JPH04312854A - 液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた記録装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた記録装置

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JPH04312854A
JPH04312854A JP10360791A JP10360791A JPH04312854A JP H04312854 A JPH04312854 A JP H04312854A JP 10360791 A JP10360791 A JP 10360791A JP 10360791 A JP10360791 A JP 10360791A JP H04312854 A JPH04312854 A JP H04312854A
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JP
Japan
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ink
resin layer
substrate
recording head
resin
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JP10360791A
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English (en)
Inventor
Masashi Miyagawa
昌士 宮川
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式に用いる記録液小滴を発生するための液体噴射記録ヘ
ッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式(液体噴射記録
方式)に適用される液体噴射記録ヘッドは、一般に微細
なインク吐出口、インク液流路及び該液流路の一部に設
けられるインク吐出エネルギー発生素子とを備えている
。従来、このような液体噴射記録ヘッドを作製する方法
として、例えば、ガラスや金属等の板を用い、該板に切
削やエッチング等の加工手段によって微細な溝を形成し
た後、該溝を形成した板を他の適当な板と接合して液流
路の形成を行なう方法が知られている。
【0003】しかしながら、斯かる従来法によって作製
される液体噴射記録ヘッドでは、切削加工される液流路
内壁面の荒れが大き過ぎたりエッチング率の差から液流
路に歪が生じたりして、流路抵抗の一定した液流路が得
難く、製作後の液体噴射記録ヘッドの記録特性にバラツ
キが出易いといった解決すべき課題があった。また、切
削加工の際に、板の欠けや割れが生じ易く、製造歩留り
が悪いという欠点もあった。また、エッチング加工を行
なう場合には、製造工程が多く、製造コストの上昇を招
くという不利もあった。更には、上記従来法に共通する
欠点として、液流路を形成した溝付き板と、インク液小
滴を吐出させる為の吐出エネルギーを発生する、圧電素
子や電気熱変換素子等の駆動素子が設けられた蓋板とを
貼り合わせる際に、これら板の位置合わせが困難であり
、量産性に欠けるといった問題もあった。
【0004】また、液体噴射記録ヘッドは、通常その使
用環境下にあっては、インク(一般には、水を主体とし
、多くの場合中性ではないインク、あるいは有機溶剤を
主体とするインク等)と常時接触している。それ故、液
体噴射記録ヘッドを構成するヘッド構造材料は、インク
からの影響を受けて強度低下を起こすことがなく、また
逆にインク中に、インク適性を低下させるような有害成
分を与えることの無いものが望まれるが、上記従来法に
おいては、加工方法等の制約もあって、必ずしもこれら
目的にかなった材料を選択することができなかった。
【0005】これら課題を解決する為、特開昭61−1
54947号公報に記載される、感光性樹脂材料を使用
してインク吐出圧力発生素子が形成された基板上にイン
ク液流路および吐出口からなるパターンを形成して、こ
の上にガラス板等の蓋(天板)を接合する方法が考案さ
れた。
【0006】該液体噴射記録ヘッドの製造方法に於いて
は、基板、樹脂より形成されインク液流路および天板を
一括してダイシングソー等にて切断してインク吐出口を
形成する方法が採用されている。しかしながら、該液体
噴射記録ヘッドの製造方法には、次に記載する様な解決
すべき課題を有している。即ち(1)ダイシングソーの
切断位置精度が低いため、インク吐出圧力発生素子とイ
ンク吐出口との間の距離にばらつきが生じ、液体噴射記
録ヘッドの性能がロット毎にばらつく、(2)ダイシン
グソーの切断時に基板や天板等に破損が生じ、インクが
吐出口より真っ直ぐに噴射しない、(3)基板、流路形
成部材、天板等は一般的に異なる部材により形成されて
いるため、夫々の部材のインクに対する親和性の相違に
よってインクが吐出口より真っ直ぐに噴射しない、等の
問題を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の諸点に
鑑み成されたものであって、安価、精密であり、また信
頼性も高い高解像度(吐出口が高密度にて実装された)
の液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び記録装置を
提供することを目的とする。
【0008】また、液流路が精度良く正確に、且つ歩留
り良く微細加工された構成を有する液体噴射記録ヘッド
を供給することが可能な新規な液体噴射記録ヘッドの製
造方法を提供することをも目的とする。
【0009】また、インクとの相互影響が少なく、機械
的強度や耐薬品性に優れた液体噴射記録ヘッドを供給し
得る新規な液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供するこ
とも目的とする。
