JPH04216953A - 液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた記録装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた記録装置

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JPH04216953A
JPH04216953A JP41174590A JP41174590A JPH04216953A JP H04216953 A JPH04216953 A JP H04216953A JP 41174590 A JP41174590 A JP 41174590A JP 41174590 A JP41174590 A JP 41174590A JP H04216953 A JPH04216953 A JP H04216953A
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JP
Japan
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ink
material layer
photosensitive material
recording head
liquid jet
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Norio Okuma
典夫 大熊
Masashi Miyagawa
昌士 宮川
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Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式に用いる記録液小滴を発生するための液体噴射記録ヘ
ッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式(液体噴射記録
方式)に適用される液体噴射記録ヘッドは、一般に微細
なインク吐出口(オリフィス)、インク路及び該インク
路の一部に設けられるインクを吐出するために利用され
るエネルギーを発生するエネルギー発生素子とを備えて
おり、記録時においてはエネルギー発生素子の作動によ
り、インクの小滴が吐出口から噴射されて被記録紙に着
滴し、これにより印字、記録が行なわれるものである。 従来、このような液体噴射記録ヘッドを作製する方法と
して、例えば、ガラスや金属等の板を用い、該板に切削
やエッチング等の加工手段によって微細な溝を形成した
後、該溝を形成した板を他の適当な板と接合してインク
路の形成を行なう方法が知られている。
【0003】しかしながら、斯かる従来法によって作製
される液体噴射記録ヘッドでは、切削加工されるインク
路内壁面の平滑さが不充分であったり、エッチング率の
差からインク路に歪が生じたりして、流路抵抗の一定し
たインク路が得難く、製作後の液体噴射記録ヘッドの記
録特性にバラツキが出易いといった問題があった。また
、切削加工の際に、板の欠けや割れが生じ易く、製造歩
留りが悪いという欠点もあった。また、エッチング加工
を行なう場合には、製造工程が多く製造コストの上昇を
招くという不利もあった。更には、上記従来法に共通す
る欠点として、インク路を形成した溝付き板と、インク
小滴を吐出させる為の吐出エネルギーを発生するための
圧電素子や電気熱交換素子等の駆動素子(吐出エネルギ
ー発生素子)が設けられた蓋板とを貼り合わせる際に、
これら板の位置合わせが困難であり、量産性に欠けると
いった問題もあった。
【0004】また、液体噴射記録ヘッドは、通常その使
用環境下にあっては、インク(一般には、水を主体とし
、多くの場合中性ではないインク液、あるいは有機溶剤
を主体とするインク液等)と常時接触している。それ故
、液体噴射記録ヘッドを構成するヘッド構造材料は、イ
ンクからの影響を受けて強度低下を起こすことがなく、
また逆に記録液中に、インク適性を低下させるような有
害成分を与えることの無いものが望まれる。しかし、上
記従来法においては、加工方法等の制約もあって、必ず
しもこれら目的にかなった材料を選択することができな
かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の諸点に
鑑み成されたものであって、安価、精密であり、また信
頼性も高い液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び本
ヘッドを備えた記録装置を提供することを目的とする。
【0006】また、インク路が精度良く正確に、且つ歩
留り良く微細加工された構成を有する液体噴射記録ヘッ
ドを供給することが可能な新規な液体噴射記録ヘッド、
その製造方法及び本ヘッドを備えた記録装置を提供する
ことも目的とする。
【0007】また、インクとの相互影響が少なく、機械
的強度や耐薬品性に優れた液体噴射記録ヘッドを供給し
得る新規な液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び本
