JPH0421440Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、開いた門扉から手を離すと門扉が
自動的に閉じられる門扉用自動閉扉装置に関す
る。

〈従来の技術〉 扉体を自動的に閉じる装置としてドアチエツク
が広く利用されている。この装置は一般家屋等の
玄関、中扉などの上部に取付けられ、油圧の作用
で扉体を閉じるようになつている。また簡単な装
置としては扉体の取付部にばねを装付し、ばねの
復帰作用を利用して扉体を閉じる形式のものが知
られている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 ところで、ドアチエツクは油圧を利用するため
構造が複雑で高価になるのと取付場所にも自ら限
界があつて屋外の門扉には適さないという問題が
ある。また扉体をばね作用で閉じる技術は、ばね
の復帰力の抑制ができないため力が強すぎて閉扉
時のスピードのコントロールができず従つて目隠
し程度の小形扉体に利用されるに過ぎないという
不利がある。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案は従来技術に鑑みなされたもので、す
なわち門柱Ａに取付けられる固定金１の先端部に
埋設した上カム２に固定金内面を可動する下カム
３を臨ませ、上下カム２，３の中心部に挿通した
縦軸４上部を固定金１の上方に突出せしめると共
に縦軸４の回動に連動する下カム３の下面に、縦
軸下部に装付した押上げばね５を臨ませ、而して
縦軸４上部に固着した支軸７に門扉Ｂの取付金９
を嵌合固着することによつて門扉を自動的に閉扉
する装置を提供することを所期している。

〈作用〉 いま第１図、第２図のように門扉Ｂが閉じられ
た状態にあるときは押上げばね５によつて下カム
３は固定金１の内面に没入し、従つて上カム２の
凹面内に下カム３の凸面が合致している。

この状態より門扉Ｂを開くと取付金９を固着し
ている支軸７が回動するので支軸と共に縦軸４が
回動する。縦軸４が回動すると縦軸に連動する下
カム３は固定金１内面を回動し、これに伴つて下
カム凸面の接触部は上カムの凸面に移行するので
下カム３は自ら縦軸４に沿つて下降し、下カム３
が下降すると圧接を受けて押上げばね５は収縮す
る。

第３図、第４図のように開かれた状態の門扉Ｂ
から手を離すと、押上げばね５の伸長作用によつ
て下カム３が押上げられ、該下カムは上カム２に
接しつゝ固定金１内面を前記と逆方向に回動する
と共に縦軸４に沿つて上昇する。下カム３が回動
すると縦軸４も連動して回動し、従つて縦軸上端
に嵌合固着している支軸７が回動するので支軸と
共に取付金９は回動させられ、それ故門扉Ｂは閉
じられる。

〈実施例〉 １は基部を門柱Ａの裏側に固着した固定金で先
端部が円筒状に膨出形成され、先端部に上カム２
が埋設固着されている。３は上カム２に臨ませた
下カムで、固定金の内面１ａに可動自在に嵌合し
上端の凹凸面が上カム下端の凹凸面と対応する形
状としてある。４は上下カム２，３の中心部に挿
通した縦軸で、上部４ａは円柱状で上カム２の内
面を通つて固定金１の上方に突出せしめてあり、
下部４ｂは角柱状で下カム３の角孔ｈと合致して
該下カムと連動し且つ固定金１の下方に垂下して
いる。５は縦軸４の下部４ｂに装付した下カム３
の押上げばねで、下端を縦軸下端に螺着したナツ
ト６に、且つ上端を下カム３の下面に臨ませてあ
る。７は縦軸４の上部に取付けた鍔ｔ付きの支軸
で、内面を縦軸上端に螺着し、鍔ｔの下端と固定
金１の間にスラストベアリング８を介在せしめて
ある。９は支軸７に嵌合し且つピンＰで固着した
門扉Ｂの取付金で、板面９ａが門扉Ｂの柱に固着
されている。

なお上述実施例では固定金１を直接門柱Ａに固
着した構成としてあるが、第７図示のように門柱
Ａに固着されるケースＫの内側に固定金１を挿入
しておくと左右への調節ができるという利便があ
る。

また、下カム３と縦軸４の結合は図示の角形状
に限定されるものではなく、例えば溝孔と突部の
組合わせにするようにしてもよい。

〈考案の効果〉 この考案は次のような特有の効果を発揮する。

(1) 開いた門扉Ｂから手を離すと押上げばね５の
復帰作用で下カム３が上昇し併せて縦軸４が下
カムと共に回動して門扉Ｂが自動的に閉じられ
るので閉扉操作が円滑に行われる。すなわち押
上げばね５は単に下カム３を押し上げるのみで
あるから、ばねの復帰力が直接門扉に加わるも
のではなく門扉の戻りが穏やかで極めて安全で
あり、然も押上げばね５に強靱さが要求されな
い。

(2) 部品点数が少なく構造も簡単であるからドア
チエツクのように高価とならず、取付に煩わし
い手間を要しないため、あらゆる門扉に広く実
施できる。

(3) 縦軸４と押上げばね５が固定金１の下面に突
出しているのみで殆んど従来の門扉取付金具と
変らない外観のため体裁が頗るよい。

(4) 上下カム２，３及び縦軸４は固定金１と支軸
７でカバーされているため風雨塵挨などが装置
内部に浸入することがなく、従つて腐触や機能
の低下を来たすこともないので耐久性を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部縦断面図、第２図は第１
図の取付状態を示す正面図、第３図は門扉を開い
た状態の平面図、第４図は第３図の正面図、第５
図は上下カムの正面図、第６図は下カムの斜視
図、第７図は固定金の他の実施例を示す平面図で
ある。 １……固定金、２……上カム、３……下カム、
４……縦軸、５……押上げばね、７……支軸、９
……取付金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定金１の先端部に埋設した上カム２に固定金
   内面を可動する下カム３を臨ませ、上下カム２，
   ３の中心部に挿通した縦軸４上部を固定金１の上
   方に突出せしめると共に縦軸４の回動に連動する
   下カム３の下面に、縦軸下部に装付した押上げば
   ね５を臨ませ、而して縦軸４上部に固着した支軸
   ７に門扉取付金９を嵌合固着してなる門扉用自動
   閉扉装置。