JPH04216937A - 表面の湿り特性の制御のための方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、表面の湿り特性の制御
のための方法と装置に関するもので、本発明による装置
は例えば、輪転機内のシリンダーの表面の湿り特性を制
御するために提供される。

【０００２】

【従来の技術】２つ以上の印刷ユニットを持つ印刷機を
通過する用紙の経路においては、用紙の新しく印刷され
た面が移送用シリンダーの外側の円筒状表面と接触する
。両面印刷においては、回転の後、用紙のまだ湿ってい
る面が付加的に、次の印刷ユニットの印刷シリンダーの
シートガイド面に対して押し付けられる。高度の印刷品
質を得るためには、シート（枚葉紙）移送用シリンダー
および印刷シリンダーの外側の円筒状表面上に、可能な
限りインクの付着を少なくすることが特に重要である。

【０００３】可能な限りインク受容を小さくし、そして
インク排除特性を良好にしたシリンダージャケットを作
るために、種々の努力が繰り返されてきた。特にに目立
つ例は、ＤＥ−ＰＳ第２４　　４６　　１８８号で説明
されているシリンダー表面仕上げであって、輪転機の背
圧シリンダーまたは用紙移送用シリンダーの、シートガ
イド用の外側の円筒状表面が、複数の球状カップの形状
構造を有しているものである。この複数の球状カップは
等しい高さであり、そしてシリンダー仕上げ面の全体に
わたって、統計的に一様に分配されている。その表面構
造自体が背圧エリアを減少させ、そしてその結果、裏面
印刷の間の接触エリアを減少させる。球状カップの等し
い高さは、一様な背圧エリアを創造する一方、球状カッ
プの統計的に一様な分配は、印刷物におけるモアレ紋様
の形成される危険を避ける働きもする。　　最初からイ
ンク受容を最少にするため、ホイル材としてニッケルが
用いられる。ニッケルは望ましい物理的ならびに化学的
特性を有しているのであって、それはインク反発性、破
損耐性および印刷機に用いられている化学物質に対する
広い化学的耐性である。

【０００４】前記シリンダーの表面仕上げを改善するも
のとして、ＤＥ−ＯＳ第２９　　１６５０５号が提案さ
れており、そこでは微細な粗さを補うように薄いクロム
の層が、耐性のある、非摩滅性の、しかも剛直な材料で
作られた基層で構成される表面に付加的に加えられてお
り、前記基層は良好なインク除去特性を有している（例
えばニッケル）ものである。この構造は、第一にホイル
の寿命およびクロム層の寿命を延ばし、第二にその滑ら
かさを増した表面によって、一定の期間毎に必要とされ
るホイルのクリーニングを容易にした。

【０００５】金属ニッケルおよびクロムの、インク受容
に関しては都合の良いそれら特性にもかかわらず、従来
は用紙の回転の後に印刷シリンダーを時々清掃する必要
があった。実際には、クロムおよびニッケルの少インク
受容特性は特にシリンダー表面が（例えばプレートクリ
ーナーのような）酸化媒体で処理された後に著しく改善
されることが示されてきた。この件に関する別の経験は
、最終的には、満足できる方法でのそれら金属の「イン
ク排除」特性は、湿式オフセット印刷では不可欠の酸性
の貯蔵容器溶液を加えることに関連してのみ発生すると
いうことを確証することとなった。

【０００６】

【発明の目的】従来の技術から考え、本発明の目的は、
金属表面の湿り気を望ましい状態に調節することを可能
にするような方法と装置を提案することである。

【０００７】

【発明の構成】本発明の目的は、請求の範囲第１項と第
２項に記載の特徴によって達せられる。

【０００８】本発明は、例えばアルミニウムをも含む遷
移金属群内の金属は、ある外部条件の下で不動態化しな
いし不活性化、その金属の表面上に密度の高い、しっか
りと接着した酸化または水酸化膜が形成されて、前記膜
はほとんど完全に金属のそれ以上の腐食を防止する、と
いう公知の物理−化学上の原理に立脚している。電極電
位／ＰＨダイヤグラム（ポワベイックスダイヤグラム）
と呼ばれるものは、腐食モニターに関して極めて実用的
である。それらのダイヤグラムは腐食システムの熱力学
データーをグラフィックに表わしており、そして特に、
金属の表面不動態状態を達成するために、ＰＨ値の関数
としてどのように電極電位が選択されるべきであるかの
、正確な情報を提供する。

【０００９】本発明によれば、異なる化学的表面コーテ
ィングによる、ある金属の不動態化は、１つの方法とそ
の方法を実行するための装置を実現させるのに用いられ
るが、前記方法と装置とは金属表面の湿り性を制御する
ことを可能にするものである。