ヘッドを備えた記録装置を提供することも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決することを目的として、リソグラフィーの手法に
よる液体噴射記録ヘッドの製造方法を種々検討した結果
、ヘッドの構成に複数の熱架橋型ポジレジストを用いて
、これらに各構成要素をパターンニングして一体化した
後、現像してヘッドを製造するに際し、各レジストの加
熱架橋温度を違えて熱架橋を行なうと、それ以前に露光
した潜像部分が再架橋することにより生ずる現像残りを
有効に防止し得る場合があることに想到し本発明を完成
するに至ったものである。
【0009】即ち、本発明はインク吐出口と、インク供
給口と、及び前記インク吐出口とインク供給口とを連通
するインク路と、該インク路に対応して配設されインク
を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネ
ルギー発生素子とを有する液体噴射記録ヘッドの製造方
法において、 (A)エネルギー発生素子が配設された基板上に熱架橋
型ポジレジストからなるインク路形成用第1感光性材料
層を設けて加熱架橋後、前記架橋した第1感光性材料層
に電離放射線によるインク路形成用パターン露光を行な
う工程、 (B)前記露光を行なった第1感光性材料層上に熱架橋
型ポジレジストからなる第2感光性材料層を設けて第1
感光性材料層の加熱架橋温度以下の架橋温度で加熱架橋
後、前記架橋した第2感光性材料層に電離放射線による
インク吐出口及びインク供給口形成用パターン露光を行
なう工程、 (C)感光性材料層に形成されたパターン露光による潜
像を現像する工程、上記(A),(B),(C)の各工
程を順次行なうもので、またインク吐出口と、該インク
吐出口と連通するインク路と、該インク路に対応して配
設されインクを吐出するために利用されるエネルギーを
発生するエネルギー発生素子とを有する液体噴射記録ヘ
ッドの製造方法において、 (A)エネルギー発生素子が配設されインク供給口が設
けられた基板上に熱架橋型ポジレジストからなるインク
路形成用第1感光性材料層を設けて加熱架橋後、前記架
橋した第1感光性材料層に電離放射線によるインク路形
成用パターン露光を行なう工程、 (B)前記露光を行なった第1感光性材料層上に熱架橋
型ポジレジストからなる第2感光性材料層を設けて第1
感光性材料層の加熱架橋温度以下の架橋温度で加熱架橋
後、前記架橋した第2感光性材料層に電離放射線による
インク吐出口形成用パターン露光を行なう工程、(C)
感光性材料層に形成されたパターン露光による潜像を現
像する工程、上記(A),(B),(C)の各工程を順
次行なうことにより、上記ヘッドを製造するものである
【0010】更に、本発明は上記方法で製造したヘッド
、及び同ヘッドを備えた記録装置である。
【0011】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0012】図1乃至図7は本発明に係る製造方法の説
明図で、本発明に係るヘッドは図1中に示す基板1上に
形成する。この基板1は例えばガラス、セラミックス、
プラスチックス、又は金属等で構成され、後述するイン
ク路構成部材の一部として機能し、また後述する感光性
材料層の支持体として機能するもので、上記目的に合致
するものであれば、その形状、材質等、特に制限される
ことなく使用できる。上記基板1上には、電気熱変換素
子、圧電素子等のインクを吐出するために利用されるエ
ネルギーを発生するエネルギー発生素子2を所定数(本
図においては2個)配設してある。このような、エネル
ギー発生素子2によって、インク小滴を吐出させるため
の吐出エネルギーがインクに与えられ、記録が行なわれ
る。因に、例えば、上記エネルギー発生素子2として電
気熱変換素子を用いるときには、この素子が近傍の記録
液を加熱することにより、吐出エネルギーを発生する。 また、例えば、圧電素子を用いるときは、この素子の機
械的振動によって、吐出エネルギーを発生する。
【0013】尚、これらの素子2には、これら素子2を
動作させるための制御信号入力用電極(図示せず)を接
続してある。また、一般にはこれらエネルギー発生素子
の耐用性の向上を目的として、保護層等の各種機能層を
設けることもできる。
【0014】次いで図2に示すように、上記液体吐出エ
ネルギー発生素子2を配設した基板1上に、熱架橋型ポ
ジレジストよりなる第1感光性材料層3を形成する。感
光性材料層3の形成方法としては、感光性材料を溶解し
た溶液を、ソルベントコート法によって塗布しても良い
し、また、感光性材料を塗布したドライフイルムを作製
し、ラミネート法によって基板上に積層しても良い。
【0015】ソルベントコート法とは、該感光性材料溶
液をスピンコーター、ロールコーターあるいはワイヤー
バー等により基板上に塗布した後溶剤を乾燥除去し、感
光性材料層を形成する方法である。
【0016】本発明において使用する架橋型ポジレジス
トとは下記一般式
【0017】
【化1】 (R,R’は水素以外の側鎖を示す)で示されるビニル
型高分子化合物で、下記式
【0018】
【化2】 (R,R’は水素以外の側鎖を示す)で示される露光に
