JPH04218263A - 燃料電池のアノード用原料およびその製造方法 - Google Patents

燃料電池のアノード用原料およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は燃料電池の多孔性の陽
極を製造するための、ニッケルを主成分とする合金用の
粉末の原料であって、0.5〜10重量%のアルミニウ
ム、チタン、ジルコンのいずれかを含む出発原料、およ
び燃料電池の陽極の製造用のニッケルを主成分とする合
金を製造するための粉末出発原料の製造方法、および燃
料電池の陽極の製造方法、および上記の方法で得られる
陽極、および上記陽極を用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】上記方法は粒度が3〜30ミ
クロンのニッケルを主成分とする粉末合金を開示してい
る欧州特許出願0259226号から公知である。上記
粉末は、噴射圧400kg/cm2 で、0.02〜2
m3 の水を噴霧することによって製造するのが望まし
い。
【0003】つい最近まで、溶融カルボネート燃料電池
用の陽極の製造方法として最も一般的なのは、カルボニ
ル−ニッケル粉と1〜10重量%のクロム粉とを混ぜ合
わせる方法であった。上記粉末をテープ状にしたものを
平らなベース上で注型した後、焼結する。もうひとつの
一般的な方法としては、100%のカルボニル−ニッケ
ル粉でできたテープを注型、焼結した後、Cr(NO3
 )2 の水溶液に浸漬し、次に乾燥させ熱処理する方
法がある。
【0004】どちらの方法の場合でも、以下の条件を満
たすカルボニル−ニッケル粉を用いるのが望ましい。 a)ニッケル粉の一次粒子は粒度が約3ミクロンの特殊
な鎖状構造を有するため、陽極材料の気孔を望ましい大
きさにすると共に、陽極材料の構造を最も好ましいもの
にすることができる粉末 b)値段が安いもの しかしこのような粉末を用いると、電池中で比較的高い
温度(650〜700℃)で用いているうちに、1〜1
0重量%のクロムを含む陽極原料のクリープが過度にな
り、その結果原料が収縮しやすくなる、特に垂直方向に
加えられる2〜4kg/cm2 の負荷の影響で厚みが
著しく減るという欠点がある(電池の構造上通常このよ
うな負荷が加わる)。その結果長期間にわたって電池の
性能が低下する。
【0005】0.5〜10重量%のアルミニウムを含む
ニッケルからなる陽極原料のクリープ特性は、溶融カル
ボネートの燃料電池中では目立って良くなるということ
が知られている。
【0006】このような陽極を製造する方法としては、
ニッケル粉を、ニッケル粉とほぼ同じ粒度を有する0.
5〜10重量%のアルミニウム粉と混ぜ合わせて、この
混合物をテープの注型、焼結に用いる方法が考えられる
。 しかしアルミニウムの融点は660℃であるのに対して
、焼結は900〜1100℃で行なわれるので、アルミ
ニウムが早く溶けてしまい、その結果アルミニウムとニ
ッケルとの間で発熱反応が起こる。このような反応は実
際には制御が不可能で、アルミニウム−ニッケル化合物
が生じ、その結果比較的大きな凝集塊の形成によって構
造が完全に破壊されると共に、気孔の構造も望ましくな
いものになる。さらに、粒度が望ましい値である3ミク
ロン以下のアルミニウムはO2 の吸収に対して非常に
影響されやすいので、Alの粉末あるいはその混合物は
O2 の存在しない環境でしか用いることはできない。 これは大幅なコストアップにつながる。
【0007】0.5〜10重量%のAlを含む陽極を製
造するもうひとつの方法としては、噴霧により製造され
る望ましい組成を有する粉末を用いる方法が考えられる
。 噴霧は水の噴霧でも気体の噴霧でもよい。
【0008】この方法の欠点は: a)噴霧によって得られる粉末は、特に粒径が3ミクロ
ン程度の細かい粉末が必要な場合は、高価であることと
、 b)この粉末の粒子の形は球形に近いのに対し、カルボ
ニルニッケルは鎖状構造であることである。粒子が球形
であることは望ましい陽極構造を得る上で大きな欠点で
ある。
【0009】前提部に記載のタイプの出発原料において
、カルボニル−ニッケル粉末と、粒度が1〜10ミクロ
ンのアルミニウムと、チタンと、ジルコンの金属間化合
物の混合物を用いて製造することを特徴とする原料が発
見された。この場合、融点が十分高い金属間化合物を用
いる。上記金属間化合物の重量百分率は、所望の元素が
陽極原料中に0.5〜10重量%存在する範囲内に決定
される。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明が講じた技術的手段は、カルボニル−ニ
ッケル粉末を、所望の元素が陽極原料中に0.5〜10
重量%存在するだけの量の金属間化合物と混ぜ合わせる
と共に、上記金属間化合物の粒度を1〜10ミクロンと
することを特徴とする。
【0011】この発明の粉末を基材に塗布し、900〜
1100℃の温度で適切な方法で焼結することにより、
燃料電池用の陽極が得られる。
【0012】こうして得られた陽極は公知の方法で燃料
電池中で非常に効果的に用いることができる。
【0013】上記方法および上記粉末出発原料に用いる
金属間化合物として適しているのは、NiAl、Ni2
 Al3 、NiAl3 、NiTi、NiTi2 、
NiZr、NiZr2 である。
【0014】金属間化合物はもろいので、粒度が小さく
なるまで粉砕することが簡単にしかも安くできる。
【0015】そこでニッケル中に0.5〜10重量%の
Alを含む陽極を製造するために、たとえば金属間化合