【００１０】本発明による装置の、改善的な発展例にお
いては、湿りローラーは、例えば横穴を持つステンレス
鋼管から作ることが提案される。このステンレス鋼管は
、泡状プラスチックによって、あるいは非金属ブラシで
覆われている。この設計は、２つの利点を提供するもの
であって、泡状プラスチック内の、またはブラシ内の電
解質の一様な分配は、第１に発泡性プラスチックまたは
ブラシ内の電気抵抗が一定であることを、第２に、この
設計は湿らされるべきシリンダーの表面への電解質の一
様な、最終的には計量された使用を可能とするものであ
る。少量とはいってもインク内に混濁した液体は常にイ
ンクを希釈し、そしてその結果、最終的な分析において
はインク表現を変化させ、および／または印刷物の品質
を低下させるので、オフセット印刷においては、このこ
とは極めて重要なことであるのは当然である。

【００１１】別の実施例は、湿りローラーが問題のシリ
ンダーの表面と常時当接接触を保つようにして提供され
る。反対に、機構（メカニズム）を介して、湿りローラ
ーをシリンダーの表面と係合するように、またはそれを
シリンダーの表面から離すようにすることも可能である
。

【００１２】本発明による装置の実施例においては、湿
りローラーがプラスチック接合体ないし結合手段によっ
て、それぞれの印刷ユニットの側壁に保持されることが
提案される。この手段は、湿りローラーの電気的絶縁性
に関する、さらなる別の措置を不要とする。

【００１３】本発明による装置の改善的な発展は、湿り
ローラーが固有の駆動機と共に設けられるか、または逆
に、湿りローラーが、湿されるべきシリンダーの表面と
摩擦型接触となるようにも設けられる。各湿りローラー
は、新しく印刷された用紙の、まだ湿っている面と直接
的に接触しているシリンダーに割当てられている。表印
刷の場合には、これらシリンダーは移送シリンダーであ
り、表および裏印刷の場合には、これらシリンダーは移
送シリンダーであって、そして特に用紙の反転の後には
印刷シリンダーである。

【００１４】しかも、湿りローラーをダンピング液ディ
ストリビューターに割当てること、そして電解質とダン
ピング液ディストリビューターとの間の適正に選択され
た電圧によって、ダンピング液ディストリビューターの
外側円筒状表面上に親油性（親水性）水酸化層、前記層
はディストリビューターの表面を不動態化させる、を創
造することが有利である。

【００１５】特に改善的に考えられることは、ダンピン
グ液アプリケーターローラーの形状をなす湿りローラー
が印刷板と係合するようにした実施例である。

【００１６】オフセット印刷に関する印刷組版の印刷領
域に親油性のジアゾコーティングが施され、１方、非印
刷像領域では露光の後にジアゾ層が洗い流され、そして
普通はアルミニウムである親油性のプレート材料が表面
に運ばれる。例えばアラビアゴムを持つ、プレートの保
護コーティングにかかわらず、アルミニウムは酸化され
て親油性の酸化アルミニウムとなる。その結果として、
印刷組版の本来の非像領域は、印刷処理の期間中、イン
クを受容することができ、結果的に薄皮ができる。本発
明による方法および本発明による装置は、印刷組版の非
像領域における酸化物のこの形成を防止することを効果
的に可能とする。これは印刷組版の稼動寿命を延ばすこ
とを十分に可能とする。

【００１７】

【実施例】本発明は以下の図面類を参照して、より詳細
に説明される。

【００１８】図１は、側面から見て２つの印刷ユニット
２ａ，ｂを持つ印刷機１の詳細図である。給紙テーブル
３は概略的に示されている。両方の印刷ユニット２ａ，
ｂともインキングユニット４ａ，ｂおよびダンピングユ
ニット５ａ，ｂの、通常のローラー配置を有している。 印刷組版はプレートシリンダー６ａ，ｂ上に取り付けら
れる。インクが付けられた印刷組版は印刷される像をゴ
ム−ブランケットシリンダー７ａ，ｂ上に転移させる。 ゴム−ブランケットシリンダー７ａ，ｂから、印刷対象
は用紙１２に加えられる。図１には、印刷機１の２つの
印刷ユニット２ａ，ｂを通る用紙の通路が示されている
。用紙１２は、その前縁においてレジスターフィードド
ラム９のグリップ装置によって捕えられ、そして印刷速
度にまで加速される。印刷シリンダー８ａにおいて、対
象は相応する色で印刷される。移送用シリンダー１０ａ
を通して、それがさらに移送されるのに従い、用紙の新
しく印刷された面は、そのシリンダーの外側の円筒状表
面と接触するようになる。表側印刷の場合には、ストレ
ージドラム１１のグリッパーがその前縁で用紙１２を捕
え、そして用紙の印刷された側は第２の印刷ユニット２
ｂの移送用シリンダー１０ｂの外側円筒状表面上に置か
れる。