より崩壊可能な構造単位と、架橋可能な構造単位とを有
する高分子化合物である。
【0019】崩壊可能な構造単位としては、例えばポリ
メチルメタクリレート・ポリエチルメタクリレート・ポ
リiso−プロピルメタクリレート・ポリn−ブチルメ
タクリレート・ポリtert−ブチルメタクリレート等
のメタクリル酸のエステル類、ポリα−メチルスチレン
、ポリイソブチレン、ポリメチルイソプロピニルケトン
、ポリビニルケトン、ポリフェニルイソプロピニルケト
ン等が挙げられる。
【0020】また、架橋可能な構造単位としては、例え
ばポリメタクリル酸およびそれらの酸塩化物、アルキル
エステル等が挙げられる。上記構造単位のうち、崩壊可
能な構造単位としては感度の点からメタクリル酸のエス
テル類が好ましく、架橋可能な構造単位としては架橋の
起こりやすさからポリメタクリル酸、およびその酸塩化
物が好ましい。
【0021】架橋可能な構造単位と崩壊可能な構造単位
との共重合割合(モル比)としては、1:100〜10
0:10が好ましい。
【0022】これらの架橋可能な構造単位と、崩壊可能
な構造単位とを共重合した熱架橋型ポジレジストの具体
例としては下記の構造のポリマーが挙げられるが本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0023】
【化3】 式中R,R’はアルキル基を示しl,m,nは任意の整
数を表わすまた、ポリメチルメタクリルアミドの様に崩
壊可能な構造単位と架橋可能な構造単位が同一である化
合物も使用可能である。
【0024】さらに、上記構造単位以外の構造単位を架
橋型ポジレジストの物性(溶解性、成膜性、ガラス転移
点)調整の目的で共重合させることも可能である。
【0025】これらの熱架橋型ポジレジストは加熱手段
により簡単に分子間に架橋を生じてゲル化し、溶剤に不
溶となると共に、X線、電子線又は主発光波長が300
nm以下のDeepUV光等の電離放射線を照射するこ
とによって分子鎖の切断を生じ、溶剤に可溶となるもの
である。
【0026】本発明においては、次に前記のようにして
基板1上に形成した第1感光性材料層3を架橋温度T1
 ℃で加熱架橋し溶剤に対して不溶化し、かつ構造材と
しての強度を持たせるものである。加熱による不溶化(
ゲル化)条件としては、化合物によっても異なるが一般
的には150〜220℃で5〜60分間程度保つことが
好ましい。
【0027】本発明においては、上記のようにして架橋
、不溶化した第1感光性材料層3の上面に、図3に示す
ようにインク路形成用マスク4を重ね、図3中矢印Aの
方向から電離放射線照射を行なうものである。これによ
り、露光部分の架橋ポジレジストの分子鎖を切断し、図
4に示すように第1感光性材料層3中にインク路のパタ
ーン潜像形成部6を形成して後述の現像工程での現像を
可能とするものである。本露光手段としては、フォトマ
スクを介しての一括露光であっても良いし、また電子線
あるいはイオンビーム等による直接描画でも良い。
【0028】本発明においては、次いで上記のようにし
てインク路の潜像をパターニングした第1感光性材料層
3上に、図4に示すように、更に熱架橋型ポジレジスト
からなる第2感光性材料層5を積層するものである。第
2感光性材料層5に用いられるレジストとしては、第1
感光性材料層3で用いたレジストで、かつ後述する架橋
開始温度がそれよりも低いものが使用できる。これらの
レジストを第1感光性材料層3の上に積層するに際して
は、下層である第1感光性材料層3の潜像形成部が溶解
除去される等の悪影響を及ぼさないように配慮して積層
する必要がある。第2感光性材料層5の形成がドライフ
ィルムによるラミネート法であれば、第1感光性材料層
3に対する影響は極めて軽微である。また、ソルベント
コート法を使用する場合においては、第1感光性材料層
3の露光部分(即ち、分子鎖切断により現像可能な部分
)が第2感光性材料層5の塗布時にその塗布溶剤により
影響を受けないように注意する必要がある。
【0029】また、第1感光性材料層3の表面にシラン
カップリング剤等を薄くコーティングする等の手段を用
いれば、塗布溶剤の制約なしに2層を形成することが可
能である。
【0030】本発明においては、このようにして積層し
た第2感光性材料層5を加熱して架橋させるものである
が、この場合架橋温度T2 は第1感光性材料層3の架
橋温度T1 以下とすることが重要である。即ち、T2
 ≦T1 が成立する温度条件で第2感光性材料層5を
加熱して架橋するものである。これにより第2感光性材
料層5の架橋時に第1感光性材料層3の露光部分である
インク路のパターン潜像形成部6(分子鎖が切断されて
いる部分)の再架橋が防止でき、従って後述する現像工
程における現像残りの問題がなくなる。
【0031】なお、上記架橋温度T1 、及びT2 は
各感光性材料層の架橋開始温度より高い温度に定める必
要があることは当然であるが、本発明においては架橋開
始温度とは架橋可能な構造単位が熱により脱水および脱
塩酸反応を起こす温度であり、これはDSCの吸熱ピー
クによって判断される。(DSC測定条件:室温より1
0℃/minの昇温速度で測定した時初めて現れる吸熱