【0010】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成する為、本
発明はインク吐出圧力発生素子を形成した基板上に、該
素子前方(インク吐出方向)の吐出口を含む箇所に吐出
口形成用樹脂体を形成し、該樹脂体を利用して、電離放
射線照射によって樹脂分子を切断し、現像処理によって
インク吐出口断面を形成することにより、高精度にてイ
ンク吐出口を形成するものである。
【0011】本発明に於いては、製造の初期の工程では
基板上のインク吐出口断面部は少なくとも3種の樹脂層
にて形成される。即ち、インク吐出エネルギー発生素子
前方部のインク液流路に交差する樹脂体、溶解可能なイ
ンク液流路パターンからなる樹脂層および被覆樹脂層で
ある。これら全ての樹脂は、電離放射線にて樹脂構造が
切断される崩壊型ポジレジスト特性を示す必要がある。 該樹脂層をインク吐出口断面部にて電離放射線照射を行
なうことにより、これらの樹脂構造は分解され分子量が
低下して溶剤に溶解し易くなる。したがって、該基板を
現像液に浸漬すれば、インク吐出口断面が形成できるわ
けである。
【0012】インク吐出口形成面を現像処理によって形
成し、基板を切断した後、溶解可能な樹脂よりなるイン
ク液流路パターンを溶出せしめれば、インク液流路およ
びインク吐出口が形成される。
【0013】本発明方法によれば、基板の切断は、従来
の切断方法であるダイシングソー等を使用しても、精度
良くヘッドを製造できる。基板面はインク吐出口とは接
しないように構成したので、該基板の切断精度が悪くて
も、また基板にカケ等が生じても、最早液体噴射記録ヘ
ッドの特性には大きく影響はしないものである。
【0014】即ち、本発明は基板上にインク吐出エネル
ギー発生素子と、前記素子と所定間隔離間して電離放射
線崩壊型ポジレジストからなるインク吐出口形成用樹脂
体を配設すると共に、樹脂体から素子に至り、更にその
延長方向に所定距離だけ至る電離放射線崩壊型ポジレジ
ストからなるインク液流路形成用可溶性樹脂層を積層す
る工程と、前記可溶性樹脂層上に電離放射線崩壊型ポジ
レジストからなる被覆樹脂層を積層する工程と、樹脂体
の一部及び樹脂層延長部分の一部に被覆樹脂層上方向か
ら電離放射線を照射した後、現像することにより照射部
下方向の被覆樹脂層、樹脂層及び樹脂体を溶解除去する
と共に、必要により基板を溶解除去した位置において切
断する工程と、前記樹脂層を溶解除去する工程とを有す
るものである。
【0015】また、上記方法により製造した液体噴射記
録ヘッド、及び同ヘッドを備えた記録装置を含むもので
ある。
【0016】以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本
発明を詳細に説明する。
【0017】図1から図8は、本発明の基本的な態様を
示すための模式図であり、図1から図8の夫々には、本
発明の方法に係る液体噴射記録ヘッドの構成とその製作
手順の一例を示している。尚、本例では、2つの吐出口
を有する液体噴射記録ヘッドを示しているが、もちろん
これ以上の吐出口を有する高密度マルチアレイ液体噴射
記録ヘッドの場合でも同様であることは、言うまでもな
い。
【0018】まず、本態様においては、例えば図1に示
すような、ガラス、セラミックスあるいは金属等からな
る基板1を用いる。
【0019】このような基板1は、液流路構成部材の一
部として機能し、また後述の被覆樹脂層の支持体として
機能し得るものであれば、その形状、材質等、特に限定
されることなく使用できる。上記基板1上には、電気熱
変換素子あるいは圧電素子等のインク吐出エネルギー発
生素子2を所望の個数配置してある(図1では2個にて
例示)。このような、インク吐出エネルギー発生素子2
によって記録液(インク)小滴を吐出させるための吐出
エネルギーがインクに与えられ、記録が行なわれる。因
に、例えば、上記インク吐出エネルギー発生素子2とし
て電気熱変換素子を用いるときには、この素子が近傍の
インクを加熱することにより、インクに状態変化を与え
て吐出エネルギーを発生する。また、例えば、圧電素子
を用いるときは、この素子の機械的振動によって、吐出
エネルギーが発生する。
【0020】尚、これらの素子2には、これら素子を動
作させるための制御信号入力用電極(図示せず)を接続
する。また、一般にはこれら吐出エネルギー発生素子の
耐用性の向上を目的として、保護層等の各種機能層を設
けるが、もちろん本発明に於いてもこの様な機能層を設
けることは一向に差しつかえない。
【0021】次いで図2に示すように、上記インク吐出
エネルギー発生素子(インク吐出圧力発生素子)2を含
む基板1上に、該素子前方に素子2と所定間隔離間して
直方体状の樹脂体3を形成する。樹脂体3としては、電
離放射線の照射によって高分子化合物の主鎖、あるいは
側鎖の結合が切断され、分子量の低下、又は分子構造の
変化が生じて溶剤に溶解し易くなる電離放射線崩壊型ポ
ジレジストを用いる。崩壊型ポジレジスト用高分子化合
物としては、分子構造中にケトンを有するもの、ポリス
ルフォン等SO2 分子を主鎖に含有するもの、ビニル
系の高分子化合物であってα位に水素原子以外の官能基
が結合しているもの等が挙げられる。
【0022】分子構造中にケトンを有するものとしては
、メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、
エチルビニルケトン、tert−プロペニルケトン、ビ
ニルフェニルケトン等のビニル基を有するケトンを重合
した高分子化合物がある。SO2 を有する高分子化合
物としては、ビスフェノールAとジクロロジフェニルス
ルフォンとの反応によって合成されるポリスルフォン(
UCC社:UDELPOLYSULFONE)、ジクロ
ロジフェニルスルフォンより合成されるポリエーテルス
ルフォン(ICI社:VICTREX)、更には不飽和
二重結合を有するオレフィンとSO2 より合成される
ポリオレフィンスルフォン(MEAD社:ポリブテン−
1−スルフォンPBS)等が挙げられる。もちろんポリ