【００１９】表面および裏面印刷（両面印刷）の場合に
は、用紙の後縁がストレージドラム１１のグリッパーに
よって捕えられて、そして移送シリンダー１０ｂを経て
、次の印刷ユニット２ｂに移送される。続いて用紙１２
は、その新しく印刷された面によって、印刷シリンダー
８ｂ上に置かれる。印刷対象は圧力の下で印刷されるの
で、この印刷シリンダー８ｂの外側の円筒状表面の少イ
ンク受容性と良好なインク除去特性とは、印刷物の品質
に関して重大な役割を持つ。さらに図１に示されている
のは、印刷機において湿りローラー１３のために結果的
に電位が加えられていることである。湿りローラー１３
は、用紙の新しく印刷された面がシリンダーの表面上に
滞まるところでは、有用である。しかも、湿りローラー
をダンピング液ディストリビューター１４ａ，ｂに係合
させることや、または湿りローラー１３をダンピング液
アプリケーターローラーとして使用することの、いずれ
もが可能である。

【００２０】図２および図３は湿りローラー１３の設計
に、そしてそれがどのように印刷ユニット２ａ，ｂの側
壁２１に取付けられるかに関連した図である。

【００２１】図２は、印刷ユニット２ｂの印刷シリンダ
ー８ｂを通る、長さ方向の断面図を示している。シリン
ダー８ｂの軸は印刷ユニット２ｂの側壁２１に設けられ
た相応する穴に係合している。湿りローラー１３はシリ
ンダーの外側の円筒状表面に接触している。固定装置２
１によって、湿りローラー１３は印刷ユニット２ｂの側
壁２１に取り付けられている。この固定装置２０はプラ
スチックで作られている。これは自動的に湿りローラー
１３を印刷機１からに電気的に絶縁する。湿りローラー
１３は、横穴１７を持つステンレス鋼管１６を有し、そ
して泡状プラスチックコーティング１５が設けられてい
る。電解質１８は供給線１９を経てステンレス鋼管１６
に供給される。（図２には示されていない）制御装置は
、湿りローラー１８に電解質１８を供給すると共に、電
解質１８のＰＨ値を制御する。直流電流源２２は電解質
１８と印刷シリンダー８ｂとの間に接続され、制御装置
２３によって電解質１８のＰＨ値の関数としてコンピュ
ーター制御される印刷シリンダー８ｂの表面の不動態化
のために必要な電圧を印加する。

【００２２】図３は第２図の断面図を示している。ステ
ンレス鋼管１６、横穴１７および泡状プラスチックコー
ティング１５を有する湿りローラー１３は、湿りローラ
ー１３が、例えばカムの制御の下で旋回させられるよう
な形で、印刷シリンダー８ｂとの接触に入ることも、そ
して接触を解除することもできるような方法で保持され
ている。

【００２３】図４は、不動態化できる金属クロム（Ｃｒ
）の電位／ＰＨダイヤグラムと呼ばれるものを示してい
る。斜線を施した範囲は、そこでは腐食、すなわち金属
の分解が生じている領域であることを示し、１方斜線の
施されていない範囲は、そこでは酸化または水酸化の堅
い表面層によって金属が不動態化されている領域である
ことを示している。破線は水素および酸素に平衡する、
溶液のＰＨ依存の酸化還元反応電位を表わしている。

【００２４】図５は、電解質中の不動態化された金属に
関する、アノード不極作用曲線と呼ばれるものを概略的
に表わした図である。この目的のために、電極から溶液
中へのアノードネット電流Ｉの常用対数が電極電位Ｅに
対してプロットされている。外部電流がなければ、ここ
には固定的な電極電位が存在する。電位が増加すれば、
アノードネット電流Ｉは電極から溶液中に流れ、金属は
分解する。電位がさらに増加すれば、飽和電流Ｉｓに至
る。電位Ｅが前述の不動態電位Ｅｐと呼ばれるものを越
えて増加すると、薄い、ポアフリーの水酸化層が金属の
表面上に形成される。この金属の不動態化は、電流Ｉが
１０分のいくつかにまで極めて明確に降下するという結
果を生じさせる。アノード電位がさらに増加すると、酸
素が水から発生する段階に達するまでは、電流は一定の
ままである。超不動態化領域と呼ばれる領域では、電流
は再び急に上昇する。