ピーク)この架橋開始温度は種々の構造によって変化す
るが、代表的には崩壊可能な構造単位中のアルキル基の
長さ(一般的に長鎖アルキル基を有するものほどガラス
転移温度が下がりそれにともない架橋温度が下がる)お
よび架橋可能な構造単位中の酸の構造(カルボン酸塩化
物→カルボン酸→エステルの順で架橋温度は上昇する)
によって調整可能である。なお、上記構造単位以外の構
造単位を共重合させることで架橋開始温度、溶解性、成
膜性を変化させる事も可能である。
【0032】次いで、前記手段により架橋した感光性材
料層5に対して、更に図5に示すように、インク吐出口
、及びインク供給口を形成するためのパターン露光を行
なう。即ち、感光性材料層5の上にマスク7を置き、マ
スク上方向(図5中矢印Bの方向)から電離放射線照射
を行なう。電離放射線の種類、及び照射方法としては、
前記種類及び方法が採用できる。この照射により、図6
に示すように感光性材料層5にインク吐出口のパターン
潜像形成部8、及びインク供給口のパターン潜像形成部
9を形成する。この第2感光性材料層5のパターン露光
は前述のように電離放射線を用いるものであるが、イン
ク吐出口及びインク供給口のパターン露光はインク路の
パターン潜像形成部6よりも小さい部分に対して施され
、更に第1感光体材料層3、及び第2感光体材料層5の
両者がポジ型レジストであるため、吐出口及びインク供
給口の露光が第1感光性材料層3を感光させても問題は
ない。
【0033】本発明においては、上記のようにして基板
1上に順次第1感光性材料層3、第2感光性材料層5を
積層して形成したブロック体10を、次いで現像処理し
、これにより上記潜像形成部6,8,9を溶解除去して
、図7に示すように、それぞれ対応するインク路11、
インク吐出口12、インク供給口13を形成し、これに
より本発明の液体噴射記録ヘッドを得るものである。現
像は、第1及び第2感光性材料層3,5の露光部が同一
の溶剤によって現像可能なときには一括して現像できる
が、同一の溶剤で現像できないときには、それぞれに適
した溶剤で順次現像する。図7に示す液体噴射記録ヘッ
ドの場合においては、インクの吐出方向およびインクの
供給口がいずれも基板1の同じ面側に存在する為、現像
は上層の第2感光性材料層5に対して行なった後に、下
層の第1感光性材料層3を現像することが望ましい。
【0034】図7に示す液体噴射記録ヘッドに於いては
、インク供給の為の接合部材14を設けてインクの供給
を行なうことが可能である。
【0035】一方、第8図に示した液体噴射記録ヘッド
においては、インクの供給口13が基板1を貫通して形
成されており、該構成を取る場合に於いては下層の第1
感光性材料層3を先に現像しても構わない。この記録ヘ
ッドにおいては、第9図に示すようなインク供給部材1
5を設けてインクの供給を行なうことが可能である。も
ちろん、これ以外の手段、形状によってインクの供給を
行なうことも可能である。
【0036】尚、本例では、2つの吐出口を有する液体
噴射記録ヘッドを示したが、もちろんこれ以上の多数の
吐出口が並設された高密度マルチアレイ液体噴射記録ヘ
ッドの場合でも同様にして製造できるものである。
【0037】本発明は、特に液体噴射記録(インクジェ
ット記録)方式の中でもバブルジェット方式の記録ヘッ
ド、記録装置に於いて、優れた効果をもたらすものであ
る。
【0038】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている。この方式は所謂オン
デマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能
であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(イ
ンク)が保持されているシートや液路に対応して配置さ
れた電気熱変換体素子に、記録情報に対応した少なくと
も一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換
体に核沸騰を越える急速な温度上昇を与える熱エネルギ
ーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を起こ
させ、結果的にこの駆動信号に一対一に対応した気泡を
液体(インク)内に形成出来るので有効である。この気
泡の成長、収縮により吐出口を介して液体(インク)を
吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動
信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮
が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(インク)
の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆
動信号としては、米国特許第4463359号明細書、
同第4345262号明細書に記載されているようなも
のが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関す