オレフィンスルフォンとしては他のオレフィンとしてス
チレン、α−メチルスチレン、プロピレン等いずれのオ
レフィンを使用しても構わない。
【0023】ビニル系高分子化合物であって、α位に水
素原子以外の官能基が付加した高分子化合物としては、
メチルアクリレートの範疇が挙げられる。例えばメチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、(n,iso
)プロピルメタクリレート、(n,iso,tert−
)ブチルメタクリレート等非常に多くの種類が挙げられ
る。またメタクリルアミド、メタクリルニトリル等も使
用可能である。これら不飽和二重結合を有するモノマー
を重合することにより、光崩壊型のポジレジストが作製
できる。またα位の官能基としては、前記したメチル基
以外にも、シアノ基、塩素、フッソ等のまハロゲン等が
付加したモノマーも一般に入手可能であり、α−シアノ
(クロロ、フルオロ)アクリレート、α−シアノ(クロ
ロ、フルオロ)エチルアクリレート等も使用できる。 更にはα−メチル(クロロ、シアノ、フルオロ)スチレ
ン、α−メチル(クロロ、シアノ、フルオロ)スチレン
のヒドロキシ、メチル、エチル、プロピル、クロロ、フ
ルオロ等の誘導体等が使用できる。
【0024】前記モノマーを単独にて、あるいは複数種
混合して重合することにより崩壊型高分子化合物を得る
ことができる。この崩壊型高分子化合物を合成する際に
熱硬化可能な官能基を有するモノマーを共重合すること
によって、架橋構造を導入し、強度や耐溶剤性、耐熱性
を高めても構わない。
【0025】熱硬化可能な官能基を有するモノマーとし
ては、ヒドロキシ基、クロル、イソシアナート、エポキ
シ等の官能基を有するモノマーであり、例えばヒドロキ
シ(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(例えば
メチル、エチル、プロピル等)アクリレート、ヒドロキ
シアルキルメタアクリレート、アクリル酸クロリド、メ
タクリル酸クロリド等が挙げられる。これら熱架橋可能
な置換基を導入し、プリベーク時に樹脂被膜を熱硬化し
た後、電離放射線露光によってパターニングを行なえば
、耐熱性、耐溶剤性、強度に優れた樹脂体3を形成でき
る。
【0026】樹脂体3の形成方法としては、スクリーン
印刷法によって所望の箇所に樹脂パターンを形成する方
法、あるいはフォトリソグラフィーによって該樹脂の電
離放射線崩壊特性を利用し、パターン形成部以外を露光
し、現像する方法が挙げられる。これら露光手段として
は、樹脂の吸収特性によっても異なるが、一般的には波
長300nm以下のDeep−UV光、Xe−Cl(λ
=308nm)あるいはKr−F(λ=248nm)等
のエキシマレーザー、電子線、X−線、SOR光等が挙
げられる。
【0027】なお、前記した崩壊型高分子化合物の側鎖
に、光重合性を示す不飽和二重結合やエポキシ環等を導
入すれば、ネガ型特性を示し、該特性を利用してパター
ニングが可能となる。例えば、メタクリル樹脂の側鎖の
一部にエポキシ環を付与した場合、本樹脂は電子線やX
−線を照射すると、エポキシ環の重合によってネガ型特
性を示す。一方波長250nmのDeep−UV光を照
射すれば、該波長の光はエポキシ環を励起せずにメタク
リル樹脂の直鎖で吸収され直鎖の切断を行なう。従って
、該樹脂パターンの形成は電子線やX−線にてネガ型特
性を使用してパターニングを行ない、インク吐出口形成
面の露光はDeep−UV光にて行なう等の組み合わせ
も可能となる。
【0028】分子構造中に不飽和二重結合やエポキシ環
を導入し、更には光重合開始剤を添加すれば、従来使用
される高圧水銀灯の光にてネガ型特性が得られる。この
特性を利用すれば、安価な露光装置にて該樹脂パターン
を形成できる。
【0029】これら特性を示す樹脂としては、前記した
崩壊型高分子化合物中にグリシジルメタクリレートを共
重合すればエポキシ環を導入できるし、あるいは該高分
子化合物中にメタクリル酸、メタクリル酸クロリド、ヒ
ドロキシアルキルメタクリレート等の反応基を有するモ
ノマーを共重合せしめた後、該反応基と(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸クロリド、ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート等を反応すれば、不飽和二重結
合を重合できる。
【0030】紫外線に対する反応性を付与する光開始剤
は通常使用される物を使用できるので具体例は列挙しな
い。エポキシ環の重合に対しては、ジフェニルヨードニ
ウムヘキサフルオロアルセネート等のオニウム塩等のカ
チオン重合開始剤を添加すれば良い。オニウム塩の具体
例も割愛する。
【0031】本発明においては、上記樹脂体3を基板1
上に形成した後、基板1上に図3に示すようにインク液
流路形成用パターンを形成する。
【0032】本方式は特開昭61−154947号公報
に記載される方法にてインク液流路を作製するもので、
まず図3に示すように、電離放射線崩壊型ポジレジスト
からなる可溶性樹脂によってインク液流路パターンを形
成するものである。即ち、樹脂体3の上面からインク吐
出エネルギー発生素子2の上面にかけて、更にその延長
方向に所定の距離にわたり、インク液流路形成用の可溶
性樹脂層4を基板1上に積層するものである。電離放射
線崩壊型の可溶性樹脂としては、メタクリル酸あるいは
メタクリルアミドのポリマー、及びこれらのモノマーが
30mol %以上共重合された樹脂がある。
【0033】これらメタクリル酸およびメタクリルアミ
ドと共重合するモノマーとしては、分子構造中にケトン
を有するもの、SO2 ビニル系のモノマーであってα
位に水素原子以外の原子が結合している物等が挙げられ
る。分子構造中にケトンを有する物としては、メチルビ
ニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、エチルビニ
ルケトン、tert−プロペニルケトン、ビニルフェニ