【００２５】

【発明の効果】本発明により、金属表面の湿り気を望ま
しい状態に調節することを可能にするような方法と装置
を実現できるという効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

【図１】２つの印刷ユニットを持つ印刷機の側面図であ
る。

【図２】本発明による装置の、長さ方向での断面図であ
る。

【図３】本発明による装置の横方向断面図である。

【図４】クロムの電位／ＰＨ図である。

【図５】印加される電圧の関数としての、アノード電流
密度の対数的に表現された関係の特性図である。

【符号の説明】

１　　　　印刷機 ２　　　　印刷ユニット ３　　　　給紙テーブル ４　　　　インキングユニット ５　　　　ダンピングユニット ６　　　　プレートシリンダー ７　　　　ゴム−ブランケットシリンダー８　　　　印
刷シリンダー ９　　　　レジスタ−フィードドラム １０　　　　移送用シリンダー １１　　　　ターニングドラム（ストレージドラム）１
２　　　　用紙 １３　　　　湿りローラー １４　　　　ダンピング液ディストリビューター１５　
　　　発泡プラスチックコーティング１６　　　　ステ
ンレス鋼チューブ １７　　　　横穴 １８　　　　電解質 １９　　　　供給線 ２０　　　　固定装置 ２１　　　　側壁 ２２　　　　直流電源 ２３　　　　制御装置

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　不動態化ないし不活性化できる金属の
   湿り特性の制御のための方法において、電解質（１８）
   を金属の表面と接触させ、そして電解質（１８）と金属
   との間に電圧を加え、前記電圧の値を電解質（１８）の
   ＰＨ値に依存して、また、夫々の金属に依存して選定し
   、ここにおいて親油性（疎水性）または疎油性（親水性
   ）の表面状態が得られるように当該ＰＨ値に依存してま
   たそれぞれの金属に依存して選定することを特徴とする
   方法。
2. 【請求項２】　　シリンダーの表面の湿り性の制御のた
   めの装置例えば輪転機における上記装置において、シリ
   ンダーの表面が不動態化できる金属で作られており、湿
   りローラー（１３）と制御装置（２３）を持つ湿り装置
   が設けられ、上記湿りローラー（１３）は電解質（１８
   ）をシリンダーの表面に加え、そして上記制御装置（２
   ３）は、電解質（１８）のＰＨ値の関数として、そして
   シリンダーの表面の望ましい不動態状態が得られるよう
   にそれぞれの表面金属の関数として、電解質（１８）と
   シリンダーとの間の電圧の値を定めることを特徴とする
   装置。
3. 【請求項３】　　上記湿りローラー（１３）は、横穴（
   １７）を持つ導電性の、耐腐食性の材料（例えばステン
   レス鋼）からなる管で作られており、そしてその管（１
   ６）は外部的に発泡プラスチックまたはブラシで覆われ
   ているような、請求項２記載の装置。
4. 【請求項４】　　上記湿りローラー（１３）は常に、湿
   らされるべきシリンダーの表面と接触しているような、
   請求項２記載の装置。
5. 【請求項５】　　選択的に湿りローラー（１３）は、湿
   らされるべきシリンダーの表面と係合することも、ある
   いは湿らされるべきシリンダーの表面から離されること
   もできるような、請求項２記載の装置。
6. 【請求項６】　　湿りローラー（１３）が、プラスチッ
   ク部品によって印刷ユニット（２）の側壁（２１）に保
   持されているような、請求項２記載の装置。
7. 【請求項７】　　湿りローラー（１３）は、それ自体の
   駆動機を持っているか、または湿らされるべきシリンダ
   ーの表面と摩擦型の接触をしているような、請求項２記
   載の装置。
8. 【請求項８】　　湿りローラー（１３）が、移送用シリ
   ンダー（１０）および／または、両面印刷の場合には、
   印刷シリンダー（８）に割付けられているような、請求
   項１から７までのうちいずれか１項または複数に記載の
   装置。
9. 【請求項９】　　湿りローラー（１３）がダンピング液
   ディストリビューター（１４）に割付けられているよう
   な、請求項１から８のうちいずれか１項または複数に記
   載の装置。
10. 【請求項１０】　　ダンピング液アプリケーターローラ
    ーの形式の湿りローラー（１３）がプレートシリンダー
    （８）と係合しているような、請求項１から９のうち１
    項または複数に記載の装置。