る発明として米国特許第4313124号明細書に記載
されている条件を採用すると、更に優れた記録を行なう
ことができる。
【0039】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、インク路、電気熱変
換体素子の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流
路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構
成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国
特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に
含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体素子
に対して、共通するスリットを電気熱変換体素子の吐出
部とする構成を開示する特開昭59年第123670号
公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出口に
対応させる構成を開示する特開昭59年第138461
号公報に基づいた構成にしても本発明は有効である。
【0040】更に、記録紙の全幅に亘り同時に記録がで
きるフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した
明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合
わせによって、その長さを満たす構成や、一対的に形成
された一個の記録ヘッドとしての構成のいずれでも良い
が、本発明は、上述した効果を一層有効に発揮すること
ができる。
【0041】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドにおいても本発明は有効である。
【0042】又、記録装置に記録ヘッドに対する回復手
段や予備的な補助手段等を付加することは、本発明によ
り得られる記録ヘッドの効果を一層安定にできるので、
好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録
ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング手段
、加圧或は吸引手段、電気熱変換体素子、或はこれとは
別の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱
手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行な
う手段等を付加することも安定した記録を行なうために
有効である。
【0043】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成した、又は複数個を組み合わせて構
成したいずれでもよいが、異なる色の複数カラー又は、
混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置の
記録ヘッドにも本発明は極めて有効である。
【0044】又、本発明により得られる記録ヘッドは、
インクが液体でなくとも、室温やそれ以下で固化するイ
ンクであって、室温で軟化もしくは液体となるもの、或
いは、インクジェットにおいて一般的に行なわれている
温度調整範囲である30℃以上70℃以下で軟化もしく
は液体となるものにも適用できる。すなわち、記録信号
付与時にインクが液状をなすものであれば良い。加えて
、積極的に熱エネルギーによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への態変化のエネルギーとして吸収せし
めることで防止するか、又は、インクの蒸発防止を目的
として放置状態で固化するインクを用いるかして、いず
れにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によっ
てインクが液化してインク液状として吐出するものや記
録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等の
ような、熱エネルギーによって初めて液化する性質のイ
ンク使用も本発明に係る記録ヘッドには適用可能である
。このような場合インクは、特開昭54−56847号
公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載され
るような、多孔質シート凹部又は貫通孔に液状又は固形
物として保持された状態で、電気熱変換体素子に対して
対向するような形態としても良い。本発明においては、
上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した
膜沸騰方式を実行するものである。
【0045】図10は本発明により得られた記録ヘッド
をインクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として