ルケトン等のビニル基を有するケトン系化合物が好まし
い。
【0034】SO2 ビニル系モノマーであって、α位
に水素原子以外の官能基が付加した化合物としては、メ
チルアクリレートの範疇が挙げられる。例えばメチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、(n,iso)
プロピルメタクリレート、(n,iso,tert−)
ブチルメタクリレート等非常に多くの種類が挙げられる
。 またα位の官能基としては、前記したメチル基以外にも
、シアノ基、塩素、フッソ等のハロゲン等が付加したモ
ノマーも一般に入手可能であり、α−シアノ(クロロ、
フルオロ)アクリレート、α−シアノ(クロロ、フルオ
ロ)エチルアクリレート等も使用できる。更にはα−メ
チル(クロロ、シアノ、フルオロ)スチレン、α−メチ
ル(クロロ、シアノ、フルオロ)スチレンのヒドロキシ
、メチル、エチル、プロピル、クロロ、フルオロ等の誘
導体等が使用できる。
【0035】これらのモノマーをメタクリル酸あるいは
メタクリルアミドと混合して重合することにより光崩壊
型高分子化合物を得ることができる。
【0036】メタクリル酸やメタクリルアミドとの共重
合比は、後述する被覆樹脂層の分子構造との関係によっ
て決定される。エポキシ樹脂を被覆樹脂層として使用す
る場合は、該モノマーの共重合比は30mol %以上
あればエポキシ樹脂には溶解しなくなる。またアクリル
系樹脂に対しては50mol %以上が必要である。こ
のように該モノマーの共重合比は被覆する樹脂によって
夫々に適した比率が存在するが、一般的には分子構造中
に30mol %以上含有されることが好ましい。即ち
、共重合比が30mol %に満たない場合は前記した
被覆材料および該材料の溶液に溶解し、パターンがなく
なってしまうか、あるいは被覆材料中に溶出可能なパタ
ーンを形成する材料が混入して、被覆材料の硬化物性を
変化させてしまう。
【0037】30mol %以上共重合すれば、前記し
たエポキシ樹脂には全く溶解しない為、微細なパターン
を安定して被覆できる。
【0038】このようにして重合した樹脂は、波長26
0nm以下の光、即ちDeep−UV光や、電子線及び
X−線等の電離放射線の照射によって分子鎖が切断され
、現像液に対する溶解性が高まり、ポジ型レジストとし
ての特性を示す。また未露光部に於いても、現像液の強
度を高めれば溶解せしめることが可能であり、前記した
液体噴射記録ヘッドの製造に使用することができる。ま
た前記したように、メタクリル酸およびメタクリルアミ
ドは水、アルカリ性水溶液との親和性が高く、通常の有
機溶剤である、ケトン、芳香族、エステル、エーテル等
には溶解しない。さらには、分子構造中にケトンを有す
るアクリル、メタクリル系モノマーやオリゴマー、分子
構造中にエポキシ環を有するエポキシ系モノマーやオリ
ゴマー等の溶液にも溶解しない。この為、前記したよう
に多くの不飽和二重結合を有する反応物質を被覆樹脂と
して使用できる。
【0039】また、積層方法としては前記樹脂体3の形
成方法と同様に、種々の方法が利用できる。また、上記
樹脂層4の延長端5は樹脂層4と同一の可溶性樹脂で一
体に形成されたインク液室形成用樹脂部6に連結してあ
る。
【0040】なお、一般的には、液体噴射記録ヘッドは
基板上に複数製造することが、コスト的に好ましい。こ
の為、該樹脂パターンと直交する位置にインク流路パタ
ーンを形成し、該樹脂パターンを対称中心として、両側
にインク吐出圧力発生素子を形成すれば、1回の精密な
切断にて2個のヘッドが製造できる。
【0041】本発明においては、上記のようにして形成
した樹脂層4を有する基板1上に、更に図4に示すよう
に被覆樹脂層7を積層するものである。被覆樹脂として
は、前記崩壊型高分子化合物であれば何れの樹脂でも使
用できるが、被覆手段に応じて選定する必要がある。例
えば、射出成型法等の加熱によって樹脂を軟化せしめ、
樹脂層4等を形成した基板1上に被覆する場合に於いて
は、樹脂層4等に対する、熱変形を起こさない温度にて
射出成型可能な樹脂を選択する必要がある。また、樹脂
を溶剤に溶解し、ソルベントコート法によって被覆する
場合は、溶剤が樹脂層4等を溶解しない様に選択する必
要がある。また、これら樹脂をベースフィルム上にコー
ティングしてドライフィルムとすれば上記積層構造の形
成は可能となる。
【0042】このようにして形成した被覆樹脂層7に対
して、図5に示すようにマスク8を介して電離放射線照
射を行なう。照射部は図5に示すように、樹脂体3上面
の周縁部を除く上面部分X、及び樹脂層4の延長部分Y
を含む部分である、電離放射線は前記したDeep−U
V光、電子線、X−線等が使用できる。特に液体噴射記
録ヘッド等のように厚膜での露光が必要な場合に於いて
は、Deep−UV光を使用する場合、樹脂の光透過性
に注意する必要がある。樹脂が芳香環を有する場合は特
に樹脂の光吸収が大きくなって基板面まで光が透過しな
くなる場面があり、Deep−UV光での露光は不適当
となる。電子線やX−線等は透過性が高く、このような
弊害は生じない。樹脂の構造と露光手段は前記特性に留
意して決定すべきである。
【0043】なお、電子線等により直接描画を行なう場
合にはマスクは必要としないものである。
【0044】上記のようにして、電離放射線照射を行な
うことにより、被覆樹脂層7、樹脂層4、樹脂体3の照
射部分を構成する樹脂は崩壊され、溶剤に可溶となる。
【0045】次いで、現像液に浸漬することにより、前
記照射部分を溶解除去し、これにより、図6に示すよう
にインク吐出面9、インク液室10が形成される。現像
液は被覆樹脂、樹脂パターン等を溶解できるものであれ
ば何れも使用できる。また同図面では樹脂層4の溶出は
行なっていないが、本工程にて一括して溶出しても構わ
ない。
【0046】次いで図7に示すように基板1を切断する
。基板の切断はダイシングソー等の機械的切断方法、レ
ーザー等の光加工、基板裏面から弗酸やアルカリ溶液に