物NiAlを、粒度が10ミクロン未満、平均粒度が約
3ミクロンになるまで粉砕する。次に十分に細かくした
NiAl粉をカルボニル−ニッケル粉末と混ぜ合わせる
ことによって、混合物中のAlの重量百分率を所望の値
にすることができる。たとえば混合物中のAlの量を5
重量%にするためには、15.88重量%のNiAlを
カルボニルニッケルに加えればよい。
【0016】
【実施例】平均粒度が2.9ミクロンのカルボニル−ニ
ッケル粉末を、NiAlと混ぜ合わせて(NiAlの量
は、混合物中に15.88重量%のNiAlが含まれる
だけの量とする)粉末出発原料を製造した。(NiAl
の平均粒度は5.9ミクロン)。この混合物を、いわゆ
る「テープ注型」法を用いて約1mmの厚さのシート材
料上で焼結することによって陽極材料を製造する方法に
用いた。
【0017】40×100mmの寸法の上記シート材料
のひとつを、1000℃の還元雰囲気中で(75%N2
 +25%H2 )、酸化アルミニウムの支持基材に載
せて30分間焼結した。焼結後90%のアルミニウムが
拡散してニッケルになったことがマイクロプローブで確
かめられた。同じことがX線回析テストによっても確か
められた。
【0018】この小さな焼結板を支持基材から取り外し
、そこから取った直径19.4mmの小さな板を溶融カ
ルボネート燃料電池の陽極に用いた。150ミリアンペ
ア/cm2 の負荷を加えて、5000時間テストを行
った結果、電池の電位は925ミリボルトから920ミ
リボルトにまで5ミリボルト低下した。
【0019】同様の条件下で、Ni−10重量%のクロ
ムの陽極を用いた場合の電池の電位は確実に25ミリボ
ルトは低下する(ことが経験的に知られている)。
【0020】燃料電池の目標寿命を40000時間、初
期の電位を925ミリボルトとすると、最終段階におけ
る負荷をかけた状態での電位は、NiAl陽極で885
ミリボルト、NiCr陽極で725ミリボルトというこ
とになる。この違いからもNiAl陽極のほうが優れて
いることが分かる。
【0021】
【発明の効果】この発明の効果として以下のものが挙げ
られる。
【0022】a)好ましい特性をもったカルボニル−ニ
ッケル粉末を用いることができる。 b)添加する金属間化合物の粒度はほとんどどんな値に
でもすることができる。 c)アルミニウムは別の元素と化合しているので酸素を
吸収しにくい。 d)たとえばニッケル−アルミニウムの融点である16
38℃はテープの焼結温度(900−1100℃)より
もはるかに高いので、陽極の焼結中は十分に管理された
状態での反応しか起こらない。その結果好ましい陽極の
構造が得られる。各金属間化合物の融点を示す。   NiAl      Ni2Al3      N
iAl3     NiTi      NiTi2 
    NiZr      NiZr2  1638
℃    1550℃      1100℃    
1310℃    1000℃    1260℃  
  1120℃e)アルミニウムは焼結工程中にNiA
lから拡散してカルボニルニッケルになるため、NiA
lの融点は1385℃以下になる。したがってまだ焼結
温度よりはるかに高い。もちろん同じことは上で挙げた
他の金属間化合物にも当てはまる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  燃料電池の多孔性陽極を製造するため
    のニッケルを主成分とする合金用の原料であって、0.
    5〜10重量%のアルミニウム、チタン、ジルコンを含
    む粉末出発原料において、カルボニル−ニッケル粉末と
    、粒度が1〜10ミクロンのアルミニウム、チタン、ジ
    ルコン金属間化合物の粉末の混合物を用いて製造するこ
    とを特徴とする原料。
  2. 【請求項2】  燃料電池の陽極を製造するためのニッ
    ケルを主成分とする合金を製造するための粉末出発原料
    の製造方法において、カルボニル−ニッケル粉末を、所
    望の元素が陽極原料中に0.5〜10重量%存在するだ
    けの量の金属間化合物に混ぜ合わせると共に、上記金属
    間化合物の粒度が1〜10ミクロンとなるようにしたこ
    とを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】  上記金属間化合物として、NiAl、
    Ni2 Al3 、NiAl3 、NiTi、NiTi
    2 、NiZr、NiZr2 の一種又は二種以上を組
    合せて用いることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】  NiAl、Ni2 Al3 、NiA
    l3の一種又は二種以上を組合せて用いることを特徴と
    する請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】  燃料電池用の陽極を製造する方法にお
    いて、請求項1に記載の粉末あるいは請求項2〜4のい
    ずれかの項に記載の方法によって得られる粉末を、基材
    に塗布し、900〜1100℃の温度で焼結することを
    特徴とする方法。
  6. 【請求項6】  請求項5に記載の方法によって得られ
    る陽極。
  7. 【請求項7】  請求項6に記載の陽極を備えているこ
    とを特徴とする燃料電池。
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