装着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を
示す外観斜視図である。
【0046】図において、20はプラテン24上に送紙
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行な
うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
【0047】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置
26のキャップ部26AによるIJC20へのキャピン
グに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜の
吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイン
ク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送を
行ない、インクを吐出口より強制的に排出させることに
よりノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理
を行なう。また、記録終了時等にキャッピングを施すこ
とによりIJCが保護される。
【0048】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作し
、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これによ
り、IJC20の記録動作における適切なタイミングで
、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理後
に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出させ
、IJC20の移動動作に伴なってIJC20の吐出面
における結露、濡れあるいは麈埃等をふきとるものであ
る。
【0049】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
。 (実施例1) 図1から図7に示す操作手順に準じて、図7の構成の液
体噴射記録ヘッドを作製した。
【0050】まず、エネルギー発生素子としての電気熱
変換素子(材質HfB2からなるヒーター)を形成した
ガラス基板上に、第1感光性材料層(熱架橋型ポジレジ
スト)としてメタクリル酸とメチルメタクリレートの共
重合物(共重合比2/8mol  架橋温度215.8
℃、図11参照)のクロロベンゼン/ジクロロメタン=
8/2  20Wt%溶液を塗布し、80℃にて1時間
乾燥した。(乾燥後の膜厚は25μm)基板ごと220
℃,15分間加熱し(Tl=220℃)レジストに架橋
反応を起こさせた。この時点で第1架橋型ポジレジスト
層は現像液に対して不溶となる。次いで、該架橋ポジレ
ジスト膜に対して、インク路に相当するパターンのマス
クを重ね、キャノン製PLA−520マスクアライナー
を用いてコンタクト露光によって光照射を行なった。光
照射量は、約120mj/cm2 であった。露光部で
は、高分子鎖の切断(崩壊)が起こり、後の現像処理に
おいて現像液に対して可溶となる。
【0051】次いで該第1感光性材料層上に、第2感光
性材料層(架橋型ポジレジスト)としてメタクリル酸n
−ブチルエステル、メタクリル酸とメタクリル酸クロラ
イドの共重合物(共重合比40/10/1  架橋温度
143.4℃図12参照)のn−ブタノール20Wt%
溶液を塗布し、80℃にて1時間乾燥した。(乾燥後の
膜厚は20μm)この第2感光性材料層を170℃、1
5分間加熱してから(T2 =170℃)次にインク吐
出口およびインク供給口に相当するパターンのマスクを
重ね、第1感光性材料層と同様にして光照射を施した。 尚該層の露光量は、約100mj/cm2 であった。
【0052】次いで、前記基板を現像液(メチルイソブ
チルケトン)に浸漬し、攪拌しながら約30分間現像す
ることにより、第1および第2感光性材料層を現像し、
吐出口、インク供給口およびインク路を形成した。第1
および第2感光性材料層は、現像残りが生ぜず現像され
ていた。最後にインク供給口にインク供給部材を装着し
液体噴出記録ヘッドを作成した。
【0053】上記液体噴出記録ヘッドを記録装置に装着
し、純水/グリセリン/ダイレクトブラック154(水
溶性黒色染料)=65/30/5から成るインクを用い
て記録を行なったところ、安定な印字が可能であった。
【0054】また、この液体噴出記録ヘッドを記録装置
に装着して6カ月間記録試験を行なったが、インク中へ
の析出物の発生や目詰りによる吐出不安定は起こらず、
安定な印字が可能で吐出口の変形等も全く発生していな
かった。(実施例2) 実施例1の第1感光性材料層としてメチルメタクリレー
ト、メタクリル酸の共重合物(共重合比10/1  架
橋温度183℃)を使用し(加熱温度200℃15分間
)、第2感光性材料層としてメタクリル酸n−ブチルエ
ステルとメタクリル酸の共重合物(共重合比20/1 
 架橋温度152.1℃)を使用し(加熱温度165℃