て湿式バックエッチを行なっても構わない。切断箇所は
図6にて形成したインク吐出面9前方、即ち樹脂体3の
溶解除去部において切断する。本発明では、インク吐出
面9は基板表面に接していないため、切断精度はそれ程
高いことを要求されない。また切断面に基板の不規則な
破損が生じても構わない。しかしより高い精度にて切断
した方がヘッド特性は向上する為、切断後に研磨等の手
段によって基板切断部とインク吐出面9との距離を狭め
ることは、より好ましい結果を与える。次いで図8に示
すように樹脂層4を溶出する。樹脂層4の溶出は被覆樹
脂層7の現像工程にて一括して行なっても構わないが、
基板切断時に切断屑が生じる場合等が多く、該切断屑が
インク液流路中に入ることを防止する為、基板切断後に
溶出することがより好ましい。
【0047】このようにして、樹脂層4を溶解除去する
ことにより、インク吐出口11、インク液流路12が形
成され、これにより本発明に係る記録ヘッドが得られる
【0048】その後、インク供給口にインク供給の為の
手段を接合すれば、液体噴射記録ヘッドが形成される。
【0049】なお、基板1に対する樹脂体3、樹脂層4
、被覆樹脂層7の積層構造につき更に詳細に説明するた
めに、以下の具体例を示すと、例えば樹脂体3としてメ
チルメタクリレートとメタクリル酸との共重合体を基板
1上に塗布し熱架橋させた後、ポジレジストとしての特
性を利用してパターン化し、該樹脂体3上にメタクリル
酸やメタクリルアミド、あるいはメチルメタクリレート
とメタクリル酸との共重合体にてメタクリル酸の共重合
比を高めて水あるいはアルコール溶解性とした樹脂等を
塗布して、ポジレジストとして溶解可能なノズルパター
ンである樹脂層4を形成する。この後、被覆樹脂層7と
してメチルメタクリレートとメタクリル酸グリシジルの
共重合体にアミンを添加して、ノズルパターンが熱架橋
しない温度(約150℃以下)にて熱硬化させることに
よって本発明の層構成が実現できる。
【0050】本構成に於いては、樹脂体3は熱架橋され
ている為、以降の樹脂層4等の塗布工程に於ける溶剤や
樹脂が該パターンを溶解する問題はない。またポリメタ
クリル酸やポリメタクリルアミドは水溶性樹脂であり、
被覆樹脂層7をコートする際の溶剤等に溶解はしない。 またこれらメタクリル酸やメタクリルアミドを共重合し
た樹脂も、水やアルコール溶解性の為被覆樹脂層7の材
料の選択の範囲を広げられる。被覆樹脂層7は通常の芳
香族、エステル、ケトン系溶剤に溶解するタイプの何れ
も使用できる。本例に於いては、エポキシ環を導入した
構造とし、熱硬化によって被覆樹脂を固めることにより
、高い強度、耐熱性、基板との密着力を得ることが可能
となる。
【0051】これら樹脂はいずれもメタクリル系樹脂で
あり、電離放射線の照射によって分子鎖が切断され溶剤
に溶解し易くなる為、被覆樹脂層7を硬化した後、切断
する箇所に電離放射線を照射して現像すればインク吐出
面9を形成できる。溶媒としては例えばメチルイソブチ
ルケトン等がある。また、樹脂層4は水、アルコール、
アルカリ水溶液によって溶解除去できる。
【0052】もちろん本発明はこれら樹脂、積層方法に
限定されるものではなく、他の樹脂材料、積層手段によ
っても実現できるものである。
【0053】本発明は、特にインクジエット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録
を行なうインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0054】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれ
にも適用可能である。
【0055】この記録方式を簡単に説明すると、液体(
インク)が保持されているシートや液路に対応して配置
されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体(
インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じる様な
急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動信
号を印加することによって、熱エネルギーを発生せしめ
、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。この様
に液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信号
に一対一対応した気泡を形成出来るため、特にオンデマ
ンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収縮
により吐出孔を介して液体(インク)を吐出させて、少
なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパレス形
状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるの
で、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成で
き、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては
、米国特許第4463359号明細書、同第43452
62号明細書に記載されているようなものが適している
。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特
許第4313124号明細書に記載されている条件を採
用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0056】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。
【0057】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0058】更には、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがある
