熱硬化性樹脂を用いてヘッドを作製す
るため、機械的強度が高く、また基板との密着性の良好
な液体噴射記録ヘッドが作製できる。
【0078】3)有機溶剤にて溶解可能なレジストパタ
ーンを溶出することが可能であり、溶出時間が短くまた
良好に溶出が可能である。更にアルカリ液を使用しなく
ても溶出可能であり、ヒーターや電極等の劣化を招かな
い。
【0079】4)熱架橋ポジレジストは汎用的な溶剤で
は溶解しないため、ヘッドの構造上、現像時間を長く要
しても、あるいは強い現像液を使用してもヘッドの特性
を劣化させない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘッドの製造方法において、イン
ク路、吐出口形成前の基板の状態を示す模式的斜視図で
ある。
【図2】本発明に係るヘッドの製造方法において、第1
感光性材料層を形成した基板の状態を示す模式的側面断
面図である。
【図3】本発明に係るヘッドの製造方法において、第1
感光性材料層に施すパターン潜像を形成した状態を示す
模式的斜視図である。
【図4】本発明に係るヘッドの製造方法において、パタ
ーン潜像を現像した後の状態を示す模式的斜視図である
【図5】本発明に係るヘッドの製造方法において、第2
感光性材料層の積層状態を示す模式的側面断面図である
【図6】本発明に係るヘッドの製造方法において、マス
クを通して第2感光性材料層に施すパターン露光の状態
を示す側面断面図である。
【図7】本発明に係るヘッドの製造方法において、第2
感光性材料層にインク供給孔のパターン潜像が形成され
た状態を示す模式的側面断面図である。
【図8】本発明に係るヘッドの製造方法において、現像
をして製造した液体噴射記録ヘッドの側面断面図である
【図9】液体噴射記録ヘッドを取り付けた記録装置の説
明図である。
【符号の説明】
1    基板 2    エネルギー発生素子 3    第1感光性材料層 4    インク路形成用パターン潜像部5    第
2感光性材料層 6    インク供給口形成用パターンマスク7   
 インク供給口形成用パターン潜像部8    インク
吐出口 9    インク路 10    インク供給口 16    キャリッジ 17    駆動モータ 18    駆動ベルト 19A,19B    ガイドシャフト20    イ
ンクジェットヘッドカートリッジ22    クリーニ
ング用モータ 23    伝動機構 24    プラテン 26    キャップ部材 30    ブレード 30A    ブレード保持部材。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  インク吐出口と、インク供給口と、及
    び前記インク吐出口とインク供給口とを連通するインク
    路と、該インク路に対応して配設されインクを吐出する
    ために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生
    素子とを有する液体噴射記録ヘッドの製造方法において
    、(A)エネルギー発生素子が配設された基板上に、非
    架橋型レジストよりなる第1感光性材料層を設けた後、
    前記エネルギー発生素子に沿ってインク吐出口及びイン
    ク路形成用パターン露光を行い、次いで第1感光性材料
    層を現像して前記インク吐出口、及びインク路相当部分
    以外を溶解除去する工程、 (B)前記インク吐出口、及びインク路相当部分を形成
    した基板上に熱架橋型ポジレジストからなる第2感光性
    材料層を積層してこれを加熱架橋した後、電離放射線に
    よるインク供給口形成用パターン露光を行う工程、(C
    )基板上に形成されたインク路及びインク吐出口相当部
    分の非架橋レジストとインク供給口形成用パターン露光
    潜像部とを現像することにより溶解除去する工程、上記
    (A),(B),(C)の各工程を順次行うことを特徴
    とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の製造方法で製造したこ
    とを特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  3. 【請求項3】  エネルギー発生素子が前記エネルギー
    として熱エネルギーを発生する電気熱変換体であること
    を特徴とする請求項2記載の液体噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】  記録媒体の記録領域の全幅にわたって
    インク吐出口が複数設けられているフルラインタイプの
    ものであることを特徴とする請求項2又は3記載の液体
    噴射記録ヘッド。
  5. 【請求項5】  記録媒体の被記録面に対向してインク
    吐出口が設けられている請求項2又は3記載の液体噴射
    記録ヘッドと、該ヘッドを載置するための部材とを少な
    くとも具備することを特徴とする液体噴射記録装置。
JP41176990A 1990-12-19 1990-12-19 液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた記録装置 Pending JPH04219249A (ja)

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DE69127801T DE69127801T2 (de) 1990-12-19 1991-12-18 Herstellungsverfahren für flüssigkeitsausströmenden Aufzeichnungskopf
EP91311732A EP0491560B1 (en) 1990-12-19 1991-12-18 Method for producing liquid discharging recording head
AT91311732T ATE158754T1 (de) 1990-12-19 1991-12-18 Herstellungsverfahren für flüssigkeitsausströmenden aufzeichnungskopf
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