、20分間)、実施例1と同様にして液体噴出記録ヘッ
ドを作成した。但し第2感光性材料層はドライフイルム
化して第1感光性材料層に積層した。
【0055】この液体噴出記録ヘッドを記録装置に装着
して6カ月間試験を行なったが、インク中への析出物の
発生や目詰りによる吐出不安定は起こらず、安定な印字
が可能で吐出口の変形なども全く発生していなかった。
【0056】
【発明の効果】■ヘッド作成のための主要工程が、フォ
トレジストや感光性ドライフィルム等を用いたリソグラ
フィー技術によるため、ヘッドの細密部を所望のパター
ンで極めて容易に形成することができるばかりか、同構
成の多数のヘッドを同時に加工することができる。
【0057】特に露光部分の現像残りが生じず、エネル
ギー発生素子に対して悪影響を及ぼさない。■吐出口の
切断工程を必要とせず、かつエネルギー発生素子と吐出
口間の距離をレジスト膜の塗布膜厚を制御することで調
整できるため、素子と吐出口との間隔が一定で吐出口内
面のなめらかなヘッドを安定的に製造でき、歩留りの向
上と印字品位の向上が図れる。■主要構成部材の位置合
わせを容易にして確実になすことが可能であり、寸法精
度の高いヘッドが歩留りよく製造できる。■少なくとも
2回のレジスト塗布と露光の工程と、1回の現像工程に
よりヘッドの製造が可能であり、生産性の向上が図れる
。■第1および第2感光性材料層は強固な架橋構造を有
し、かつ未現像のまま第2感光性材料層を積層するため
、圧力などの手段により密着性を上げることができる。 ■現像工程に於いて、第1感光性材料層はほとんど膜減
りがないため第2感光性材料層との密着性をそこなうこ
とがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘッドの製造方法において、イン
ク路、吐出口形成前の基板の状態を示す模式的斜視図で
ある。
【図2】本発明に係るヘッドの製造方法において、第1
感光性材料層を設けた基板の状態を示す模式的斜視図で
ある。
【図3】本発明に係るヘッドの製造方法において、第1
感光性材料層に施すパターン露光の状態を示す模式的斜
視図である。
【図4】本発明に係るヘッドの製造方法において、第2
感光性材料層の積層状態を示す模式的斜視図である。
【図5】本発明に係るヘッドの製造方法において、第2
感光性材料層に施すパターン露光の状態を示す模式的斜
視図である。
【図6】本発明に係るヘッドの製造方法において、形成
されたインク路、吐出口等のパターン潜像形成部を示す
模式的斜視図である。
【図7】インク供給手段を設けた本発明ヘッドの一実施
例を示す模式的斜視図である。
【図8】インクの供給を、インクの吐出方向に対して基
板の反対側より行なう本発明ヘッドの他の実施例を示す
模式的斜視図である。
【図9】インク供給手段を設けた図8のヘッドの模式的
斜視図である。
【図10】本発明に係るヘッドを取付可能な記録装置の
説明図である。
【図11】架橋型ポジレジストの架橋温度測定のための
DSCチャートである。
【図12】架橋型ポジレジストの架橋温度測定のための
DSCチャートである。
【符号の説明】
1    基板 2    エネルギー発生素子 3    第1感光性材料層 4    マスク 5    第2感光性材料層 6    潜像形成部 7    マスク 8    潜像形成部 9    潜像形成部 10    ブロック体 11    インク路 12    インク吐出口 13    インク供給口 16    キャリッジ 17    駆動モータ 18    駆動ベルト 19A    ガイドシャフト 19B    ガイドシャフト 20    インクジェットヘッドカートリッジ22 
   クリーニング用モータ 23    伝動機構 24    プラテン 30    ブレード 30A    ブレード保持部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  インク吐出口と、インク供給口と、及
    び前記インク吐出口とインク供給口とを連通するインク
    路と、該インク路に対応して配設されインクを吐出する
    ために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生
    素子とを有する液体噴射記録ヘッドの製造方法において
    、(A)エネルギー発生素子が配設された基板上に熱架
    橋型ポジレジストからなるインク路形成用第1感光性材
    料層を設けて加熱架橋後、前記架橋した第1感光性材料
    層に電離放射線によるインク路形成用パターン露光を行
    なう工程、 (B)前記露光を行なった第1感光性材料層上に熱架橋
    型ポジレジストからなる第2感光性材料層を設けて第1
    感光性材料層の加熱架橋温度以下の架橋温度で加熱架橋
    後、前記架橋した第2感光性材料層に電離放射線による
    インク吐出口及びインク供給口形成用パターン露光を行
    なう工程、 (C)感光性材料層に形成されたパターン露光による潜
    像を現像する工程、上記(A),(B),(C)の各工
    程を順次行なうことを特徴とする液体噴射記録ヘッドの