。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示され
ているような記録ヘッドを複数組み合わせることによっ
てフルライン構成にしたものや、一体的に形成された一
個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0059】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0060】又、本発明の記録装置に、記録ヘッドに対
する回復手段や、予備的な補助手段等を付加することは
、本発明の記録装置を一層安定にすることができるので
好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録
ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング手段
、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加
熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、
記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう手段
を付加することも安定した記録を行なうために有効であ
る。
【0061】更には、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
て構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色
カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを
備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0062】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行なってインクの粘性を安定吐出範囲に
あるように温度制御するものが一般的であるから、使用
記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い
【0063】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることも出来る。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化してインク液状として吐出するものや記録媒体
に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような
、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を持
つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0064】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に液状
又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。
【0065】本発明において、上述した各インクにたい
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0066】図9は本発明により得られた記録ヘッドを
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装
着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示
す外観斜視図である。
【0067】図において、20はプラテン24上に送紙
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行な
うノズル群を具えたインクジェットヘットカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
【0068】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置
26のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピ
ングに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜
の吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイ
ンク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送
を行ない、インクを吐出口より強制的に排出させること
によりノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処
理を行なう。また、記録終了時等にキャッピングを施す
ことによりIJCが保護される。
【0069】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作し
、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これによ
り、IJC20の記録動作にあける適切なタイミングで
、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理後
に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出させ
、IJC20の移動動作に伴なってIJC20の吐出面
における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるものであ
る。