    製造方法。
  2. 【請求項2】  インク吐出口と、該インク吐出口と連
    通するインク路と、該インク路に対応して配設されイン
    クを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエ
    ネルギー発生素子とを有する液体噴射記録ヘッドの製造
    方法において、 (A)エネルギー発生素子が配設されインク供給口が設
    けられた基板上に熱架橋型ポジレジストからなるインク
    路形成用第1感光性材料層を設けて加熱架橋後、前記架
    橋した第1感光性材料層に電離放射線によるインク路形
    成用パターン露光を行なう工程、 (B)前記露光を行なった第1感光性材料層上に熱架橋
    型ポジレジストからなる第2感光性材料層を設けて第1
    感光性材料層の加熱架橋温度以下の架橋温度で加熱架橋
    後、前記架橋した第2感光性材料層に電離放射線による
    インク吐出口形成用パターン露光を行なう工程、(C)
    感光性材料層に形成されたパターン露光による潜像を現
    像する工程、上記(A),(B),(C)の各工程を順
    次行なうことを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】  請求項1又は2記載の製造方法で製造
    したことを特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】  エネルギー発生素子が前記エネルギー
    として熱エネルギーを発生する電気熱変換体であること
    を特徴とする請求項3記載の液体噴射記録ヘッド。
  5. 【請求項5】  記録媒体の記録領域の全幅にわたって
    インク吐出口が複数設けられているフルラインタイプの
    ものであることを特徴とする請求項3記載の液体噴射記
    録ヘッド。
  6. 【請求項6】  記録媒体の被記録面に対向してインク
    吐出口が設けられている請求項3記載の液体噴射記録ヘ
    ッドと、該ヘッドを載置するための部材とを少なくとも
    具備することを特徴とする液体噴射記録装置。
JP41174590A 1990-12-19 1990-12-19 液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた記録装置 Pending JPH04216953A (ja)

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DE69127801T DE69127801T2 (de) 1990-12-19 1991-12-18 Herstellungsverfahren für flüssigkeitsausströmenden Aufzeichnungskopf
EP91311732A EP0491560B1 (en) 1990-12-19 1991-12-18 Method for producing liquid discharging recording head
AT91311732T ATE158754T1 (de) 1990-12-19 1991-12-18 Herstellungsverfahren für flüssigkeitsausströmenden aufzeichnungskopf
US07/810,126 US5331344A (en) 1990-12-19 1991-12-19 Method for producing liquid-discharging recording head, liquid-discharging recording head produced by said method, and recording apparatus utilizing said recording head

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6773869B1 (en) * 2003-04-24 2004-08-10 Lexmark International, Inc. Inkjet printhead nozzle plate

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6773869B1 (en) * 2003-04-24 2004-08-10 Lexmark International, Inc. Inkjet printhead nozzle plate
WO2004096557A1 (en) * 2003-04-24 2004-11-11 Lexmark International, Inc. Inkjet printhead nozzle plate
US7354131B2 (en) 2003-04-24 2008-04-08 Lexmark International, Inc. Inkjet printhead nozzle plate

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