【0070】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 レジスト樹脂の合成例下記液体噴射記録ヘッドの形成に
先立ち、レジスト材料の合成を行なった。
【0071】蒸留したテトラヒドロフラン50部に対し
て、モノマーを下記仕込量にて混合し、重合開始剤とし
てN,N’−アゾビスイソブチロニトリルを1部添加し
、窒素ガスをバブリングしながら60℃にて4時間攪拌
して樹脂を重合した。次いで反応液をシクロヘキサンに
投入して回収した後、テトラヒドロフラン−シクロヘキ
サン系にて洗浄し、乾燥して下記塗布溶剤に20〜25
wt%の濃度にて溶解しレジスト液とした。
【0072】モノマー仕込量としては、樹脂体形成材料
としてはメチルメタクリレート80部、メタクリル酸1
7.2部(モノマー比8:2)にて重合、塗布溶剤はジ
アセトンアルコールとした樹脂層形成材料としてはメチ
ルメタクリレート50部、メタクリル酸43部(モノマ
ー比5:5)、塗布溶剤はn−ブチルアルコールとジエ
チレングリコール9:1混合液 被覆樹脂層の材料としては、メチルメタクリレート80
部、メタクリル酸グリシジル26部(モノマー比8:2
)、塗布溶剤はトルエン、または本樹脂は塗布直前に硬
化剤としてトリエチルアミンを固形分に対して2部添加
した。
【0073】図1から図8に示す操作手順に準じて、図
8の構成の液体噴射記録ヘッドを作製した。
【0074】まず、インク吐出エネルギー発生素子とし
ての電気熱変換素子(材質HfB2からなるヒーター)
を形成したガラス基板上に、樹脂体形成材料としてメチ
ルメタクリレートとメタクリル酸共重合体(8:2)溶
液を70番のワイヤーバーを使用して塗布した。80℃
にて1時間加熱して溶剤を除去した後、200℃にて1
時間加熱して熱硬化させた。本被膜の膜厚は15μmで
あり、また該被膜はいずれの溶剤にも溶解しないものと
なっていた。
【0075】この基板をウシオ電機製のXe−Hgラン
プ(2kW)を使用した照射装置にて、マスクを介して
コンタクト露光法によりDeep−UV光の照射を行な
った。露光時間は10分間である。次いでメチルイソブ
チルケトンにて現像操作を行ない、図2に示す樹脂体を
形成した。尚樹脂体膜厚15μm、ヒーター先端から該
樹脂体までの距離は50μm、パターン幅60μmで形
成した。
【0076】次いで該樹脂体を形成した基板上に、樹脂
層形成材料としてメチルメタクリレートとメタクリル酸
共重合体(5:5)溶液を70番のワイヤーバーにて塗
布し、90℃にて10分間プリベークした。本膜の膜厚
は35μmであった。前記露光機にて15分間露光した
後、イソプロピルアルコールに3分間浸漬して樹脂層を
形成した。樹脂層内のパターン形成部以外の箇所は、樹
脂層形成時の露光にて露光されている為、メチルイソブ
チルケトンに5分間浸漬して溶解除去した。
【0077】次いで被覆樹脂液を100番のワイヤーバ
ーにて塗布し、90℃にて4時間加熱して硬化させ、被
覆樹脂層を形成した。本膜の膜厚は60μmであった。
【0078】この後、前記露光機にて30分間インク吐
出口形成予定面およびインク供給口予定部を露光した。 次いでメチルイソブチルケトンに10分間浸漬してイン
ク吐出面、インク供給口を形成した。
【0079】ダイシングソー(東京精密社製)にて樹脂
体の溶解除去部分において基板を切断した後、イソプロ
ピルアルコールに30分間浸漬して樹脂層を溶出した。
【0080】最後に、インク供給口にインク供給部材を
接着して液体噴射記録ヘッドを作製した。
【0081】このようにして、作製した液体噴射記録ヘ
ッドを記録装置に装着し、純水/グリセリン/ダイレク
トブラック154(水溶性黒色染料)=65/30/5
から成るインクを用いて記録を行なったところ、安定な
印字が可能であった。 実施例2 本実施例は電子線露光にて実施した例を記載する。
【0082】基板上に実施例1と同様に、ヒーターを形
成した。次いで  実施例1で合成したメチルメタクリ
レートとメタクリル酸グリシジルの共重合体(共重合比
=8:2)を光重合性樹脂とするため、アミンを添加せ
ずに、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフ
ェート(ミドリ化学社試薬)3部、2−クロロチオキサ
ントン(キシダ化学試薬)2部を樹脂重量に対して添加
しトルエンに溶解した。該樹脂を70番のワイヤーバー
にて基板上に塗布して80℃にて30分間プリベークし
た。本膜の膜厚は20μmであった。
【0083】基板をキャノン製マスクアライナーPLA
−520に装着して紫外線を照射した。照射量は10分
間、照射後100℃にて30分間ベークして樹脂の架橋
密度を高めた。次いでトリクロロメタンに3分間浸漬し
て現像を行なった。
【0084】次いで実施例1と同様にしてポジ型レジス
トパターンを形成した。レジストはポリメタクリルアミ
ド(富士フィルム社:FMR−E100)を濃縮し、7
0番のワイヤーバーにて塗布し、80℃にて30分間プ
リベークした。該被膜をウシオ電機製2kW、Deep
−UV照射装置にてコンタクト露光法によりパターン描
画した。露光時間は10分間であった。水とイソプロピ
ルアルコールの1:1混合液に5分間浸漬してパターン
を現像した。現像後、実施例1と同様にして被覆樹脂層
を形成した。被覆樹脂を熱硬化した後、電子線描画装置
(エリオニクス社:ELS−3300)にてパターン露
光し、インク吐出口形成面、インク供給口部に電子線照
射を行なった。露光量は70μC/cm2 であった。
【0085】メチルイソブチルケトンに10分間浸漬し
て被覆樹脂層を現像した。次いで実施例1と同様にして
ダイシングソーにて基板を切断した。水に20分間浸漬
して、ポジ型レジストパターンを溶出した。
【0086】実施例1と同様にインク供給部材を装着し
、インク供給、吐出試験を行なったところ、良好な印字
が可能であった。
【0087】
【発明の効果】以上説明した本発明によってもたらされ
る効果としては、下記に列挙する項目が挙げられる。 1)ヘッド製作の為の主要工程が、フォトレジストや感
光性ドライフィルム等を用いたリソグラフィー技術によ
る為、ヘッドの細密部を、所望のパターンで、しかも極
めて容易に形成することができるばかりか、同構成の多
数のヘッドを同時に加工することも容易にできる。 2)インク吐出面の形成を電離放射線露光にて行なう為
、ヒーターと吐出面間の距離をアライナー等の紫外線照
射装置のアライメント精度にて制御できるため、ヒータ
ーとインク吐出面の間隔が一定で、インク吐出面の滑ら
かなヘッドを安定に製造でき、歩留りの向上と印字品位
の向上が図れる。 3)主要構成部材の位置合わせを容易にして確実に成す
ことが可能であり、寸法精度の高いヘッドが歩留りよく
製造できる。 4)高密度マルチアレイ液体噴射記録ヘッドが簡単な手
段で得られる。 5)接着剤による微細部の接着が必要ない為、接着剤が
インク流路やインク吐出口を塞ぐことがなく、ヘッドの
機能低下を招かない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において、吐出エネルギー発
生素子を配設した基板を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明の一実施例において、樹脂体を形成した
基板を示す模式的斜視図である。
【図3】本発明の一実施例において、インク液流路を形
成する溶解可能な樹脂パターンを形成した基板を示す模
式的斜視図である。
【図4】本発明の一実施例において、被覆樹脂層を形成
した基板を示す模式的斜視図である。
【図5】本発明の一実施例において、被覆樹脂層を設け
た基板に電離放射線露光を行なう工程を示す模式的断面
側面図である。
【図6】本発明の一実施例において、インク供給口、イ
ンク吐出面を形成した基板を示す模式的断面側面図であ
る。
【図7】本発明の一実施例において、ダイシングソーで
切断した基板の模式的断面側面図である。
【図8】本発明に係る記録ヘッドの模式的断面側面図で
ある。
【図9】本発明に係る記録ヘッドを備えた記録装置の説
明図である。
【符号の説明】
1    基板 2    吐出エネルギー発生素子 3    樹脂体 4    樹脂層 5    延長端 6    樹脂部 7    被覆樹脂層 8    マスク 9    吐出面 10    インク液室 11    インク吐出口 12    インク液流路 16    キャリッジ 17    駆動モータ 18    駆動ベルト 19A,19B    ガイドシャフト20    イ
ンクジェットヘッドカートリッジ22    クリーニ
ング用モータ 23    伝動機構 24    プラテン 26    キャップ部材 30    ブレード 31    ブレード保持部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  基板上にインク吐出エネルギー発生素
    子と、前記素子と所定間隔離間して電離放射線崩壊型ポ
    ジレジストからなるインク吐出口形成用樹脂体を配設す
    ると共に、樹脂体から素子に至り、更にその延長方向に
    所定距離だけ至る電離放射線崩壊型ポジレジストからな
    るインク液流路形成用可溶性樹脂層を積層する工程と、
    前記可溶性樹脂層上に電離放射線崩壊型ポジレジストか
    らなる被覆樹脂層を積層する工程と、樹脂体の一部及び
    樹脂層延長部分の一部に被覆樹脂層上方向から電離放射
    線を照射した後、現像することにより照射部下方向の被
    覆樹脂層、樹脂層及び樹脂体を溶解除去すると共に、必
    要により基板を溶解除去した位置において切断する工程
    と、前記樹脂層を溶解除去する工程とを有する液体噴射
    記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の製造方法で製造した液
    体噴射記録ヘッド。
  3. 【請求項3】  インク吐出エネルギー発生素子が電気
    エネルギーを与えることによって発熱し、インクに状態
    変化を生ぜしめて吐出を行なわせるための電気熱変換体
    である請求項2記載の記録ヘッド。
  4. 【請求項4】  記録媒体の記録領域の全幅にわたって
    吐出口が複数設けられているフルラインタイプのもので
    あることを特徴とする請求項2記載の記録ヘッド。
  5. 【請求項5】  記録媒体の被記録面に対向してインク
    を吐出する吐出口が設けられている請求項2記載の記録
    ヘッドと、該ヘッドを載置するための部材とを少なくと
    も具備することを特徴とする記録装置。
JP10360791A 1991-04-10 1991-04-10 液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた記録装置 Pending JPH04312854A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5730889A (en) * 1992-01-06 1998-03-24 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording head, fabrication method thereof, and printer with ink jet recording head

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5730889A (en) * 1992-01-06 1998-03-24 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording head, fabrication method thereof, and printer with ink jet recording head

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